GARNET CROW

NEW SINGLE
「君の思い描いた夢 集メル HEAVEN」

2005.5.18 On Sale!


今年でデビュー5周年を迎えるGARNET CROWが、5ヶ月振りにリリースする18枚目のシングル「君の思い描いた夢 集メル HEAVEN」。彼らの異なる音楽的魅力をギュッと詰め込んだ3曲を収録した今作について、ヴォーカルの中村由利にインタビュー。

●まず、「君の思い描いた夢集メル HEAVEN」はアニメの「メルヘヴン」の主題歌になっていて、タイトルからもその辺を連想させられます。曲自体もそれを意識して作った所はありますか?
中村由利(以下中村):いえ、実はこれ、おおもとのデモは去年の末にはあったんです。しかもバラードで。で、年が明けてこれをアップ・テンポにしてみたらどうだろう?という事で、ちょっとお試しでやってみたらすごくカッコ良く仕上がって“じゃ、これでいこう”みたいな。それでアップ・テンポで進めていったその曲を、多分「メルヘヴン」の担当の方に気に入って頂けたんですね。そこから歌詞が付いたりしたので、歌詞はそれに相応しい形にもなっていますけど、曲自体はそれ用に書き下ろしたものではないです。

●そうなんですか。でも、バラードだった曲をアップに変えるという発想も大胆ですね。
中村:そういうのは「スパイラル」以来かな(笑)。全然ノリが変わってきますよね。歌詞のハメもアップ・テンポになった分細かくなりましたしね。でも逆にすごく曲に勢いが出たので、これは大正解だと思います。

●アレンジやリズムがそこまで変わったのは、やはりゴッド・ハンド、古井さんの手腕?
中村:それはありますね。私は「アップ・テンポでお願いします」ってリクエストしただけだから。たぶん古井さんもバラードの原曲を聴かれてるとは思うんですけど、そこからこのアレンジへの変化は古井マジックです。でも、これはやってて楽しかった。勢いが出て、しかも聴きやすい、良い方向になったと思います。今回は音域もそんなに高くないので、ストレートに耳に入ってきやすいんじゃないかな。

●GARNET CROWの最近のしっとしりたイメージとはまた違った楽曲ですね。
中村:しばらくバラードが続いていたせいもあるので、その反動というか……。こういうノリの曲って久し振りだし、季節的にも春で芽吹く時期にパッと自分達も弾けて出るみたいな、ちょっと弾けてみてもいいんじゃないかな、と(笑)。

●そして、このシングルの発売日は5月18日で、5周年18枚目のシングルと、これは中村さんが狙ったんじゃないですか?
中村:あっそうなの!? いや、私は「今年初めてだなぁ」というくらいでしか……(笑)。なるほどね、覚えやすい! そういう事で、狙ってました(笑)。

●この歌詞についてはどうですか? アニメの「メルヘヴン」にひっかけて“集メル HEAVEN”。
中村:“上手いっ!”と思いました。さすがだなと思いつつ、歌詞の内容も非常にポジティヴで、しかも分かりやすい。もちろんアニメの「メルヘヴン」の客層の方にも分かってもらえるようにというのもあるんですけど、何より言葉で入って来やすい。だけど、その歌詞の世界観があるっていうか、その辺がすごくいいなぁと。読んでいてもワクワクするし、夢の中の世界にいる感じというか、その場面の絵がすごく浮かぶから、歌っていても楽しかったです。

●このタイトル長いですよね。覚えるの大変だったんじゃないですか?
中村:でも、そのメロディを歌えば、実はタイトルになってるから(笑)。だから是非歌って覚えて下さい。

●2曲目の「Circle Days」ですが、こちらはGARNET CROWのダーク・サイドが出てるなぁと。
中村:ちょっとメロウな感じですね。この曲も実は、デモの段階ではすごいギター・ポップというか、アップ・テンポな感じだったんです。でも、Bメロのメロディが浮かんできた時に、パッと世界が出来たというか、“あっ、これはもっとテンポを落としてメロウなグルーヴでいくべきだ”と感じたんです。タテノリのアッパーな感じじゃなく、ちょっとヨーロピアン・ダーク・ポップというか(笑)。そういったイメージが一気に出てきたので、それに向かってやっていきました。

