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本誌が2003年の1年間で展開する、B'zの15周年を応援する「more B'z life」キャンペーン。その第1弾企画としてスタートしたのが「B'z Dictionary」。ここではB'zの素晴らしい音楽がどのように制作されているのかといった事をベースに置きながら、リスナーや読者の皆さんが疑問を持っているのではないか、こんな事を知りたいと思っているのではないか……?、といったB'zに関するキーワードを調査して、辞書形式に掲載していこうと思っています。その歴史の重みからも全てをフォロー出来ないかもしれませんが、なるべく詳細に調べて行こうと思っていますので、応援宜しくお願い致します!!

今月の「B'z Dictionary」【ひ】〜【わ】までを掲載しています。
【あ】 【い】 【う】 【え】 【お】 【か】 【き】

【く】 【け】 【こ】 【さ】 【し】 【す】 【せ】 【そ】 【た】 【ち】 

【つ】 【て】 【と】 【な】 【ね】 【の】 【は】 【ひ】 【ふ】 【へ】 

【ほ】 【ま】 【み】 【め】 【も】 【や】 【ゆ】 【ら】 【り】 【る】 

【れ】 【ろ】 【わ】

 
【あ】   「愛」
「love」
    意外にも「愛」がタイトルとして出てくるのは、シングルでは「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」1曲のみ。アルバムでも「キレイな愛じゃなくても」(『LOOSE』)、「ながい愛」(『Brotherhood』)、「愛のprisoner」(『ELEVEN』)、「愛〜愛〜愛〜」(松本ソロ『KNOCKIN' " T " AROUND』)、「愛なき道」(稲葉ソロ『マグマ』)とソロ作品を含めても5曲。

英語の「LOVE」ではシングルが「love me, I love you」、「LOVE PHANTOM」、「Safety Love」(「君の中で踊りたい」c/w)、「LOVE & CHAIN」(「LADY-GO-ROUND」c/w)の3曲。アルバムでは「LOVING ALL NIGHT」(『OFF THE LOCK』)、「GIMME YOUR LOVE −不屈のLOVE DRIVER−」(『RISKY』)、「LOVE IS DEAD」「MY SAD LOVE」(『The 7th Blues』)、「Love is…」(『FRIENDS』)、「'88〜Love Story」「Love Ya」(松本ソロ『Wanna Go Home』)、「LOVE LETTER」(稲葉ソロ『志庵』)と8曲になり、愛に比べると多くなっている。

 
    「ア カペラ」
「a cappella」
<伴奏を伴わない合唱の形式>
   

ライヴで、原曲とは違って一部アカペラ・ヴァージョンとして歌われている作品が存在する。
*99年「“Brotherhood”」ツアーの稲葉のソロ・コーナー「遠くまで」。弦楽四重奏を従えていたが、この際、曲のラストの“遠くまで〜”の部分はマイクなしのアカペラで熱唱されていた。場内中の人の胸を震わせ、鳥肌を立てさせた伝説のアカペラと言える。
*00年「“juice”」ツアーでは、「ALONE」をサポート・メンバーも交えたアカペラでイントロ部分が歌われてスタートし、すぐにオーディエンスも参加して大合唱。エンディングもアカペラで、この時はまさに場内一体となった圧巻の景色となっていた。
*01年「“ELEVEN”」ツアーでは、「裸足の女神」を客席がアカペラで大合唱。
*02年「“GREEN〜GO★FIGHT★WIN〜”」ツアーのSHOW CASEでは、「熱き鼓動の果て」のイントロ部分をアカペラで歌い、稲葉が会場にも“歌える人は歌って!”と促し、稲葉とオーディエンスとでアカペラの大合唱が行われた。

 
    「足音」
「footsteps」
   

楽曲の中に足音が入っているものが2曲ある。よーく聴かないと分からないから、耳を澄ましてチェックしてみよう!!
*「drive to MY WORLD」(『LOOSE』M-13)の後に収録されているアウトロには、よく聴くと松本のギター音の隙間でリズムを取る稲葉の足音が聴こえる。
*シングル「HOME」のイントロのアコーディオン部分のバックに聴こえる、パタパタという音もリズムを取る稲葉の足音。

 
    「アップ・テンポ」
「up tempo」
   

B'zのシングル作品の中で一番アップ・テンポ・ナンバーは「ギリギリchop」でテンポ235。全曲中では「HURRY UP!」(『OFF THE LOCK』)がテンポ250で、B'z作品の中で最も速い。耳の感覚だけでは「ギリギリchop」の方が速く感じるかもしれないが、制作上のテンポ表記では「HURRY UP!」の方が若干速くなっている。

 
    「アナログ盤」
「analog record」
   

B'zがアナログ盤を一般発売したのは、デビュー・アルバム『B'z』だけ。クラブでのみ配られていた「BAD COMMUNICATION」も存在する。ジャケットは高級感漂う光沢のあるゴールドで、表4(裏面)には歌詞が載せられている。また最近では、稲葉のソロ・アルバム『マグマ』でもソロを記念して作られたが、メンバーと関係者を併せて500枚しか配られていない限定品。ジャケットはCDとは別カットになっており(この写真は2次プロモーション用ポスターにも使用されていた)、スクラッチ・デザインがなく、色もオリジナルより赤みが強くなった仕上がり。

 
    「アミーゴこましエンジェルJr」
   

1991年11月に突如として現れたバンド「Z'b」(ズービ)のヴォーカリスト。同年12月4日から始まる「“IN THE LIFE”」ツアー前の肩慣らしとして、B'zの2人とサポート3人(明石昌夫/広本葉子/田中一光)の5人によって、ちょっとした遊び心から作られたバンド。洋楽のカヴァーを中心としたセット・リストで、ライヴ・ハウス・ツアー(神戸・名古屋・大宮・札幌)が行われた。メンバー全員には源氏名が付いており、「アミーゴこましエンジェルJr」は稲葉が変身したヴォーカルの名前で、 シングル「太陽のKomachi Angel」に引っ掛けてネーミングされた。
★各メンバー名:「アミーゴこましエンジェルJr」=稲葉浩志/Vo、「綾小路幹彦」=松本孝弘/G、「はだか一貫」=明石昌夫/B、「マンボウ・カメ」=広本葉子/Key、「チャッキーこけし」=田中一光/Dr
*ツアー日程:11月15日神戸チキンジョージ・11月16日名古屋ハートランド・11月20日大宮フリークス・11月22日札幌ペニーレイン
<Set List>1.KNOCK'IN ON HEAVEN'S DOOR 2.YOU REALLY GOT ME 3.HERE I GO AGAIN 4.VAMPIRE WOMAN 5.NEED YOUR LOVE SO BAD 6.HOME SWEET HOME 7.SUNSET 8.TRAIN KEPT A ROLLIN' 9.SAME O'L SITUATION 10.DON'T LET ME DOWN
ENCORE1.TRAIN KEPT A ROLLIN' 2.VAMPIRE WOMAN

 
    「綾乃小路 幹彦」
「mikihiko ayanokozi」
   

バンド「Z'b」のギタリスト(→Z'bの詳細は「アミーゴこましエンジェルJr」参照)。松本が変身したのが「綾乃小路 幹彦」。
*綾乃小路プロフィール:慶応幼稚舎から慶応大学院までストレートに進学し、研究所勤務。会社員をしながら、Z'bのギタリストも務める。白いスーツと赤いバラ、そして白いトラックをアイテムとする彼は、 カメラを向けられるとカメラ目線でVサインをしてしまう人らしい……。その後、彼は91〜92年「“IN THE LIFE”」ツアー、93年「“RUN”」ツアーのメンバー紹介用映像で再び登場した。

 
【い】   「いつかのメリークリスマス」
   

ミニ・アルバム『FRIENDS』収録。クリスマス・ソングの定番として10年経った現在も支持されている。ライヴでは「“The 9th Blues”」ツアーのシークレット・ライヴとなった、94年12月25日の札幌ペニーレーンで1回しか披露されていない伝説のナンバー。テレビは94年の「ミュージックステーション」、02年12月「1億3000万人が選ぶ!ベストアーティスト30 2002」の2回のみ。音楽番組「COUNT DOWN TV」(TBS系)の「クリスマスに聴きたい曲」では、02年度も1位となりこれで6年連続で1位を獲得した。

 
    「犬」
「dog」
   

稲葉の愛犬オールドイングリッシュ・シープドッグ“バブ”の鳴き声は「JEALOUS DOG」(ソロ『マグマ』収録)で聴く事ができる。ちなみにこの声はブースに30分間閉じ込めて録音した中から、一番良い泣き声を選んだものだとか。現在流れている『The Ballads 〜 Love & B'z 〜 』のCMスポットで稲葉がじゃれあっているゴールデンレトリバーは撮影用のタレント犬。長年飼っているペットのようになついている姿からも、彼の犬好きが伺える。

 
    「イネーバー」
   

93年「“RUN”」ツアーで、稲葉がライヴの時にのみ変身していたキャラクター。ヅラをかぶり、メイクをして、謎の陽気なネイティヴ・アメリカンとして登場。イネーバの紹介ビデオは2パターン(ヒッチハイク編とお財布編)あった。“あ〜いあ〜いあ〜いあい〜”と会場のオーディエンスに「NATIVE DANCE」を教えていた。
特技:西城秀樹の物まね(“ロ〜ラ!”など)らしい……。

 
    「インストゥルメンタル」
「instrumental」
   

<ヴォーカルの入らない、楽器演奏のみの楽曲>
ライヴでは松本のインストを生で耳にする事が出来る。
*93年「“JAP THE RIPPER”」ツアー:「Wanna Go Home」
*95年「“BUZZ!!”」ツアー:「SINCE I'VE BEEN LOVING」〜「INTO THE ARENA」
*96年「“spirit loose”」ツアー:「CAUSED WE'VE ENDED AS LOVERS」
*97年「“FIREBALL”」ツアー:「Romeo & Juliet」
*99年「“Brotherhood”」ツアー:「GO FURTHER」
*02年「“GREEN”」ツアー:「恋歌」

 
【う】   「ウエスト」
「WEST」
   

B'zがよく使用している六本木にあるスタジオの略称で、正式には「BIRDMAN WEST」という。93年7月5日に完成したこのスタジオは、その年からB'zのレコーディングではメイン・スタジオとして活用されている。

 
    「WAVE-GYM」
   

1990年1月4日からスタートした、B'zの2人が初めてパーソナリティを担当したという伝説のラジオ・プログラム「Come on JTB B'z WAVE-GYM」(リスナーを呼んでの公開録音もあった!)。91年の春に一旦休止となったが、91年10月3日からは稲葉1人がパーソナリティを務めることになった(94年に終了)。テレビで見る無口なイメージの稲葉とは違い、このラジオでは下ネタやちょっと寒いギャグを言ったりと、まったく違った印象をリスナーに与えていた。「ZERO」のラップ部分(→ZERO参照)を稲葉自らの口によって公開された事もあり、ファンにとっては聞き逃がせない放送内容となっていた。

 
    「売り上げ」
「sales」
   

B'zのデビューからこれまでの作品(ソロ作品は除く)のトータル・セールスは8600万枚! これはもちろん日本一の記録。

 
    「ultra soul」
   

31thシングル。「スイマーよ2001!!」 と共に、第9回世界水泳選手権大会福岡2001の公式テーマソングとなっていた。メジャーリーグで活躍している新庄選手が、バッターボックスに入る時のテーマ曲に使用していた話は有名。ライヴではオーディエンスが“ultra soul”“hey!”の部分で、両手を突き上げてジャンプするのが恒例となっている。

