倉木麻衣

NEW SINGLE
「Love, needing」

2005.1.26 On Sale!


2004年12月31日、遂にNHK紅白歌合戦のスタジオで初のテレビ生出演を果たした倉木麻衣。この事も含め、2004年は彼女のコメントにもあるように、デビュー5周年という節目に相応しい、まさに“Grow, Step by Step”という言葉がピタリとはまる成長著しい1年であった。これまで以上にライヴ活動に重点を置いた結果から経た様々な感情や思い――それを1つ1つ大切に噛み締めて胸の中で育てていく事によって、さらに新たな気持ちを湧き上がらせていく。1日1日をそうやって踏みしめるように過ごした結果、やっぱり「愛」が生きていく上で一番大切で、好きな人がいるだけで人生や自分の存在がより価値あるものになる事に気付いたと言う。そんな思いをストレートに綴ったのがニュー・シングル「Love,needing」。前作から約8ヶ月振りにリリースされる今作は、胸の奥に芽生える何かを感じさせる様な、ドラマティックでキャッチーなメロディのミドル・チューン。小気味良いグルーヴが重なったアダルトな雰囲気からも、内面・外見ともに大人になった倉木麻衣がダイレクトに感じられるだろう。2004年は何を感じながら過ごしたのか、“愛が必要”という楽曲はどのようにして出来上がったのか、本人に聞いてみた。

●2004年は大きな転機になった年だったと思うのですが、今振り返って一番自身を変化させた出来事は何だと思いますか?
倉木麻衣(以下倉木):ライヴで単独ライヴ100公演を越した事や「Rits 2万5千人ライヴ」が出来た事、デビュー5周年を迎えた事、この3つの出来事が今までの倉木麻衣を残しつつ、新しい倉木麻衣に少しずつではあるけど、自信と更なる夢を持たせてくれましたね。そして、私自身も二十歳を越え大人としての自覚を持つ事で、今までやってきたものを大切にして、これからまたそこに積み重ねて行けたらと思います。

●1月5日にライヴDVD「Mai Kuraki 5th Anniversary Edition Grow, Step by Step」がリリースされましたが、そこにはデビュー前のボストン・レコーディングの様子から最近のライヴまでが網羅された今までの5年間が詰まっています。改めてこれらの映像を見て何を感じましたか? また一番に胸に蘇った映像はどの時期のものでしたか?
倉木:やはり、ボストンでのレコーディングは私にとって音楽感、フィーリング、レコーディングの楽しさ、厳しさなどを肌で感じさせてくれたし、人間的にも学生でありながらいち社会人として仕事をするんだという使命感や責任感を持つ大切さを知り、これから頑張ろうと強い思いが湧きました。それから無我夢中で高校生活、大学生活を通して自分なりの音楽を求めて少しずつ成長出来たかなって改めてこのDVDを見て思ったし、そこにはデビューからずっと応援してくれたファンの方々やスタッフがいるんだと感謝しています。これからもまだまだ倉木麻衣は色んなものを吸収しながら、更に音にこだわりを持って良い歌を届けられたらいいなと思います。

●5年間、高校から大学、京都に引越しをしたりとアーティスト以外の部分でも環境が変化して、きっと倉木さんも様々な状況を受け入れていかないといけなくて大変だったと思うのですが、今から考えるとやっぱり苦労や辛いなと思った事ってありましたか?
倉木:もちろん最初は、学校の友人や住み慣れた場所を離れる事には戸惑いや不安がありました。これからどうなって行くんだろうか?とか、編入先の高校で上手く学生生活が送れるのかな、友達が出来るのかな、とか。また、歌のレコーディングや撮影等と学校との両立、外を自由に動けなくなったり、親友になかなか会えなくなったり、辛くて自分を見失ってよく泣いたりもしていました。でも応援して下さるファンのみんなや私の歌を聴いて下さる方々、スタッフや家族の支えがあり、何とかここまで辿り着けました。その辛い事や色々な経験、体験、そして出会った方々を通して少し私も強くなれたし、これからも頑張って何事も前向きにトライし続けて行こうと思います。

●2004年はシングル「明日へ架ける橋」のみだったので、今作はシングルとしては8ヶ月振りとなります。その分、何かしらの伝えたいメッセージも色々と溜まっていったと思うのですが、いかがですか?
倉木:いつも自分の歌のポリシーとして、曲が持つ雰囲気、フィーリングを大切にしています。今回もそのフィーリングを感じたままに作っていこうと思い、一番大切な「愛」についての事をテーマに作っていきました。

