the FIELD OF VIEW LIVE REPORT
11.28 at 渋谷公会堂

                                          the FIELD OF VIEW Final Live「the FIELD OF VIEW Live Hrizon-SUPERIOR 2002〜Gift of Memories〜」11.28 at 渋谷公会堂


 11月28日、the FIELD OF VIEWのラスト・ライヴ「the FIELD OF VIEW Live Hrizon-SUPERIOR 2002〜Gift of Memories〜」が渋谷公会堂で行われた。まず、受付けで手渡されたセット・リストを見て驚いた。9年間の感謝の気持ちをステージからみんなに届けたいといったメンバーの想いが伝わる、30曲以上もの楽曲が組まれたセット・リストになっていたからだ。ライヴ自体は3時間にも及ぶものとなっていた。
 ほぼ定刻通りに客電が落ちると、デジタル・ビートなSEに乗せて、青の幻想的な照明がステージを浮かび上がらせる。ステージ中央のドラムセットの上方に立つ浅岡は胸に手をあててじっと佇んでいる。何度も映し出される彼の姿が見える度に会場からは歓声が起こっていたが、微動だにしない。そこには、ライヴに向けての集中と、最後まで悔いを残さずに歌い切ろうといった強い決意が漲っているようだった。そして、遂にメンバー全員がステージに現れると、オリエンタルなイントロが流れ1曲目「青い傘で」でライヴはスタート。この曲から既にオーディエンスの大合唱が沸き上がるほど、会場は興奮状態に包まれていた。そして、そんな会場の様子をずっしりと受け止め、ステージに立つ喜びを噛み締めるようにしっかりと力強く歌う浅岡。最初のMCでは“11月28日、みなさんと最後の時間を共有できて嬉しい。同じ時代に生まれた奇跡を、この場所で必然に変えましょう”と、彼らの音楽を愛する人との出会いに感謝する言葉をゆっくりと大切に口にする。「SPECIALLY」「I want…」などリズム感のあるナンバーが続いた後には、「この街で君と暮らしたい」。この歌詞に込められたメッセージがさらに深まり、じわじわと胸に浸透してくる。“このへんで飛ばして行きたい”と、「渇いた叫び」からはシングル・メドレーがスタートし、ここから一気にヒートアップ。「DAN DAN 心魅かれてく」ではメンバー紹介が入れられていたが、最後だというのに“ON DRUMS 小橋琢人!”と、名前を呼ぶだけの意外なほどシンプルなものだった。メンバーのコメントを聞きたいと思っていた方にとっては残念だったかもしれないが、言葉よりも音楽でありったけの気持ちをぶつけたかったのだろう。そのために彼らは1秒も無駄にせず、1曲でも多くステージで演奏したいと行動で示したのではないだろうか。
 ここで小休止。メンバーが引っ込み、スクリーンに映像が写る。各メンバーの幼い頃の写真から現在へと移り変わっていき、最後は「Melody」の時に撮影された、メンバー4人が笑顔を浮かべている写真が登場。この4人の姿を見て思わずウルッと来ていた、この時の会場の何とも言えない空気。彼らの笑顔の裏にある気持ちを受け入れたいけど、素直には受け入れる事ができない……、そんな複雑な想いが胸を埋め尽くしていた。  そして第2部がスタート。幕が上がると、ステージには17名ものストリングスのオーケストラがスタンバイしていた。清々しいコーラスが聴こえてくる。このオープニングで始まる曲は――ファンにとっては忘れられないラスト・シングルとなった「Melody」。ストリングスによってさらに瑞々しさを漂わせたこの曲は、“別れ”や“終わり”といった言葉がまったく似合わない、悔しいぐらいにどこまでも続く未来を感じさせるエネルギーに満ちていた。“何かを手にして 何かを失って それでも離せなかった 大切なメロディー 未来へ繋がる扉を開けるために 僕らは立ち止まらない〜”といったフレーズがダイレクトに訴えかけ、メンバーとオーディエンスがそれぞれスタートを切るのだと、ここでまた改めて実感させられた。
 「夏の記憶」「夏の片隅で」とサマー・ソングが続いた後には、ドラマティックに静寂の世界へと落とし込めた「冬のバラード」。静まり返った会場にいつも以上にパワフルなドラムの音が響いていた。その凛とした静けさの余韻に包まれた会場に、“SUPERIORとタイトルを付けたのは、みんなに最高の音を聴いて欲しいから。この瞬間が最高になるように作り上げて行きましょう”という浅岡のコメントが送り出され、「THINK OF MYSELF」へ。伸びやかに身体を使って歌う浅岡に、オーディエンスもハンドクラップで応援。本編ラストの「Beautiful day」では、躍動感あるストリングの音色が広がりのある景色を見せていた。名残惜しそうにメンバーが立ち去ると、すぐにアンコールの声が上がる。  静かに切々と歌い切られた「SNOW FIELD」でアンコールが始まり、高揚感溢れるクリアなヴォーカルでさらに荘大な世界観を感じさせた「大空へ」が歌われると、あっという間に1回目のアンコールが終了。すぐにまたコールが掛かる。
 2回目のアンコール1曲目「君がいたから」は、浅岡のアカペラにストリングスが重なるという、雰囲気のある始まりとなった。両手を左右に広げ“まるで鳥になったみたいに 自由にはばたくよ〜”と、精一杯の限りに歌う輝くその姿に、会場にいた人達は胸を打たれていた事だろう。そして、ファンへの感謝の気持ちを込めた作品「gift」がしっとりと歌われると、会場からはたくさんの“ありがとう!”コールが起こる。その言葉を受け止め、感慨深く溢れる思いを噛み締めながら必死で歌われた「holiday」。全てのナンバーが終わり、本当に最後となるメンバーの言葉を聞く事が出来た。小橋“伝え切れない想いを音に詰め込んだ。全ての人にありがとう”。新津“長い間お世話になりました。時間が押しているので、気を付けて帰って下さい”。小田“ありがとう”。そしてメンバーが一列に並んで深くお辞儀をして、浅岡が涙を流すのを必死で堪えながら、最後に掠れた声で“ありがとうしかありません。9年間みんなとスタッフのおかげでここまで来る事が出来ました。消える訳じゃない。心の中に残って行くものだから”。会場からの割れんばかりの拍手と“ありがとう”の声。それを受けながらドラムの前で手を振りながら4人が並ぶ。降りて来たスクリーンによってメンバーの姿は次第に隠されていき、照明によってメンバーのシルエットが大きく浮かび上がる。が、やがてその姿も消えていく……。残された真っ白なスクリーンには、メンバーから会場のファンに向けて“みんなから貰った消える事のない大切なメロディ。僕達はいつまでも唄ってる”といった感謝の言葉が映し出され、それを見たオーディエンスからは大きな拍手が送られた。
 浅岡の口から出て来る歌詞や、メンバーから出されるサウンド、その全てが希望に満ちたものばかりで、本当に彼らはポジティヴな作品ばかりを世に送り出していたんだと実感。だから、最後であるにも関わらず、涙が似合わないライヴだと感じた。もちろん、これからはステージでバンド自体を見る事は出来ないが、彼らが生み出した素晴らしい、多くの想い出を作ってくれた楽曲は、これからも聴く者の胸の中で生き続けていく。the FIELD OF VIEWファンの方は、今後も彼らの作品と彼らの存在を信じて、前を見て進んで行って貰いたいと思う。