 
【え】   「エアロスミス」
「aerosmith」
    1970年、トム・ハミルトン(B)、ジョー・ペリー(G)、スティーブン・タイラー(Vo)ジョーイ・クレイマー(Dr)、ブラッド・ウィットフォード(G)によって結成。1973年1stアルバム『AEROSMITH』をリリース。3度のグラミー賞を獲得し、30年経た現在でも世界のトップ・バンドとして君臨している。2002年6月27日に東京スタジアムで開かれたW杯公式コンサート「インターナショナル・デイ」ではB'zも彼らとステージを共にし、ラストで「Train Kept a Rollin'」を共演している。
 
    「映像」
「an image」
    シングルやアルバム曲のPVはもちろん、B'zはライヴでのみ流れる映像も多数制作している。ライヴでしか見られない貴重な映像。ここで過去のものを簡単に紹介しよう。
*91〜92年「IN THE LIFE」ツアー
・松本ソロで「'88 LOVE STORY」のPVが流れ、後半から曲が「WANNA GO HOME」に変わると、松本がコルベットに乗って疾走するというシーンが流された。
・最後に、松本、稲葉の小さいころの写真が映し出された。
*93年「RUN」ツアー
・メンバー紹介用ビデオに、「イネーバー」初登場。91〜92年「IN THE LIFE」ツアーで好評だった「綾野小路幹彦」が再登場。ライヴ中盤「あいかわらずなボクら」のメンバー紹介で綾乃小路、イネーバの映像が日替わりで流れた。
―→「綾乃小路」様は財閥御曹司の若き成り金キャラで、秘書を引き連れ運転手付き御用車に乗り、ヨットハーバーを所持。最後には画面の中から「客席の左端から7番目のキミ…カワイイね」などと声を掛けることも忘れない。
―→ 謎のネイティブ・アメリカン「イネーバ」。アーイーアーイー…と「NATIVE DANCE」を踊りながら画面に登場。松本孝弘との出会いのエピソード、“助けてくれたお礼にと教えた歌でひと山当てた”、“財布を拾ってもらったのはいいが「金出せ!」と脅かされた”ことを、意外と堪能な日本語で語っている。
・メンバー紹介&「Baby, you're my home」で、各会場の周辺映像(その日撮影したもの)を流しながら演奏していた。
その他、93年「JAP THE RIPPER」ツアー、95年「BUZZ!!」ツアー、96年「spirit loose」ツアー、97年「FIREBALL」ツアー、98年「SURVIVE」ツアー、99年「Brotherhood」ツアー、00年「juice」ツアー、01年「ELEVEN」ツアー、02年「GREEN 〜GO★FIGHT★WIN〜」ツアーなどについても紹介(詳細は誌面にて)。
 
    「エフェクター」
「effects」
    <エレクトリック楽器の世界では、電気信号になった楽器の音や声を様々に変化させる装置と定義付ける。特にエレキ・ギターなどに使う小型で箱型の装置がエフェクターの代表として馴染み深い。たいてい楽器とアンプの間に接続して使用する>
 松本が普段のレコーディングやライヴで必ず用意しているエフェクター19種類を、ギター・テクニシャンの畠山氏に簡単に説明して貰った(詳細は誌面にて)。
*MXR“Phase100” 〜フェイザー
使用しているエフェクターの中で唯一のビンテージ系です。そのほかの物はすべて現行の誰でも定価で購入できる(金額等の問題や倒産などで新品がないなど問題はありますが)物を使用していますが、これだけは他に変わる物がないので古い物を使っています。「FIREBALL」のイントロなどでそのサウンドは聴くことが出来ます。
*Digitech“Whammy Pedal” 〜ハーモナイザー系(?)
オクターバーとして、ハーモナイザーとして色々な使用方法があります。レコーディングではハモフレーズは弾くのが当たり前ですが、最近のライヴではWhammyを使っていることが多いです。ほとんどの人が気にしてるかどうかわかりませんが、昨年の「GREEN」ツアーでの「love me, I love you」の曲中ではハーモニクスをアームダウンさせたような効果を出したりしています。音源として世の中に出ていませんが「Logic」で、そして「スイマーよ!」などでも効果的に使われています。
*Guyatone“SWR-2” 〜オートワウ
いわゆるフィルター系のエフェクターで、飛び道具として使うことが多いです。最近はあまり使われることはないですが……。「CAT」で猫の鳴き声のように使ったのが一番印象深いでしょうか?
*KORG“KAOSS PAD” 
本来はDJ用に開発された物ですがギターに使用している人を見て、その効果が面白いので使用を始めた物です。「さまよえる蒼い弾丸」のブレイク部分や「TOKYO DEVIL」などで効果的に使用されています。
*t.c.electronics“2290”
ここ数年のライヴで必ず使用しているディレイユニットです。
 
    「演出」
「direction」
    「That's entertainment!!」といった大掛かりなステージセットや演出で、B'zのライヴはいつもオーディエンスを楽しませている。これまでの演出を簡単にご紹介。
*91年「Pleasure'91」ツアー
・オープニングで稲葉が「Pleasure'91」と書いてある黒紙を破って登場。その後、FC限定で売り出した幻の写真集「DAYS IN THE PLEASURE」に、その破れた紙の破片がおまけで付いていた。
・ライブ中盤部でドラマ仕立てのメンバー紹介があり、稲葉が教師眼鏡姿で登場。明石昌夫(B)のラップの歌声や、田中一光(Dr)の酔っ払い姿、広本葉子(Key)のパジャマ姿が、稲葉のユニークなナレーションに合わせて見られた。



*92年「TIME」ツアー
・ヒトデ型の大型ムービング・トラス「STAR FISH」初導入。
・アコースティック(MC)コーナーにて寸劇を行う。「バンドやらないか?」編と「オレは誰だ?」編があった。
―→「バンドやらないか?」編
(1)
松本:「僕と一緒にバンドやらないか?」
稲葉:「え?ちょっと考えさせて下さい!」というセリフのやりとり。
(2)初めてのセッションで余裕の松本と緊張する稲葉とのやりとりが繰り広げられる。
―→「オレは誰だ?」編
(1)乗車率200%の新幹線で帰京中のエピソード。ひとつだけ空いた席を喜ぶ稲葉と、「俺は誰だ?」というセリフから始まり、B'zのリーダーという立場をアピールして最終的に座席を獲得する松本。
(2)アメリカ・ロサンゼルスで珍しく相部屋となってしまい、たったひとつしかないベッドに寝るのは誰か? 
松本:「俺は……誰だ?」
稲葉:「B'zのリーダー、松本さんです」
その結果、稲葉は猫の額ほどのソファに眠ることになるのであった……。
その他、92年「RUN」ツアー、93年「JAP THE RIPPER」ツアー、95年「BUZZ!!」ツアー、96年「spirit loose」ツアー、97年「FIREBALL」ツアー、98年「SURVIVE」ツアー、99年「Brotherhood」ツアー、00年「juice」ツアー、01年「ELEVEN」ツアー、02年「GREEN 〜GO★FIGHT★WIN〜」ツアーについても紹介(詳細は誌面にて)。









 
【お】   「お疲れ」
    B'zのライヴのラストで、メンバーとオーディエンスが一緒になって掛ける恒例の掛け声。最後に稲葉が「せーの」と言うと、オーディエンスが「お疲れ〜!」と応えるのだが、ファンの間ではこれをつい言いそびれてしまい、1年ぐらい悔やむ人もいるらしい……。それほどライヴを締める重要な言葉となっている。これはLIVE-GYMが始った時から行われている伝統行事なので、今年初めてライヴに行く人は、タイミングを失わないように注意しよう!!
 
    「OFF THE LOCK」
    2ndアルバム。レコーディングに1000時間弱も費やした、B'zサウンドを確立した作品。タイトルは“鍵をはずせ”という意味。恋愛や友人関係などでの既成概念に捉われず、自分自身で鍵を開けて新たな所に一歩出て、人と付き合う生活をするという事をテーマとして掲げている。B'zにとっては、サウンド的に1枚目のアルバムで作ったラインを、自ら破って前に出て行くという意味も持っている。当時の松本は、「コンサートが一番の“OFF THE LOCK”になる」とコメントしている。

 
【か】   「カヴァー」
「cover」
    92年5月17日放送の「music fair」にB'z、近藤房之助、坪倉唯子、大黒摩季が一緒に出演した時、B'zはオリジナル「EASY COME, EASY GO!」「BLOWIN'」の2曲の他に近藤と「JEALOUS GUY」(Lohn Lennon)、坪倉唯子と大黒摩季の2人と「KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR」(Bob Dylan)をコラボレーションでカヴァー。テレビでカヴァー曲を歌ったのは過去にこの1回のみで、この映像はかなり貴重。作品では松本がプロジェクトとしてリリースしたアルバム『ROCK'N ROLL STANDARD CLUB』に全曲カヴァーを収録している。稲葉は大阪のインディーズ・レーベルからリリースされた『J-BLUES BATTLE Vol.1』で「Tranp」(Lowell Fulson、Jimmy McCraklin)をカヴァー。またステージでは、エアロスミスとの共演で「Train Kept a Rollin'」を披露している(→「エアロスミス」参照)。

 
    「格闘技」
「a combative sport」
    稲葉が観戦する最も好きなスポーツの一つ。最新のソロ作品「AKATSUKI」(リリース日未定)が日本テレビ系列「最強魂」で現在オンエアされている。
 
【き】   「消えない虹」
    アルバム『LOOSE』のM-6。ライヴ・映像「BUZZ!! THE MOVIE」のエンディングではイングリッシュ・ヴァージョンが流れているが、これはハワイ・レコーディングの時に録った英詞の仮歌で、この作品でしか聴く事が出来ない貴重なもの。

 
    「ギター」
「guitar」
    松本孝弘のギター・コレクション一挙公開! それぞれのギターの特質などについて、ギター・テクニシャンの畠山氏に簡単にコメントして貰った。

*Tak Burst Prototype(Cherry Sunburst)*
●#001:
ここ最近のツアーではメイン・ギターとして使用しています。なぜかキャナリーイエローのモデルは本人の手にシリアルナンバー#001が来なかったのですが、今回は手に入れる事が出来ました。何もいじらない状態では前のキャナリーイエローのモデルに比べて音が柔らかく感じられましたが、テールピースやピックアップやナット等セッティングを煮詰めて行くことにより現在のサウンドに変わって行ったと思います。『GREEN』のレコーディングの頃はこのギターがメインでした。


●TM-2:松本さんがナッシュビルに行った時にたまたま見つけたトップ材が使われているモノです。何気なくトップ材が積み上げてあるところにあったモノで、現地で材の裏側にサインしてキープしたモノです。サウンドはTak Burstに比べて低音は若干軽めですが、音の抜けは良かったのでハードではなくポップな曲にはマッチしていたと思います。ライヴでは東京スタジアムのイベントまでは「ultra soul」などで使用していました。今はボディトップにジョー・ペリーのサインがあり、ツアーに持ち出すことはありません。ちなみに当時、マネージャーの菊地氏ともし松本さんが選んだトップ材がダークブラウンバックのプロトに使われて、そのダークブラウンバックがボツになった場合どうするのだろう?と心配した事を憶えています。