●制作は大変だったそうですね。
中村:テンポ感を決めるのに苦労しました。けっこうグルーヴが大事だったりするので、テンポ感が遅いと長過ぎたりダレたりして、逆に早過ぎると何も感じないで終わっちゃうみたいな所があるので、ピタッとはまるピンポイントのテンポ感を決めるのには大分苦労しました。でも、おかげでようやくピタッとはまったポイントを見つける事が出来ました。

●そういう所ってけっこう、中村さん細かいですよね。
中村:そうですか(笑)。やっぱりテンポが1とか2に変わっただけでグルーヴ感が変わってしまうので。テンポが1つ遅いか速いかでも大分違いますよ。その辺はぴったりとしっくりくる形にしないとね。

●実は、もっとメロディ寄りかと思ってたんです。
中村:グルーヴはすごく大切ですね。やっぱりグルーヴがノッてると歌も自然にノッてくるんです。でも、グルーヴがしっかりしていないと、いくら歌を歌ってもかみ合わない。それで、やっぱりかみ合わないぶん、聴いていても聴き苦しいというか、ね。音源制作では、特にこれ位のミディアム・テンポになるとちょっと速いか遅いかでグルーヴ感が全然違うし、聴こえてくるメロディの感じまでが違うから、テンポを2つ上げとかやっぱり1つ下げかなとか、けっこうシビアになりました。うまく引っ掛かるポイントがこういう曲の方が狭いんですね。でもその針に穴を通すじゃないけれど、ストライク・ゾーンが狭いだけに、テンポが決まると後は楽に歌いやすくなりますよね。

●さらにこの曲、よく歌詞と歌とメロディが合うなと。最後のフレーズなんて“恋の終わりのよう…かな”なんて終わり方ですよ。想像を絶してます。
中村:メロディは普通にいつも通り作ったんですけど、ただ、こんな風に歌詞がはまってくるとは思わなかったです。うん、落としが絶妙ですよね。これはもう歌詞が上がって、アレンジが出来ての結果のもの。デモを作ってる時は、1つのメロディとしてあるので、それをAZUKIさんが上手く落とす所は落とすと。そういう言葉をハメて、サウンドもそこでひゅっと消える感じになったので、歌も自然と落としたトーンになりました。

●これはGARNET CROWでしかありえない世界観ですよね。
中村:私もこの曲はすごく気に入ってます。

●3曲目の「いつかまた会いましょう」は軽めな感じのボサノヴァですね。
中村:ちょっと素朴な幸せを感じるグルーヴというのが、私の中ではボサノヴァのリズムというイメージがあって、ちょっと陽気な、ナチュラルな洗いざらしのコットンみたいな、そういう感じの幸せを感じられる曲が浮かんで、ボサノヴァのリズムと合わせてみたらどうかなと思って作ってみました。そのイメージはそのまま生かしで出来たんですけど、GARNET CROWにはなかなかないリズムですよね。珍しいリズムだったから、歌っていても新鮮でした。それにこの曲は今の季節にもぴったりかなぁなんて。外でお茶してる時にカフェでかかっていても、家の中で窓開けて陽を浴びながら読書ながらとか、そんな何気ない幸せな日常っぽいイメージが感じられていいかなと。

●最近のGARNET CROWってそういう何げない幸せというか、ちょっとした生活の中の幸せが感じられますね。
中村:たぶん、そういうのを狙ってやっている訳ではないんだけれど、曲のイメージするものが結果そういう風になっているんだと思うんですね。曲の作り方にしても「いつかまた会いましょう」はボサノヴァのリズムを最初から決めて作ったからこうなりましたけど、普段は全然先入観なしでメロディを乗せていくので、曲の書き方としては「いつかまた会いましょう」の方が珍しいかも。

●こういう曲は、例えば普段中村さんが聴いている曲からインスパイアされて、という訳ではない?
中村:それはないですね。私の場合、聴いて“あっ、これだ!”っていうのじゃなくて、どこかで聴いていて、フッと思った時に出てくるんだと思うんです。多分このボサノヴァもどこかで買い物でもしていてショップでかかってたものを聴いて、そのリズムだけが記憶にあったとかね。いつもそういう感じでメロディが出てくるから、いつ出てくるのかも分かんない(笑)。

