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New Maxi Single「NAVY BLUE」 前作「Run up」では数多くの人気音楽番組に出演し、 作品世界とはギャップを感じさせるキュートなキャラクターで、さらに魅力を感じさせてくれた愛内里菜。約3カ月振りに発表されるニュー・マキシ・シングル「NAVY BLUE」は、これまでのダンス・ナンバーとはひと味違う、シングルでは初のミディアム・バラードとなっている。力強く夢に向かって進んでいくイメージが強かったこれまでの作品からは一転して、諦めなければならない、叶えられない想いを深みのある言葉で表現したラヴ・ソングは、デビューから1年半経ち、ますます振り幅が広がっている事を実感させてくれる。新境地を見せてくれた今作について話を聞いてみた。 |
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●前回テレビ出演された時、アンパンマンが好きとか言ってたりして、歌の世界しか知らない人は、愛内さんに対してそうとうギャップを感じていたと思ったんですが。 愛内里菜(以下:愛内):あの時はちょうど誕生日が重なっていたので、アンパンマン・グッズを贈ってくれた方がけっこういて。珍しいものとかもあって、家にアンパンマンが一杯います。ギャップっていうか、特徴のある声だから、会った人にはいつもびっくりされるので(笑)。テレビ出演の時も、同じ出演者の方に突っ込まれたりしましたし。 ●声優になりたかったって言われてましたけど、その他になりたかったものは? 愛内:小さい頃はケーキ屋さんの人と結婚したいって思ってました。誕生日とかに特別なケーキを作ってもらえるし。小学校からは声優になりたくて、オーディションを受けたりしてたので、その後はずっと声優になりたかったですね。 ●アーティストというか、歌をうたいたいって思ったのはいつ頃から? 愛内:高校の時。カラオケがすごい流行っていて、その時に「上手いね」って言われるよりも、「声を聴いていたら安心する」とか「ホッとするから歌って」って、そういう風に言われる事が多くて。自分がこうやって歌う事で友達を安心させてあげられるというか、癒してあげられるっていう、そういう力ってすごいなって思って。そこから歌を歌いたいって思ったんです。それからヴォイス・レッスンに通ったりして。でも、ただ歌うだけだったらカラオケと同じだから、デビューする時には歌詞も書いて自分自身の気持ちを伝えていけたらなって。 ●「NAVY BLUE」はシングルでは初のミディアム・バラードで、一足早く冬をイメージさせる曲になっていますが、愛内さんが最初に聴いた時の印象は? 愛内:“切ない”の一言に尽きます。その“切ない”イメージからタイトル「NAVY BLUE」が出てきたんですが、私のイメージは海の底なんです。すごく深い深い所にいて、水面に上がって行きたいという想いはあるのに、水面で水の泡がクチャッて潰れていく感じ。伝えたい想いは深い所にこんなに一杯あるのに、いざそうやって出られそうな水面になると、自分の感情も何もかもクチャッて潰されてしまう。救いの手が一つあればそこから引き上げてもらえそうな所にいるかもしれないのに、深い所と水面の狭間みたいな所に気持ちがあるっていうイメージ。そこから歌詞を書いていきました。 ●前作「Run up」はすごく力強い気持ちが描かれているし、それは今までの作品全体にも通じているテーマだったと思うんです。だから今回は、違った一面が出た歌詞になっているなと感じたのですが。 愛内:「FAITH」とか「Run up」は、頑張れば何とかなる、可能性があるんだからみんな諦めないでやっていこうって。同じ場所に立てなくても、それぞれの場所で始めたらいいじゃないっていう事を言っていたんですけど。その2曲の詞をふと考えた時に、恋愛ってお互いの気持ちがあるので、最後の別れを選ぶ時が最高の愛情になったり、最高の勇気だったりする、諦めるのが大事な時っていうのがあるかもしれないって。今までは諦めないでいようって事を言っていたけど、諦めるのが最高になる時もあるよなって思った時に、この詞が広がってちょっと違う視点で書けたんです。 ●相手を大切に想って身を引く事ですよね。 愛内:そういうのも必要だと思うし。相手にとっても自分にとっても、諦めずに行ったからといって幸せが見えるわけじゃないっていうか。 ●今までの歌詞は言葉が直接的に目に入って来たんですが、今回は言葉の裏側というか、深みが出た内容のフレーズになっていますね。出来た歌詞をご自分で見て、何か感じた事はありましたか? 