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New Album『ZARD BLEND II 〜LEAF & SNOW〜』 今年でデビュー10周年を迎えるZARDが、11月21日に冬をテーマに選曲したウィンター・ベスト・セレクション・アルバム『ZARD BLEND II 〜LEAF & SNOW〜』をリリースした。ヴォーカル坂井泉水によるこだわりのセレクションがされているこのアルバムについて、今月号では本人に詳しく話を聞いてみた。 |
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◆◆◆Winter Best Selection & 10th Anniversary◆◆◆ ●『ZARD BLEND II〜LEAF&SNOW〜』は冬をテーマにされていますが、楽曲をセレクションしたポイントを教えて下さい。 坂井泉水:『ZARD BLEND〜SUN&STONE〜』を発表した時に、いずれは『ZARD BLEND II』 みたいなものは出したいと考えていました。選曲に関しては、“冬”というテーマが決まっていたので、ある意味ではスムーズに行ったかな……。また、今まで作品をリリースしてきた中で、私は、“B面にも手を抜かない”というポリシーを持っていましたし、そんな部分をファンの方達も理解してくれて、「いつか何らかの形でそれらの楽曲をリリースして欲しい」という要望もあり……、今回は結果的にですが、それも兼ねた選曲のアルバムになりました。 シングル曲もキャッチーというよりは、アルバム寄りの楽曲ですし、隠れた名曲をもう一度皆さんに聴いて頂きたいという思いが強かったですね。 ●“〜LEAF & SNOW〜”というサブ・タイトルにはどういう意味が込まれていますか? 坂井:語感もあるのですが、 葉の朽ちる様から雪の降る“時間(時期・時季)”を表現しています。ちょっとスノッブでデリケートな感じを出したかったので。私が“葉と雪”に抱くイメージは、良い意味での“重み”であり、“様変わり”ですね。 ●「クリスマス タイム」はZARDバージョンですが、レコーディングで何か印象に残ったことはありますか? 坂井:まず、ヴォーカル入れをする前にバルビエ(栗林さん)の「クリスマス タイム」を聴いて、気持ちを何年か前にタイム・スリップさせました(笑)。マイクの前で“この声は昔っぽいですよね〜”“今のテイクはもう最近の私の声だな〜”と独り言をブツブツ言いながら…………(笑)。基本的にはバルビエの(コーラス)ラインをハモってもらい、間奏を聴いた時にビリー・ジョエルの「アップタウン・ガール」の間奏をイメージしたので、(私も歌っていますが)そんな感じでお願いしました。 ●初夏から夏にかけてリリースされた曲(「You and me(and...)」「あなたに帰りたい」「永遠」)も収録されていますが、これには何か理由があるのでしょうか? 坂井:そう言われて見れば……。リリースが夏ということは制作時期は半年前の冬だったり、更にその3カ月前の秋だったりするので、制作者側としての気持ちが影響しているのかもしれませんね。私のイメージではこれらの楽曲は秋なんですよ。 ●坂井さんにとって“冬”はどんなイメージがありますか? 坂井:音楽に関して言えば、季節と音楽は密接に繋がっていると思います。ただ私は“天の邪鬼”な所があるので、冬=バラードというのは実はあまり好きではないんですよね(笑)。ZARDに夏のイメージが強くあるみたいですが、デビュー曲 「Good-bye My Loneliness」は真冬(2月)にリリースされましたし、初期の頃は割と“ZARD=冬”のイメージだったんです。清涼飲料水のタイアップもあり、「揺れる想い」ぐらいから夏のイメージが定着して、特に季節の限定というものが無くなりましたから、何か不思議な感じがします。 ●坂井さん自身の想い出のウィンター・ソングやクリスマス・ソングがあったら教えて下さい。 坂井:「ホワイトクリスマス」と「ラストクリスマス」の2曲ですね。