6月25日にリリースした1stシングル「迷Q!?-迷宮-MAKE★YOU」がオリコンのシングル・チャート15位を獲得した岸本早未。続く8月6日にはダンサブルなデジタル・ビートはそのままに、キャッチーで切ないメロディが印象的なミディアム・チューンの2ndシングル「愛する君が傍にいれば」をリリース。新人ながらも、サウンド、ビジュアル、話題性、全てにおいて好インパクトを与えた岸本早未が、早くも1stアルバムを完成させた。岸本が初めて作詞を手掛けた楽曲とシングルを含めた全11曲が収録。16歳のフレッシュな感覚と、これからの可能性を秘めた大注目のアルバムに仕上がっている。
●セカンド・シングルのリリース後にすぐに1stアルバム情報が入って来ましたが、デビューの時からアルバムに向けてレコーディングはずっと行われていたと思いますが、具体的にいつ頃から本格的にレコーディングしていたのですか?
岸本早未(以下岸本):本格的にアルバム曲に取り組んだのは、7月の夏休みに入る直前です。8月に入ってからも少しやってました!!
●学校帰りにレコーディングといった生活が続いているのですが、毎日歌ったりなど制作している生活はどんな感じでしたか?
岸本:学校が終わってからが本番って感じで……、スタジオの方が学校のような感じでした。体力的に結構キツイ時もあるけど、めちゃ楽しいです・
●セカンド・シングルではピクチャー・レーベルという、自分の写真がCDの盤面に印刷されているものが初回盤で作成されましたが、見た時どんな感じでしたか?
岸本:ディスクに自分の顔って何か恥ずかしかったです。でも、3種類もあったのは自分でも嬉しかったです。
●以前、色んなジャンルの歌とダンスに挑戦したいと言われていましたが、アルバムはまさにチャレンジといった感じですね。制作が終わった今の率直な感想や、出来上がったこのアルバムを聴いて感じた事を教えて下さい。
岸本:まさにチャレンジでした! レコーディングしている時は、どんな曲も、私らしく歌おうとずっと考えてました。出来上がったアルバムは、私の「一生懸命の力」が沢山詰まった一枚です。初めて聴いた時、嬉しくて泣きそうになりました。
●アルバム制作で一番記憶に残っている事は何ですか?
岸本:「reigning star」の歌入れですかね。この歌詞とメロディの力強い感じが好きで、思いっきり歌った事を覚えてます。
●基本的にミディアムやスロー系でも、リズムにノリがあって、ダンスが好きな岸本さんらしい楽曲ばかりだと思うのですが、歌を歌う時は各曲でダンスを頭で考えたり、レコーディングしながらや合間にちょっと踊ってみたりとか、そういった事はしているのでしょうか?
岸本:レコーディングの時に歌いながら踊るという事はしないですけど、歌いながら踊ってる自分を想像してます! あと、休憩中に踊ったり……・
●踊ったりする事=身体でリズムを覚えて歌いやすくなったりするのではないかと思うのですが、岸本さんがヴォーカル録りする時に、自分で心掛けていた事は何ですか?
岸本:テンションを高く持って行く事です。自分で自分のテンションを上げてあげるんです。あと集中して、緊張感を持つようにします。
●切ないヴォーカル、パワフルなヴォーカル、クールなヴォーカルと、様々な表情を聴かせてくれましたが、ヴォーカル録りでアドバイスされて印象に残っている事や、自分なりのこだわりを教えて下さい。
岸本:お腹が空いている時、悲しい時、嬉しい時、声を聴いたらすぐ分かってしまうらしいので、精神面で気を付けるようにしてます!
●歌詞もサウンドと同様に様々なシチュエーションですが、AZUKI 七さん作詞なだけあって、切ない系のモノになっていますが、歌詞の世界で感じた事や、共感したり、反対に分からなくて周りに聞いたりした作品やフレーズなどはありますか?
岸本:共感できる事は、たくさんあります!! アルバム曲で言えば、「SODA POP」や「Yes or No ?」の内容とか……? 勉強になることもたくさんあって、ほとんどの曲で「あ〜なるほど」って思ってます。あと、分からなかったフレーズといって覚えてるのは……、「OPEN YOUR HEART」の“愛する事と 信じる事は 今の私にはheavyだけど”です。
●「Yes or No?」は学生らしい初々しいデート風景ですが、こういうのはすごく分かりやすかった?
