3月にリリースされた「Time after time〜花舞う街で〜」に続いて、4月30日にニュー・シングル「KISS」を発表する倉木麻衣。今作も昨年大ヒットを飛ばした「Feel fine!」と同様にSEA BREEZEのCMソングとしてオンエアされ、本人出演と共に話題になる事は間違いない。ダンサブルなグルーヴの中にもナチュラルさを感じさせるミディアム・アップ・チューンとなった今作を手掛けているのは、作曲:YOKO Black. Stone、編曲:Cybersoundという、倉木麻衣作品のリスナーにはたまらない全米デビュー・シングル「Baby I Like」以来の強力コラボ。軽快なアコースティック・ギターで彩られたサウンドに、夏の暑さを吹き飛ばすような倉木のクールなヴォ−カルと、広がりを見せる幾重ものコーラスからも、清々しい風が吹き込んでくるような心地良さが伝わってくる。ツアーとレコーディングで忙しいスケジュールの合間をぬって、今作についてコメントして頂いた。
●シングルでは初のYOKOさんの楽曲となりましたが、初めて聴いた時の印象は?
倉木麻衣(以下倉木):YOKOさんはいつもグルーヴ感があってかっこいいメロディの曲が多いんですよね。今回もやっぱりクールでかっこいい曲だなと思いました。
●いつものYOKOさんの楽曲よりは、かなりPOPになっていますが、またそういう違った点からもインスピレーションは沸きましたか?
倉木:デモの段階ではR&Bテイストがかなり強かったので、特に今までと全く違うという感じはなかったですね。メロディやコーラス等曲全体が印象的で、Bメロからサビの終わりにかけて徐々にオープンで開放的な雰囲気に曲調が展開していくところが、かっこ良くてイメージしやすかったです。違うという意味ではR&Bの曲調なんだけど、夏らしい爽やかな雰囲気も出したかったので、サイバーサウンドにアレンジを依頼する時にポップなテイストも取り入れてもらう様にお願いした所だと思います。
●「KISS」というストレートなタイトルが付けられていますが、タイトルは始めから決まっていましたか?
倉木:はい。以前から「KISS」というタイトルで作ろう!と話していたので、この曲はそのイメージにピッタリでした。
●歌詞は、プールサイドにいる2人の距離が縮まっていく瞬間といった感じですが、歌詞の情景と倉木さんが込めている想いや綴りたかった事を教えて下さい。
倉木:「言葉より行動に出して!」。今回はこれをテーマに友情から恋愛に発展していく気持ちを書いてみました。
●前作では季節感(春)は意識してなかったけど、結果的にそうなったといった感じでしたが、今回は夏を意識して作られたのかな?と思ったのですが、いかがですか? やっぱり夏が待ち遠しいといった感じですか?
倉木:そうですね。夏は大好きな季節で、20歳になって初めて迎える夏が今から待ち遠しいです。熱い夏というより、今年は涼しげでCoolな夏にしたいです。
●“言葉よりもKiss”というフレーズがとても良いですね。いつもよりも積極的な主人公になっていませんか?
倉木:「夏」という季節のせいかもしれないけれど、いつもより積極的な自分になれるのかもしれません。夏のせいにして(笑)、“言葉”で伝える事も大事だと思うけれど、行動で思いを伝える事によって“言葉”以上にもっと何かを感じる事もできると思うから。
●倉木さんもここ数年でやっぱり性格が積極的に変わってきたと思うのですが、恋愛に関してはいかがですか? この主人公は倉木さんの変化でもあるのですか?! それとも憧れ……?!
倉木:こういう夏のシチュエーションっていいな……みたいな憧れはあるかも。私の現実とはほど遠いんですけどね(笑)。今ツアー中で、やっと自分なりに何かが掴めてきたような気がするので、もっと自分らしさを出して行きたいと思っているし……。そこが自分自身では、前よりも変化している部分かもしれないです。1人の女性として「らしさ」を持ちたいと思います。
●倉木さんにとって“KISS”とはどんな存在ですか?
倉木:愛する表現! 大切なもの・人・愛しさ・かわいらしさ……全て“KISS”という言葉で表したくなってしまいます(笑)。
●前作「Time after time〜」が春で、今作が夏という事で、ずっと季節を追った作品に仕上がっていますね。
倉木:この2作で季節を表現する言葉使いって大切だなって実感しましたね。それから季節のイメージ、例えば「春」だったら“淡く切ない”「夏」だったら“Happy &: 爽快感”っていうイメージを、詞や楽曲の中で活かす事もいい経験になったと思います。季節と共に音楽も変わっていきますよね。
●昨年夏の「Feel fine!」と今作との違いはありますか?
倉木:詞に関しての違いは、「Feel fine!」は夏になるのが待ち遠しい気持ちなんですけど、「KISS」は温度の“暑さ”というよりも気持ちの“熱さ”です。それから10代の気持ちと20歳の気持ちという点でも、自然と歌詞の視点や気持ちが違ってくると思うし。音的にも前回は60年代のBeach Boysに対して今回はリアルタイムのグルーヴ感という所で、同じサマー・ソングなんですけど新鮮な気持ちで作りました。でもどんな音のジャンルでも、自分の中での夏に対する思いや憧れは変わらないです。
●今回はコーラスもふんだんに入っていて、軽やかで世界観を広げていますね。ヴォ−カル・レコーディングについて教えて下さい。
倉木:デモ段階では仮歌を英語で歌っていたんですけど、実際に日本語で歌うと思っていたよりも難しくて大変でした。コーラスはレコーディングをしていく内に、色々とアイディアが自然に浮かんできました。ヴォーカル・ブースでキーボードを弾きながらラインを作っていったのですが、何度もサビを繰り返して聴く内にメロディが頭から抜けなくなってしまって。レコーディングが終わってもしばらくメロディが頭の中でぐるぐるまわって大変でした(笑)。今回はレコーディングがツアーと重なっていて、限られた時間の中でいかにベストを尽くすかがテーマになってしまったんですけど、達成感は一番感じたレコーディングになりました。
●PVはどんな感じに仕上がっていますか? また、今年もSEA BREEZEのCMに出演しているそうですが、どんな感じで撮影されたのか少しだけ教えて下さい!
倉木:詞や楽曲のイメージから「プール」が出てきます(笑)。SEA BREEZEの撮影は、沖縄の石垣島で行われたのですが、海がとても綺麗な所でした。本当に水が透明でサンゴ礁が見えるほどだったんですよ。そんな豊かな自然に恵まれた環境で撮影することが出来ました。
●カップリング「You are not the only one」はどのような曲に仕上がっていますか?
倉木:タイトル通り、全てにおいて「君ひとりだけじゃないんだよ、そう思っているのは」っていう事をテーマに詞を書きました。曲調も2 STEPっぽくて、「KISS」とはまた違うグルーヴ感が楽しめると思います。ヴォーカルはリズムのノリで一気に歌いました。こういう曲調も大好きですね。
●最後に、今年の夏のご予定は? またやってみたい事は?
倉木:自然にもっと触れて色んな刺激を受けたいです。インドアよりもアウトドアな夏にしたいです。
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