<SET LIST>
OPENING SE 1.青い傘で 2.Last Good-bye 3.ナチュラル 4.奇跡の花 5.SPECIALLY 6.I want… 7.FLY to Xxxx 8.セピア 9.この街で君と暮らしたい 10.アンダンテ 11.夢見続けて今も 12.★シングルメドレー:渇いた叫び/めぐる季節を越えて/ドキッ/DAN DAN心魅かれてく 〜The Legend of Four Life(映像)〜 13.Melody 14.突然 15.ある晴れた日 16.Dreams 17.夏の記憶 18.夏の片隅で 19.冬のバラード 20.everywhere 21.THINK OF MYSELF 22.Still 23.サヨナラ〜Love is pain?〜 24.桜咲くこの場所で 25.Beautiful day EN I 1.SNOW FIELD 2.PROMISE YOU 3.大空へ EN II 1.君がいたから 2.gift 3.holiday

■the FIELD OF VIEW Live Horizon-the FINAL〜Gift of Extra Emotion〜(12/1 赤坂BLITZ)
東京と大阪で行われたラスト・ライヴに入れなかったファンの要望に応えて、12月1日に追加公演として行われた赤坂ブリッツでのライヴ「the FIELD OF VIEW Live Horizon-the FINAL〜Gift of Extra Emotion〜」。ライヴ・ハウスならではの盛り上がりを見せた、熱気の渦を巻き起こしたオーディエンスとステージとの一体化。曲順も違い、アコースティック・コーナーがあったり、アンコールでゲストとして元メンバーの安部が登場したり、またオーディエンスからメンバーへのどっきり企画があったりと、また違った内容となっていた。
<SET LIST>
Strings〜Introduction〜 1.Still 2.Last Good-bye 3.Loversday 4.セピア 5.Dreams 6.冬のバラード 7.★シングルメドレー:渇いた叫び/めぐる季節を越えて/ドキッ/DAN DAN心魅かれてく ★アコースティックコーナー:8.夏の記憶 9.風よ 10.SPECIALLY 11.FLY to Xxxx 〜The Legend of Four Life(映像)〜 12.君がいたから 13.突然 14.桜咲くこの場所で 15.THINK OF MYSELF 16.青い傘で EN I 1.SNOW FIELD 2.Beautiful day 3.大空へ EN II 1.Melody 2.gift 3.holiday

■FINAL LIVE DVD「the FIELD OF VIEW FINAL LIVE“ Live Horizon-SUPERIOR 2002〜Gift of Memories〜”」2月12日リリース決定!!
今回レポートした渋谷公会堂で行われた感動のファイナル・ライヴがDVDとしてリリース決定! 最初で最後のライヴ作品であると同時に、the FIELD OF VIEW初のライヴ作品となる今作。会場でも問い合わせが殺到し、さらにライヴに行く事が出来なかったファンからも熱望されていました。180分に及ぶファイナル・ライヴの映像に、ファースト・ライヴ「FIELD OF VIEW Live Horizon Ver.1」を始めとした過去のライヴからセレクトした貴重なライヴ映像も特典映像として収録した2枚組。まさに永久保存版となる1枚!!
●「the FIELD OF VIEW FINAL LIVE
“ Live Horizon-SUPERIOR 2002〜Gift of Memories〜”」

ONBD-7023〜4 B-VISON ¥5,775(tax in)
LIVE映像:5.1chサラウンド・システム対応収録
収録予定時間:180min+特典映像