岸本:なんか分かる気がしますね。私はシャイなんで……、でも、逆に照れると喋りまくって誤魔化します(笑)。
●歌詞にUSJが出て来ますが、岸本さんはもう行きましたか? 何が好きですか?
岸本:行きましたよ!! 5回ぐらい行ってると思います・ バックドラフトと、バックトゥーザフューチャーが好きです・夏は、ジュラシックパークに乗った後に、バックドラフトで服を乾かす!!
●歌詞の中で過去の教訓を得て未来へ……といった主人公の世界が多いのですが、こういうのを見ていると、すごく考える部分も出てくると思うのですが、いかがでしょうか?
岸本:私も「愛する君が傍にいれば」の歌詞みたいに、前に進んで行くためのサヨナラっていうのは、必要なんじゃないかなって思います。悲しいけど、人として生まれて来た事の試練だと思います。一度離れ離れになっても、本当に必要な人だったら絶対にまた出会えると思うので。
●そういった想いが作詞初挑戦となった「記憶」へと繋がっているのかな?と思ったりしましたが、この歌詞はどのようにして書き上げていったのですか?
岸本:誰でも“理想”って持ってると思うんです。でも、その自分の中で描いてる理想と現実があまりにも違い過ぎて、自分の中のイメージが壊れていく時ってあると思うんですよね。それでも、誰かを求めてしまうし、信じていたいって思うのが本当の気持ちなんじゃないかなぁって思って。サビのフレーズが一番最初に出来ました。
●“君”という言葉は出てきますが、“私”や“僕”といった自分を指す言葉がなかったのですが、これはまだ歌詞の世界に自分自身を落とし切れなかったからなのかな?と思ったのですが、自分では何故だと思いますか?
岸本:主人公の中にある感情を書いたからだと思います。自分の心の中とか、記憶の中にほとんど自分の姿って出てこない気がして……。自分が今まで見てきた物事を、自分の視線で、まるでヒトリゴトみたいに書きたかったんです。
●“幸せな時には見えない 心の傷跡がある”のフレーズがすごく綺麗で深いと思ったのですが、これはどのようにして浮かんできたのですか? またここに込めた岸本さんなりの想いを教えて下さい。
岸本:なんか幸せに包まれてる時って、周りが見えなくなることがあると思って……。自分がこんなに傷ついてる事にも気付かない時があるなぁって思ってこのフレーズが出来ました!!
●タイトルを「記憶」にしたのはなぜですか?
岸本:“記憶”って聞いた時に頭をよぎるのは、特定のものじゃないと思うし、私は自分を信じるために必要なものだと思うんです。人それぞれ、辛い事も楽しい事も、“記憶”という一言の中にたくさんの意味があって、見る人聴く人によって、違う視点で考えられるんじゃないかなって思ったので。
●歌詞は前から書きたいと思っていましたか? ノートに付けたり、日記を書いたりしているのでしょうか?
岸本:詞を書くのはダイスキです・ 悲しい詞も、楽しい詞も1 日記みたいにノートにいっぱい付けてますよ。
●すごく大人っぽい歌詞ですが、周りの反響はいかがでしたか?
岸本:初めて家族に見せた時に、これはこんな思いで書いててとか、歌詞の解説をしながら見せたんで、「ふ〜ん、そうなんや」と納得してくれてた感じでした。
●デビュー前とこのアルバム完成後で、自分の中で一番変化したと思う所はどこですか?
岸本:強くなったと思います。精神的に……。中学生の頃、私すごく泣き虫だったんです。でも、デビューが決まって、ずっと支え続けてくれてた友達と離れる日に「絶対強くなろう!!」って決めたんです。その時からすごく強くなったと思います。もう泣き虫な自分は居ません。心の片隅にいるかも知れないけど……、それを隠せるくらい強くなったと自分で思ってます。あと、人としての触れ合いを大切にしたいって思う時間が増えました。自分を応援してくれる人や、自分を支えてくれる人、自分を必要としてくれる人、とにかく、今までもこれからも、私と関わってくれる人みんなを大切にしたいと思う時間が増えました。
●アルバム制作で勉強になった事は何ですか?