●「Love,needing」は切なさを含んだグルーヴィなナンバーですが、曲を聴いた時のファースト・インプレッションは?
倉木:そうですね……。色で例えると「赤・ピンク」という女性らしさを感じました。メロディからは、切なさの中に伝え切れない想いを感じました。

●「Love,needing」というタイトルはすぐに思い浮かんだのですか? 愛が必要という直訳で良いのでしょうか?
倉木:「Love,needing」は歌詞を付けて出来上がってから一番最後にタイトルを考えたもので、やっぱり一番伝えたい「愛が必要」という想いからなんです。自分の間近にいた人が本当はとても大切な人だって事に気付けないでいたりする事もあるけど、気付いた時にその大切な人によって自分自身を確認出来るし、その人がいてこそ自分がいるんだなって……。本当の自分が出せるんだ……という気持ちになれるし、その人をとても愛しくなる……。何に対しても愛情が必要という歌なんですけど、例えば仕事に対しても家族に対しても友人に対しても、そして自分に対しても一番必要なもの……それは「愛」だと思う。愛情があれば何でも頑張れるし、私にとっても無くてはならないものだから、いつも愛を持って何事も見つめていきたいという想いを込めた歌です……。それが「Love,needing」。

●お気に入りの部分はありますか?
倉木:そうですね……。聴き所はサビの言葉に出来ない愛情かな。切ないメロディに乗せて想いが溢れたサビは、是非何かを感じ取ってもらいたいです。

●最初のフレーズ“そこから永遠の命がonce your start”というのが、5年目を区切りとして新しいスタートを切る倉木さんの姿にも重なりました。そう考えると愛する人=歌という方程式にもなりますね。
倉木:(笑)。そう捉えて頂いて嬉しいです! そうです! また今年から新たに、そして原点を見つめて頑張っていきたいです! 愛する人=聴いて下さった方のそれぞれの気持ち、夢、愛する人、家族、友人、それぞれの想いを重ねて聴いて貰えればなと思います。

●コーラスがこれまで以上に重ねられています。他にもラップ調の部分などもあったりしますね。ヴォーカルは何本か録音しましたか? これまで以上にヴォーカル・レコーディングにこだわった作品だったのではないでしょうか?
倉木:今回は「想い」を重ねる様に沢山の声を重ねました(笑)。曲の音圧、幅を出すためにもコーラスは欠かせないですが、コーラスを付ける事によって更に深みのある歌に変わります。そして、部分的にリード・ヴォーカルを追い掛ける様に歌う事によって、その部分を強調出来る歌に変わって行きます。いつもメロディやリード・ラインを歌うより、コーラスを付けたりする作業の方が楽しく気楽に出来ます(笑)。コーラス=自分の「味」が出せるので今後も曲によってまたコーラスにチャレンジしていきたいです。

●「Moon serenade, Moonlight」は心地良いメロディで、穏やかな夜の風景が浮かんできました。倉木さんのファースト・インプレッションなどを教えて下さい。
倉木:ミディアムなテンポの少しけだるい感じの曲は大好きですね(笑)。なのでこの「Moon serenade, Moonlight」は聴いてすぐ口ずさんでいました。

●“不安になるといつも不機嫌に”とありますが、倉木さんは不安になるとどうなるタイプですか?
倉木:……(恥)。不安になると不機嫌になります。「どうしよう、どうしよう……」って苛々しません?! ん〜やっぱり誰でも不安になると立ち止まりたくなったり、自分を見失いそうになると思うんですけど、出来るだけ前向きに考えられる様に心掛けたいです。

●“月”って倉木さんにとってどんな存在ですか? また、この歌詞の中ではどんな存在や象徴として使用しているのでしょうか? また月の中でもどの形が一番好きですか?
倉木:私にとって「月」は、幼い頃は色んな意味でとても夢を与えてくれました。大人になるに連れては、寂しい時、辛い時でも心を癒してくれる存在になりました。そして幼い時からいつも「月」を見つめて来ただけに、自分自身がいつも見守られている気がしますね……。それだけにとてもホッとする存在です。歌の中では2人を見守ってくれる存在です(照)。月の形で一番好きなのは「満月」ですね……。満月でも色んな見え方があるんですよね。オレンジ色の今にも落っこちてきそうな満月だったり、雲に隠れて薄いベールで包まれぼんやり見える満月、黄色い綺麗な満月だったりと、まんまるなお月様はとても魅力的ですよね。幼い頃、月にはウサギがいるって信じていました(笑)。あの月のクレーターはウサギがお餅をついている様に見えるので、満月になると「あ〜っ! お月様にウサギがいるよ〜」って騒いでたり……(笑)。今では満月を見るとホッとするのはもちろん、何か自分にパワーを与えてくれている気がします。それから何か予期せぬ事が起きそうな……ワクワク、ドキドキとしてくる魅力的な満月が好きですね。でも月を絵で書くと三日月を書く事が多いです(笑)。なんでだろう……?!

