倉木麻衣

Best Album
『Wish You The Best』

2004.1.1Release!




倉木麻衣初のベスト・アルバム『Wish You The Best』が2004年1月1日にリリースされる。リリースから4年を経て、なお鮮烈な印象を残すデビュー・シングル「Love, Day After Tomorrow」、2ndシングル「Stay by my side」、3rdシングル「Secret of my heart」、今年発売された「Time after time 〜花舞う街で〜」「風のららら」を始めとしたシングル・ナンバー14曲に加え、1stアルバムから「Delicious Way」を、最新アルバム『If I Believe』からアジアの歌姫Yan-Ziとのデュエットで話題を呼んだ全英語詞の「Tonight, I feel close to you 」をセレクトした全16曲のベスト・アルバム。様々なサウンド・アプローチを試みてきた収録曲のライン・アップも圧巻だが、何よりもデビュー当時からフィーチャーされてきた声の魅力、そして彼女の成長が手に取るように分かるのが自身が綴ってきた歌詞だろう。リリース順に収録されているため、よりはっきりと彼女の内面が強く変化していく過程や、夢や未来に対する想いが濃くなっていくのが顕著に伝わってくる。2004年1月7日には待望のクリップ&ライヴ・セレクションDVD「My Reflection」のリリースも決定し、このベスト・アルバムと共にこの冬は倉木麻衣の軌跡をじっくりと感じる事が出来そうだ。





01.Love, Day After Tomorrow(1999.12.8:1st sg) 
作曲:大野愛果 編曲:Cybersound
明後日、君に会った時はこの気持ちを伝えたい……。恋にも自分にもまだ自信がなく、あやふやで危なっかしい16歳なりの決意をそのままストレートに描いたこの曲から倉木麻衣はスタートした。明日というすぐに訪れる日には無理でも、“明後日こそは”と未来に希望を持っている所、そして“ただ君と同じ速さで歩きたいから…”“今 君と同じ光を目指しているから…”と“〜(したい)から”と、未来への理想を追っている姿。“君”の登場によって何かが芽生えた事を予感する始まりの歌。少女と大人の感性が交錯しながらこれからどう成長していくのか、デビュー曲から約4年間の作品がリリース順に並べられているベスト・アルバムだからこそ、最後まで聴くとその変化を実感して貰えるだろう。

02.Stay by my side(2000.3.15:2nd sg) 
作曲:大野愛果 編曲:Cybersound
もどかしくも初々しい10代の恋愛には、“がんばってみるから”“見つめてくれるから”と相手に寄り掛かる依存的なところもあるが、見守ってくれる誰かが側にいる事で自分が強くなれて夢を追う事が出来る、だから、これからも傍に居て欲しい……といった希望に満ちた想いがひたむきに綴られている。当時は、倉木麻衣という名前がひとり歩きをし始め、彼女をとりまく環境も劇的に変わった頃で、“吹き荒れる波に飲み込まれないように”というフレーズは、自分自身に向けた言葉だったと言う。

03.Secret of my heart(2000.4.26:3rd sg)
作曲:大野愛果 編曲:Cybersound
読売テレビ・日本テレビ系全国ネット月曜夜7時30分放送アニメ 「名探偵コナン」エンディングテーマ
“どんな言葉に変えて 君に伝えられるだろう”という冒頭のフレーズからまずグッと来てしまう。聴く側にとっては恋愛とも取れるし友情とも取れる、誰の心の中にもある“Secret”を切ない1編のストーリーのように歌った彼女の真骨頂とも言えるミディアム・メロウ・チューン。倉木はこの曲の制作時「“秘めたる想い”っていうのは、ある意味、自分にとっての“宝物”なんじゃないかなと思いました」とコメントしていた。

04.NEVER GONNA GIVE YOU UP(2000.6.7:4th sg)
作詞:倉木麻衣、M.Africk
作曲:M.Africk、M.Pessoa、P.Geyer 編曲:Cybersound
ミディアム・スロウでここまでやってきたイメージを打破するような、リズムやグルーヴを重視した洋楽テイストの Coolなアップ・テンポ・ナンバーは、Cybersoundチームと倉木が意見を出し合いながらレコーディングが進められた。声の魅力も余す事なく反映されており、ビブラートの掛かった低音は大人っぽさを、時折聴かせるファルセット・ヴォイスは等身大を思わせ、RAPの掛け合いではあどけない一面も垣間見せる。

