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2nd Maxi Single「Special Holynight」 人気アニメ「名探偵コナン」のエンディング・テーマとしてオンエアされたデビュー・シングル「青い青いこの地球に」が、いきなりシングル・チャートの9位にランク・インし、既に話題沸騰中のニュー・カマーとなっている上原あずみ。早くもセカンド・シングル「Special Holynight」が12月5日にリリースされた。前作以上にキャッチーなナンバーに仕上がったこのクリスマス・ソングは、NTTドコモM-stage music のCMソングとしてオンエア中。またこのCMには本人も出演しており、ますます彼女への注目度は高まるばかり! “後ろ向きは前向きに生きる準備段階”という独特のポリシーを持った彼女が描く詞世界には、言葉にすると上手く表現出来ない同世代の揺れ動く気持ちが表されている。心の底にまだまだ何かを隠し持っていると感じる興味深い存在である彼女に、作品について、そして最近の彼女自身について話を聞いてみた。 |
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***information*** official website→http://www.azumi-uehara.com/ ★次号(2002年1月)から本誌にて上原さんの連載がスタートします。お楽しみに!! ★★「上原あずみの Radioあずミラクル」(ニッポン放送毎週木曜日21:30〜21:50)好評オンエア中! 番組への質問、感想はazumi@allnightnippon.comまで。 |
***上原あずみ Interview*** ●デビュー・シングル「青い青いこの地球に」がシングル・チャートの9位に入ったということで、まずその感想から聞かせて下さい。 上原あずみ(以下:上原):具体的な数で言われても分からないんですけど、たくさんの人に聴いて貰えたっていうのがすごく嬉しい。 ●この情報はどこで聞いたのですか? 上原:マネージャーさんと事務所の方とちょうど東京に来ていて、買い物をしていた時に電話が掛かってきて。 ●リリース当日はどのように過ごしていましたか? 上原:リリースの前の日から東京で仕事をしていたんですけど、その空き時間にCDショップに行って、自分のCDが置いてある試聴機の所で、買ってくれる人がいるかなって見ていました(笑)。 ●多くの人が聴いてくれている実感というのは? 上原:あんまり実感はないんですけど、CDを聴いてくれた方の声を聞くと、「もうCDを出したんだな」って。あと、どこかに出掛けていて曲が流れてたりすると、改めて実感します。 ●休む間もなく2ndシングルがリリースされますが、今回も作詞をされていますね。今作を聴いた時のイメージと、伝えたかったテーマを教えて下さい。 上原:デモ・テープを初めて聴いた時に、すごく冬っぽい曲だなって思いました。あとは幸せそうなクリスマスを連想したので、詞を書く時はそのイメージを意識して書いて行きました。 ●クリスマスでも人それぞれのものがあると思うのですが、上原さんが今回描きたいと思ったのはどういうものですか? 上原:クリスマスはクリスマスでも、幸せなものっていうのが一番で、聴いていてワクワクしたり楽しみになるような、そんなイメージのものです。 ●この歌詞には、言いたいけど言えない、片想いの気持ちが描かれていますね。 上原:その主人公は女の子なんですけど、相手に気持ちを伝えられないっていう想いはみんなあると思うんですよ。気持ちを伝えるのがちょっと怖いけど、でも伝えてみようかとか。そういう誰の周りにでもある正直な気持ちを書いてみました。 ●“大切な事はどうして 曖昧なとこに在ってもどかしい”というフレーズがちょっと気になったんですけど。前作のカップリング「Precious Days」にも“人はいつだって 失う事からでしか 一番大切なものに気付けないから”とあったので、上原さんの中で“大切なもの”に対しての自分なりの捉え方があるんだなと。 上原:一番大切なものって、目に見えないものが多いと思うんですよ。目に見えないから、本当にあるのかとか、どこにあるのかとか、すごく分からないんだと思う。だからもし手に入れてたとしても、すごく失いやすいと思うんです。私にとっての“大切なもの”というのは、もどかしいというか、いつ無くなるのか分からない、危ないものだという気持ちがすごくあります。 ●じゃあ、上原さんは日々大切なものを意識しながら生活している感じですか? 上原:意識しないと、見えなくなっちゃいそうなので、今はけっこう意識しています。 ●作詞ではこれからどういうものを書いていきたいですか? 上原:自分が感じた事や思った事など、嘘じゃないものっていうのが一番で、自分の正直な気持ちを曲に合うように付けていけたらと思います。普段の生活の中でも、今までは詞の事とかは考えなかったんですけど、最近は思ったらメモするようになって。まだ言葉にしてあるだけなので、ぜんぜん形にはなってないんですけど。こういう感じの曲調だったらこういうテーマにしたいとか、こういう詞にしたいっていうのはあります。 ●上原さんは本が好きで、特に好きなのが「星の王子様」や「果てしない物語」ですが、こういうファンタジーを読んでいると、もっと空想の世界の歌詞を書くのかなと思ったりしたのですが。 上原:それはないですけど、でもけっこう妄想はします。 ●どんな妄想ですか? 上原:良い事も悪い事もあるんですけど、嫌な事があると「きっとこうなって行くんだろうな」ってもっと嫌な風に考えたり。で、いいことがあると、現実ではまだまだなのに「きっとこうなっていくんだろうな」ってやたらいい方向に考えたりして。 ●じゃあ、今の自分がどうなっていくかってのはどういう風に考えてますか? 上原:最近はやる事がちゃんとあるので、未来の事よりも今をしっかり考えられるようになっているので、今後の事はそんなに妄想してないんです。 ●前までは、今をしっかり考えてなかった? 上原:前は過去か未来の事ばかりで、今は考えなかったんです。それで、今ちゃんとやるべき事や、しないといけない事をやらなかったので、だから何も変わらないってつまらなく思っていたりして。 ●それって、わざと今を考えないようにしていたと思うんですけど、それは何が原因だったんでしょうね。 上原:やっぱり上手くいってなかったっていうか、ぜんぜん思い通りに自分が動けなかったから。現実から逃げるっていうか、見たくないっていうのがすごくあって。 ●今は見つめられるという感じ? 上原:はい。今が楽しくて充実しているのは、やっぱりすごく大きいと思います。 ●前に自信がなかった理由にそういう風に目標がなかったからって言ってましたけど、周りから見れば上原さんって可愛いし、目標がないだけで自信のない生活してきたっていうのが信じられないんです。今思うと、何が足りなくてそんなに自信がなかったんだと思いますか? 上原:それは自分が嫌いで、素の自分を受け入れられなかったからです。他の人が何か良いように言ってくれても、自分自身の気持ちが変わらなかったので。やっぱり一番最初にどうにかしないと駄目なのは、自分自身なんだなって改めて感じています。 ●今は詞を書いたり考えたりする事で、自分を受け入れないといけない状態になっていますが、その気持ちにはちゃんと追いついていますか? 上原:そうですね。詞を書く事で、まだ整理できていなかった事や、まだ客観的に見れていなかった事が、けっこう見れるようになったりしたので。あとは、書く事によって鍛えられる事があるんだなっていうのを知りました。 ●カップリング「fly away」についてですが、こちらは大人びた曲で歌詞も深い心象風景を綴っていますね。 上原:この曲は悲しい時に聴くともっと悲しくなるような、そんな曲にしたいって考えていたんです。でも、その悲しさっていうのは無駄な悲しみではなくって、それを知る事で次や明日につながって行く、そういう良い意味での落ち込みとか悲しみを表現しているんです。 ●上原さんが持っている“後ろ向きは前向きの準備段階”っていうポリシーがすごく感じられる歌詞になっていますね。 上原:この詞では一つの過程を書いているのですが、どんな事でもどこかに救いがあると思うし、そう思いたいので、自然とそういう書き方になっているんだと思います。 ●最後の“この目で絶望の果て(すべて)見たから”というフレーズが印象的ですね。 上原:自分にとってこれ以上の悲しみはないっていうのを経験して、それを乗り越える事が出来たと信じられれば、その後に何かちょっと悲しい事があったとしても、“あの時を乗り越えられたんだから大丈夫かな?”って気持ちの余裕が出てくると思うんですよ。悲しい事は悲しいままだったりと、悲しみに慣れる事は難しいとは思うのですが、そういう時にちょっとでも余裕とか前向きな気持ちがあれば、すごく救われるなって思ったので。だからその最後の所は、自分の一番の悲しみを見たからもう怖くないよねっていう、ちょっと希望があるような感じなんです。普通は悲しい事があったら、そこから抜け出そうとするのが普通だと思うんですけど、この詞のように逆の事を考えたり、まずは落ち着いて全部を客観視できるようにしてから、自然に身を任せてみる。そういうのが意外にも一番の解決方法だったり、意外な出口だったりするんだよっていうのを伝えたくて。タイトルの「fly away」は、色々あったとしてもこれからは大丈夫だよねっていう、“飛び立ちたい”っていう意味が込められているんです。 ●2作目だったのでレコーディングの方は順調に行きましたか? 上原:だいぶ慣れてきました。あと、歌うのがより好きになってきて、気持ちに余裕を持ってレコーディングをする事が出来ました。 ●ちなみに、上原さんのクリスマスの想い出はどんなものですか? 上原:クリスマスになると街のイルミネーションが綺麗になったり、クリスマス・ツリーが飾られたりして、すごく楽しい雰囲気。あと、クリスマスというと1人な想い出があります。 ●1人っていうのは? 上原:家で毎年テレビを見てたり。人と過ごした事がないので、特にそんな想い出はないんです。 ●勝手に想像する上原さんの性格では、周囲の人みたいに異様にハシャいだりはしないタイプだと感じていたんです。 上原:そういうのが出来ないっていうのがあって、しないって感じでした。……出来ないっていうのがすごくありました。 ●出来ないっていうのは、ワーッて盛り上がるのが? 上原:それは出来るんですけど、それが終わったらすごい虚しい気持ちが込み上げてくるっていうか。