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岩井勇一郎（G.）、大薮拓（B.）、車谷啓介（Dr.）のバンド・メンバー（db）3名が加入し、更にパワー・アップした三枝夕夏 IN dbが、待望の1stフル・アルバムをリリース！ 大野愛果、徳永暁人、小澤正澄など、豪華作曲陣を迎えて送るロック・ポップなアルバムとなった今作は、三枝夕夏の夢や友情、故郷へのひたむきな想いが綴られた、彼女の人となりがストレートに伝わってくる内容に仕上がっている。また兼ねてよりファンの間で要望の高かったクリップ集がDVDとなって、アルバムと同日発売される事も決定！ 前作「君と約束した優しいあの場所まで」で大ブレイクを果たした、今注目の彼ら。今回はヴォーカルの三枝夕夏に話を聞いてみた。
●まず初のフル・アルバムが出来上がった感想を一言お願いします。
三枝夕夏（以下三枝）：やりきったぁ〜という感じです。こんな気持ちのいい達成感は、生まれて初めてです。
●ズバリどんな内容のアルバムになりましたか？
三枝：まるごと“今現在の三枝夕夏”って感じだと思います。また、今作からバンド・メンバーとしてのdb（デシベル）が結成されたという事で、バンド感だとか、将来的にライヴでやりたいサウンドを意識して制作していきました。
●デシベルは今まで制作集団でしたが、それとは違うという事ですか？
三枝：はい、制作チーム“デシベル”は、制作チームとしてちゃんと私をサポートしてくれています。今回は更に、ライヴやテレビ出演などで一緒にパフォーマンスしてくれる、バンド・メンバーとしてのメンバー3人が加わってくれました。
●どのようないきさつで結成に至ったのでしょうか？
三枝：3人共ライヴで知り合ったメンバーですね。何度か一緒にステージに上がって交流を深めていく中で、一緒にやっていこうかって意気投合しました。ライヴ・ステージを重ねるごとに、音楽的な趣向もロックよりになっていって、自分の中で“やっぱりバンドでやっていきたいなぁ〜”って思いが強くなっていったんです。そんな時、彼らとの出逢いがありました。
●バンドになって何か心境的に変わった所はありますか？
三枝：とにかく嬉しい！ それが率直な感想です。学生の時もバンドを組んでやっていたし、前々からバンドでやりたかったんです。だから、これから一緒にライヴなどをやっていける仲間が増えた事は凄く嬉しいし、何より心強いですね。音楽的にも色々勉強になる事も多いし。楽しい人達で、テレビ出演の時などはさりげなく盛り上げてくれたり、これからが楽しみです。
●なるほど。ところで先程、まるごと“今現在の三枝夕夏”とお答えになっていましたが、それは歌詞の内容がって事でしょうか？
三枝歌詞もそうですが、今回は特に選曲やアレンジに関して、私の趣味趣向が強く表れたものになったと思います。
●曲調は全体的にはロック・サウンドという印象が強かったですが？
三枝：ライヴを始めるようになってから、ここのところずっとロック・モードなので、アルバムを作っている時もロックなサウンドがすごく気持ち良かったですね。
●1曲目の「Shocking Blue」のイントロから、もうすごくロックしてますよね。
三枝：そうですね。今年2月にリリースしたミニ・アルバムの1曲目「Graduation」と、今回の1曲目「Shocking Blue」を聴き比べて頂くと、今三枝がやりたい方向性がよくわかって頂けると思います。この曲は、初めて詞先で曲を後から作って頂いた作品なんです。デモが上がってきた時、自分のイメージしていたものとぴったりだったので、すぐに1曲目はコレにしようって決めました。
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●アレンジに注文などもされたんですか？
三枝：そうですね、これまでと一番変化があったのはその辺だと思います。すごくオケが気になり始めて…。もっと間奏でガツーンとギターが来て欲しいとか。以前はデモの段階でメロディが気に入ると、アレンジを発注しつつ歌詞も同時に進めるっていう作業の仕方だったんですが、今回のアルバム用の書き下ろし曲については、全てアレンジ上がりを待ってから歌詞を書くようにしました。