*Gibson Les Paul*
●1959#9-1156(Cherry Sunburst):
『ROCK'N ROLL STANDARD CLUB』等で使用した、とても貴重なヴィンテージ・ギターです。このツアーでも持ち歩きましたが、何度か寿命が縮まる思いをしました(笑)。しかし一番怖かったのは嵐のようなセット転換の中で、この59レスポールを持っていなければいけなかった某テレビ番組の出演時です。おそらくあそこで転換をしている人はどれだけの価値があるものか誰一人理解していなかったと思いますので(笑)。サウンドは、現在ではあまり弾くことがないせいなのか今ひとつの感じです。



*MARTIN*
●1937 000-18(Brown):
B'zと松本孝弘ソロのほとんどすべてのアコーステイック・ギター・パートで使用されています。まさに万能の1本で、今のところこれにかなう音に出会った事はありません。ライヴで使用し、コンディションが悪くなった場合に換えになるモノがないので、このギターだけは今だに1度もライヴに持ち出したことがありません。




    「キーボード」
「keyboard」
    B'zのロック・サウンドをさらに際立たせる楽器の一つがキーボード。
ライヴのバック・バンドはもちろん、ほとんどの作品でキーボードが導入されている。B'zのキーボーディストというと、ファンの間で「増田隆宣」の名前が挙げられるだろう。彼はこれまでのほとんどのライヴ・ツアー、そして作品にも多く参加している。
*これまでのライヴでのキーボーディストの流れ
・89年「LIVE-GYM #00」ツアー〜91年「IN THE LIFE」ツアー:広本葉子
・92年「TIME」ツアー〜97年「FIREBALL」ツアー:増田隆宣
・98年「SURVIVE」ツアー:大島康祐
・99年「Brotherhood」ツアー〜02年「GREEN」ツアー:増田隆宣


    「キャッチコピー」
「catch copy」
    デビュー当時のB'zは、デジタルとヒューマンなサウンドを作品から端的に分かるように、アルバムごとにキャッチコピーが付けられていた。
*『B'z』最先端から加速する。
*『OFF THE LOCK』マインドも進化する。
*『BAD COMMUNICATION』エンドレスで、かまわない。止めるまで、DANCE空間。
*『BREAK THROUGH』感性が誘惑された。創造力が突き抜けた。



【く】   「クリス・ベルマン」
「chris bellman」
    ベスト・アルバム『The Ballads 〜Love & B'z〜』、そして3月にマキシ・シングル化された10タイトルのマスタリングを担当したのが、ハリウッドにある“Bernie Grundman”スタジオのクリス・ベルマン。このBernie Grundmanは世界中の多くのアーティストのマスタリングなどを行っている有名なスタジオ。その中でもトップ・レベルにいるクリス・ベルマンはこれまでに、ヴァン・ヘイレン、ダイアナ・ロス、エルトン・ジョン、スティーヴィー・ワンダー、アラニス・モリセット、ベック......など数多くの有名アーティストを担当し続けている。特にアラニス・モリセットは全作品を担当しており、グラミー賞を獲得したアルバム『Jagged Little Pill』も彼が手掛けている。B'zのナンバーにおいても過去の作品と聴き比べてみると、彼の手によって音の1つ1つがクリアになり生まれ変わっている事を実感するだろう。



【け】   「限定」
    B'zの作品には、初回限定盤や期間限定のものなど、“限定品”がこれまでに多く存在する。
*Single
・BE THERE:ステッカー封入<初回限定>
・ミエナイチカラ:地獄先生ぬ〜べ〜ジャケット<初回限定>
・Calling:ステッカー封入<初回限定>
・Liar! Liar!:ステッカー封入<70,000枚限定>
・さまよえる蒼い弾丸:途中から「Hi」バージョンのジャケットに切り替わる。
・ギリギリchop:名探偵コナン・フィルムジャケット(5色)「ギリギリchop!」マークが出ると当たりで、「ギリギリdate book(着メロ集)がもらえる。(通常盤コナンジャケットは紙製の赤一色のみ)<初回限定>
・juice:ピクチャーレーベル(B'z最新Photo「B'z LIVE-GYM Pleasure 2000“juice”」仕様) <初回限定>
・10タイトル・マキシ化:ピクチャーレーベル<初回限定>また15周年記念キャンペーンとして、「B'zスペシャルCD BOX」がもれなく当たるキャンペーンも実施。



*Album
・BREAK THROUGH(3rd Album):BOXケース入り<初回限定>
・RISKY(4th Album):BOXケース入り(プラスティック製)豪華56ページフォトブック(オリジナルテレカ応募券付、1stビデオ予約券封入)<初回限定>
・IN THE LIFE (5th Album):BOXケース入り。豪華48ページフォトブック( オリジナルテレカ応募券付)<初回限定>
・RUN:BOXケース入り。5枚綴りフォトカード、ブラックCDケース、ゴールド仕様レーベル(通常はシルバー)<初回限定>
・ELEVEN (11th Album):「B'zスペシャルカレンダー2001」が封入。それまでのオリジナル・アルバムのジャケット写真と、メンバー撮り下し最新フォトを使用したCDサイズのカレンダー。

*ソロアルバム
・Wanna Go Home:BOXケース入り <初回限定>

*ベストアルバム
・B'z The Best "Pleasure":
1stプレス:B4版204Pジグソーパズル&100枚に直筆サイン
2ndプレス:6枚綴りポストカードセット
3rdプレス:箱入300Pジグソーパズル
・B'z The Best "Treasure"
1stプレス:豪華100ページヒストリー・フォトブック/ファン投票20位を当てるクイズに正解すると、B'z人形が10万名に当たるキャンペーン実施。
2ndプレス:B'zトランプ(4種類)
・B'z The "Mixture"
1stプレス:B'z CUBE(ルービックキューブ)。CD添付のシールを貼り応募すると、抽選で300名にスペシャル・ビデオが当たるキャンペーン実施。
2ndプレス:B'zモバイルシールド(色・ロゴの違う5種類)
・The Ballads 〜Love & B'z〜
2002年12月20日から、クリスマス仕様として10万枚のみ赤ヴァージョンのジャケットが登場。

*Mini Album
・BAD COMMUNICATION :BOXケース入り<初回限定>
・FRIENDS:BOXケース入り<初回限定>

*Video
・FILM RISKY:円形ホログラムステッカー封入<初回限定>
・JUST ANOTHER LIFE:ホログラムカード封入<初回限定>



【こ】   「恋心(KOI-GOKORO)」
    シングル「ZERO」の2nd Beat。2nd Beatでありながらも、ファン投票で収録曲を決定したベスト・アルバム『B'z The Best“Treasure”』では2位にランキングされるという、B'zの中でもかなり人気の高いナンバー。ポップなサウンドに乗せて、誰もが味わったどうにも出来ない学生時代の淡く切ない片想いの気持ちを、大人になってから思い返した歌詞が綴られている。いくつになっても恋は淡く切ないもの……。そんな感覚からか、幅広い年齢層のファンから長年に渡って根強く指示されている。ライヴでは稲葉がフリを付けて歌っているため、オーディエンスからはいつもフリ付きで大合唱が湧き起こっている。2002年に行われた“GREEN”ツアーでは、センター・ステージで松本と稲葉が2人きりでアコースティック・ヴァージョンを披露した。
★誌面では恋心のフリをイラストでご紹介!! ライヴで一緒に踊るためにも、是非チェックして下さい!


    「コンセプト・アルバム」
「concept album」
<全体に一貫したテーマ、ストーリーを設定し、 統一感を出したアルバムのこと>
    これまでにB'zがコンセプト・アルバムとして制作したものは『FRIENDS』『FRIENDS II』の2作品のみ。映画のようなストーリー性のあるものとして作り上げられたのが『FRIENDS』。このアルバムは全曲で1つの物語りになっており、冬の情景をバックに展開されるある主人公「僕」と「君」のラブ・ストーリーが綴られている。鮮やかな情景描写と共に細かな心情も重ね合わせた、シーンが次々と目に浮かぶ歌詞になっている。走って椅子を買いに行った「いつかのメリークリスマス」からいくつかの年月が過ぎた冬を描いた「どうしても君を失いたくない」の中に、“少しだけ懐かしい 夢を見た 僕が走る夢を”といった、緻密な歌詞の流れなども多々あり、そういった点に注意して聴いていくと、 恋愛小説や恋愛映画の台本を読んでいるかのよう。サウンドでも「Love is...」と「恋じゃなくなる日」のメロディが同じであったりと、インストゥルメンタルの中にもストーリーが垣間見れる仕上がり。一方『FRIENDS II』は前作とは主旨を変えた、それぞれの冬のラブ・ストーリーが1曲ごとに独立したオムニバス形式になっている。ただ全曲を通して恋愛における“寂しい”雰囲気がどこかに漂っている点が、『FRIENDS』と同じ空気を組んだ仕上がりになっていると言えるのかもしれない。
2002年12月にリリースされたバラード・ベスト・アルバム『The Ballads 〜Love & B'z〜』も、ラブ・ソングばかりを集めたベスト盤という事で、コンセプト・アルバムと呼べる。同じ曲、例えば「いつかのメリークリスマス」が収録されていても、ベスト・アルバムで聴くと『FRIENDS』とはまた違った世界観を醸し出していて、収録される作品との流れによってまた新たな楽しみ方が出来る事を実感させてくれるアルバムになっている。



【さ】   「サウンドトラック」
「soundtrack」
<映画で劇中に流されることを目的に制作された音楽>
    B'zはこれまでに、映画「不夜城」の主題歌として 「The Wild Wind」(「HOME」2nd beat)を、映画「名探偵コナン 世紀末の魔術師」のテーマソングとして「ONE」(「ギリギリchop」2nd beat) を、映画「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」の主題歌 として「Everlasting」(『GREEN』収録)を制作している。ちなみに「The Wild Wind」は前々からあったもので、当時、松本がライヴのソロ・コーナーで歌おうと思っていた楽曲。主題歌を制作する際に稲葉に聴かせると、この曲が「不夜城」にぴったりだという事で選ばれた。「SURVIVE」ツアー中に主題歌を制作する事に決定したため、映画の編集ビデオを大阪のホテルで、それぞれの部屋で見ていたとか。歌詞に“ブランコ”という単語が出てくるが、これについて稲葉は「形として見えていない自分の気持ちも揺れていて、そんな不安定な心がブランコという象徴で描かれているのかも」と当時の取材で語っていた。映画のストーリーよりもサウンドから「公園にブランコが揺れている所にふわっと風が吹いて、その後には何も残されていないイメージ」が浮かび、そこから心情を重ねて綴っていったそうだ。サウンドトラックではないが、ミニ・アルバム『FRIENDS』『FRIENDS II』は映画のようなストーリー性のあるものをというコンセプトで制作している(関連記事→「コンセプト・アルバム」参照)。



    「サビ」
「bridge」
<英語ではブリッジまたはリリースという。楽曲の中間部分で、冒頭のテーマとは対照的な楽節部分を指す。サビと称される部分は楽曲の構成によって異なり、サビの存在しない場合もある。典型的なサビはA+B+C(SABI)のような構成でのCの部分を指す。構成が明確でない場合には、中間部での変化を持たせた楽節を指し、時にはふたつ以上のサビが感じられるものもある>
    B'zのナンバーは構成が変わっているものや、サビで一気に盛り上げるためにサビ前でブレイクしたり、余分に2拍取ったり、また転調したりと、15年というヒストリーの中でも様々な作品が生み出されてきた。そこで、今回はサビについて特徴的な作品をあれこれ調べてみた。

*変わったサビ曲
●「FIREBALL」
サビ前にギター・フレーズが入り、ブレイクした後不規則な6連符で始まる転調型。これは松本が“こういうのを入れたいんだけど”と持ってきたサビ前のギター・フレーズに、各パートが合わせていったために生まれたサウンド展開。曲も「イントロ(=I)+A+B+I'+A+B+C+SABI+SOLO+C+SABI+SABI'」といった変わった展開(B'zではそれほど珍しくはないが……)。バンドをしている方はこの曲をコピーしてみて、かなり難易度の高い曲であると気付いたのではないでしょうか?!

