Rina Aiuchi

New Single「Deep Freeze」

11.20 Release!


2002年にリリースされたシングル作品は、愛内里菜の溢れんばかりのエネルギッシュな想いが音に託されたかのようなポップ・ナンバーばかりであった。しかし、2002年ラストになるであろう今作「Deep Freeze」は、哀愁漂うミディアム・チューンで、そこに乗せる歌詞もいつもより深い内面世界を描いたシリアスなものとなっている。「今」という時代を改めて振り返った彼女が、今年のテーマである“人への感謝”や“言葉の力”といったものをさらに強く提示した、しみじみと胸に響いてくる作品に仕上がっている。カップリングには、初のクリスマス・ソングを収録。甘く心地良い空間を醸し出す、好きな人と一緒に聴きたくなるナンバーだ。作品について話を聞いてみた。


 **この曲は、ファンでいてくれる人たちに対して
お互いの存在を心の支えにして、寄りかかりあっていられる
君と私でいようねってことをメッセージにしています**

●最近のシングルはポップ感のある温かくて幸せなナンバーが続いていたのですが、「Deep Freeze」はマイナーで哀愁ある違った雰囲気のサウンド展開になっていますね。この曲を選んだ理由を教えて下さい。
愛内里菜(以下愛内):デモテープをたくさん聴きまくったのですが、聴き終わった後で、なぜかこの曲だけが鮮烈に焼き付いていて。里菜の感覚の一部がすごく動かされたというか……。このメロディに乗せて大切なコトが伝えられそうな気がしました。

●この曲を聴いて浮かんだ色や映像は?
愛内:もともとは、すごくきらびやかで美しいものや色だったんだろうけど、ほとんどが錆びついてしまってガラクタ化してしまったような情景。

●「Deep Freeze」というタイトルの意味と、ここに込めた想いを教えて下さい。
愛内:この時代に生まれ育ってきて、自然に存在するものが溢れてるんじゃなくて、なんだかすごく人工的なものばかりが周りにあって……。だから不必要なものにとり囲まれた中で、何が大切で必要なのかを見極めて生きていかなきゃいけない。そんな人の心を惑わすモノ、自分を自分の中に閉じ込めてしまうような恐れるモノを“Deep Freeze”とここでは言い表しました。

●今回の歌詞で一番伝えたかった事は何ですか?
愛内:“急ぎ過ぎたこの世界の過ち”と“遠ざかってゆく本来あるべき愛の姿”。人が人の心にまっすぐに触れることが少なくなったこの時代では、自分の想いをうまく言葉にできなかったり、誰にも語ることができないような人が溢れてたり、人情や思いやりなんてものも欠けてしまっていて、無惨にも人の命がもて遊ばれていたりする。里菜は生きていくことから逃げない強さを見つけ出し合っていくのが、あるべき人と人との姿なんだと思う。だから自分が惨めだと思う日々が続く時にも、不器用にしか生きることができないと思う日々が続く時にも、さし伸ばされている救いの手を拒まないで欲しいなって。自分の心の中にほんの少しでもあたたかい部分がある限り、忘れない限り、相手に迷惑だけをかける人なんていないんだ、存在意義のない人間や必要とされない人間なんていないんだってことを伝えたかった。

●“凍えている君”というのは、愛内さんの中で何かを象徴した言葉なのですか?
愛内:この中での“君”は“完璧な人”ってことを言いたかったんじゃなくて、人間なんだから何かしら葛藤したり悩みがあったりするもの、君にだって凍えるときもあるねってこと。だからこの中での“君”と“私”は手を取り合えるいい相手、いい仲間。