05.Delicious Way<1st Album『delicious way』収録曲>(2000.6.28)
作曲:大野愛果 編曲:Cybersound
17歳になった彼女が発表した1stアルバム『delicious way』のオープニング・ナンバーに相応しく、自分らしく足跡を残しながらもしっかりと未来に向かって行きたいといった、当時の湧き上がる感情を海の波間のようにキラキラと綴っている。傷付く事に恐れてしまう場合もあるけど、それでは夢は掴めないんだ、とこれまで“君”に思いを語っていた主人公が、徐々に自身に問い掛けるスタイルになっているのも印象的。

06.Simply Wonderful 〜Radio Edit〜 (2000.9.27:5th sg)
作曲:大野愛果 編曲:Cybersound
これまでデリケートなイメージがあったヴォ−カルがシック&クールに引き立てられているナンバー。大人になる狭間の懐疑心的なフレーズ(“疑う”“心失くす”“なぐさめにもならない”など)もあり、これまでに比べて少しネガティヴな倉木麻衣がいる所が特徴。しかしこれは「色々な事を急に体験して、改めて“信じる”事の大切さを学んだ気がする。きっと急激な自分の周りの変化がなければ気付かなかった事かも知れない」と言うように、どんな事があっても人を信じる気持ちを失いたくないといった思いをよりリアルにするために用いた言葉だと察する。“Simply Wonderful”は、“いいものは、いい”という意味で、信じなければ奇蹟は起きないと言い切る彼女のタフネスな部分がタイトルからも感じられる。

07.Reach for the sky (2000.11.8:6th sg)
作曲:大野愛果 編曲:Cybersound  NHK連続テレビ小説「オードリー」主題歌
細かなニュアンスも大切に歌われる彼女独特のぬくもりが融合した、オールディーズ・ポップスに通じるアナログ・テイストが心地良いナンバー。この曲に切なさや焦りといったものは見当たらない。全体が、とにかく流れに身を任せていけば良いのだといった、開放的な雰囲気に包まれているのは“軽く口笛を吹き 思いきりアハハと笑ってみようよ”というフレーズからも感じて貰えるだろう。“歩き出す”だった言葉が“歩きだそう ”となり、“笑ってみようよ” というフレーズからも、相手に対して呼び掛ける歌詞に変わって来ている事に気付く。

08.冷たい海(山下達郎) (2001.2.7:7th sg)
作曲:大野愛果 編曲:Cybersound
海の深い所“深海”を思わせる幻想的なナンバーは、倉木のディープなアナザー・サイドを見せた最初の作品でもある。彼女の中で海は「いつも穏やかで静かだけれど、底には強さを秘めていて色々な想いを包み込んでくれるイメージ」があるとか。辛い事は全てを包んでくれるこの海に置いて、未来に向かって進んで行こうという思いを込めている。

09.Stand Up(2001.6.6:9th sg)
作曲:大野愛果 編曲:Cybersound
作曲・編曲:徳永暁人 爽健美茶 Natural Breeze 2001 happy live TVCMタイアップソング
“静”のイメージが強かった倉木麻衣が、躍動感溢れるアメリカン・ロック・テイストの今作によって“動”のイメージに一転したフレッシュなアップ・チューン。「Stand Up」リリース時期は彼女の高校卒業、大学入学と重なっており、新しいスタートに相応しく“考える前に、まず、行動してみようよ!”というメッセージをタイトルに託している。

10.always(2001.6.6:9th sg)
作曲:大野愛果 編曲:Cybersound
東宝洋画系映画「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」主題歌
読売テレビ・日本テレビ系全国ネット月曜夜7時30分放送アニメ「名探偵コナン」エンディングテーマ いつもは弱くても、大事な時、大切な人、譲れない物のためには頑張れるし強くなれる時がある!というテーマで描いた、ライヴではオーディエンスと大合唱が起こる定番のナンバー。“苦しい時こそ願いが叶う”“一瞬一瞬ごとが明日の君になる”と、壁を乗り越えた時に掴む事が出来る気持ちの高鳴りを歌い、だからこそ失敗を恐れずに思った通りにやってみようよ、とエールを送る倉木ならではの応援ソング。