●「砂の花びら」(『LOOSE』収録)
サビ前にブレイクし、そこにギターやドラムが奏でられる曲は多いが、このナンバーはアルペジオでサビを導入するという珍しいパターンになっている。ちなみにブレイクにギターが入っているもので特徴的なのは「さまよえる蒼い弾丸」が挙げられる。また「BE THERE」はサンプリング・ギターからサビに突入している。

●「野性のENERGY」
コーラスがサビを導く形も、あまり多くないスタイル。他に「ZERO」「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」がある。また「TIME」のラストのサビ前にはディレイ(音を遅らせる)の逆回転で作ったコーラスが入れられている。

●「Calling」
バラードだった楽曲にまったく違った曲がカップリングされているため、頭サビ+バラード部分のサビと、サビが2つあるように聴こえる。しかし、制作上では頭に出てくるものはサビとは呼ばずにイントロとしているそうだ。

*サビにタイトルがないもの
「Pleasure'91〜人生の快楽〜」「TIME」「ZERO」「RUN」「JAP THE RIPPER」「MOTEL」「LOVE PHANTOM」「今夜月の見える丘に」「May」「RING」......etc. ツアー・タイトルにもなっている「Pleasure」で、楽曲中にまったく“Pleasure”という言葉が登場しないのは、今更ながら意外かも?!

*サビに至るまでの時間が長いナンバー
シングルでは「Calling」が2分18秒、「ZERO」が2分12秒。アルバム曲も含めると「Raging River」(『ELEVEN』収録)が2分27秒地点でやっとサビが登場!

*サビに至るまでの時間が短いナンバー(サビ頭除く)
全曲中でも「The Spiral」(『GREEN』収録)が25秒とあっという間にサビが登場! シングル作品では「旅☆EVERYDAY」が36秒、「IT'S SHOWTIME!!」が44秒となっている。

* サビ頭のナンバー
「太陽のKomachi Angel」「恋心(KOI-GOKORO)」「HOME」「熱き鼓動の果て」「野性のENERGY」......etc.


    「サンプリング」
「sampling」
<広義には多数の対象の中から必要な対象のみを抽出する過程のことを指すが、楽器の分野では、現実音を何らかの方法で収録し、それを音源として利用する手法を意味する>
    B'zの楽曲でもサンプリングの素材を使用したり、サンプリング音を制作したり加工したりと、様々な工夫が凝らされている。特にデビュー当時は、デジタル・サウンド色が濃かったため、サンプリングもかなり使用していた。

●「BE THERE」
イントロ部分は、曲として出来上がっていた音を、更にもう一度サンプリングしてあのような音へと仕上げている。制作に関わった野村氏の「今ではコンピューターのおかげで簡単に短時間で出来てしまう事が、この頃はとても大変で凄く時間が掛かりました」と言う言葉からも、また作品を一聴しただけでも、かなりこだわりを持って制作していた事が伺える。B'zのナンバーの中でも、かなりインパクトのあるイントロに仕上がっている。



●「GO-GO-GIRLS」
(「ALONE」2nd beat) 間奏部分で、日本武道館(91年「B'z LIVE-GYM“Pleasure”'91」ツアー7月31日)で録ったオーディエンスの“GO!”“HEY!”の叫び声をサンプリングして使用。



●「BLOWIN'」
サビ前にジェット機のエンジン音のような金属的な音が入っているが、これはシンセの音を逆回転したもの。メンバーがレコーディングの時に、逆回転のような音で盛り上がってからサビに突入したいという事で制作した。

●「まっかなシルク」「TRASH」「あなたを呼ぶ声は風にさらわれて」
スカイセンサーを使用。(詳細→「スカイセンサー」参照)

ほか多数。1音1音に耳を傾けて新発見を楽しみながら聴いていると、いつもの作品がまた違った魅力を醸し出すので、たまにはじっくりと真剣に楽曲を聴いてみるのも良いかもしれません!


【し】   「志庵」
    2002年10月にリリースされた稲葉浩志2ndソロ・アルバム。自宅のプライベート・スタジオ“志庵”でレコーディングが行われたアルバム。“志庵”のネーミングや存在については、「日本っぽいものを付けたくて、時代劇とか見ると何とか庵ってあるから。茶室っぽい感じですね。何かを作ったり吐き出したりする場所ではあるんですけど、それによってちょっと浄化される事もあるし、そういう空間になってきたなというのもあります」とコメントしていた。M-10「炎」からレコーディングはスタート。12曲中10曲で稲葉自身がギターをプレイしている。ギターを弾き始めた事について「もともとはしょうがないかって始めたんだけど、ギターを弾き始めて1つ大事なものが自分の手の届く所に来たっていう感覚があって。あ、こういうのをやりたいんだっていうのに一瞬気付いたのは大きい気がしている」と言っている事からも、新たに自身を表現する大きなキッカケとなった稲葉ソロ作品となった。


    「シグネチャー・モデル」
「signature model」
<特別仕様モデルの事。主にギターで用いられている。有名なギタリストなどに敬意を評して、ギター・メーカーがある個人アーティストと共同作業でギターを製作・販売するが、 そこで製作されたギターの事をシグネチャー・モデルと呼ぶ>
    松本孝弘のシグネチャー・モデルは、世界のトップ・ギター・メーカー「Gibson」社から発売されている。Gibson社がロック・ギタリストの名を冠したモデルは、これまでにジミー・ペイジ(レッド・ツェッぺリン)、スラッシュ(元ガンズ・アンズ・ローゼス)、ジョー・ペリー(エアロスミス)、エース・フレーリー(キッス)に継いで松本孝弘が世界で5人目(第1弾が発売された99年当時)。松本へのギタリストとしての実力に対する高い評価と、レスポールを愛用してきた松本のGibsonへの信頼がこのプロジェクトをスタートさせた。レスポール・モデルをベースとして、松本のリクエストにGibsonの技術スタッフが応えた結果生み出されたギター。99年夏に発売されたキャナリーイエローのTak Matsumoto Les Paul(カスタムショップ製90本限定生産/USA製も発売)に続いて、2001年には第2弾Tak Matsumoto Les Paul TAK Burst(200本限定)が生産。どちらもこだわりを持った製作であるが、第2弾は松本自身がナッシュビルの工場で「キルトメイプル」という木を偶然に見つけて気に入りそれを使用。色もオレンジと黄色っぽいもの2つが候補に上がっていたのを、2つを混ぜたバーストな感じにしたいという松本の提案を元にこのスタイルに決定した。(関連記事→「ギター」参照)
★Tak Matsumotoモデルの特徴★
1.ネックのジョイント部を長くすることによって、ギターの振動を伝えやすくなっている。
2.ボディ、バック、ネック部にはマホガニー材、トップ部にはペイントしたメイプル材を使用。(TAK Burstのトップ部はペイントしていない木目のキルトメイプル材を使用)
3.インレイには通常パールを使用するが、アバロニを使用。
4.パインディングも通常は白の所、黒を使用。
5.ボディ部には“Tak Matsumoto”、ヘッド裏には“Gibson Custom Shop”のステッカー。
6.シリアル・ナンバーがTM(Tak Matsumoto)001から刻印。
7.ピックアップはゼブラの“burst bucker”と呼んでいるもので、中のコイルが手巻きのためより強くパワフルなサウンドが作り出せる。これもTak モデル独自のもの。


    「ジミヘン」
「JIMI HENDRIX」
<ロック・ギタリスト(1942.11.27-1970.9.18)>
    「GUITAR KIDS RHAPSODY」(『OFF THE LOCK』)に登場する固有名詞。ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの愛称。本名ジェームス・マーシャル・ヘンドリクス。1942年11月27日ワシントン州シアトル生まれ。右用のギターを逆さにして左で使ったり、大胆なステージ・パフォーマンス(歯で弾いたり、火を吹いたり)で度肝を抜くライヴを見せたりと、様々な伝説を残している黒人ロック・ギタリスト。当時ではまれにみる大音量でギター・アンプも楽器として使ったり、フェンダー・ストラトキャスターをロック・ギターとして最初に有名にさせたり、 ギター・エフェクター(ワウ・ワウ、ファズ等)の開拓者だったりと、世界のギタリストに多大な影響を与えた彼の存在は大きく、死後30年以上立った現在でも作品がリリースされるほど(実質の活動は4年弱しかなく、活動中はオリジナル・アルバム3枚とベスト・アルバム1枚のみしか発表していない)。1966年、JIMI JAMES AND BLUE FLAMESとしてグリニッチ・ビレッジ(NY)のカフェ・バーでプレイしていたジミーが、アニマルズのメンバーだったチャス・チャンドラーに誘われて英国で発表したのが、JIMI HENDRIX EXPERIENCEのファースト・アルバムとなる『ARE YOU EXPERIENCED』。この作品には、ジミーのステージでのスタンダード・ナンバーとなる曲が多く含まれていて、「PURPLE HAZE」「HEY JOE」「FIRE」「FOXY LADY」などは、数え切れないほどにプレイされている。2nd アルバム『AXIS:BOLD AS LOVE』にはジミーのファンでない人も一度は耳にしたことがある名曲「LITTLE WING」が収録されている。1970年9月18日ロンドンのホテルにて、睡眠薬中毒によって嘔吐物を喉に詰まらせて窒息死。27歳という短い生涯を終えた。前述のジミーの代表曲である哀愁のバラード「LITTLE WING」は、2002年にリリースされた松本のソロ・アルバム『華』にもカヴァーが収められている。松本がホテルの部屋でCDを聴きながらコピーしていた事が、このナンバーを収録するきかっけとなったというエピソードからも、 尊敬するギタリストの一人である事が伺える。さらに、ステージで松本がヴォーカルを初披露した曲もこの「LITTLE WING」(94年「9th BLUES」ツアー)なのだ。


    「ショウケース」
「showcase」
<B'zのライヴにおいては、本編であるライヴ・ツアーが始まる前の“顔見せ”的な意味を持つライヴ。とは言え、ライヴ・ハウスでの難しさも掴め、今まで行って来たリハーサルの総決算的な役割も担うという意味でも、重要な役割りを持ったライヴなのである>
   
★SHOWCASEの歴史★
●1994.12.25 札幌ペニーレーン
「SECRET GIG」

<SET LIST>〜メロンdeメロン(B'zの2人)の前説〜 3. いつかのメリークリスマス 4. MOTEL 5. おでかけしましょ 6. SAVE ME!? 7. Don't Leave Me 8. いちご白書をもう一度 9. BAD COMMUNICATION 10. 裸足の女神 11. ZERO 12. JAP THE RIPPER

