倉木麻衣
「爽健美茶 Natural Breeze 2001 happy live」
ライヴ・レポート at Zepp Osaka

 ライヴ・ビデオ
「倉木麻衣&Experience First live 2001 in Zepp Osaka」
 緊急リリース!!


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680万8098通もの応募があったコカコーラ社が協賛する倉木麻衣の1stライヴ「爽健美茶 Natural Breeze 2001 happy live 」。彼女にとって初のライヴであるばかりでなく、お披露目的な意味合いも持つ、この夏のプレミアム・ライヴの模様をミュージック・フリーク・マガジンでは特別取材!ツアー初日となった8月19日にZepp Osakaで行われたライヴの模様をレポートしよう。

 8月19日、午後6時。会場のZepp Osakaがオープンすると、整然と並んだ人の波が徐々に会場に吸い込まれる。入場の時、各自に爽健美茶500mlボトルとそれをホールドするネック・ストラップが手渡される。会場に入ると、ステージ上のスクリーンには、「爽健美茶Natural Breeze 2001 happy live」の文字。そう、今回の倉木麻衣ライヴは、コカコーラ社のキャンペーンと連動した無料招待ライヴなのだ。今夜、ここに招待された観客は1200倍を越す難関を突破して選ばれた、たった2000名あまり。10代〜20代を中心に。男女のカップルもあれば、男性同士、女性同士のペアもあり、みんな思い思いのスタイルで今日この場所に集まっていた。

 午後7時を10分ほど回った頃、場内が暗転。聞こえてきたヘリコプターの音。スクリーンには、近未来の世界の姿。不気味な音と共に1本の樹が巨大に膨れ上がり人類を脅かす。しかし、その樹は自らそうなろうとしているのではない。人類の様々な過ちがその樹を膨れ上がらせているのだ。その時、1人の少女が樹の“助けて!”という言葉を聞いて立ち上がった……。

 その瞬間、スクリーンには倉木麻衣の顔のアップが映し出され、同時にExperienceの演奏がスタート! 「おおーっ!」というオーディエンスの歓声、軽快なサウンドと共にライヴの幕は切って落とされた。「オーサカ! ゲンキデスカーッ? OK! Here we go! Mai・K!!!」。力強い掛け声と共に、ジェフリー・クエストのギターが「Stand Up」のイントロを奏でると、いよいよステージに倉木が走り込んできた! 「こんにちは、皆さん! 今日は盛り上がっていきましょうッ!」。途端に歌が始まった。そこには紛れもない倉木麻衣本人がいた。一気に盛り上がるオーディエンス。大きな手拍子が会場を埋め尽くす。トレードマークの髪を上げ、白いノースリーブのTシャツ(胸にはスパンコールで星条旗が縫い込まれている)とブルージーンズ、黒いベルトに赤いブーツというカジュアルなスタイル。想像以上に華奢な身体つき。だが、そのヴォーカルとなると、これが初めてのステージとは思えないくらい堂々としている。“Catch me a dream! 〜”と歌う倉木の姿がバック・スクリーンに映し出される。真剣な表情と共に、内から湧き上がる楽しさがこちらにも伝わってくる。

 続いて「Everything's All Right」。この曲では、倉木も軽いステップを踏んでステージをさっそうと闊歩する。エンディングではフェイクの歌声も披露し、ライヴ感たっぷりだ。「初めまして、倉木麻衣です。もう、今日はドキドキものでキンチョーしてるんですが、今日はみんな楽しみましょー」。固唾を呑んで見守っているオーディエンスを前に初めてのMC。さっきまでの大人びた歌の印象とは対照的に、まだ10代の姿をのぞかせる。会場から“カワイイーッ!”の声が飛ぶと恥ずかしそうな笑顔を見せた。ゆったりとしたテンポで始まったのは「Secret of my heart」。しっとりとしたメロディを丁寧に歌い上げる。真剣に言葉を紡ぎながら歌う彼女は、歌うことが好きでたまらない歌姫そのものだ。照明が赤いバック・ライトに変わり、ムーディでダンサブルなR& Bナンバー「Stepping ∞ Out」。YOKO B. Stoneのペンになるこのアダルトなナンバー“自分に魔法かければ∞(無限大)の強さになる〜”と歌う姿もサマになっている。ここで、途中歌い出しを間違えてしまったが、一瞬ペロッと舌を出してすぐに立ち直るあたり、度胸も据わっている。さらに続けて、静かなイントロと劇的な展開をもつ「happy days」へ。倉木のウィスパー系のヴォイスとクリーンな高音が堪能できる1曲は、彼女のヴォーカルの力を再認識させられた。「7月4日に2ndアルバム『Perfect Crime』を出したんだけど、皆さん聴いてくれたかな? それでは、次は2ndアルバムの中からこの曲を聴いて下さい」。静かなピアノのイントロが響く中、ステージには松明の炎が灯される。そんな中、スツールに浅く腰掛けた倉木がゆっくり歌い出したのは「The ROSE〜melody in the sky〜」。2ndアルバムのエンディングに収録されていた美しいバラード・ナンバーを、ピアノのバッキングだけで慈しむように歌っている。アルバムで聴いても素晴らしい曲だが、こうして生の声で歌われると、さらに倉木麻衣の歌声の素晴らしさに心打たれないわけにはいかない。