11.Winter Bells(2002.1.17:11th sg)
作曲・編曲:徳永暁人
読売テレビ・日本テレビ系全国ネット月曜夜7時30分放送アニメ 「名探偵コナン」オープニングテーマ
外は寒くても、大好きな人やみんなで過ごす楽しさや暖かさが伝わってくるウィンター・ソング。この曲をきっかけに、以後リリースされるシングルは季節を意識した(夏=「Feel fine!」、夏の終わり=「Like a star in the night」、春=「Time after time 〜花舞う街で〜」)作品が続く。

12. Feel fine!(2002.4.24:12th sg)
2002 SEA BREEZE CMソング 作曲:大野愛果 編曲:徳永暁人
「何かに挑戦するのもいいし、夢を作るのもいい、その始まりはやっぱり開放感があって行動的にもなれる夏がピッタリ。気持ちいい風を感じている時のように、ワクワクするような楽しい感じにしたかったので「Feel fine!」ってタイトルを付けたんです」。歌詞の中にもあるように、倉木にとって夏は“不思議な力を呼ぶ季節”なのかもしれない。

13.Like a star in the night(2002.9.4:13th sg)
作曲・編曲:徳永暁人
意外にも、今作がシングル初の本格的なバラード。幸福な中に押し寄せる不安……どうして人はどんなに幸福な時でも不安がよぎってしまうのだろう……そんな思いを繰り返しながら思い出の場所にひとり訪れ夜空を見上げてみると、あの時と同じ南十字星が変わらずに輝いている。星の放つ光りに導かれるようにゆっくりと歩き出し、あの頃の気持ちを取り戻していく……。より情景的に描くようになった歌詞と、徐々に盛り上がりを見せていくサウンドが見事にシンクロしたドラマティックなナンバー。

14.Time after time 〜花舞う街で〜(2003.3.5:15th sg)
作曲:大野愛果 編曲:Cybersound
東宝洋画系映画「名探偵コナン 迷宮の十字路」主題歌
蕾みが成長し綺麗な花を咲かせても、すぐに散り去ってしまう花々。でもまた、その季節が巡る度に美しい花を咲かせていく……。そんな巡る花の命に、“私”や“君”を登場させずに、大切な人との記憶を呼び覚ます手法を取った新しいアプローチの歌詞。京都で大学生活を送る倉木だからこそ描けた日本の四季の美しさ、儚さを表現する言葉が印象的。

15.風のららら(2003.5.28:17th sg)
作曲:春畑道哉 編曲:Cybersound
読売テレビ・日本テレビ系全国ネット月曜夜7時30分放送アニメ
「名探偵コナン」オープニングテーマ
「風はその時々の状況で、楽しい時は笑ってるいるように、悲しい時は泣いているように聞こえるから“ららら”の歌い方も各パートの詞に合わせて微妙に変えています」と言うように、現在、過去、未来、それぞれの時空に立った時に聞こえる“風”の音色が同じ“ららら”でも、切なげだったり、楽しげだったりするヴォーカル・アレンジがさりげなく効いている。

16.Tonight, I feel close to you (with 孫 燕姿 ) <4th Album『If I Believe』収録曲>
作詞:倉木麻衣・西室斗紀子 作曲:大野愛果 編曲:Cybersound
日本語ではストレートに受け止められる“好き”という言葉でも、英語の“Love”だともっと広い意味に捉えられるからね、という何気ないスタッフとの会話から、全英語詞の歌を制作し始め、完成した曲が「Tonight, I feel close to you 」。自分なりに訳してみれば、その人それぞれの意味にも取れるところが楽しみのひとつ。いい意味で歌詞の曖昧な感じと柔軟な雰囲気がよりメロディアスなハーモニーに花を添えている。


倉木麻衣

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