●それはアレンジ上がりでイメージが変わるからという事ですか？
三枝：そうですね。今まではメロディ重視で、わりとオケはおまかせ状態だったんですけど、レコーディングを経験していく中で、色々な音が聴こえてくるようになってきました。特にリズム隊がしっかり出た感じが最近はお気に入りで、トラック・ダウンでも、もっとベースを大きくしたらどうですかね〜？とか、自分からディレクターさんに提案するなど、そんなやり取りをしながら制作して行ったので、アルバムを作りながらも、色々勉強させて頂いたって感じですね。
●レコーディングはいつ頃から始まったんですか？
三枝：「君と約束した優しいあの場所まで」のレコーディ
ングが終わった後位から、すごく制作意欲が湧いてきて、毎日のようにスタジオに入っていたんですね。それで、せっかくだからアルバム出しちゃおうかって感じでトントンと話が進んで。私の場合、やりたい！となったらすぐ集まってくれる制作チーム“デシベル”があるのは、こういう時本当に幸せだなって、今回は強く実感しました。
●レコーディング自体はどんな感じで進みましたか？
三枝：歌入れに関してはわりと順調だったように思います。大体、それぞれメインの歌入れ2日、私自身のコーラス1日という日程で進んでいきました。歌詞も1曲1日から2日で書き上げていくというリズムだったと思います。
●毎回歌い方など色々研究すると以前お話されていましたが、今回は何かありましたか？
三枝：前々回のシングルあたりから、わりと自然と何も考えず歌うようになりましたね。歌詞を書いたり、アレンジを聴いた段階で、もう曲のイメージが自分の中にある程度固まっているので、それを素直に声に出していくって感じで。
●デビューからコンスタントにリリースを重ねている三枝さんですが、レコーディングなどからも成長の後が見られる感じですね。
三枝：いえいえ、全然まだまだです。相変わらず歌えなくて落ち込むことだってあるし。でもそういう苦しんだりする自分の状況なんかも、今回の作品には歌詞にそのまま活かしたりしています。
●そうですね。今回の歌詞はすごく三枝さんを重ねて見てしまう内容が多いと感じたのですが。
三枝：わりと自分の事を歌っているフレーズもあるかな。その方がリアルな歌が歌えるんじゃないかなって。だから日記から抜き出したフレーズとか、友達と話していて印象的だった言葉とかたくさん入れていますね。
●全体的には「夢」や「恋愛」に対する、三枝さんのすごく真っ直ぐな思いを感じましたが。
三枝：今回は、とにかく飾らず素直な気持ちを出したかったので、一度書いた歌詞を再度口語体や、わかりやすい簡単な言葉に書き直した曲もあります。何気なく聴いているだけでも歌詞がすっと入ってくる様にしたいと思いました。
●「I'm in love」は、故郷や友達について書かれていますね。
“電話越し知らない名前を聞く度に 距離感じて 一人ぼっちの夜にくじけそうになる”って所なんかはリアルな感情が表れているなと思いましたが。
三枝：この歌詞は、実際郷里の名古屋に帰って久し振りに友達に会った時、日記に書き留めておいたものをネタに書きました。これまでの最速、10分位でサラサラ書き上げた歌詞なんですが、歌入れの時に難しい単語をあえて、もっと簡単な単語に書き直すなどの作業を行いました。自分的にもすごく気に入っている1曲です。
●「PASSIONATE WAVE」も三枝さんの姿を投影して聴いてしまいましたが。
三枝：そうですね。あの歌詞は、デビューしてからこれまでに感じた思いを、ありのまま綴ってみました。
●“頑張れという言葉ほど 曖昧でプレッシャーになる言葉はないと扉閉ざし 居場所をなくした”というフレーズが印象に残りましたが？