●1996.03.10 渋谷 ON AIR EAST
「B'z LIVE-GYM'96“spirit loose”SHOWCASE」

<SET LIST>1.spirit loose〜ザ・ルーズ 2.ねがい 3.drive to MY WORLD 4.夢見が丘 5.キレイな愛じゃなくても 6.Don't Leave Me 7.FUSHIDARA100% 8.MOVE 9.ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜 <ENCORE>10.INTO THE ARENA (TAKソロ) 11.DEUCE (KISSカヴァー) 12.JAP THE RIPPER

●1997.12.29 横浜 CLUB HEAVEN
「B'z SHOWCASE“GO! GO! HEAVEN”」

<SET LIST>SE.GO! GO! Heaven(SPEED) 1.FIREBALL 2.Real Thing Shakes 3.ZERO 4.だったらあげちゃえよ 5.CAT 6.ハピネス 7.泣いて 泣いて 泣きやんだら 8.SNOW 9.DEEP KISS 10.スイマーよ!! 11.Do me 12.Liar! Liar! <ENCORE>13.Since I've Been Lovin' You(LED ZEPPELINカヴァー) 14.Calling

●1999.06.30 札幌 Zepp Sapporo
「B'z LIVE-GYM'99-Brotherhood-SHOWCASE“B'zepp”」

<SET LIST>1.ながい愛 2.銀の翼で翔べ 3.SKIN 4.Liar! Liar! 5.HOME 6.Easy Come,Easy Go! 7.THE CHANGING(TAKソロ) 8.ギリギリchop 9.F・E・A・R 10.ONE 11. FREEWAY JAM(JEFF BECKカヴァー/メンバー紹介) 12.Real Thing Shakes 13.さまよえる蒼い弾丸 14.ZERO 15.Brotherhood <ENCORE>16.BAD COMMUNICATION

●2001.02.24 大阪 Zepp OSAKA
「B'z SHOWCASE“コブシヲニギレ”」

<SET LIST>1.Logic 2.煌めく人 3.コブシヲニギレ 4.愛のprisoner 5.信じるくらいいいだろう 6.Seventh Heaven 7.HOME 8.今夜月の見える丘に 9.スイマーよ2001!! 10.TOKYO DEVIL 11.ギリギリchop 12.juice <ENCORE>13.ultra soul 14.さまよえる蒼い弾丸 15.ZERO

●2002.06.17 札幌 Zepp Sapporo
「B'z SHOWCASE“SAPPORO DEVIL”」

<SET LIST>1.GO★FIGHT★WIN 2.STAY GREEN 〜未熟な旅はとまらない〜 3.ZERO 4.love me, I love you 5.Warp 6.太陽のKomachi Angel 7.SURFIN' 3000GTR 8.Blue Sunshine 9.恋歌(TAKソロ) 10.DEVIL 11.ながい愛 12.Everlasting 13.FIREBALL 14. Liar! Liar! 15.さまよえる蒼い弾丸 16.ギリギリchop 17.ultra soul <ENCORE>18.熱き鼓動の果て 19.juice

●2003.06.26 東京 新木場STUDIO COAST
「B'z SHOWCASE 2003“IT'S SHOWCASE!!”」

<SET LIST>(現在ツアー中のためセット・リストは省略)



【す】   「スカイセンサー」
<ソニーが70年代にシリーズ化(スカイセンサー5400〜6000の10機種)して発売した多機能ラジオの名前。2つのダイヤルの組み合わせによって、周波数直読を可能にした名機。世界の短波放送を受信する事が出来たので、当時はこのラジオで海外ラジオ放送を聞くのが流行っていた>
   
稲葉のソロ・アルバム『志庵』に収録されている「TRASH」「あなたを呼ぶ声は風にさらわれて」、B'z「まっかなシルク」では、スカイセンサーが使用されている。ラジオ局に合わせる前の周波数から出ているノイズを録り、そのテープの回転数を変更するとスクラッチに似た音や独特のノイズ音などに仕上がる。特に分かりやすいのが「TRASH」。後半のギター・ソロ部分で独特なスクラッチ音が聴こえてくるが(2分14秒付近から)、あれがスカイセンサーの音。この曲はスカイセンサー・ソロがあり、それに合わせてメロディを作っていくという変わった制作方法が取られている。稲葉は「スカイセンサー5900」を購入し使用。



【せ】   「ZERO」
   
11thシングル。なかなかサビが登場しない、B'zナンバーの中でも変化球な展開を見せる作品(「I+A+B+I'+A+B+SABI+SOLO+BRIDGE<ラップ>+B+SABI+SABI'+ENDING」)。ライヴ定番曲となっているが、ライヴではイントロ部分で松本と稲葉がステージでぐるぐる回るのが恒例。この曲ではこれまでにライヴで様々な演出が行われてきた。
●1999年「Brotherhood」ツアー:白いTシャツを来た人々がステージで1列に並び、そのシャツにラップの歌詞が映し出された。
●2000年「juice」ツアー:松本がラップ部分を熱唱。
●2002年「GREEN」ツアー:場内の警備員が、真面目な顔でラップ部分を一緒に口ずさんでいる姿がスクリーンにアップで映し出された。

★ラップ部分の歌詞を入手!!★
人のすることに文句ばかりつける
呑気女だけゃさけてとおりたいけど
自分だって悩める人の身上
理解した気で余裕シャクシャク
鏡のぞいてみりゃ昔と変わらん same old 田舎者
(ヘイ!) 冷汗かき 踊ってる踊ってる
おかしいね ハハハハ…



【そ】   「その手で触れてごらん」
   
アルバム『Brotherhood』のM-7。『Brotherhood』のアルバム・レコーディングで一番最初に出来た楽曲。サビ部分でメロディに対して5度上を歌っている稲葉のコーラスが、よりこの楽曲を印象深いものにしている。松本のギターはイントロでストラトキャスターを、メインで91年製のレスポールを使用している。歌詞に“イケない イケない 簡単に信じちゃいけない いつだっけ リンダも そう 注意してくれたっけな”とあるが、リンダとは山本リンダの事で、そう注意してくれたとは、彼女の代表曲でもある「どうにもとまらない」の歌詞に登場する“噂を信じちゃいけないよ〜”のフレーズを指している。稲葉流のシャレっ気が効いた歌詞に気付いた方はいらっしゃいますか?


 
【た】   「太陽のKomachi Angel」
    5thシングル。B'z初のシングル・チャート初登場1位となった作品。これ以降、現在までのシングル31作連続初登場1位を記録している。ステージでは95年「BUZZ」ツアー以来7年振りに、昨年の「GREEN」ツアーで復活し、今年の「IT'S SHOWTIME!!」ツアーでも演奏されていた。ステージごとに表情を変えて楽しませてくれるナンバーで、今年もオリジナルとは違うラテン・ロック・サウンドを聴かせてくれた。飯島直子と網浜直子の2人ユニットW-NAOによって92年5月21日にカヴァー・シングルもリリースされている。

 
    「だからその手を離して」
1stシングル。アルバム『B'z The Best“Mixture”』には、新たに録り直されたハード・ロック風ナンバーが収録されている。アルバムの中でアレンジまで変えたのはこの曲のみ。よりソリッドでテクニカルなプレイのギターに、強さと迫力が増したフェイクも効かせたヴォーカルの変化からも、10年以上の歳月を経た重みが感じられる。


【ち】  
    「CHANGE THE FUTURE」
   

アルバム『BIG MACHINE』のM-12。ロサンゼルス・レコーディング中のある朝、松本がリフを思い付き、その場でギターを弾きながら譜面を書き上げた楽曲。作詞に関しては、稲葉がそのL.A.レコーディングの合間にツーリングに行き、途中、立ち寄ったカフェで何気なく見た本の中に“今ある環境は先祖から貰ったものじゃなくて、これから生まれてくる未来の人たちから借りたものです”という言葉があり、それに共感した所から描かれたそうだ。

 
  「Chopsticks」
    97年1月にリリースされた稲葉ソロ・アルバム『マグマ』のM-12。アルバム中でも異色を放つ変拍子のインストゥルメンタルは、ハード・ロックをベースにした感じでもあり、それでいてどこかの国の祭祀にでも使われそうな、国籍不明な不思議なメロディ。この作品について稲葉は当時こんなエピソードを語っていた。「始めこの曲は7拍子の変拍子の曲をやるつもりで、フレーズだけあってヴォーカルもあった曲だったんだ。パーカッションを入れたのはミキサーの野村さんのアイデア。彼がたまたまストリート・ミュージシャンを見つけて来たのね。ジャンベって太鼓持って、いつも公園で叩いたりしてる人達らしいんだけど。野村さんと二人で見に行って“ちょっと遊びに来ない?”とかなんとか言ってスタジオに誘って(笑)。出来るだけ仕事らしくならないようにして、野村さんもキーボードの小野塚君も入って、みんなで一気に叩いて録ったんだ。ジャンベを叩いてくれた二人はすごくいい奴でね。“ほんと、叩いていいんですかぁ”なんて言って楽しんでくれて、確かあの時のギャラはビールとハンバーガーだったんだけど(笑)、“ビール本当におごって貰っていいんですかぁ”なんて言われちゃって“いいよ、いいよ”って(笑)。この前“レコードになるよ”と言ったらそれだけでも喜んでくれたし、いい感じだった」(関連記事→「ジャンベ」参照)

【つ】  
    「ツアー」
「tour」
<全国、全世界を巡業する事>
   

1989年6月に行われた「LIVE-GYM #00“OFF THE LOCK”」に始まり、B'zのツアー回数はこれまでに32ツアー(台北&香港1回、アメリカ2回、「2002FIFA WORLD CUP OFFICIAL CONCERT」も含む)、全630公演が行われている(11月から行われる“BIG MACHINE”ツアー12公演も含む)。VOL.104の「more B'z life」広告には、これまで行われたB'zの全ライヴ・スケジュールを掲載しているが、真ん中に書いた“6,703,581”はこれまでの総動員数(2003年は推定)。670万人がどれ位かというと、東京ドームの動員数を5万人で考えると、134日分となる。こう考えると、すごい数字である事が分かるだろう。

【て】  
    「DEEP KISS」
   

アルバム『SURVIVE』のM-1。イントロのギターの音色を機械っぽくサンプリングしたり、稲葉の声をMOOGというアナログ・シンセサイザー(鍵盤の付いていない音源モジュール)に混ぜたりと凝ったサウンド作りが行われたナンバー。曲の後半にある犬の鳴き声のような稲葉のヴォーカルは、MOOGをフィルター代わりにしてヴォーカルを通した事により独特なサウンドを実現させている。これは、同アルバムに収録の「CAT」のレコーディング時、アナログ・シンセのフィルターを使うと、面白いサウンドが得られる事を発見した事がキッカケとなっている。後に制作スタッフは「まさかこんな事が出来るとは思いもしなかった」と語っていたそうだが、誰も聴いた事もない新しいヴォーカル・サウンドを提示してくれた。救急車のサイレン音は、メンバーから街の雑踏のような音を入れたいという希望があり、スタッフが渋谷の街に音を録りに行った所、救急車の音も入っていてそれがいい感じだったのでそのまま使用したとか。

