TAK MATSUMOTO/松本孝弘

4年振りのソロ・アルバム 2枚同時リリース!

『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』/『華』


松本孝弘が、2月27日に、ソロ・アルバムを2枚同時にリリースする。1枚は、“TAK MATSUMOTO”名義による全6曲収録のミニ・アルバム『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』。もう1枚は、“松本孝弘”名義による全12曲が収録されたフル・アルバム『華』。全てがインストゥルメンタル楽曲で構成された2作品の全貌に迫るインタビューを試みた。



●ソロ・アルバムには、いつ頃から取り掛かっていたのですか?
松本孝弘(以下松本):レコーディングを始めたのは、去年の8月の終わり頃からですね。

●去年の8月の終わりというと、B'zのLIVE-GYM 2001-ELEVEN-ツアーも佳境に入った頃ですね。
松本:そうですね。もともとツアーが始まる前から、全部インストでアルバムを創りたいと思っていたんです。それで、本格的にレコーディングをし始めたのは9月に入ってからです。

●前作『KNOCKIN'“T”AROUND』ではヴォーカルに挑戦していましたが、今回は、初めから全てインストゥルメンタルと決めてレコーディングしていたのですか?
松本:今回は“歌う”という事は、全く考えてなかったですね。それは、前作でやってみて完結したような気持ちがあったのかもしれないし……。でも今思うと、それがあったから、ギターで表現する音楽を創りたいと思ったのかもしれませんね。もともとはギタリストなので、それで全てを表現できるものを創りたくなったんです。でも、テクニックを全面に出すのではなく、今回は聴く人を限定せずに幅広い人に聴いてもらえるものを創りたいと思ったんです。

●では、今回はギターで表現できる可能性に挑戦という事なのですか?
松本:初めは単なるギター・インストにならないように、メロディをギターで何とかしようと、チョーキングするとか、ビブラートするとか、細かく演っていたんですよ。でも演っていくうちに、全部自分がメロディを取らなくてもいいんだと思えるようになって。以前は、自分が創り上げた音楽を、ちゃんと聴いて欲しいという所があっんだけど、でも今回は、自分の創った音楽が日常の生活の中で、それをかけていれば気持ちよくなれるといった状況作りを手伝えればいいんじゃないか、と思うようになったんです。

●2枚同時リリースというのも、そういったことに関係してくるのですか?
松本:当初は2枚にするというのは考えてなくて、出来たものから順番にレコーディングしていったんですよ。もう11月頃にはほとんど録り終えていて、以前に録っていた曲も含めて全部で18曲あって。曲調も様々なタイプのものがあったので、今までやってきたインストに近いものをTAK MATSUMOTO名義で、それと“ギタリスト”というのではなく“一音楽家”という色合いのあるものを松本孝弘名義でリリースすることにしたんです。

●「SACRED FIELD」のようなロック・テイストな曲と、どことなくオリエンタルなテイストを持つ「恋歌」や「華」も、どちらも同じ流れの中で生まれてきたという事ですか?
松本:全て自然に出てきたものですね。アコースティック・ギターでメロディを口ずさみながら。歌モノを創る時と同じですね。「華」と「恋歌」は、アジア・ツアーの時に、台北の楽屋でメロディの断片が出来たんですよ。

●この2曲には、中国の民族楽器“胡弓”が使われていますが、どうしてこの楽器を使おうと思ったのですか?
松本:もともと日本の童謡的なものが好きというのもあって、昔から胡弓の音色が好きでCDを買って聴いていたんですよ。始めはサンプルにある胡弓の音色を打ち込んでいたんです。

●胡弓奏者のチェン・ミンさんが、参加されていますが、どういった経緯で競演されることになったのですか?
松本:胡弓を入れたいと思っていた時に、偶然テレビ番組でチェンミンさんの演奏を見て、思わず見入っていましたね。そのうちCMやニュース番組でも見かけるようになって、普段テレビをあまり見ないのに、縁があるんじゃないかと思って(笑)。それでオファーしたら快諾してくれました。実際に演ってみてビックリしましたね。音色だけでも相当なインパクトだったし、「華」のエンディングはアドリブで何テイクか録ったうちの1つなんですよ。