三枝：よくスポーツなんかでも、とりあえず「頑張れ〜」って応援するじゃないですか。でもよく考えると「頑張れ〜」って曖昧だし、結構無責任で、しかも言われた本人にとってはかなりプレッシャーになる言葉だったりするんだなぁ〜って思ったんですよね。もちろん応援してくれる人の気持ちは嬉しいんですけど、実際私自身も応援されればされる程、プレッシャーを感じて、あまり人に会いたくなくなったりした時期もありました。期待に応えられなかったら、どうしよ〜って感じで。そういう率直な気持ちも隠さずに書いてみました。
●「CHU☆TRUE LOVE」の路線では「居心地のいいハニー」が、かなりかわいらしい仕上がりになっていますね。
三枝：この曲は制作の中盤あたりから取り掛かった曲なんですが、気付いたらアルバム全体がロックな熱い感じの曲ばかり出来上がっていたので、もう1曲かわいい遊び心のある曲を入れたくなって。ストックしてあったデモの中からそのイメージを、アレンジャーの小澤さんに伝えてオケを作って頂きました。Aメロの、メロディとオケの掛け合いの部分が聴き所になっているので、チェックしてみて下さい。
●バラード系は3曲入っていますね。
三枝：「It's for you」のアコースティック・ヴァージョンは最後に曲全体を並べた時に、もう1曲バラードが欲しくなって。他の曲を作ったんですが、なんかしっくりいかなくて。で、自分にとっても思い入れが強く、ファンの方にも人気があると聞いていた、この曲を入れたらどうかと私から提案しました。「ひらり 夢一夜」は、フル・アルバムを作る時に、是非入れたいと思ってお取り置きしてあったデモ曲なんです。タイトルが全てを表した、せつなくて綺麗な1曲に仕上がった作品だと思います。年齢の高い方にも是非聴いて頂きたい1曲です。そして「I wish」は、コーラスまで私1人だけで仕上げた1曲です。メインの歌を全てファルセット気味に歌ってみたのは初めてなので、是非リスナーの皆さんの感想を聞いてみたいですね。アルバムには絶対必要な、ホッと出来るハート・ウォーミングな作品になったと思います。
●そして、シングル3曲にカップリングが2曲収録されていますが、「Destiny Wind Blows」をあえてアルバム・ヴァージョンとして歌い直した理由は？
三枝：この曲はファンの方だけではなく、ライターさんなどにも好評だったという事で、アルバムに収録する事が決まったんですが、改めて自分で聴き直した時に、もう少し優しい感じで歌い直したいなって思ったんですよね。歌詞を含め思い入れの強い1曲だったので、納得のいく形で収録したいと思い歌い直しました。シングル・ヴァージョンと聴き比べて頂けたら嬉しいです。
●また「Because I love you, good-bye street」は、アルバムの中ですごくいい味を出しているのなぁと感じたのですが。
三枝：この曲は2ndシングルを制作している頃からストックしていた曲なんです。とにかくメロディがたまらなくいいんです。アレンジは最近お気に入りの60年代風の感じを出して欲しいとアレンジャーの大賀さんにお願いしました。この曲が入った事により、全体の幅が広がったのではないかと思います。
●ところで、タイトルには1stと付いていますが、ミニ・アルバム『Secret & Lies』が1stで、今回は2ndかと思っていたのですが、何かこだわりなどはあるんでしょうか？
三枝：初めてのフル・アルバムという意味合いもあるし、それにバンド・メンバーとしてのdbが結成されたという事で、今改めて初心に帰った様な心境でいるんです。そんな気持ちの中から、あえて今回1stと付けました。
●今後の予定は？
三枝：次のレコーディングにすでに入っています。楽しみに待っていて下さい！
◆ ◆ U-ka's Liner Notes ◆ ◆
1. 「Shocking Blue」 （作曲：大野愛果 編曲：小澤正澄）
初めて詞先で作った曲。歌詞は実際曲作りなどで部屋に閉じこもり気味だった頃に、ふと窓を開けて見上げた空があまりにも青くて、その青さに不思議と気が晴れたという自分の体験を元に書きました。まさにショッキング！って感じと、大好きなアーティストの名前をかけて、今回この曲のタイトルに持ってきました。