「ホワイトクリスマス」は、“I'm dreamin'〜♪”とよく家で歌ったりしていました。ワムの「ラストクリスマス」はプロモーション・ビデオが鮮烈で忘れられません。あの男の人は ちょっと許せないですけどね(笑)。この2曲のちょっと影のある所に惹かれるのかな。 ●このアルバムはどんな風に聴いて貰いたいですか? また、ここを聴いて欲しいといったポイントはどこですか? 坂井:既存の曲ですが、“ZARDのイメージってこんな感じだったのかなぁ……”と再発見して頂いたり、私がそうであったように“忘れかけていたけど、ZARDの曲が聴きたい”と思って(思い出して)頂けたら嬉しいですね。それから声質が微妙に違うので、そういう変化も懐かしんで貰えたら……。シチュエーションとしては、恋人とのドライブや、夜寝る前にウォークマンで聴いてみてはいかがでしょうか。 ●今年で10周年という事ですが、改めて振り返ってみていかがですか? 坂井:もっと派手な10周年かと思っていたんですけど、私らしい10周年で(笑)。 2月にアルバム『時間の翼』のリリースがありましたが、例年になく充実していましたし、また、のんびりもさせて頂きました。“10年間よく頑張ったね”と少しだけ自分を誉めてあげて、それからは振り返ってばかりいないで“未来に向けて動き出そう”という感じでしょうか。記録も大事だけれど“記憶に残る人、楽曲”でありたいと思っています。坂井泉水としては、これからも感性を大切にしたいですね。 ●作詞において、坂井さん自身が感じている変化はいかがですか? 坂井:経験を積めば、どんな人でもものの見方は変わると思います。頭の中だけでシミュレーションをしているものは、経験から出る言葉の深さにはまったく及ばないですね。 着想、インスピレーションの元は環境によって変わるので、音楽というファインダーを通して良い詞を書くためには、右脳だけではなく左脳ももっと使わないといけないなぁと感じています。例えば、普遍的な“愛”というテーマがあっても、それを上から見るのか下や斜めから見るのか……。角度を変えて見ると必然的に選ぶ“言葉”や“表現”も変わってくると思うんです。でも、よ〜く考えてみると、世の中の事もそうですけど万事根本的な事は一つだったりもする……理屈を言い出すと詞のリアリティが無くなりそうですが(笑)、最近そんな風に思っています。 ●デビュー当時にあった、10年後の自分自身のイメージは? 坂井:想像ではママになっている筈だったのに(笑)。“長く出来ることを望んでいた”ようにも思うけど、実際にはあまり将来の事は考えてなかったかな? 何かを得て、何かを失って……と、そんな繰り返しで活動してきました。そんなに多くはないけれど、今までに色々な出会いがあったし、好きな音楽を続けることも出来たので、 現在の自分はある意味では理想的ですね。 ●2002年の具体的な活動予定や、やってみたい事などがあれば教えて下さい。 坂井:想い出をたくさん作りたいので、2002年は精力的になろうかしら……と。あとは 良いシングルを出して、やっぱり“ZARDの曲、坂井泉水っていいよね”って言って貰えるように頑張りたいですね。良い楽曲を作り、例えば何らかの形で皆さんの前で歌 うとか???、ごめんなさい、これから決めます!(笑)。 |
◆◆◆Self Liner Notes◆◆◆ 1.私だけ見つめて 私自身、忘れかけていた曲(御免なさい!)だったんですけど、今はかえって新鮮に聴こえます。こんなアクティヴな楽曲も案外イイナと思えるし、ストレートで攻撃的な主人公を近年あまり書くことが無いので次のアルバムには、何曲か「悪女」をテーマに歌詞を書いてみようかなあ(笑)? 2.あなたを感じていたい 白い吐息で「ああ冬が来た」と感じることはないですか? 寒い薄暗い朝に(主に母性を感じさせる)女性が両手を口のところに持って行くその仕草に色香を感じるのですが。そんな女性がこの詞のストーリーの主人公です。 3.もう少し あと少し… 間奏のスチール・ギターに哀愁が漂っていますよね。間奏を聴いて、3番のサビを歌おうとする時、何か込み上げてくる感情があって(何十回も歌うので)「哀しい気持ちになってつらいな〜」と思いながらヴォーカル入れをしていました(笑)。 