岸本:どんな曲にも絶対何か大きな意味があって、そのキーワードを自分で掴んで、自分なりに世界を広げて歌う事です。たまには、自分を客観的に見たりするよう心掛ける事もあります。そうすればどんなたくさんの曲も、一曲一曲オリジナルで、聴いた人の心を掴めるんじゃないかって思えるようになりました。
●アルバムも通過点ですが、今後はどんな事をやっていきたいですか?
岸本:自分の視野を広げたいです。たくさんの人とか歌とか、ダンスに刺激されて、自分の足りない所を埋めていって大きくなりたいです。嫌な事も、興味のない事も、とにかく何でも“+(プラス)”になると思うので、何にでも挑戦したいです!!
◆ ◆ Hayami's Liner Notes ◆ ◆
1. 迷Q!?-迷宮-MAKE★YOU-
私のデビュー曲で、分からない事や知らない事が多い環境の中で必死に歌った1曲です。歌詞から夢を追い掛ける勢いみたいなものが感じられて、自分自身にも重ね合わせられました。リズミカルでスピード感ある楽曲なので、ノリノリで聴いて下さい! あとダンスは、前に前に迫る感じです!! 勢いを出すためにダンサーのみんなと私で一致団結したので、その気合いが伝わればいいなと思います。
2. カマワナイデ
終わってしまった恋から立ち直るため、まだ好きな人への強がる気持ちが“カマワナイデ ”の一言で表現されていて、歌っていてなんとも言えない気持ちになりました。
3. 愛する君が傍にいれば
すごく切ない曲なのですが、“愛する君”と過ごした時間や、切ない気持ちを力に変えて前に進んでいこうという前向きな歌です。“流れる涙は きっと 忘れる為の passage”のフレーズから、悲しいからじゃなくて、忘れるために流れる涙もあるんだなって気付かされました。このダンスは、HIP HOPな感じで、“ゆったりと、大きく動く”ということに気を配りました。
4. 同じ世界で
サビのメロディが難しくて、特に最後の半音上がるサビは頑張りました!! 歌詞は、離れ離れになってしまった“君”を想う切ない内容で、かなり感情を込めて歌いました。
5. SODA POP
この曲の歌詞は、今の自分と重ねられる部分がたくさんあって、今までの曲の中で一番共感できました。一番好きなフレーズは、“時に 涙 SODA POP”です!!
6. 会いたくて
悲しくて、寒い冬の海辺を思うような歌です。レコーディングの時、高音にかなり苦戦したんですが、その一生懸命な感じが、歌詞の“君に会いたい気持ち”に繋がればいいなと思いました。
7. reigning star
私がこのアルバム曲の中で一番好きな歌です。歌詞にも、メロディにも力強さが出ていたので、歌う声も力強く出しました!!
8. OPEN YOUR HEART
「迷Q!?-迷宮-MAKE★YOU-」のカップリングで、すごく寒い時期に歌いました。大切な人が離れていく瞬間に“変わりゆく価値観の中で〜 君らしく歩いていて”と素直に言えるくらいの強さが欲しいと思いました。
9. Yes or No ?
女の子のすごく積極的な面を歌った内容になっていて、好きな人の事を想って歌うと、少し照れてしまう感じの歌です。
10. 記憶
初めて作詞に挑戦しました!! デモのメロディから、“切なさ”と“希望”というキーワードが浮かんで「記憶」が完成しました!! ちなみにサビはお風呂で思い浮かんだフレーズです。
11. 迷Q!?-迷宮-MAKE★YOU- 〜883 upper's mix〜
自分の曲でremixは初めてだったのもあって、聴いた時は感動しました! 普通ならサビで盛り上がるのに、最初からサビ前まで飛ばして、サビにきて“シ〜ン”とした空気が流れるんです。2番サビの前で、一度「え!?もう終わり?」って思った瞬間、「♪NO!! NO!! NON!! NO!!〜」ってくるのがイイ感じです。
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