GARNET CROW

2nd Album

『SPARKLE 〜筋書き通りのスカイブルー〜』

4.24 Release!


アルバム・チャートの6位にランク・インした、2001年1月に発売された1stアルバム『first soundscope 〜水のない晴れた海へ〜』から1年3カ月、遂にGARNET CROWの2ndアルバム『SPARKLE 〜筋書き通りのスカイブルー〜』がリリースされる! 中村由利(作曲&Vo)、AZUKI 七(作詞&Key)、古井弘人(アレンジ&Key)、岡本仁志(G)ら4人のクリエイター集団が生み出してきた上質なサウンドは、レコーディング中心の活動にも関わらず、幅広い層へと浸透しており、コンスタントにリリースされてきたシングルも常にチャートの上位をキープ。シンプルでありながらもワザを効かせた緩やかで心地良いサウンドに、独自の世界観を持ったAZUKI 七の歌詞、幅広い表現を楽しませてくれる中村由利の瑞々しいヴォーカル――このGARNET CROWワールドは、一度聴くと病みつきになってしまう。最近はテレビにも出演したりと活動も活発化している彼らは、まさに要注目の存在。今回はアルバムについての話はもちろん、メンバー4人のパーソナルな部分にも迫った取材を試みてみた。



●まず最初に、2ndアルバムの制作はいつ頃から始めたのですか?
中村由利(以下中村):いつからというのではなく、曲を作っていく中でこれをアルバムに入れようとか、シングルにしようとか決めていったんです。まず曲を作ることありきで、溜まった所でそれを一つの作品にまとめていく感じですね。
AZUKI 七(以下AZUKI):でも、いつもアルバムは頭の中にあったので、シングル曲を作りつつ、やっぱりこれはアルバムに入れようって。常にアルバムとシングルが同時進行になっていました。

●先月号のインタビューでは、シングル「夢みたあとで」は音を削ぎ落として制作していったということでしたが、今作も全体的に1stアルバムよりもシンプルさが増していて、シングルと同じ流れになっているなと感じたのですが……。
中村:「夢みたあとで」は、作り込んで表現するというよりは、余分なものを削ぎ落とした限界ギリギリの楽曲だったんですけど、表現の仕方が、やっぱり1stから比べると変わってきました。
古井弘人(以下古井):1stアルバムの頃は、ある程度、挑戦していこうと力が入っていたんです。
AZUKI:あれもしなきゃ、これもしなきゃという感じでね。

●どのあたりから意識が変わっていったのですか?
中村:「Last love song」ですね。1stアルバムの後、初めてのシングルで、ここからサウンドの指向がシンプルになっていった。1stはプラスして作り込むのが精一杯だったんですけど、今回は制作のペースも掴めてきたので、詰め込んで何かを表現するっていうより、あえて何もしないというか自然にシンプルに見せる、肩ひじを張ってない作品を作っていこうと心掛けたんです。でも、実際やってみると、逆にこちらの方が難しかった。
古井:シンプルに聴こえるけど、リズムは凝ったことをやっているんです。ミディアムなんだけど、スピード感を出したかったので……。
岡本仁志(以下岡本):アコギはアルペジオを複数重ねてダビングしたんです。12弦を使ってクリアな感じに聴こえるようにしたり。

●アレンジには、相当こだわっていると思うのですが、「call my name」のストリングスとか。
中村:古井さんの思い入れ炸裂(笑)。自分の中で、好きなメロディがつまった曲なんですけど、ストリングスのアレンジとか聴いて、スケールの大きな曲になったなぁと思いました。
岡本:古井さんからのイメージがあったので、イントロからのループの重ね具合とか、細かい事をやっているんです。
古井:個人的にもシングルにしたかった曲なんです。中村のデモを聴いた時に壮大な感じがして、ブリッジとかイメージが浮かんできたから、すぐに忘れないうちに作りました。