愛内:「FAITH」「Run up」はちょうどクラブ・サーキットで全国を廻っていた時だったので、自分の感情とすごく混じっていたというか。たくさんの人と接したっていうのもあって、頑張るぞ、負けないぞっていう、自分に対してのメッセージ・ソングでもあったりして、視点がそっちの方に偏っていたんです。今回はまた新しいタイプの楽曲を貰ったので、もう1度恋愛や心の内面に視点を向けてみようかなって。1年半前に書き始めた頃から、1つ間を置いたのが良かったのかもしれないですね。 ●そういうモード・チェンジが出来たのは、やっぱりクラブ・サーキットで人前に出た事が大きかった? 愛内:そうですね。制作が中心で、スタジオと家の行き来であんまり環境が変わらないっていうか、自分の置かれている立場みたいなのがそんなに明確に見えない、不確かな所でやってきたっていうのがあったので。出会った人はまだ少ないんだけど、各地を廻って、陰で支えてくれている初めて会った人も多くて。ファンの人も含めて、そうやって色んな人に支えられているから、自分がここでこうしていられるんだなって、確かなものが1つ出来たって感じだったんです。だから、そういう気持ちがすごく詞に出ていました。 ●相手を思いやるっていう点では、この作品の気持ちにも反映されていますね。ヴォーカルも凛とした感じで、力で押し切ってないと思ったのですが、何かこだわりはありましたか? 愛内:ミディアムやスローだからというのではなく、言葉を大切にして歌う事を常に心掛けているので、今回はこうしましたっていうこだわりはないんです。曲やグルーヴ感を大切にしていくと、今回は自然にちょっとしっとりとした感じにはなっていったんでしょうね。自分では意識してないんですけど、テレビ収録の時も「歌い方を変えたんですか?」って言われたりしましたね。 ●カップリングはラテンっぽい感じのハウス・ナンバーになっていますが、これはどんなイメージでしたか? 愛内:すごく対照的に感じると思うんですが、でも両方とも底に“切なさ”みたいなのを感じて。「NAVY BLUE」はしっとりとした切なさだけど、こっちは熱い切なさというか、“欲”みたいなのを感じましたね。愛に対しての欲。実際にその場所にいると愛情に対してのキリっていうか、その範囲が見えなくなっちゃうじゃないですか。分からなくなって相手を縛るから、きっと相手に“約束”っていう保証みたいなものを求めてしまうんだと思うんです。でもそこで一番縛られているのって、約束を求めている自分自身であって、その約束を守られなければ自分がすごくガンと落ちちゃうわけで。自分に対しての駆け引きじゃないですけど、それが分かっていても約束みたいなのが欲しいっていうか。きっとその約束の中には辛さしかないって分かっていても、自分を落ち着かせるために相手を拘束する約束をしてしまうみたいな。そういう割り切れない女の子の気持ちっていうか、欲の激しさっていうか、そういうのをポイントにおいて書いてみたんです。 ●“信じる強さが足りなかった”ってありますけど、この主人公は信じられればそこまで苦しくなかったんですよね。 愛内:そうですね。どこまで相手が自分のものになるのかが分からなくなっちゃうっていうか、初めて会った時は話をしているだけでいいかもしれないけど、その次にはきっと手をつなぎたくなると思うし、それを越えれば抱き締めて欲しくなるし。スタート地点とかで、些細なことでも信じ合っていれば2人は一緒だったのに、気持ちがエスカレートしていくと、どこまで相手のものになりきっているのかが分からなくなるという。 ●1つでも不安が出てくると、もう何を信じていいのかって感じなんですね。 愛内:一歩離れて見る事が出来るといいのかもしれないけど、分からなくなってしまう人達がけっこう多いんじゃないかな。女の子の気持ちに限らず、男女共に束縛したくなる気持ちになる人はけっこう多いんじゃないかなって。 ●同じ切なさからでもぜんぜん違う恋愛の話になっていますが、愛内さんは歌詞をメモしたりストックしたりしているんですか? 愛内:曲を聴いて、パッと思い付いたイメージから書く事の方が多いですね。友達の話とか、昔こういう事があったよなってその辺に近い気持ちを思い浮かべながら、自分の記憶を辿っていって。自分はここではこうするけど、きっと反対のタイプもいるよねって思ったら、その反対のタイプを広げていったりとか。自分の経験が一つのレールになっていて、そこから枝分かれして想像を膨らませて書く事が多いかな。 ●ちなみに愛内さんは、好きな人が出来るとどんな感じになるんですか。 愛内:もう、真直ぐで、相手しか見えなくなっちゃう。 ●じゃあ、今回だと「Broken Heart」に近い感じですか? 