北原愛子が5月11日に待望のニュー・アルバム『Message』をリリース! シングル3曲を含む全12曲を収録した今作は、小松未歩、大野愛果、徳永暁人、川島だりあ、小澤正澄を始めとしたヒット・メーカー達の楽曲が並ぶ。
“このアルバムを聴いて、何か感じてもらえたなら、それが私からあなたへのメッセージ”と話すこの意欲作について、本人に話を聞いてみた。
●曲順はどのように?
北原愛子(以下北原):全体に聴き心地を重視しました。最後まで聴いたらまた1曲目に戻りたくなる様な並びにしたくって、何度も組み直して最終的に曲順が決まりました。
●アルバム・タイトル『Message』はどんなところから?
北原:色々な曲で色々なメッセージを伝えたいという思いからこのタイトルにしました。このアルバムを聴いて頂いて、何か感じて頂けたら、それが私からあなたへのメッセージという意味を込めています。
●最初にタイトルを決めて、それをコンセプトに収録曲を作っていったんですか?
北原:いいえ。曲が全部出揃ったところで改めてタイトルを決めました。最初は、1stアルバムが『PEACE OF LOVE』っていう名前だったので、『PEACE OF LOVE II』にしようかなんて話もあったんですけど、やっぱり何かメッセージを伝えられたらなというのがあったので、最終的にこのタイトルに決めました。
●選曲はどのように決めて行きましたか?
北原:デモ集の中からインスピレーションで、歌詞が書きたくなった曲を選んでいきました。
●バラードが1曲で、あとはわりとテンポの早い曲が揃っていますが、意識して選んだのですか?
北原:それもありますけど、やはりライヴで盛り上がれる感じの曲を自然に、必然的に選んでいたところもあると思います。
●やはり北原さんらしく、全体的にラテン・テイストでまとまっていますが、アレンジの方は何か注文などはされましたか?
北原:今回アルバム用に作った新曲はアレンジよりもある程度歌詞を先に上げて、それをアレンジャーさんにお渡ししてオケを作ってもらったので、自分のイメージとそんなに離れなかったですね。だからやり直しなどはあまりなく一発で気に入ったものばかりでした。
●全体な制作はスムーズにいきましたか?
北原:歌詞、アレンジ、そして歌入れはスムーズに迷う事なく進んでいって、ミックスの部分で色々とこだわりながら時間をかけて仕上げていきました。歌とオケのバランスなど、納得いくまでやり直してもらいましたね。特に「Love is blind?!」は川島だりあさんのコーラスをもっと大きく出して欲しいとか、注文を出しつつ何度かやり直してもらい、最終的にとても気に入るものが出来ました。
●新しい試みはありましたか?
北原:小松未歩さんに初めて曲を頂いたり、またGARNET CROWの古井弘人さんに初めてアレンジを手掛けてもらうなど、新しい作家さんとのコラボレーションがまずありますね。また、今回は恋愛の歌詞もあれば、メッセージ色の強い歌詞もあり、また遊び心満載の歌詞もあり、色んなカラーの、個性のある歌詞を揃えたっていうか……、言葉選びに今回は今迄以上にこだわっていきました。ニュアンスが同じでも同じ単語は全く使わないとか。
●では、作詞に時間がかかったんじゃないですか?
北原:そんな事はなく、スムーズに行きました。やっぱりデモ選びの段階で歌詞の書きやすいものを基準に選んでいたので、実際書く時もすぐにイメージが頭に浮かんできました。私はデモを聴くと、もうその場ですぐ歌詞を書きたくなる質なんですよ。3曲同時にデモを渡されたら、その日の内に3曲書いちゃわないと気が済まないみたいな。だからよくスタッフに、撮影の前にデモは渡せないとか言われますね。音を聴いちゃうと書きたくて仕方なくなっちゃうんで。
●作詞活動はお好きなんですね。
北原:はい。書くという作業が私はすごい好きなんです。だから歌詞を書いている時間はとても好きですね。
●ところで初コラボとなった小松さんの「Message」についてお伺いしますが、制作はいかがでしたか?