●GARNET CROWの曲作りは、中村さんのデモから始まるのですね?
AZUKI:まず、彼女のデモがあって、それに詞をつけていくんです。その時に、自分の中で絵が浮かぶ。その情景を書いていくんです。声質がインスピレーションとか映像を与えてくれる。「Holy ground」はデモをもらった時に、完成形が見えたぐらい。母性的な暖かみのある曲。
中村:そう、包み込むような母性的なイメージで作ったんです。AZUKIさんは、自分の声質とかメロディ・ラインが活きる詞を付けてくれる。何も言わなくてもポイントをちゃんと理解してくれて、普通に歌うだけでも最大限に引き出してくれるので、自分の世界を広げてくれていると思う。
古井:アレンジは楽しんでやっている所があるんです。今回、あまり気負わずにやらせてもらっていました。
岡本:ギターは、古井さんと「こうきたら、こうっスよねぇ」って感じで……。
中村:全員がそれぞれ曲に関わる事によって、良さを引き出してくれるんです。自分で全部やるとやりやすい方にとか、主観でしか見られない。お互いを客観的に見られるんです。だから、曲が仕上がっていくにつれて、同じ事を考えていたんだという事もあるし、こういうものもあったんだと気づくこともあるんです。

●当初は“ネオアコ”というイメージがあったのですが、実際はロック調のものとかダンサブルなものやバラードといった色んなテイストの楽曲がありますね。メンバーの意識がデビュー時とは変化しているのではないですか?
中村:変化っていうよりも、やっている内に自然と変わっていったんです。今度はこれをやろうって決めるよりは、楽曲に取り掛かっていると、自然に振り幅が広がっていったんです。
岡本:ネオアコとは言われていたけど、自分達の中ではそんなに意識していなかった。最近は自分の中でもエレキの比重が高くなっているし。でも、1stアルバムよりも手数は減っているんです。古井さんのオケがバラエティ富んでいて、変化球でくるから、自分のスタイルになかったものはどうしようかって(笑)。その辺はすごく勉強になりましたね。

●ちなみに、一番変化球できた曲はどの曲ですか?
岡本:「wish★」ですね。

●今までにはなかったタイプのダンサブルな曲ですね。
中村:遊んでいる曲。ちょっと遊んでみようかという感じで書いたんです。
AZUKI:コーラスが聴き所です! この曲は一度やり直してるんです。メロディ、テンポ、アレンジが変わって……。詞も書き直したんですけど、最初に書いた詞が頭から離れなくて苦労しました(笑)。

●では、ヴォーカルで苦労した曲は?
中村:「Please, forgive me」です。GARNET CROW史上、超ウルトラ難易度C級(笑)。格好良く、強い曲にしたかったんですけど、キーが高いから単純に歌うのが難しい。どこも気が抜けない曲だから、今までで一番歌入れに時間がかかった。
AZUKI:デモテープを最初に聴いた時に、えって思って。電話して「今から詞を書くけど、歌えるのこれ?」って確認してしまった。だから歌詞も、もし歌いにくい場合にはこの方がはまりやすいからって、カッコ書きで歌詞を入れてたんですよ。でも全部それを抜いて、歌いにくい方で歌ってるんです(笑)。

●「pray」は「Please, forgive me」とは静と動というように対象的な楽曲に感じました。
中村:声のトーンとかメロディとか、日本的なトラディショナルな感じのする曲ですね。
古井:僕の中では第一期GARNET CROWっぽいイメージ。この曲は、リズムの組み上げに苦労したんです。6/8が3拍子の取り方になっていて。雰囲気とか、質感を重視したんです。インディーズを作っていた時の気持ちを思い出して、大切にして……。

●「Naked Story」は、聴いていて元気の出る曲ですね。
中村:歌入れのレコーディングも夜中だったので、テンションが高かったんです。この曲のワクワク、ドキドキ感が伝わればいいな。
岡本:この曲は、エレキの比重が高い。勢いのある曲なので、スピード感を意識したんです。