愛内:この2曲の中間かもしれない。けっこう尽くすのが好きなタイプなので、あんまり相手に尽くされると……(笑)。自分から追い掛けてしまうタイプかも。 ●そう言われると、確かに歌詞もそっちの感じが多いかも。 愛内:積極的な感じで 。正直なんです気持ちに(笑)。 ●デビューから1年半たって、シングルも順調でアルバムもリリースしたし、テレビ出演もしていますが、この間、自分の中ですごく変わったなって思う所はありますか? 愛内:さっき言ったみたいに、自分自身で一番心を打たれたっていうか、自分がいる事に自信を持てたのはクラブ・サーキット。こもっているって言うとおかしいけど、周りが見えない状況で作品を作っていたので。それでいきなり周りのものが見えてきて、それが自分にとって必要で大切で、すごく支えられているっていう、そういう事がすごく今までの中で大きかった。その時がちょうど1年目ぐらいで、その時受けた感じが今にしても大きくってすごくありがたいです。本当に自信とか勇気につながったので。 ●そこで一番刺激的だったのは? 愛内:いつも大阪のスタッフに支えられていて、それもありがたいと思っていたんですけど、各地に行くごとに「愛内さんをずっと応援してきたんですよ」って人に出会えて。そういう人が陰にいてくれたんだっていう驚きと、どこに行っても応援してくれるファンの人達とか、そういうのがすごく心強くって。だからもっともっと応えるためっていうか、自分が居る場所を明確にしてくれたので頑張らないとって。歌で勇気をあげに行こうって思っていたのに、反対に勇気を貰えたっていう感じで、それが衝撃的でしたね。 ●それまでは煮詰まっても自分一人って感じだったのが、みんながいるからって落ち込んでいられなくなったのでは? 愛内:そう、こんな事で落ち込んでいたら何も始まらないって、ポジティヴに思えるパワーが増えました。 ●「A☆RINA SHOW」(スカイパーフェクTV ! 272ch.)ではパーソナリティも始めましたね。 愛内:カメラと一対一でやる事にまだ慣れないので一杯一杯なんですけど、歌とは違って自分の事だったり、50年代や60年代っていう一番好きな女優さんがいる時代のオールディーズの作品を紹介出来たりと、自分自身でも楽しんでます。その楽しさを伝えるようにはしています。 ●そうなると、勉強のために音楽とか映画も意識して聴いたり観たりしている? 愛内:最近はビデオを観るのにハマっています。この時代のセクシーな女優さんがすごく気になっているんです。セクシーで格好良いっていうのを参考に目指したいって思っているので。ブリジッド・バルドーが一番好きなんですけど、最近ファッション的に気になっているのはマリリン・モンローですね。 ●どんなファッションですか? 愛内:見たのがミュージカルっぽいものだったので、ドレス系なもの。だけどそのセクシーさを、上手く自分のファッションの中にスパイスとして取り入れられたらなって思って色々と見ているんです。 ●今回はジャケット写真もしっとりですね。 愛内:ジャケットとアーティスト写真は、詞の雰囲気でしっとりした感じになっています。テレビの方では、さっき言ったセクシーさを意識した格好良さできめてみました。見てのお楽しみという事で。 ●今後の予定や目標はありますか? 愛内:アルバム制作を中心に頑張っています。 ●こんな曲をやってみたいというのは? 愛内:色々と挑戦したいけど、ロックっぽいのとかラテンっぽいものとか、色んなジャンルの音楽に挑戦して、それを愛内節で表現したいですね。まだアルバムがどうなっていくのかは分からないんですけど、大阪に帰ったらすぐスタジオに入るし、制作活動は休む事なくずっと続けています。 ●こうやってプロモーションの時に東京に来ていますが、愛内さんくらいの年頃って東京に憧れたりしませんか? 関西へのこだわりや、関西で作り続ける楽しさっていうのを最後に教えて下さい。 愛内:関西でも制作ができるって言われた時はホッとしました。大阪が好きだし、支えてくれる家族や友達が居て安心して出来るっていうのは、メンタル的な部分ですごく大きいですね。一時期は雑誌を見て、東京のこのお店で洋服を買いたいっていうのもあったけど、最近は大阪にもすごく洋服屋さんが増えてきたし。古い通りがファッション通りになっていたり、大阪にしかないブランドも最近は見つけました。関西発信のものも多くなっているので、大阪らしいものを出して、私がみんなに伝えていけたらなって。自慢の大阪で活動出来るっていうことを、もっと自慢していきたいって思っています。 |
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