●GARNET CROWって、本当にそういう所は戦略って全くないんですね(笑)。
中村:全部、結果なんですよね。作る前からあんまりこうだって作るより、自分の思ってるものやイメージのものをパッってやっちゃった方が案外すんなりいく様な気がします、私達は。あんまり頭の中でああだこうだ言ってても実際に出てくる音とか違うと思うし、私はこうやって歌おうと思っていても、実際そのオケを聴いて乗ってくる歌になるとまた違ったりするから。曲も歌詞もアレンジ、キー設定やテンポにしても、とりあえずは全部1回出してやってみた結果で判断するようにしています。

●では、制作のペースとしては今年はいかがですか?
中村:良い感じで来ていると思います。壁にブチ当たる事もなく、レコーディングにも時間かけさせてもらえてるので、なかなか良い曲がジャンジャン上がってる感じ(笑)。

●まだ、ストックもあるんですか?
中村:ストックはたくさんあって、そこからだったり、最近書き下ろした曲をやったり……。自分達でも楽しんでやってます。これはけっこう前に書いた曲だとか、これは最近の曲だとか言いながら。

●GARNET CROWのペースとしては、いつも通りの感じですか?
中村:そうですね、ちょうど良い感じで作ってると思います。

●そんな“とりあえずはやってみよう、やっていこう”という形でGARNET CROWの活動は、5年間経ってしまった訳ですが……。
中村:振り返るとすごい短く感じますね。5年間って長いんだけどすごい短い。そんなに振り返ってやってきてないし、目の前の曲を上げていくのに常に一生懸命だったから。改めてここで振り返ってみると、いつの間にか5年分の作品の量が出来ていた、という感じ。だから多分、楽曲の作り方とか考え方もこの間、全然変わっていないと思う。

●この4人の何ともいえない和気あいあい感というか、微妙な距離感、空気感というのもあんまり変わってないんでしょうかね。
中村:変わってないですね。

●中村さんから見た他のメンバーは第一印象から変わってません?
中村:うん、変わってない(キッパリ)。私が一番きゃっきゃ言って、AZUKIさんが「い〜よ〜」って感じで。古井さんは一番先を見ている感じで「うん、イ〜んじゃない」って感じ。オカモッチは「うん、いっすよ〜」って、私が一番「あんなんどう、こんなんどう、わぁ〜」って(笑)。それを上手くまとめてくれてるのが3人みたいな……。ただ、私はけっこう“目の前のこの曲だけ”みたいな感じの見方なんですけど(笑)、私以外のメンバーはもっと先を見ている気はします。AZUKIさんは今年とか来年とか、もっと先のGARNET CROWを見ていて、古井さんもアレンジャーとしてはシーンの流れを見つつ、GARNET CROWではずーっと残るものを作っていきたいという思いもあるので、その辺の先の見方は断然優れてますね。GARNET CROWはずっと変わってないからここまでこれたんじゃないかなと私は思うので、多分これからも変わらないだろうし、変わりたくないし、このままでいたいな、と思いますね。

●そのままでいって欲しいものですよね。
中村:そうですね、ずっと黙々と……ね。

●デビュー5周年という事で、まだ今年は他にも計画中なんですか?
中村:そうですね。5周年という事で、年の初めからツアーをやって、初の写真集も出させてもらったり、初めてのファンクラブ・イベントも開催出来たし、すごく充実していると言えば充実してます。そこで、シングルも、いつもの年よりも“GARNET CROWってこういう事したよね”とか“こういう曲書いたよね”と皆さんに印象に残ってもらうようにしたいですね。そして自分達もこの5周年の年を楽しみたいというのがあるので、メモリアルな年にしたいですし、色々これからも計画中です。

(インタビュー:斉田 才)


GARNET CROW

NEW SINGLE
「君の思い描いた夢 集メル HEAVEN」

2005.5.18 Release


GIZA studio
初回盤:GZCA-4040
通常盤:GZCA-4041
¥1,260(tax in)