小松未歩

New Album
『小松未歩 5 〜source〜』

9.25 Release

約1年半振りに小松未歩がニュー・アルバム『小松未歩 5 〜source〜』をリリースする。恋物語、夢物語、さよならの物語など、鮮やかな世界を描き出したリアルな物語がたっぷりと詰め込まれた作品に仕上がっている。

 1997年のデビュー以来、コンスタントに作品をリリースしてきた小松未歩が、5枚目のアルバム『小松未歩 5 〜source〜』を9月25日にリリースする。現在までに発表してきた4枚のアルバムはすべてオリコンのアルバム・チャートのTOP10内にランクインしている事からも、彼女の作り出す世界観に多くの人が魅了され続けているのだと実感してしまう。今作には、「とどまることのない愛」「さいごの砦」「愛してる...」「dance」 のヒット・シングル4曲に、人気のカップリング・ナンバー「愛の唄」「足掻き」、それに5曲の新曲を加えた計11曲が収録されている。
 1stからアルバム・タイトルに一貫して“小松未歩”と自分の名前を打ち出し、そこにサブ・タイトルを記してきた彼女、今回は“source”――これは源泉、源という意味で使われているそうだが、このアルバム・タイトルにはどういう意味が込められているのだろうか?
 「私に息吹をもたらしてくれる、周りにある全てのものと同じ空間を共有できたらいいなぁと思ったので、このタイトルにしました。注がれる力と湧き上がる想いは“あなた”の存在なくしてあり得ませんから」
 多くの“あなた”の支えによって小松未歩は存在するのだと、今一度感謝の気持ちを表しているとの事。これはデビューから丸5年が経ち6年目に突入した今年、何か節目的なものを感じたからこういう気持ちが強くなったのか……と思ったら「気負いは全くありませんでした。歩幅を合わせ、支えて貰いながら6年目の5thアルバムが完成したという喜びをただただ噛みしめています」と、ナチュラルに沸き上がった想いをそのままストレートに短い言葉で表現したと言う。愛の根底には必ず人への感謝の心があると思うので、愛をテーマに多くの歌を創造してきた彼女らしさが凝縮されたタイトルであると感じる。
 アップ・テンポ・ナンバー「とどまることのない愛」「さいごの砦」、新境地を見せたグルーヴィなナンバー「dance」といったシングルに、ワルツ調の「commune with you」やバラード・ナンバー「約束の海」、爽快な広がりを見せる「style of my own」と、今回も豊かなサウンドを聴かせてくれている。「キラキラした風が頬をくすぐるような心地良いサウンドに乗せて、湧き上がるままの想いを綴っていった感じです」という彼女の言葉からも、清々しい秋風を想起させるようなポップ感溢れる仕上がりだと分かる。
 作品ごとに新しい面を見せてくれているが、今作ではサウンド面で言うと注目なのが「commune with you」。これは「メトロノームを鳴らしながら、まさに3拍子の曲を作ろうと思って描き上げた曲です。コーラスでは考えたラインが思ったより高く、エンジニアさんにも「無理しないように」と言われてしまうくらい何度も歌ってしまいました」と、これまで以上に力を入れて制作に挑んだ曲である事が伺える。歌詞については、内面を訥々と吐露している「gift」、今と未来の自分を肯定した希望に満ちた「style of my own」の2曲で、「無意識だったのですが、2人称だけじゃない曲もより自然体で表現できるようになりました」とコメントしているように、“あなた”や“君”といった2人称が登場しておらず、さらに広がりのある世界へと踏み出している。また歌詞については、今作で特に目に付いたのが“愛”という言葉。そこで、彼女にとっての愛という言葉には、どんな魅力があるのかを聞いてみた。
 「あらゆるすべてのモノの核は愛で出来ていると思う私にとっては、あって当たり前の愛のことを上手く表現できなかったり、当たり前過ぎて見失ってしまったり。でも幸せは十分に感じられますから……。永遠のテーマですね」
 周囲に当たり前にあるのに、これほど重みのある言葉は他にはない。だからこそ、そのアプローチの仕方は多彩で、人それぞれの個性が映し出されるものとなる。彼女が描く愛には、ピュアなエネルギーが漲っていると感じた。恋愛の時の熱っぽさや、失恋した痛みから抜け出そうとしてもがいている様子など、日常の1シーンやふと感じた事を様々なシチュエーションで切り取り綴っているが、そこに共通しているのは気持ちを解放しようとする前向きさと生命力。希望の源という言葉がぴったりな力強さが、歌詞全体に漂っている。
 さらに気になったのが、前作の4thアルバムよりも歌詞のフレーズや内容がリアリティを増し、小松未歩という人間にぐっと近付いた点。
 「いつもその時々で最新の私を表現しているつもりなのですが、より近い時間の私をより早く作品に取り込めるようになったのは、短時間で上手く理解できるようになったからでしょうか」、と自らを曝け出し、それを消化してコトバに変換する事がスムーズに行くようになったと、小松自身も感じている。そんな彼女がこの6年の中で一番変化したと思う所は「迷っても慌てず、自分の心に聞く」事だとか。  7月に発表されたコンピレーション・アルバム『GIZA studio MAI-K & FRIENDS HOTROD BEACH PARTY』では、初めてゲスト・ヴォーカルという形の参加を果たした。これについては、「昔から大勢の人に愛され、歌い継がれてきた曲を私が歌えるなんてとっても光栄でした。それにたくさんのアーティストさんと共演できて、一体感を味わえたことも貴重な体験でしたし」と語っており、この体験がまた新たな作品を生み出すエネルギーになりそうな予感。
 今後については「念願のリミックス集を作りたいなと思っています」と、既に次への意欲を燃やしているので、また違った表情を持つ小松未歩ワールドが堪能できる日も近いかもしれない。