●さて、アルバム・タイトルが『SPARKLE 〜筋書き通りのスカイブルー〜』ということですが、どんな意味が込められているのですか?
AZUKI:“SPARKLE”は、“輝き”とか“きらめき”という意味で、“GARNET”の宝石にかけているんです。それと、個性とか才能の“輝き”という想いも込められているんです。サブ・タイトルはフィーリングで決めました。
中村:代表になるのが、「スカイ・ブルー」かな。透明感を持ったアルバム。そういうものを一番表しているのは、この曲かな。艶っぽかったり瑞々しかったりとか、そういうイメージの楽曲が多いので、そんな感じのタイトルにしたかったんです。

●では、ちょっと質問を変えて、中村さんからみて、AZUKIさんはどんな人ですか?
中村:AZUKIさんは、自由奔放な人。東京の街を1人で歩ける。
AZUKI:普通歩けるでしょう(笑)。
中村:私は恐くて歩けない(笑)。
AZUKI:だから一緒に行こうって(笑)。でも由利ちゃんは、夜何時以降には物を食べないとか、すごい喉に気を使っているんです。朝も私はギリギリまで寝ているんですけど、何時から声を出すから何時間前には起きるって、すごい徹底してる。あんまり無理強いできないから、だから仕方なく1人で行ったんですけど(笑)。
中村:私と違ってすごいアクティヴ。思い立ったらすぐ行動できる人だから。私は出無精で家にじっといるんです。出るまでにすごい時間がかかる。次でいいやって。
AZUKI:次っていつ?みたいな(笑)。私は今行きたいって思ったらすぐ行くタイプ。

●古井さんはどんな人?
中村:一番信頼している人。自分の段階ではラインが下まわっていても、古井さんが合格点に上げてくれるだろうって、いい意味で甘えられる人。

●岡本さんは?
中村:岡本さんは浮遊。
古井:掴み所がない(笑)。
AZUKI:マイペースさが見ていてすごい安心できる。こっちが焦っている時でも、焦りが見えてこないから。あ、大丈夫だって。オアシスを発見!って感じで、精神的に安心する。

●これからのスケジュールや今後の事を、個人的でもバンド的な事でもいいので教えて下さい。
AZUKI:個人的には暖かい所に行きたい。昨日も密かに飛行機のパンフレット持って来て、東京から帰るついでに沖縄に飛んだらいくらかかるのかなとか、金曜日に帰るから月曜日に大阪に帰れば見つからないかなとか思ってました(笑)。
中村:すごい行動力でしょ。私にはそういう発想ができない。

●ちょっとゆっくりしたい感じなんですか?
AZUKI:休みたいってわけではなくて、文化の違う所、空気の違う所に行きたいから。違う空間があればいいんです。

●古井さんは?
古井:ちょっと前は外国人の方とやっていたりしたので、たくさんの人と作品を作ってもっと一杯色んなものを吸収したいって思いがすごく強い。それを吸収する事によって自分の自信にして、その上で何か新しいものを作っていきたいなっていうのがありますね。

●岡本さんは?
岡本:漠然とですが、サウンド的に厚みを増したい。

●中村さんは?
中村:今はいいペースでレコーディングや制作をしているので、この速度を落とさず焦らずにこの回転をキープしていきたい。それでコンスタントに作品を上げられればいいなって思います。


GARNET CROW

New Album
『SPARKLE 〜筋書き通りのスカイブルー〜』
4.24 on sale!

GIZA studio GZCA-5013
¥3,059(tax in)


1.夢みたあとで[10th Single]
2.call my name [8th Single]
 3.Timeless Sleep [9th Single]
 4.pray
  5.Naked Story
 6.Last love song [7th Single]
 7.スカイ・ブルー
 8.wish ★
  9.Please,forgive me
 10.Holy ground

  -bonus track-
1.Mysterious Eyes
〜 dry flavor of“G”mix 〜
  2.Timeless Sleep
〜 Flow-ing surround mix 〜