●“毎日はもうすでに汚れてて”“私のため汚れた世界壊そうとしてくれた”といったフレーズが印象的です。このフレーズはどのようにして出てきたのですか? 実際に生活していて“汚れている”と感じる事が多いのですか?
愛内:テレビをつければ毎日のように、立て続けに人を脅かすニュースがあって、季節は年々狂ってきて異常気象と騒がれ、空から降る雨もきれいなものじゃなくなっている……。ちょうど里菜の親の世代の人々が快適さ、そして平和を求めて作り上げた社会なんだろうけど、今になって首をひねり、頭を悩ませている。それを、私たちの世代がバットンタッチしなければならない未来がもうすぐそこまで来てて、“私たち、そしてこの時代はどうなってくの?”って感じる中で“私たち、そしてこの時代をどうにかしなきゃいけない”って危機をすごく感じてるんです。

●歌詞には、相手を支えてあげようとしているけど、それで逆に自分も支えられているって気持ちが描かれていますよね? それは愛内さんとファンといった形にも感じられて、ダイレクトな表現ではないけれど、前シングル「Sincerely Yours」に続いて、“感謝の気持ち”を綴った作品になっているのかなと思いました。
愛内:ファンレターに「こんなこと里菜ちゃんに言っても仕方ないのにね」とか「迷惑だね、ごめんなさい」とか「自分がここに生きてる価値があるのかな?」ってことを書いてるものがけっこう多くて……。でも、そこにあるその人の考え方や言葉から里菜の中の忘れてたものを取り戻せたり、気が付かなかったものを考えさせられたりしてるんです。里菜を頼りに意見を言ってくれたり、喜んでくれたり、涙を流してくれたりする君がいるから、里菜の想いやメッセージを包み隠さず音に乗せ届けなきゃって思える。だから、君が“迷惑をかける”って思ってることは、決して迷惑なだけのものじゃないってこと、誰にも迷惑をかけずに生きている人なんて誰一人としていないんだよね。だからこの曲は、ファンでいてくれる人たちに対してお互いの存在を心の支えにして、寄りかかりあっていられる君と私でいようねってことをメッセージにしています。

●一番こだわった所や、ここを聴いて欲しいといった点は?
愛内:歌詞はもちろんですが、アレンジもこだわったので音の方もよく聴いてみて欲しいです。今回、初めてベースも生で演奏してもらいました。

●カップリングの「White X-mas Song」は初のクリスマス・ソングですね。
愛内:冬の共通する最大のイベントといえばクリスマス!! 毎年この時期にシングルを出すタイミングがなくて……。だから今回は、このクリスマス時期に向けて創りました。里菜にとって冬はどんよりとした灰色のイメージがあるんです。でもクリスマスの時期だけは一瞬パッと明るくとても温かい世界が広がって、冬の灰色のイメージもその時だけはキラキラと輝いてる、1年で一番明るくなるっていうイメージなんです。だからこの曲ではそんなハッピーな気持ちを思いっきり出してみました! だけどふと見回すと、まだまだ日本を含め世界中で日々たくさんの事件や問題が起きてて、誰もが幸せなクリスマスを過ごせている訳じゃない現実もあるから、逆にいつの日か世界中の全ての人達が、この曲のようにハッピーな気持ちでクリスマスを過ごせる時が来てほしいっていう気持ちも込めています。

●“X-mas”という表記にはこだわりがあると思うのですが、なぜこの綴りなのですか?
愛内:そうなんです! みなさん!! よく使われてる“X'mas”っていう表記、実はあれは間違いなんです。日本でよく見かけるんだけど、「X」っていうのは十字架を意味していて、それ一つでキリストを表わす記号になっているので、何の省略でもないんですよ。だから省略記号の 「'」を使うのは間違い。ちなみに「mas」はミサのことで、“Xmas”か“X-mas””が正しい表記なんです! ちょっとクリスマス研究家みたいでしょっ。

●愛内さんのクリスマスの想い出を教えて下さい。
愛内:里菜が小さい時、クリスマス・プレゼントは里菜が眠ってる間に来るものじゃなくて、家族で食事に出掛けて帰ってくると玄関の前にプレゼントが置かれてあったんです。だからみんなが、サンタなんていないよって言い出してた時も、里菜だけみんなと違う時間にサンタが来るんだから、絶対に里菜だけほんとのサンタが来てると思ってた!