●「Love,needing」「Moon serenade, Moonlight」2曲ともに“未来”が出てきます。そしてそこには不安さが無く、穏やかで安定した気持ちが感じられました。今の倉木さんがこれまでよりは夢や未来に対して、少し余裕や穏やかさを持って考える事が出来るようになったからかと思ったりしたのですが、いかがでしょうか?
倉木:16歳でデビューして、色んな経験をしました。時には不安、悩み、苦しみの中で自分を信じる事の大切さを発見しました。たとえ困難な事があっても、信じた道を歩む事の大切さも知りました。その大切さを知る事によって周りが見えて来ましたね……。

●2曲とも聴いていて恋愛の良い部分がすごくフィーチャーされている歌詞になっているのですが(相手をまっすぐに見ている感情を素直に綴っている)、何か倉木さんの中で変化があったのでしょうか?! ライヴなど2004年の色んな事を経て考え方が違って来て、恋愛観も変化したりしましたか?
倉木:今までは心に好きな人や気になる人を思っていれば、それだけでも良しかなっていう部分があったんですけど(笑)。やっぱりダメもとでも相手に言葉で気持ちを伝えたり、何かしらの表現をした方が自分の気持ちが伝わりやすいのではと思うようになった事ですね。だからその気持ちを積極的に出してみようかなと思って作りました。いざ自分が「じゃあ」って言うと、果たして?って事(笑)はあるけど。人の心は移ろいやすいけど、恋愛は昔から何一つ変わらず、想いが募り始めて恋愛に変化して行くものだと思う。相手を思う事から、私にとってライヴもある意味、恋愛なのかも……。みんな〜大好き〜!だから!!

●「明日へ架ける橋〜ballad ver.〜」はピアノとストリングスとコーラスのみとなっていて、すごく生命の息吹というかオリジナル・ヴァージョンに負けない力強さと輝きがあります。このヴァージョンをどうして入れようとしたのですか?
倉木:今回、「明日へ架ける橋」をピアノ、コーラス、サビからストリングスというオケでシンプルにしたのは、より気持ちを伝えたかったからです。

●2004年はともかく突っ走ったといった雰囲気が端からでも感じました。2005年はどのように過ごして行きたいですか? 何か目標ややりたい事はありますか? 大学を卒業したらその時間を他の事に専念出来る訳ですが、これまで使えなかった時間をどのように使いたいですか?
倉木:2005年は初心を大事にしつつ、色んな倉木麻衣を見せて行きたいし、ファンの人達との交流をもっと持ちたいと思っています。大学を卒業出来たら、今度は色んな所へ行ったり、見たり、聞いたり、今まで出来なかった吸収すべき事、つまり自分を高めるためのものや、もっとより良いものをファンのみなさんに届けられるように、音楽の感性や表現力も養いたいと思っています。

●最近ウェーブを掛けたりと、またまた髪型でイメージ・チャンジをされていますが、この変化に関して教えて下さい。
倉木:みんなもそうだと思うけど、ヘア・チェンジをする事によってある意味違った自分を出せる気がして。雑誌を見ていて「あっ!いいなぁ〜」と思って、そして意を決して美容室へ……。ちょっぴり不安がありましたが(笑)。どうかなぁ? 似合ってますか? 私は結構、気に入っています! これからも「こんなヘア・スタイルいいな〜」とか「こんなファッションもいいな〜」って、どんどん積極的にチャレンジしてみようかなと思っています。

●倉木さんの理想の女性像を教えて下さい。
倉木:理想の女性は、しっかりとした自分の考えを持ち、それをきちんと相手に伝えられる! 当たり前だけど難しい事ですが、夢に向かって進んで行ける人……。決して強い女性というのではなく、思いやりを持った優しい女性かな(笑)? ちょっと欲張り過ぎ(笑)??

●作品のリリースを待っていたファンに一言をお願いします!
倉木:2004年も多くのみなさんにライヴを通して会えた事、そして応援して下さった事が何よりも私の宝になっています。また、これからもファンのみなさんと一緒に歩んで行きたいし、頑張って行きたいと思っています。どうぞ見守っていて下さい。宜しくお願い致します。


倉木麻衣

NEW SINGLE
「Love, needing」

2005.1.26 Release


GIZA studio
GZCA-4020 ¥1,260(tax in)