 
    「TV STYLE」
   

シングルを中心に収録された、B'z作品のインストゥルメンタル・アルバム。通常のアーティストと違い、B'zのシングルにはインストゥルメンタルといったカラオケ・ヴァージョンが収録されていないため、このアルバムはファンはもちろん、バンドをやっている方や、カラオケでB'zの曲を歌いたい方など、多くの方達から支持されている作品。95年にリリースされた『TV STYLE II』に収録されている最新シングルが「LOVE PHANTOM」で、それ以来8年間発売されていないこのシリーズ、そろそろ手に入れたいと思っているファンも多いのではないだろうか? 『TV STYLE II』のジャケットとなっているイラストは、今年行われた「IT'S SHOWTIME!!」ツアーで巨大バボットとしても登場した(元々は「FIREBALL」ツアーで使用していたもの)。他に「Calling」の初回盤には、同イラストレーターによるメンバーのイラストがステッカーとして封入されていた。

★TV Style収録曲★1.だからその手を離して 2.君の中で踊りたい 3.OH! GIRL 4.ROSY 5.BAD COMMUNICATION 6.となりでねむらせて 7.BE THERE 8.太陽のKomachi Angel 9.Easy Come, Easy Go! 10.愛しい人よGood Night... 11.HOT FASHION 12.LADY NAVIGATION 13.孤独のRunaway 14.ALONE

★TV STYLE II 収録曲★1.BLOWIN' 2.ZERO 3.恋心(KOI-GOKORO) 4.TIME 5.愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない 6.もう一度キスしたかった 7.Wonderful Opportunity 8.GIMME YOUR LOVE-不屈のLOVE DRIVER- 9.裸足の女神 10.Don't Leave Me 11.MOTEL 12.ねがい 13.love me, I love you 14.LOVE PHANTOM 15.いつかのメリークリスマス


 

 
【と】   「TOKYO DEVIL」
   

アルバム『ELEVEN』のM-10。レコーディングで訪れていたL.A.で制作されたナンバー。ギターのフレーズをシンセに取り込んだものを張り付けたりと、デジタルな処理が行われている。松本の提案によってラストではCHINESE GONGの音色が入れられている。一番大きなものをレンタルし、身体が大きいと音も大きいだろうという事で、ギター・テクニシャンの畠山が叩く事になった。こういう一音にしても生でちゃんとやるのはB'zらしい。ちなみにこのナンバーの原曲をリメイクしたものが英語ヴァージョンの「DEVIL」で、2002年5月29日に発売された日韓のアーティストによるアルバム『2002 FIFA World CupTM Official Album 〜SONGS OF KOREA/JAPAN〜』に収録されている。このアルバムは日本の他に韓国、台湾などアジア各国でも発売。エアロスミスと競演したワールドカップのコンサートや2002年「GREEN」ツアーでも英語ヴァージョンの「DEVIL」は披露されていた。

 
    「Treasure」
   

98年9月にリリースされたベスト・アルバム第2弾『B'z The Best“Treasure”』。ベスト・アルバム第1弾『B'z The Best“Pleasure”』封入のハガキ・アンケートによって投票された上位14曲が収録されるという、ファンがプロデュースした作品。その内、「RUN」と「Pleasure'91 〜人生の快楽〜」の2曲のみ、98年ヴァージョンとして当時と同じメンバーで新たにレコーディングが行われている。ジャケットは『Pleasure』のゴールドに対してシルバーとなり、裏ジャケットは『Pleasure』の“10秒後の世界”が繰り広げられた面白いものとなっていた。初回特典第1弾には100ページにも及ぶフォト・ブックが付くという豪華さでも話題になっていた(→「限定」参照)


★ここで1998年に行われた上位25曲の最終結果を発表!★
1. 恋心(KOI-GOKORO) 2.BLOWIN' 3.ねがい 4.もう一度キスしたかった 5.TIME 6.いつかのメリークリスマス 7.Liar! Liar! 8.Pleasure'91 〜人生の快楽〜 9.MOTEL 10.Real Thing Shakes 11.ミエナイチカラ〜INVISIBLE ONE〜 12.RUN 13.愛しい人よGood Night... 14.FIREBALL 15.スイマーよ!! 6.OH! GIRL 17.MOVE 18.さよならなんかは言わせない 19.孤独のRunaway 20.Wonderful Opportunity 21.YOU & I 22.だからその手を離して 23.NATIVE DANCE 24.ハピネス 25.消えない虹
<5年後の現在では、どんな順位になっているのでしょうか?!>


【な】  
    「渚園」
「Nagisa en」
   

静岡県浜名郡舞阪町弁天島海浜公園内にある、普段はキャンプなどが行われている野原が「渚園」。ここに大規模なステージを組んで行われたライヴが、93年7月31日、8月1日の2日間のみの「JAP THE RIPPER」と、Pleasureシリーズのラストとなった今年「IT'S SHOWTIME!!」ツアーの9月20日、21日のラスト2日間。93年にここで行われたのが、B'z初の野外ライヴとなった。1日5万人、2日間で計10万人を動員する会場は、屋根がないため野外の広大さと開放的な雰囲気を強め、よりライヴ感覚を伝えてくる。稲葉がクレーンに乗って上空を旋回したり(93年のみ)、松本の火吹きギター破壊というパフォーマンスを行ったり、終演後に1500発の花火が打ち上げられたりなど、セットや特効で大掛かりなものが出来るのが野外の特徴。しかし、天候の影響は避けられず、93年は記録的な長梅雨で、リハーサル中はずっと雨が降っていたとか。ただ、本番では奇跡的に雨が止むという幸運に見舞われたが、今年行われた「IT'S SHOWTIME!!」は、台風15号の影響のため2日間とも大雨で、野外公演の難しさを実感。それでも全員がポンチョを来て、泥まみれになりながら、雨で手がふやけながらも、最後までその場で一体となっていたパワーというのは、他のどの会場でも味わえないメモリアルなものとなった。12月には渚園のライヴ映像がDVD(3枚組)&VHD(2本組)「Typhoon No.15 〜B'z LIVE-GYM The Final Pleasure“IT'S SHOWTIME!!”in 渚園〜」として発売されるので、そこでじっくりとその様子を体感して貰いたい。93年のライヴの模様は既に「LIVE RIPPER」として発売中。ちなみに、「JAP THE RIPPER」の時は、クレジット・カード・サイズのプラスティックのメモリアル・チケットが発行された。

 
    「なにもないまち」
   

稲葉ソロ・アルバム『マグマ』のM-11。軽快なパーカッションとウッド・ベースを取り入れた、ボサノヴァ・テイストのナンバー。「LOOSE」ツアー先のホテルで最初のモチーフが浮かび、後にそれを制作していった。オクターブ上を出したサビ部分のヴォーカルやラストのボコーダー(→「ボコーダー」参照)でのヴォーカル処理など、サウンドとヴォーカル両面において稲葉の音楽的探究心が現れた1曲となっている。

【ね】  
    「NATIVE DANCE」
   

アルバム『RUN』のM-6。アルバム『RUN』から稲葉は歌詞の切り口を変えて行きたいと意識し始め、そのきっかけの一つとなったのが「NATIVE DANCE」であると言っている。最初はラブ・ソングとして綴っていたものが、ファンに向けての気持ちも含んだダブル・ミーニングな大きなテーマを持った歌詞へと変化した。 “ちゃんとみてボクの最高のステージ”というフレーズについて当時の稲葉は、「基本的にはステージじゃなくても良かったんですよ。自分のベスト、自分が思っている最高を見てよという意味」とコメントしていた。また松本もこの歌詞について「そういうことが自然と出てくる今の俺たち、B'zはいい時期なんだなと思う。これって絶対、最初からは出てこないです。何枚かアルバムを色々な風に作って、ツアーも一杯やって。毎回のキャリアの積み重ねが、今の時期に自然に出てくるんだろうね」と語っていた。93年「RUN」ツアーでは謎のネイティヴ・アメリカン「イネーバ」(→「映像」参照)の映像が登場したり、93年渚園では稲葉がクレーンに乗って上空を旋回したり(→「演出」参照)と、ライヴでこの曲を演奏する時は話題の演出が組み合わせられていた。

 
    「ねがい」
   

16thシングル。B.U.M(→「B.U.M」参照)を解体し、B'zが松本と稲葉の2人である事を再確認して新たなスタートを切った、B'zの歴史の中でもターニング・ポイントの1つとなる作品。ここからアレンジに松本と共に稲葉の名前がクレジットされるようになる。アレンジに参加する事によって稲葉の中にもアイデアがどんどん湧き出てくるようになり、それを単独でスタジオでまとめていく内に出来上がったのが1stソロ・アルバム『マグマ』(→「マグマ」参照)であり、「ねがい」は稲葉のソロ制作にも多大な影響を与えるキッカケとなっている。アルバム『LOOSE』にはヴァージョン違い“BUZZ!! STYLE”が収録されている。このヴァージョンは、アルバム・リリースの前に 「BUZZ!!」ツアーでひと足早く演奏されていた。アルバム制作時は、リズム隊のレコーディングを様々なミュージシャンに委ねて何度も行われた。オルガンのバッキング・パートは、稲葉のアイデアを採用。ちなみに、シングルとこのアルバム・ヴァージョン以外にも、もう1つリズム・トラックが違う未発表ヴァージョンが存在している。また、この曲からプライベート・レーベル「VERMILLION」が設立される。(→「バーミリオン」参照)

【の】  
    「KNOCKIN'“T” AROUND」
   

99年4月にリリースされた松本のソロ・アルバム。11曲中9曲がヴォーカル・トラックになっており、その9曲全ての作詞も手掛けた、ギタリスト・松本孝弘の新たなチャレンジが実感出来る作品。タイトルの“T”とは松本自身の事を意味していて、当時のインタビューで「タイトルの『KNOCKIN'“T” AROUND』の“T”は僕の事で、自分自身を痛めつけるという意味があるんです。詞を書いて歌うと周りに宣言して、自分を追い詰めて、形にして結果を出す。今はそれをやり遂げた満足感があります」と語っていた。作詞に関しては悪戦苦闘していたそうだが(→関連記事「THE CHANGING」参照)、「稲葉に“使っちゃいけない言葉なんてない”と言われて、それからは詞が書きやすくなった。それから“伝える”ということをすごく意識したので、英語は少なくしようと思ったんです。今思うと作詞は面白かった。特にサビから書くよりも、その過程、プロセスを書く方が面白かった」と、完成後は作詞の楽しさも語っていた。あれからもう4年、そろそろ松本の作詞&ヴォーカル作品を望んでいるリスナーも多いのでは? そんな方には、ヴォーカル作品として、11月26日にリリースされるソロ・プロジェクト・カヴァー・アルバム『THE HIT PARADE』を聴いて頂きたい。「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」(ダウンタウン・ブギウギ・バンド)では、久々にTAKがヴォーカルを聴かせてくれている。

【は】  
    「BUZZ!! THE MOVIE」
   

95年に行われたアリーナ・ツアー「BUZZ!!」の模様を収録したドキュメンタリー・ビデオ。オープニングの「BLOWIN'」で稲葉がかぶっているロゴ入りハットは、故勝新太郎氏から貰ったもの(→「演出」参照)。2曲目に収録されている「Pleasure'95 〜人生の快楽〜」は元曲の91年から4年経た主人公の姿が歌詞でアレンジされて歌われている。さらに「LOVE PHONTOM」では稲葉がマントなどを身に付けてヴァンパイアに変身し、30メートルの高さからダイブするという演出が丸ごと収められている。エンディングでは未発表の「消えない虹」の英語ヴァージョンが流れているが、これはハワイのプリプロで録音されたヴァージョンで、小野塚晃(DIMENSION)のピアノに稲葉の英語の仮歌が乗ったもの。