 静かな緊張感を引き継いで現れたのは、こちらもミディアム・バラードの傑作「Reach for the sky」。バック・スクリーンに再び彼女の表情が映し出される。時折、目をつぶったり、くるくると視線を泳がしたり、時には辛そうな表情を見せたり、曲のメロディに合わせて表情やしぐさがどんどん変わる。メロディと戯れている彼女は、もう既にライヴという生の空間を、味方につけてしまったようだ。曲が終了し、再びライトが点くと、倉木の前に今度はピアノが……。「それじゃあ、今から弾き語りをしたいと思います。聴いて下さい」。スクリーンに倉木の手元が映し出される。静かにピアノがつまびかれ、見慣れない姿にハラハラしてしまうが、ひとたび歌が始まると落ち着いたヴォーカリスト、倉木麻衣が現れる。2ndシングル曲「Stay by my side」だ。バンドの演奏が加わると、その透き通った歌声はさらに雄弁にメロディを響かせる。続いて、ダンサブルなSEから始まったマイナー調のナンバーは「冷たい海」。独特な哀愁とナイーブさを兼ね備えたこの曲のウェット感は、ライヴ中盤の効果的なフックとなっていた。静かにエンディングを締め、アダルトな倉木像を披露した後に、メンバー紹介。「それでは、ここでメンバー紹介をしたいと思います! まずはオンドラムス、デビッド・C・ブラウン!、オンベース、カズモ! オンキーズ、マイケル・リー、オルソーオンキーズ、トモオ・カサハラ。オンギターズ、ジェフリー・クエスト。そして、コーラス!、マホ、ミカ、リカ、マユミーッ! Experienceの皆さんです」。グルーヴ感溢れるExperienceの演奏が響く中、いったん倉木が退場。すると、いよいよExperienceがその実力を発揮。ジェフリーが歌い出し、演奏は一気にファンキーに。各自が相当なキャリアを積んだメンバーだけに、その演奏力はかなりなもの。それにしても、そんなメンバーの演奏を受けて、互角にヴォーカルを聴かせる19歳の倉木には、やはり天賦の才能を感じないわけにはいかない。Experienceの演奏が一段落し、衣装チェンジを終えた倉木が再び登場。今度は鮮やかなミントグリーン地に、胸元にピンナップ・ガールのイラストを配したカラフルなノースリーブTシャツ姿。いよいよ後半戦に突入だ。

 「本日はスペシャル・ゲストとして、いつも私の作品でラップやコーラスをしてくれているマイケル・アフリックさんです!」と、同時にステージに飛び出し、強力なラップを披露したのは、倉木のPVでもラップを披露していたマイケル・アフリック。倉木のアレンジを手がけるボストンの制作チームCybersoundの一員だ。「Come on! Come on!」ファンに人気のあるアップテンポ・ナンバーが始まった。バック・スクリーンには、Mai.KとCome on! Come on!の文字が映し出される。倉木が「一緒にー!」とオーディエンスをノセれば、マイケルもすかさず、ステージ前まで躍り出て挑発。ラップと歌とのコンビネーションもバッチリだ。2人は、中盤のダンスも見事に決めて、視覚的にもこのナンバーの楽しみを存分にアピールしていた。そして、Mai.Kとマイケルのコンビネーションと言えば、やはり、この曲「NEVER GONNA GIVE YOU UP」。勢いを止めることなく、マイケルと倉木はステージ左右を行き交う。間奏の掛け合いラップも大いに盛り上げた。そして、瞬間のつなぎで曲は「PERFECT CRIME」へ。スリリングな演奏、スクリーンにはVJによるトランス調の映像が流れ、ドラマティックな演出をさらに高めている。クライマックスに向けて演奏にも歌にもさらに熱がこもる。ライヴの醍醐味を感じさせる瞬間だ。「もう、最後の曲になっちゃったけど、一緒に歌って下さい」。ドラマティックな「always」のイントロが聞こえてきた。ハッピーなメロディと共に倉木の歌声が響く。“always 愛を胸に勇気を出して”と彼女の歌う言葉の一言一言が、説得力をもって誰をも勇気づける。“みんな一緒にー”、客席にマイクを向けて何度もアピールする倉木。それを受けて“always give my love always give my love to you”の大合唱が起こる。その言葉が世界を救ったのか、スクリーンには、オープニングで現れた悲劇的な大樹が、元の小さな美しい樹に戻っていく。そして、大地は本来の優しさを取り戻した。1人の少女が人類の悲劇を救ったのだ……。まさしく、HAPPYでPEACEFULなエンディング。誰もの顔に力強い笑顔が刻まれている。倉木にも18歳の笑顔が戻ってきた。それは、生まれて初めてのライヴを達成した勝利の女神のほほ笑みだった。“ありがとうー”。何度も叫び、大きく手を振りながら、倉木はステージを後にした。