Self●●●
●●●Liner
Notes●●●

01.gift
久しぶりに宇宙を連想しながら描けました。制作に携わってくれたみんなに愛されている気がして1番目です。このアルバムへ、そして小松の世界観へといざなう、これがまさにプレリュード。

02.愛してる...
1上げか1下げかというくらいの微妙なテンポ感で悩んでいたことを思い出します。鼻先を赤く染めながら12月の華やかな街をひとりで歩く速度。きっとそんな感じを再現したかったに違いありません。

03.とどまることのない愛
発売から1年以上経った今でも“宇宙中の全てのモノはとどまらない”という言葉は私の哲学として残っています。ここから始まった5thアルバムへの道。キーポイントとなるこの曲はどこに置いてもはまりますね。

04.commune with you
三拍子に温かい詞をのせて、この上なく幸せな雰囲気を醸し出してみました。アルバムのサブ・タイトル“source”は初めこの曲に名付けていたので、アルバムの進む方向もきっと幸せなのでしょう。

05.足掻き
収録するかどうかギリギリまで迷ったのですが、完璧に近いアレンジをまた聴いて貰いたくて入れました。葛藤も私の中から湧き上がってくる感情のひとつ。ギターの優しい音色に一縷の望みを託します。

06.約束の海
少し4thアルバムの匂いが残った作品です。洗練された音が綺麗に整理されていて、息づかいまでもハッキリと聴こえてくる出来栄えは、私でさえもドキドキしてしまうほど。耳元がこそば痒い感じです。

07.style of my own
アレンジが何パターンもあったので嬉しい悲鳴の中、このヴァージョンを選びました。「意識して懐かしい響きになるように作った」という説明をアレンジャーさんからされ、納得の決断だったと自画自賛中。

08.さいごの砦
今回のアルバム全体にはキラキラとしたそよ風が吹いているような気がするのですが、特に強く感じるのがコレ。この頃、歌い方をいろいろと研究していたので、いま聴くと声色の違いがよく分かります。

09.dance
この曲を発表した頃からだんだんと解放されていったようで2人称じゃない曲も、より自然体で描けるようになりました。次へと大きく飛躍するためには悩み、落ち込むことも必要だと実感する一歩手前の私がいます。

10.でも忘れない
王道的な響きにのせて青春まっただ中の熱い想いを歌ってみました。ピアノで作ったメロディには息継ぎの場所がなくて歌入れはかなり苦戦しましたが、レコーディング以来ずっとハモったりして口ずさんでいます。

11.愛の唄
一体感を味わえる空間をどうしても演出したくて、1・2・3とみんなで声を合わせ歌いたいこの曲がやはり最後になりました。曲調重視!を念頭に置きながらライヴ構成を意識した順番になっています。


小松未歩

New Album
『小松未歩 5 〜source〜』
9.25 Release

GIZA studio GZCA-5020
¥3,059(tax in)


全11曲収録