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倉木麻衣が「Time after time 〜花舞う街で〜」「Kiss」に続いて、早くも2003年の第3弾シングル「風のららら」を5月28日にリリースする。今作は初めてTUBEの春畑道哉が作曲を担当。揺れる潮風のようなやさしいメロディ・ラインが心地良いナンバーで、そのメロディのひとつひとつの言葉を確かめるように、伝えるように辿るヴォ−カル、特に前のフレーズに呼応するように重ねられたサビのオープンエアの爽やかさが印象的。
アレンジはお馴染みのCybersound。スロー・テンポで始まり、メロディの美しさ、切なげなヴォ−カルが際立つ前半から、ポジティヴな響きを持ったミディアム・テンポの後半へと流れるように展開していくサウンド・プロダクションで、既にオンエアされている「名探偵コナン」（読売テレビ・日本テレビ系全国ネット月曜夜7時30分放送アニメ）のTVヴァ−ジョンとはまた違った魅力を聴かせてくれる。作品には3曲目に「TV On Air Size」として収録されているので、聴き比べてみるのも楽しい。
「風のららら」というタイトルには、どういった意味が込められているのか？ それは“その時々の状況で、風の音も楽しい時は笑っているように、不安だったり悲しい時は泣いているようにと、違って聞こえる”と、倉木が常日頃感じている事を表現しているのだそう。歌詞には不安や迷いを含んだ切ない“ららら”から始まり、“君に決めたよ”というフレーズからも分かるように大切な人を見つけた事で徐々に明るくなり、最後には力強く輝かしさを増した“ららら”へと変化していく様が、心情面をフィーチャ−して綴られている。前々作「Time after time 〜」、前作「Kiss」は、映画のワンシーンや日常の1コマを切り取ったかのように、鮮やかに情景が浮かび上がる歌詞が描かれていたが、今作は胸中の想いが変化していく様子が綴られており、それによって登場する“風のららら・・・”の背景で吹いている風の音や色が移り変わって行くイメージを抱かせる仕上がりとなった。
一歩間違えばどれがどれだかリスナーが混乱してしまいそうな、ここの所の連続リリース。そんな中で何気なく各楽曲の世界をちゃんと区別させるワザを見せてくる事からも、倉木麻衣の成長が振りが実感できる作品になったとも言える。
◆「Mai Kuraki FAIRY TALE Tour 02-03」LIVE REPORT at NHK HALL◆
昨年10月からスタートした倉木麻衣のライヴ・ツアー「Mai Kuraki FAIRY TALE Tour 02-03」。全国41公演が行われる大規模なツアーとなったが、その28本目となった4月19日（土）の東京NHKホールの模様を速報レポート！
タイトル通り昨年リリースされた最新アルバム『FAIRY TALE』からのナンバーを中心に（「fantasy」ではピアノの弾き語りも披露！）、ライヴ定番となっているヒット・シングル「Stay by my side」「Secret of my heart」や、最新ナンバーー「Time after time 〜花舞う街で〜」「Kiss」までと、幅広く網羅されたセット・リストが組まれていた。バンドはもちろんExperienceのメンバー。特別にアレンジされたナンバーはなかったが、2月に行われた「GIZA studioバレンタインコンサート」の時のように、バンドが生み出すグルーヴ感漂うサウンドになっていた。リズム隊の厚みのある音色がかなり全面に出ていたが、そのパワーに負けないほど倉木のヴォ−カルが力強くなっており、着実にヴォーカリストとしてステップアップしてきている事を実感。ヴォ−カルとともに動きもスムーズになっている事が分かり、パフォーマンス面でも成長を遂げた事は一目瞭然であった。ただ、MCはまだまだ緊張している様子……。でもそういう、ちょっとハラハラして見る部分があるのも“倉木麻衣らしい”と感じたりもする。
ライヴ前半はオーディエンスがステージを観て自主的にコールを掛けたり踊ったりするスタイルだったが、徐々に倉木やバンド・メンバーの煽りでコール＆レスポンスや大合唱が起こっていくといった、倉木本人が以前のインタビューで言っていたように一体感を味わえる楽しい内容に仕上がっている。特に後半の「Love, Day After Tomorrow」からはオーディエンスを常に引き込む展開で、「Stand Up」では大合唱が湧き起こるという熱気に包まれていた。
ステージ中央にはビッグ・ビジョンが設置されていたのだが、そこに映し出される倉木の表情がものすごく良い！ 特に切ないナンバーの時は、目の前に好きな人がいるような、まるでそこに想い出の場所があるような……そんな表情がアップで観る事ができる。せっかくライヴで生の姿が見られるのに、ついついビジョンを観てしまう、そんな人も多くいるかもしれない。でも、生だからこそ、そういった瞬間を観る事ができるのだとも言える。これから行く方は是非ともそんな彼女の姿もチェックして欲しい。
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