4.My Baby Grand〜ぬくもりが欲しくて〜 この地味なミックス・バランスが私はとても好きなんですよ。口癖のようですが何回トラック・ダウンをして頂いたことでしょう……。 5.黄昏にMy Lonely Heart サビのリズム(オケ全体)が弾んでいるので、歌詞の主人公……深刻な男女の別れのストーリーを救いのある方向へと持って行ってくれてますね。Bメロの一瞬転調する部分といい、メロディに起承転結があり、すごく詞が書きやすかったのを覚えています。 6.Boy シンプルな8(エイト)のギターは自分を主張しすぎず、我慢強いギター君です(笑)。弾く人の温もりが伝わってきますよね。こういう単調なミディアム・テンポのギターってものすごく技術を要するんですよ。だから安心してオケに身を任せて歌えたんだと思います。 7.Stray Love 国民的ではないのですが、これも「・・・記念日」の唄です(笑)。私の歌詞の中に「今」という単語も良く出てくるんですが、何故かこの言葉に背筋をシャンとさせる強迫観念を感じるんです。「今〜しなくちゃ」「今しかない」など英語で言う所の「must」や「have to」で捉え、すごく大事なことのように思えるのです。 8.Take me to your dream 国民的記念日をお祝する(?)唄を創ったことが無かったので、「Happy New Year」の厳かな(?)情景を詞にしたかったのです。スネアの音色・迫力・唸るギター 共々今聴いても圧巻です。 9.You and me(and…) 三角関係をテーマにした詞ですが、決して恨み言の要素だけにはしたくなかった。リアリティに希望的観測を入れたいといつも思っているのです。 10.あなたに帰りたい 普段、私達はサビの“ゴンゴンギター”と呼んでいますが、それがZARDサウンドの核となる一つでもありました。間奏のギター・ソロも秀逸ですよね。たぶんこの歌詞を受けて一緒にギターが鳴いてくれているのです……そんな独り善がりの意見を言いたくなります。 11.Just For You 今こんなにピュアで素直な詞が書けるのか自信がありません。世の中を見渡す私の・・・ファインダーが曇ってしまっているのかしら……(笑)? 12.Ready,Go! 「負けないで」に相応する元気ソングですよね。軽い気持ちで作ると不思議なもので、こういう開放的で前向きな詞になるんですよね。 13.Change my mind 繊細なアコースティック・ギターの音色というよりは、もっと芯の強さを感じさせる男性的なアコギの音色ですよね。スタジオ録りなのに(葉山さんはとにかく作業が早い!)まるで3ピースでライヴを演っているかのようなサウンド(アレンジ)はティー・タイムにどうぞというカンジですが、詞の内容はまたまたシリアスで……。 14.カナリヤ あるシンガーの物語。皆さんは私の事だと思うのでしょうか……。主人公(主役)が第一人称でもあるし第三人称でもあるというようなフィクションとノンフィクションの境をさ迷う感じですね。もともとのアレンジは沢山楽器の入った豪華な感じに仕上がっていたのですが、どうももう一つ好きになれなくて(御免なさい!)何回か試す内に「生のピアノ一本のほうがいいよね」ということになったのです。 15.クリスマス タイム(ZARD Version) ZARDバージョンは聴き込む程に「都コンブ」のように味わいがありますよ(笑)。いつもタイミングを逃していたので、好機に恵まれて嬉しい。 16.永遠〜君と僕との間に〜 ファンの皆様からキャノンEOSの“テレビ・サイズ”を音源化して欲しいという要望がかなり前からありましたので今回は1コーラス、サビのみですが収録することになりました。 シークレット・トラック「遠い星を数えて」 この曲もファンの皆様(特にファンクラブの方たち)に人気のある曲なんです。最後の最後にシークレット・トラックとして収録することにしました。 |
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