★ 「Pleasure'95 〜人生の快楽〜」の歌詞★ あいつもとうとう親父になって五年が過ぎて 電話越しに  調子はどうって聞きながら 時間の流れに何故か 溜息ついた


 
    「バックステージ・パス」
「backstage pass」
<コンサートなどで、主催者側から取材記者、カメラマン、関係者などに発行される通行証。バックステージ・パスにも種類があり、入れる場所が限られているもの、出演するミュージシャンにコンタクトできるものなどに分かれている>


   

全エリアに入れるオールエリア・パス(ACCESS ALL AREA)と、会場のみしか入れないパス(LOBBY ONLY)とがある。雑誌などが取材で訪れた場合、大抵はLOBBY ONLYのスタッフ・パスが渡される。スタッフが首からぶら下げているツアー・ロゴがデザインされているカード型のものに対して、シール型(イベンター配付のもの)になっているものを服に貼っておくというのが一般的。本誌「more B'z life」広告のVOL.101では、これまで製作されたB'zのメンバー&スタッフ用バックステージ・パスが一挙に掲載されている。

 
【ひ】   「B'z PARTY」
    B'zのオフィシャル・ファン・クラブ。会員数は非公開だが、日本一の会員数との噂があるほど、大規模なファン・クラブである。年会費は3000円。その活動内容は、ファンの皆さんからの問い合わせへの対応はもちろんのこと、コンサート・チケットの優先予約(B'z PARTYオリジナル・チケットを発券)やオリジナル・グッズの販売なども行っている。3カ月に一度発行される会報誌も、豪華A4サイズのオールカラーで、メンバー・インタビューを始めライヴのステージ・ショットやオフ・ショットが満載の充実振り。Q&Aのコーナーでは会員からの質問にメンバーが直筆で答えたりとアットホームな雰囲気も。会報毎にメンバーのサイン入りお宝グッズが当たるプレゼント・コーナーがあるが、それとは別に誕生日やクリスマスにはグリーティング・カードが送られ、更にメモリアルな10周年の時には、メンバーのメッセージが入った過去10年を振り返ったビデオ「B'z OFFICIAL BOOTLEG」、今年15周年にはオフィシャル写真集「LIVE-ON」と対になるようなメンバーのオフ・ショットが満載の写真集「LIVE-OFF」が突然送られて来たりと、サプライズ・プレゼントも多い。ファン・クラブ限定の企画も多く、何と言っても目玉は99年「Brotherhood」ツアーからスタートした楽屋招待企画「Meet & Greet」(→「Meet & Greet」参照)。他にも様々なイベントがこれまでに行われて来たが(91年9月には初のファンクラブ・イベントとして、メンバーと会員とのハワイ旅行があった!)、新しい所では今年9月21日に行われた「渚園」でのライヴ時に、当日会場に来られなかったファンクラブ会員を限定に行った全国6ケ所で渚園のライヴを完全同時生中継した「クローズドサーキット」というプレミアム・イベントがある。また、会員証にクレジットカード機能が付いた「VERMILLION CARD」も発行している。 まだ入会してない方や、興味のある方は、住所・氏名を明記して80円切手を同封の上、下記の住所へ郵送すれば、折り返し案内用紙が届けられます。
〒106-0032 東京都港区六本木3-4-5 コープ野村II-209 「B'z PARTY」入会希望係

 
    「ビデオ・クリップ」
「video clip」
<プロモーション・ビデオとも呼ぶ。レコードの宣伝用に 制作された短編映画。1980年代に入り、アメリカの音楽専用有線 テレビであるMTVが急速に普及し、ビデオ・クリップの善し悪し がレコードの売り上げを大きく左右するようになった>
   

最新シングル「野性のENERGY」は、B'zの15周年を改めて実感させるストーリー性のある映像に仕上がっている。松本が楽器屋の店員に、稲葉が学校の先生に扮して、それぞれの日々を送っているのだが、それでもやはり音楽の夢が諦め切れずに、バンド募集のチラシを見てバンドを組んで2人が出会い、そして最後にはライヴ・ハウスのステージに立って多くのオーディエンスを前に演奏しているというもの。実際に松本は楽器屋でアルバイトをしていた事があるし、稲葉も教師を目指していたので、そのストーリーは真実味がある。夢を諦めないで前に進んで行こうといったポジティヴさが全面に出た今作を、PVの映像で観る事でより楽曲の良さが実感出来るだろう。 *B'zのビデオ・クリップに関しての詳細はVol.100の「B'z Promotion Video WORLD MAP」企画にて細かく紹介しているのでそちらをご覧下さい!

【ふ】  
    「FIREBALL」
   

21thシングル。“No Synthesizer & Computers Used”を歌ったアグレッシヴなロック・ナンバー。曲展開が変わっていたり、ブレイクが多かったりと、難易度の高い楽曲である(関連記事→「サビ」参照)。この曲では松本がベースをプレイしているが、これは稲葉の提案によるもの。ベースは山下昌之(元speAde)のリッケンバッカーを借りて使用している。ギターに関してはレスポール、ストラトと色々なギターで音色を比べながら、一番曲に合うものを選んで弾いていたけれど、ベースに関しては最初からリッケンバッカーだと決めていたとか。松本らしくディストーションのかかったうねりのある派手なベースが展開されている。ビデオ・クリップのベースはクール・ジョー(元DEAD END)が参加している。ジャケットにも秘密があるのでチェックしよう!(→「ジャケット」参照)

 
    「フィーチャー」
「feature」
<演奏の中心となるプレイヤーを設定すること。アルバムや楽曲 のクレジットにある「フィーチャリング〜」とは、 〜を中心的なプレイヤーとして起用している事を示す>
   

11月26日にリリースされたばかりのTAK MATSUMOTOのソロ・プロジェクト・カヴァー・アルバム『THE HIT PARADE』で、松本は15人の女性アーティストと稲葉を含む2人の男性アーティストをフィーチャリングしている。全17曲収録されているこのアルバムはそれだけでもタップリの内容となっているが、実は全部で25曲ぐらい録音していたのだ。さらに1曲についても何人かのアーティストが歌っており、誰が一番その楽曲に合うのかといった吟味が重ねられたそうだ。原曲の良さや味を活かしつつも、各ヴォーカルのオリジナリティも打ち出している、プロデューサー・松本の耳がフルに活躍された1枚に仕上がった。

【へ】  
    「ベース」
「bass」
<松本がベースを弾いている作品はこれまでに「FIREBALL」「Seventh Heaven」の2曲ある。「FIREBALL」は稲葉に勧められて、「Seventh Heaven」は自分が弾いた方が合うと思ったからプレイしたそうだ。(→「FIREBALL」参照) >
   

松本がベースを弾いている作品はこれまでに「FIREBALL」「Seventh Heaven」の2曲ある。「FIREBALL」は稲葉に勧められて、「Seventh Heaven」は自分が弾いた方が合うと思ったからプレイしたそうだ。(→「FIREBALL」参照)

【ほ】  
    「HOME」
   

25thシングル。独特な質感を出したアコーディオンの音色や、トーキング・ドラム(→「トーキング・ドラム」参照)が導入されていたりと、これまで以上にサウンド作りに意欲的な作品。アコーディオンは、稲葉が昔パリに行った時に駅で演奏しているのを見て、格好いいという事で“パリの地下鉄駅構内風”のイントロをリクエストしてこういうスタイルとなった。アコーディオン・プレイヤーは、稲葉が友人の結婚式に行った時に、プロのアコーディオン奏者が曲を弾いてプレゼントしていて、それが面白くて印象に残っていたのでその時のプレイヤーをレコーディングに呼んで弾いて貰ったそうだ。録音したアコーディオンの音をスタジオのブースで鳴らして、それに合わせて稲葉が歌っているのを1つのマイクで拾っているために、まさに“駅構内”で歌っているようなローファイな音に仕上がっている。ちなみに、そのバックでパタパタと聴こえるのは歌に合わせてリズムを取っている稲葉の足音。それに続く松本のギターは情熱的なスパニッシュ風なテクニカルなプレイ。あれも試行錯誤の上で決定したフレーズで、細かいニュアンスも気にしてレコーディング中もずっと弾いていたとか。曲中に出てくる“テクマクマヤコン”は、合の手としてコーラスか何かを入れようという話をしていたら、稲葉がすぐにああいう風に歌っていたとか。歌った後に「今時の子に分かるのかな」と言っていたらしい……。歌詞に出てくる“HOME”について稲葉は「“それがあれば何が起きても大丈夫”という、自分なりの揺るぎない所であり、それを見つけたいという自分の願望や必要から始まっている。それは僕の原点かもしれないし、これから経験して見つけていくのかもしれない」とコメントしており、単なる“家”ではなくそれぞれの心にある深い部分を象徴した言葉として記している。

【ま】  
    「マジカDE オンステージ」
「mikihiko ayanokozi」
   

02年「GREEN」ツアーにて、スタジアム、ドームなど大きな会場限定で行われた企画。開演までの待ち時間の間、座席のブロック単位で抽選をして当選ブロックの人は開演前のステージに上がって見学出来るというもの。ステージ上にはメンバーの等身大立て看板とプロフィールも置かれていた。1公演で7、8回抽選が行われた。さらに「マジカDE オンステージ特別賞」というのもあり、「特別賞」はその名の通り「マジカ」どころか、ステージ真後ろから生ライヴを見る事が出来た(1公演約60人/全公演で780人)。映像作品「a BEAUTIFUL REEL. B'z LIVE-GYM 2002“GREEN 〜GO★FIGHT★WIN〜”」ではアンコールの「熱き鼓動の果て」で稲葉がステージ後方の幕を取るとその「特別賞」に選ばれた人々が現れて、メンバーのすぐ真後ろでライヴを楽しんでいる姿を見る事が出来る。さらにDVDの特典映像には「マジカDE オンステージツアー」が収録されているので、どういったものなのかが体感出来るので是非チェックしよう!