ひとときだけ楽しい事があっても、それが終わったらまた同じ感じに戻るのがすごい嫌だったんです。 ●上原さんは、臆病で傷つきやすい人なのでしょうか。 上原:どうなんでしょう。そういう怖がる所と、正反対な所とすごく極端です。 ●だから強いものに憧れて、格闘技やアクション映画が好きなのかなって思ったりしたんですけど。 上原:はい、強いものには憧れます。そういう風に自分がなりたいっていう憧れがすごくありますね。 ●実際はどうなんですか? 上原:1人になったとしても、けっこう自分で何とかして生きていけるかなとは思います。1人で生きて来た訳ではないけど、でも誰かに自分の事を話して助けて貰おうとか、そういう事がなかったので。あと、1人でいる事が好きだったりするし、けっこう色々と今までの事を振り返ってみると、大丈夫かなって思います。 ●見た目は誰かが居ないとってタイプに見えますよね。 上原:そうですね。外見とか雰囲気ではそういう風に言われるんですけど、話をしてみるとぜんぜんそうじゃないねって言われます(笑)。 ●おっとりとした話し方なので、もっとのんびり屋さんなのかなって思っていたのですが。 上原:以前は穏やかに過ごしたいって思っていたから、それがけっこう動作とか話し方にも現れているんだと思います。 ●穏やかに生きていきたいって思ってたんですか(笑)? 上原:はい。平和にとか。波風あるっていうよりも、普通でいいから平坦にって。 ●今後、活動していくとなると、平坦な道っていうのはあり得ないですね。 上原:そうですね。でも、やる事があった方が楽しっていうのが、今はすごく分かりました。 ●今後の目標を教えて下さい。 上原:来年はドラムをやってみたいです。 ●どうしてドラムなんですか? 上原:ゲーム・センターにあるドラムのゲームで上手にやっている人を見ると、自分もああいう風に出来るようになりたいなって。今は楽器をぜんぜんやってないので、何かやりたいなって思って。 ●作曲にも興味があるそうですね。 上原:すごい興味があるんです。前にピアノをやっていたんですが、それが音楽を聴くキッカケになったので、それを活かせたらなって。 ●自分で作るならこういう曲を作りたいっていうのはありますか? 上原:詞を先に書いて、それで曲を作るとかっていうのをやってみたいです。 ●ライヴやテレビに出て、人前で歌うっていうのはどうですか? 上原:予定はないんですけど、もう少し余裕が出たら、ライヴもやってみたいです。 ●ラジオのパーソナリティをされていますが、そちらはスムーズに行ってますか? 上原:ひとりでしゃべるのが難しいって事に気づきましたが、すごく楽しみながらやっています。ラジオではしゃべるテンポはもう少し早目なんです。恋愛っぽいものや格闘技、写真を一枚撮ってそれに詩をつけたりと、いくつかのコーナーがあるんですけど、そういうのを考えるのも楽しいです。ラジオだからその時は写真が見れないんですけど、ホームページには載っています。 ●来年の予定は? 上原:まだぜんぜん決まってないです。 ●じゃあ、その間にドラム叩いてみたりして? 上原:それは、是非やりたいです。 ●今回、この曲が流れているNTTのCMにも出演されてますね。その時の事を教えて下さい。 上原:CMの撮影ももちろん初めてで、そういう撮影を自分がやるって思ってなかったんですけど、楽しんで出来ました。スタジオの中に公園のセットを作ってあったり、本物の樹がすごく一杯置いてあったり、天井からブランコが吊るしてあったりして、こんなセットが出来るんだって驚きながら撮影していました。 ●演技もしないといけなかったと思うのですが、それはどうでしたか? 上原:演技っていっても本当にちょっとの事で、歌を口ずさんだり、ブランコに乗ったり、紙飛行機を飛ばしたりするぐらいだったんです。デビュー・シングルでPV撮影を経験していたので、大丈夫でした。 ●CMにも出て、ラジオのパーソナリティもやってますが、歌は今の上原さんの中でどういう位置にありますか? 上原:他の事も大切ですけど、やっぱり歌が一番大切で、まずはそれを頑張っていきたいです。 ●人前で歌うのも苦手なほど恥ずかしがり屋だった上原さんが、歌を歌う事によって今の自分はどうなれたと思いますか? 上原:作品を出すまでの過程で色んな発見や、前は出来なかった事が出来るようになっていったりしたんです。そういう事がたくさんあったので、その中で得たものはすごく大きいと思っています。だから今は、これからどうなって行くのかが自分でもすごく楽しみなんです。 ●苦手意識が消えて、自分への自信が付いてきた? 上原:どこかにまだ苦手意識はあるんですけど、それよりも頑張ろうとか、もっと練習しようっていう、前向きな気持ちの方が大きいですね。 ●ネガティヴな性格は徐々に変わりつつある? 上原:変わるかどうかは分からないんですけど、ネガティヴな所が減って来てはいると思います。 ●家族とか友達に、変わったって言われたりします? 上原:けっこう聞きます。よく笑うようになったって言われます(笑)。 ●それは自分の中でどういう変化があったからだと思いますか? 上原:楽しい事が出来たり、やるべき事があったりと、何もないんじゃないんだって思えるようになったからかな。小さな事も大切だと思えるようになりました。 |
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