2. 「君と約束した優しいあの場所まで」（作曲/編曲：小澤正澄）
大切なモノへの真直ぐな想いを綴ったこの作品、是非、何かにつまずいた時などに聴いて頂きたいです。
3. 「CHU☆TRUE LOVE」（作曲：大野愛果 編曲：徳永暁人）
夏・女「三枝夕夏」を感じて頂けるキラキラした曲だと思います。曲を聴いただけで、寒い冬でも真夏気分を味わえる、歌の効果ってすごいなと実感させてくれる1曲です。
4. 「ひらり夢一夜」（作曲：川島だりあ 編曲：池田大介）
せつなくて、美しい、この季節にぴったりな1曲になったと思います。クラシックなどがお好きな方にも聴いて頂ける作品だと思います。ミニ・アルバムの路線を受け継いだ、しっとりとしたバラードに仕上がったと思います。
5. 「 I'm in love」（作曲：大野愛果 編曲：小澤正澄）
友達や故郷への想いを綴りました。センチメンタルなメロディや歌詞ですが、オケが明るいので全体的にすごくいいバランスになったと思います。家族や友達と離れて、一人暮らしをされている方に是非聴いて頂きたいです。
6. 「PASSIONATE WAVE」（作曲：徳永暁人 編曲：小澤正澄）
シンプルなオケだったので、よりヴォ−カルを力強くガツンと歌い上げました。「情熱の波」というタイトルがついたこの曲の歌詞は、デビューしてから今まで、私自身が感じた夢に対する想いを率直に綴ってみました。
7. 「Because I love you, good-bye street
」（作曲：徳永暁人 編曲：大賀好修）
ライヴでモンキーズなど60年代風の曲をカヴァーする中で生まれた曲。アレンジ発注の際、自分からレトロな感じを出して欲しいと注文を出しました。きっと30代、40代の方には、まさにツボな、たまらないメロディだと思います。
8. 「居心地のいいハニー」（作曲：大野愛果 編曲：小澤正澄）
まさにハニ〜って感じの、かわいらしい1曲になりました。よく聴くと面白いコーラスが色々な所に入っています。是非男性の方に歌詞をじっくり聴いて頂きたいですね。こういう肩の力の抜けた楽しい曲はアルバムの中に入ると、とてもいい味を出してくれますね。
9. 「It's for you〜Acoustic version〜featuring Yoshinobu Ohga（guitar）from nothin' but love
」（作曲：川島だりあ 編曲：大賀好修）
2枚目のシングルのアコースティック・ヴァージョンですが、ファンの方達の間でも人気の1曲で、最近私の事を知った方にも、是非聴いて頂きたい大切な1曲です。
10. 「Destiny Wind Blows〜Album version〜」（作曲：三好誠 編曲：小澤正澄）
アルバム・ヴァージョンでは、より優しい感じを出したヴォーカルになっていますので、是非シングルと聴き比べて頂きたいです。
11. 「君の瞳の中はミステリー」（作曲／編曲：徳永暁人）
4枚目のシングルのカップリングですが、かなり好きな作品です。アルバム終盤に向かって、しっとりいきそうな所を、「まだまだよ〜」といった感じで、重量感たっぷりの1曲を持ってきました。
12. 「I can't see, I can't feel」（作曲/編曲：小澤正澄）
ある意味アルバムの最後を飾るどっしりとした1曲を持ってきたくて、シングルであるこの曲も持ってきました。思春期の頃に感じていた思いなんかも綴っているので、その年代の方にも聴いて頂きたいです。
13. 「I wish」（作曲：間島和伸 編曲：小林哲）
ロック調の主張型の曲ばかりが集まったので、最後はホッと一息ついて頂けるような、あったかい曲を持ってきたくて、この曲をオーラスに持ってきました。シンプル・イズ・ベスト。余計なものははぶいた、メロディの良さを味わって頂けるハート・ウォーミングなバラードになったと思います。
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