 “みんなー、アンコールありがとーっ!”。盛大なるアンコールの拍手に迎えられ、心の底から嬉しそうな笑顔を抱えて倉木が再登場。アンコール1曲目は、1stアルバムのタイトル曲「Delicious Way」。本編とは違って倉木自身もリラックスした様子で軽やかにステージを行ったり来たりして、何度もオーディエンスの声援に応えている。“それでは、ここでみんなにやって欲しいことがあります”。そう断りを入れて、指で L・O・V・E のマークを作る倉木。“じゃぁ、行くよー! エル・オー・ヴイ・イー”と、“LOVE”と差し示す。倉木の真似を懸命に覚えようとするオーディエンス。メンバーも一斉に同じポーズ。コーラス隊の“L・O・V・E”の声が響く中、アンコール2曲目は、彼女のデビュー曲「Love, Day After Tomorrow」。タイトなリズム・セクションに、倉木の歌声も芯の通った強さを聴かせる。デビュー曲を歌う彼女の表情は実に晴れやかだ。2番の後半からは“みんな一緒にー”の掛け声と共に、先程練習した“L・O・V・E”パート。会場中が一斉に指で“LOVE”のポーズを作る。その後のサビ部分では、今度はスクリーンに歌詞が投影され、大合唱。さらに最後には、初めてのライヴの成功を祝福するように、客席に向けて銀のテープが一斉に放たれた。

 全てを歌い終えた倉木、そしてメンバー全員がステージ前に一列に並び、感謝の挨拶。誰もがこのライヴの成功を噛みしめ、達成感の笑顔を見せていた。そうして「Can't forget your love」のBGMが流れる中、ステージに一人残った倉木は本当に名残惜しそうだ。「今日は本当にありがとうーっ! また会いましょう」。何度も大きく手を振りながらステージを後にした。

 観客の誰もが弾んだ声と笑顔で会場を後にし、幸福そうだ。まさにhappy live! 今夜、倉木麻衣は我々の前に、そんな幸福感溢れるライヴを実践して見せてくれた。一刻も早く、今度はもっと多くの人と多くの喜びを分かち合えるライヴを体験してみたい。そう思わずにはいられなかった。


<SET LIST> 1.Stand Up 2.Everything's All Right 3.Secret of my heart 4.Stepping ∞ Out 5.happy days 6.The Rose〜melody in the sky〜 7.Reach for the sky 8.Stay by my side 9.冷たい海 10.Come on! Come on! 11.NEVER GONNA GIVE YOU UP 12.PERFECT CRIME 13.always encore1.Delicious Way 2.Love, Day After Tomorrow




 ライヴ・ビデオ「倉木麻衣 & Experience First Live 2001 in Zepp Osaka」
  緊急リリース決定!!


今回ライヴ・レポートでもお伝えした倉木麻衣のファースト・ライヴとなった、8月19日に行われたZepp Osakaのライヴがビデオとして9月19日に緊急発売されました! 超難関となったこのファースト・ライヴに、残念ながら参加することが出来なかった多くの方から寄せられた“映像化”への熱いメッセージに応えて、最速でビデオ・パッケージ化。数多くのライヴをこなしているあらゆるアーティスト達でさえも、特別な思いを持っているであろうファースト・ライヴ――そのステージで倉木麻衣が見せる表情、パフォーマンス、歌声と、1秒たりとも目が離せない瞬間の連続! 全15曲を詰め込んだ約60分の作品となっています。なお、最速発売のためDVDでのリリースはありません。

「倉木麻衣 & Experience First Live 2001 in Zepp Osaka」
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【収録曲】Stand Up/Everything's All Right/Secret of my heart/Stepping ∞ Out/happy days/The ROSE〜melody in the sky〜/Reach for the sky/Stay by my side/冷たい海/Come on! Come on!/NEVER GONNA GIVE YOU UP/PERFECT CRIME/always/Delicious Way/Love, Day After Tomorrow



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