 
    「松本孝弘」
「takahiro matsumoto」
   

B'zのギタリストであり、全楽曲の作曲、アレンジ、プロデュースを担当。3月27日生、大阪府豊中市出身。O型。音楽を始めたのは高校1年の時で、初めて買ったギターはグレコのレスポール「EG700」。高校2年の時にライヴ・ハウスに初出演したが、この時既にオリジナル・ナンバーを作って披露していた。20歳の頃よりプロ・ギタリストとして数多くのセッション及びライヴ・ツアーに参加。88年5月21日に初のソロ・アルバム『Thousand Wave』をリリース。88年9月21日、プロデューサーの紹介で出会った稲葉浩志をヴォーカルにB'zを結成。99年にはGibson社からシグネチャー・モデルが製作・販売されたが、ロック・ギタリストの名を冠したモデルは日本人では初で、世界で5人目となる。(関連記事→「シグネチャー・モデル」参照)

 
【み】   「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜」
   

19thシングル。スケールの大きなメロディが特徴の8ビート・ナンバーは、曲を聴いていて自然とタイトルである「ミエナイチカラ」という言葉が浮かんで来たという稲葉のコメントにも頷いてしまうほどの躍動感が漲っている。イントロの印象的な音色はドラムの逆回転を加えたもの。また、曲中に渡ってシンセ・ベースが入れられている。サビが2つあるようになっているのは、松本が意図的そうにしたからだそう。

 
    「御堂筋ブルース」 」
   

松本ソロ・アルバム『華』のM-5。スタジオにミュージシャンを呼んで一発録りをやろうという事で、山木秀夫(Dr)、鈴木バカボン(B)、小野塚晃(オルガン)と、全員が同じブースに入って、パッと一発録りしたものがOKになっている。「御堂筋」とは大阪大市中心部を南北に縦貫する、大阪のメイン・ストリートの事。

【め】  
    「May」
   

28thシングル。その年の1月からレコーディングを行い、十何曲制作していた内の1曲から選ばれた。アレンジに大島康祐が参加。彼が参加した事で「大島君はすごくスウィングしている。好きですね」(松本)、「やっぱり跳ね具合。美しいメロディで少しダンサブル。スクラッチも入れたし」(稲葉)と2人がコメントしている様に、大島独特のリズム感やグルーヴの強く出た楽曲となっている。楽曲に関してはB'zの原点回帰をテーマに制作していたので、歌詞の内容もそれを感じさせる心情が綴られている。歌詞が描き上がってもタイトルが決まらなかったため、稲葉が松本に相談した所、「May」と案が出てそれに決定した。4月に環境が変わって、5月病とかになったりするという、そういう心情的に虚しい感じが歌詞からした事と、 “原点回帰”のキーワードにも当てはまるのでこの「May」というタイトルが出てきたそうだ。打ち込みのバック・トラックに言葉数の少ない歌詞が乗っているが、言葉が伝わるように、なおかつ感情的になり過ぎないようにするという点で、意外にも稲葉がヴォーカル・レコーディングで苦労していたとか。

 
【も】   「もう一度キスしたかった」
   

アルバム『IN THE LIFE』のM-6。1番、2番、3番と曲が進むに従って季節が移り変わり、それと共に主人公と相手との恋愛の行方も変化していく歌詞になっている。それぞれの季節に出てくる“もう一度キスしたかった”という言葉は、同じフレーズであっても2人の距離と気持ちのズレに伴ってそこに込められている感情が全て違っている事に気付く。歌詞の切ないストーリーを盛り上げるようにメロディをなぞるピアノとシンセの音色、そして心の中を表したかのようなサビに続く松本の哀愁たっぷりの泣きのギター・サウンドが情感たっぷりに響いてくる叙情的なナンバー。

 
【や】   「野性のENERGY」 」
   

35thシングル。このシングルでB'zは、31作連続初登場1位という自己の記録を更新した。2月にアルバム『BIG MACHINE』のレコーディングでL.Aに行った時には、既にアルバム候補曲として存在していた。最初はサビ始まりではなかったけれど、サビが良くてインパクトがあるからサビ頭にしようという事で構成が変更されている。歌詞違いなどを含めてサビ頭の違うものは3パターンぐらい制作された。ドラマーには、シェーン・ガラースとブライアン・ティッシーの2名が参加しているが、各ドラマーによって音色が違うので、良いものを採用したら2人という形になった。ギターとヴォーカルもL.Aでダビングされている。ジャケット写真はハワイで撮影。

 
【ゆ】   「雪まつり」
   

北海道札幌市にて毎年2月に行われる「さっぽろ雪まつり」。2000年2月7日〜13日に開催された第50回の雪まつりには、B'zの雪像と氷像が展示されていた。この50回目を迎えた雪まつり史上では、アーティストの像が展示されたのはB'zが初めてだった。

 
【ら】   「ライヴ・アルバム」
「live album」
<コンサート会場などでレコーディングされた実況録音盤の事>
   

15年間の活動で多くの作品を生みライヴを行って来たB'zであるが、まだ一度もライヴ・アルバムは発表した事がない。ライヴ・バンドなのであってもいいはずなのに……と思うが、そこには彼らなりのこだわりが何かあるのかもしれない。ライヴ盤はリリースされていないが、唯一ライヴ音源が「Calling」の2nd beat「Gimme your love(Live at Tokyo Dome)」で聴く事が出来る。映像とは違って音を聴くだけでライヴを体感する事は、より感覚が研ぎすまされるのか、イマジネーションが湧き上がり一層ライヴの興奮が甦ってくる。ライヴならではのフェイクやアレンジを聴いてしまうと、次のツアーに参加せずにはいられなくなってしまうのでご注意を……。

 
    「LOVE PHANTOM」
   

18thシングル。95年「BUZZ」ツアーで稲葉がダイブする空中演出のアイデアがあり、当初は「VAMPIRE WOMAN」を演奏する予定だったが、面白い事が出来そうなので新しい曲を創ってみようという所から制作されたナンバー。これまでに演出が発端で書き下ろした曲はこの作品のみとなる。稲葉のダイブ・シーンは映像作品「BUZZ!! THE MOVIE」「Typoon No.15 〜」で観る事が出来る。1分以上のストリングスのイントロがシアトリカルな印象を演出し、オペラ歌手・森明美の素晴らしいソプラノが入れられた、クラシカルな空気を一層濃くした仕上がりとなった。語り部分の女性の声は宇徳敬子。そんな独特なサウンドに乗せている歌詞は、日常的でない主人公をイメージした悲しい恋の物語を綴ったそうだ。PVでは稲葉が特殊メイクを施してバンパイアに変身した姿を観る事が出来た。00年「juice」ツアーの8月9日に千葉マリンスタジアムで行われたライヴは大雨の中となったが、この「LOVE PHANTOM」のイントロの時に落雷があるという演出のようなハプニングが起こり、スポーツ新聞でも記事として掲載された。

【り】  
    「リハーサル」
「rehearsal」
<コンサートや番組収録などの本番に向けて行う練習の意。 なお、本番通りに行う通し稽古のことは特にゲネプロと呼ぶ>
   

集中して出来るので効率が良いため、B'zは毎回ライヴに向けてリハーサル合宿を行っている。初期の頃は合歓の郷で行い、その後は北海道に場所を移しているのだが、この理由の一つに交通の便が上げられる。合歓の郷は交通手段が不便で乗り換えを何度かして4〜5時間もかかっていたけれど、北海道は飛行機ですぐに行けるので、遠そうに見えて意外と便利な場所なのだとか。 ●「BREAK THROUGH」:山中湖 ●「RISKY」〜「The 9th Blues」:合歓の郷 ※「TIME」のみ八ヶ岳 ●「BUZZ!!」〜現在:北海道札幌

 
    「RING」
   

30thシングル。「juice」ツアーで28人からなるストリングス隊をバックに、リリース前に披露されたナンバー。曲自体は1年前の「今夜月の見える丘に」の頃から既にあったもの。歌詞は“鈴の音”のイメージが最初にあり、儚い距離感の象徴や消えてしまうものという、儚い感じを強くして描かれている

 
    「リフ」
「riff」
<古くはジャズ演奏におけるバック・グラウンドとして繰り返される短い簡単なフレーズ(バック・リフ)を指した。その後、ジャズの世界ではこの種の簡潔なフレーズをテーマ(主題)とする曲が出現し、器楽曲としてのブルーズなどのテーマの多くはリフと呼ばれ、またテーマの 変奏部分はセカンド・リフと呼ばれるようになるなど、リフの意味は 拡大されている。また、管楽器によるバック・リフに相当する効果を ギターで表現しようという意図から発展したブルーズ/ロック系のギター奏法、すなわち歪んだ音色による主に低音弦を使った単音(あるいは2音の)フレーズの繰り返しも、リフの代表例の1つといえる>
   

されているのがギター・リフとギター・ソロだろう。ギタリストが作曲するというとリフが一番に思い浮かび、それに合わせてメロディを創っていくイメージが強いが、松本は意外にもリフから曲を創る事は少なく、最新アルバム『BIG MACHINE』の「アラクレ」もデモ・テープの段階ではイントロのあのリフはなくスタジオで色々と録っている内に出来上がったと言う。こういう作曲方法について最近の取材で「あんまりギタリストっぽくないかもしれない」と自身でコメントしていた。リフを分かりやすい楽曲で説明すると「Real Thing Shakes」のイントロからずっと繰り返されているギターの印象的な音色、あれがリフであり、ミーティング前に松本がリフを思い付いて、それをアンディや稲葉、スタッフに聴かせた所から「Real Thing Shakes」は創り上げられていった。(関連記事→「Real Thing Shakes」)。ちなみに稲葉もソロ作品「灼熱の人」「Here I am!!」はリフから制作している。

 
【る】   「roots」
   

『BIG MACHINE』のM-13。もともとアルバムは12曲目の「CHANGE THE FUTURE」で終わる予定にしていたが、こういう雰囲気の曲をアルバムに入れてもいいんじゃないかという事で収録された。歌詞は離散家族を出発点に、イメージを広げて綴っていったそうだ。血が繋がっていなくても人の出発点は一つしかないから、そこを一瞬だけさかのぼったルーツを辿った内容となっている。曲の器が大きかったため、なかなか歌詞がまとまらずに苦労したと言う。12月末に放送される「ブラック・ジャック スペシャル -命をめぐる4つの奇蹟-」の主題歌に決定。

 
【れ】   「玲」
   

松本が99年「Brotherhood」ツアーから、アンプのネットやピックに入れている文字。「綺麗な音」という意味を持つ言葉で、松本が気に入って使用している。

 
【ろ】   「ローズ・ピアノ」
「rose piano」
<フェンダー社の開発したエレクトリック・ピアノのブランド名。 金属片を叩いた時の振動をピックアップで拾い増幅して発音する ピアノで、複数の音色を持っている。フェイザーやコーラス といったエフェクトを効かせて演奏されることも多い>
   

ローズ・ピアノの音色は「THE BORDER」「Shower」で聴く事が出来る。金属片から発音される独特な響きにはハッピー感が漂っていて、曲をより明るくポップに仕上げる不思議な魅力を持っている。

 
【わ】   「Warp」
   

アルバム『GREEN』のM-3。アルバム全曲が出来上がり、マスタリングまで行った時に、もっと疾走感のある曲を1曲創りたいという話が上がり、ラストに新たに制作したナンバー。既に稲葉が詞を先に書いていて、それに松本がメロディのストックから合うものを付けていって完成した。詞先のナンバーというのはB'zでは非常に珍しい事。

 
    「Once upon a time in 横浜 〜B'z LIVE-GYM'99“Brotherhood”〜」
   

99年8月28日、29日に横浜国際総合競技場にて7万人×2日間=14万人を動員して行われた「B'z LIVE-GYM'99“Brotherhood”」の最終公演の模様を、つなぎやカットを差し込まずにオープニングからアンコールまでの全20曲を網羅したライヴ映像。どしゃぶりの中で見せる迫真のライヴ・ステージは、その大雨さえも演出の一環にしてしまっている。ボーナス・トラックとして、98年「SURVIVE」ツアーで演奏された「スイマーよ!!」のライヴ映像も加えられている。さらにDVDには、ビデオ未収録だった松本ソロ「GO FURTHER」、稲葉ソロ「遠くまで」が追加収録! スリリングなギターの疾走感がたまらない松本のソロと、ストリングスをバックに歌い上げ、ラストにはマイクなしで7万人収容の会場中に響く圧巻のヴォーカルを披露した稲葉の姿は、ライヴ中でも印象深いコーナーとなっていた。ライヴの稲葉ソロ・コーナーが映像で見られるのはここだけなので、まさにファンにとっては貴重な作品である。




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