●それと、その2曲に挟まれた形で「#1090[千夢一夜]」を聴くと、まったく違った印象の曲に聴こえますね。
松本:これは、B'zのELEVENツアーの時にスローにしたら、気持ちよく弾けたんですよ。なのでこの形でレコーディングしたんです。この曲のメロディは本来こういったものだったのかもしれないと改めて思いましたね。

●「#1090[千夢一夜]」と「Romeo & Juliet」は、スティーヴ・ヴァイが参加してますね。
松本:以前、ヴァイとレコーディングをしたことからアイデアが出たんです。ヴァイは、1人で全部出来る人なので、ギターで参加となると普通だと思ったので、エンジニアで参加してもらったら面白いんじゃないかと思ってオファーしたんですよ。今回は、テープのやり取りで、実際に向こうにはいかなかったんだけど、凄く時間をかけて丁寧にやってくれましたね。「Romeo & Juliet」は、イントロの声まで入れ替えてくれて(笑)。

●ミニ・アルバム『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』は、打ち込みのサウンドが多いですね。
松本:ハードな方は打ち込みが多いですね。レコーディングしているときから、この曲は打ち込みで、この曲は生でと考えていました。とくに『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』の頭の3曲は、生で演るとギタリストの自己満足的なものになってしまうんですよ。あと、「Little Wing」は、ジミヘンの『IN THE WEST』というライヴ盤のリズムを完全にコピーして打ち込んでもらって、自分なりの解釈でギターを弾いたんです。これは、一番最後にレコーディングした曲で、ライヴでもセッションでも演っていたけど、レコーディングした事はなかったなぁと思って。敢えて歌わないで、ギターだけでなんとかしたかったんですよ。

●ギターは、メインで使ったのは新しいシグネチャーモデルの「TAK MATSUMOTO Les Paul TAK Burst」ですか?
松本:『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』の方はそうですね。『華』の方は、58年のゴールド・トップをよく使いましたね。

●もともと松本さんのメロディには、“和”の要素があると思うのですが、ここまでストレートに出たのは何か理由があったのですか?
松本:L.A.でレコーディングをしたりしていると、かえって東洋人である自分を意識したりする時があるんですよ。もちろん僕は洋楽を聴いて育ってきて、自分のルーツにはそれがあるんだけど、この国に住んでいて、自然に吸収したものを出していった方がいいんじゃないかと思ったんです。

●向こうの人にしてみれば、こういう方がTAKらしいと思うのではないですか?
松本:そうですね。日本に生まれたわけだから、根付いた部分をもっと出していってもいいと思うんですよ。それも意識しない所から出てくるものはね。

●「DRAGON FROM THE WEST」もハードだけど東洋的なニュアンスがありますね。
松本:これも作っていくうちに、東洋的なニュアンスが自然と出てきたんですよ。

●この曲は、アルバムのタイトルにもなってますね。どんな意味が込められているのですか?
松本:“DRAGON”は東洋の象徴の龍という意味です。“WEST”は僕も関西出身だし、今回のアルバムはほとんどが関西でレコーディングしたんですよ。ホームタウンで作ってみてもいいかなと思って。アルバムのインナーの写真も自分が通った小学校で撮ったり、少しノスタルジックな感じですね。

●そこで「御堂筋 BLUE」といったタイトルの曲もあるわけですね。
松本:あの通りも好きな場所の1つですね。『Wanna Go Home』の時は、1本のオールド・ギターのストラトを手に入れて、始めて楽器から音楽が生まれてくるということを知ったんです。今回はそれが楽器ではなくて、場所だったり街だったのかもしれませんね。

●では、最後に『華』というアルバム・タイトルには、どんな意味があるのですか?
松本:これはもう“華”という言葉が出てきた時に、タイトルにしようと思ったんです。その響きの美しさとか、あとは、よく“華のある人”という言い方をしますよね。誰でもその資質は持っていると思うし、僕自身もそうありたいと思っています。

■TV出演情報!
●2.21(木)&28(木) :23:30〜25:55 BS Asahi「LIVE21」
●2.23(土)      :21:00〜22:00 BS Asahi「LIVE21 TAK MATSUMOTO SPECIAL」
●2.23(土)      :27:10〜28:10 テレビ朝日「LIVE21 TAK MATSUMOTO SPECIAL」
●3.1(金)       :20:00〜20:54 テレビ朝日系「ミュージック・ステーション」


TAK MATSUMOTO

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松本孝弘

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