●やわらかいヴォーカルが幸せな歌詞をさらに盛り上げていますが、レコーディングはいかがでしたか?
愛内:すんなり歌録りできました。雰囲気が大切な曲なので壊さないようにすごく情景を想像しながら歌いました。スタジオではずっと微笑んでいたらしいです!

●7月〜9月と「HOTROD BEACH PARTY」のライヴ・ツアーを行っていましたが、こういうステージってやっぱりワンマン・ライヴとは違いますか?
愛内:やっぱりたくさんのアーティストの方たちと、そして自分にはない味を持った人たちと一緒にライヴするのはパーティみたいですごく楽しいし、正直一人のときより気持ちは楽ですね。だから、みんなでやるライヴも大好き!

●このツアーで一番印象に残っている事は?
愛内:野外がすごく気持ち良かった! 初野外だったんだけど、歌とステージとそしてみんなと、全てが景色と一体化してすごい空間になっていたので、感動しました!

●バンド・メンバーと楽しそうにセッションしていた愛内さんが印象的でした。人と関わって何かをするのって、やっぱり愛内さんには楽しくて特別な時間でしたか?
愛内:もちろんっっ!! 人と関わって感じられることってほんとに無限だなって感じています!!! エクスペリエンスのメンバーの方とのセッション、コーラス役なんて、めったにありえないことだからすごく嬉しかった!

●R&B、HOTRODとカヴァ−をしてきましたが、次にこれに挑戦したいといったものはありますか?
愛内:里菜の番組「A☆RINA SHOW」で50年代〜60年代のフランスの曲を紹介したことがあるんだけど、そんなのもカヴァーしてみたい、うーん、ちょっとセクシー系で!! 里菜の大好きなブリジット・バルドーの曲もあるんだよ。

●2002年の今後の予定は?
愛内:「Deep Freeze」はもちろんですが、やっぱり今年の冬には絶対どこかで「White X-mas Song」を歌いたいです。

●2003年の目標や、自分の中でこんな事をやってみたいといった事は?
愛内:めちゃめちゃライヴがしたい! かなりしたい!

●最後にこれだけは言っておきたいって事があれが一言!
愛内:里菜の歌を心待ちにしてくれていたみなさん、お待たせしました2 一人でも多くの方に届くように、心を込めて制作に専念して作ることができた歌なので、「Deep Freeze」「White X-mas Song」ともどもじっくり聴いて下さいね!

★初回盤限定特典…LOVE 里菜 X-mas フォトカード封入!
<クリスマス・ムード溢れる愛内里菜の撮り下ろし写真を掲載。カード裏には直筆コメントも!!>
※「Deep Freeze」よみうりテレビ系「プロの動脈」エンディング
テーマ・日本テレビ系「AX MUSIC-TV」AX POWER PLAY #018

★TV出演決定!!
・11月20日(水)NTV「速報!歌の大辞テン!!」
・11月22日(金)ANB「ミュージック・ステーション」
・11月23日(土)NHK「ポップジャム」
・11月26日(火)T X 「MUSIX!」
・11月28日(木)NTV「AX」

★ライヴ「MITSUBISHI MOTORS“COLT”presents FM Festival'02 愛内里菜 with Friends Special Live」出演決定!!
●日時:12月12日(木)OPEN17:30/START18:30
●会場:Zepp Osaka
(問)サウンドクリエーター(TEL:06-6357-4400)

★早くも新曲がオンエア中!!
11月2日よりスタートした新番組「釣りバカ日誌」(テレビ朝日系アニメ)のエンディング・テーマとして、新曲「風のない海で抱きしめて」(リリース日未定)がオンエア中です。是非チェックして下さい!!


愛内里菜

New Single「Deep Freeze」

11.20 Release


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