北原:これまでの私の曲には、低いキーにいく曲があまりないんですけれども、この曲は低いキーがあって。その辺も新たな挑戦ではありました。またサビのあたりは特にメロディを壊さないような言葉選びをしていったり。それに何気ない言葉を使ってはいるんですが、実はその先に意味を持たせたりしているので、その辺り感じて頂けたら嬉しいです。「占いより自分を信じたい」なんてところは、実際自分の実体験だったりします。自分で思っていても、改めて他の人に言われると気づく事ってあると思うんですよ。だからこの歌を聴いて、今を大切にしなきゃって気づいてもらえたらいいなと思っています。
●では1曲目「思い出にスクワレテモ」をあえてアルバム・ミックスにしたのは?
北原:シングルを出してからもう1年経ったので、改めて聴いてみるとちょっといじりたくなったというか。コンガを出してみたりとか、シングルでは出来なかったもっとラテン色を強めてみたりとか、アルバム用にやり直してみました。
●イメージ・カラーのふじ色というのはどんなところから?
北原:最終的には前向きな歌ですが、ちょっと憂いを帯びているというか、ふじとかあじさいとか、そんな梅雨時のイメージがあっているかなって感じたので。
●「DA DA DA」は男性コーラスが入っていますね。北原さんの作品は女性コーラスが多いので、珍しく感じました。
北原:そうですね。作曲をしてくれたdoaの徳永さんにコーラスを入れて頂きました。この曲は男性の力強さをプラスしたかったので、徳永さんのデモのイメージをそのまま活かしてもらいました。
●最新シングルの「冬うらら」が4曲目に来ていますね。
北原:「冬うらら」は周りの評判も良くクオリティ的にも高い仕上がりになったと思うので、曲順的にとても重要な位置に持って来ました。
●「いつも」はカップリングですが、あえてこの曲を今回アルバムにもラインアップした理由は?
北原:全部並べた時のバランスで決めました。アルバム用の新曲は恋愛の幸せな情景とか、遊び心のある歌詞が多かったので、歌詞のバランスを重視して、ちょっと陰な要素を含むこの曲を入れる事にしました。
●この曲のイメージ・カラーが黄色というのは、どんなところから?
北原:失ってしまいつつも、こんなんじゃダメだって空を見上げているようなイメージなんで、ちょうど赤信号と青信号の間の黄色っていう。
●歌詞では“傷つくのも、癒されるのも、少しの言葉だとわかっていたのに”っていう部分に共感しました。
北原:それはきっとそういう経験があるからなんじゃないでしょうか? 歌ってそうですよね。その時その時の自分の状況や心境によって響く言葉って違うと思うんです。だから、今この瞬間この歌を聴いて感じてくれたソレが、その時のあなたへの私からのメッセージっていう……、そんな感じです。
●「運命だとか奇跡だとか信じたい気分」はタイトルがインパクトがありますが、タイトルから決まったんですか?
北原:そうですね。友達の恋愛相談を受けていて、“それってきっと運命やん”とか言ったりしながら、きっとこんな時自分だったら運命とか奇跡とか信じたい気分やろうなと思って。出逢った事さえ運命よねって思いたいだろうなってところからこのタイトルが浮かびました。この曲はイメージ・カラーが淡いピンクなんですけど、これは初恋のイメージ。ピチピチピーチの色です(笑)。
●「戻れないあの日」はカップリングで、今回のアルバムでは唯一バラードですね。
北原:そうですね。この曲は歌詞が良かったって言ってくれる友達が多くって。好評だったし、自分でも気に入っていたので収録する事に決めました。
●イメージ・カラーのアイボリーっていうのはどんなところから?
北原:これは2番の歌詞のAメロ部分で、想いを寄せる人と再会する場面があるんですけど、それがたまたま私の中でカフェなイメージで。そのカフェの壁紙がアイボリー色だったっていう、そんなイメージだったんですよね。そんな光景を思い浮かべながら歌詞を書いていきました。
●「Break down」はサビが印象的なメロディですね。
北原:この歌詞は一度書き直しているんですけど、最初は夢を追いかけてみたいな前向きな歌詞だったんです。でも、最終的にはちょっと落ち込んだ後ろ向きな時の感情を描く歌詞になりました。落ち込んだ時、支えてくれる人が側にいて、でも最終的にはいつも支えてもらっているばかりじゃいられなくて……。それで最後は逃げはしないという主人公を描きました。さっきこの曲を色に例えるとっていう時、透明のガラスって言いましたけど、イメージは透明なんですけど、ガラスで囲われて息苦しい感じ。それで最後のBreak down!っていうところで、そのガラスを撃ち破るイメージですね。これは是非ライヴで歌いたいです。
●北原さんの歌詞って、例え落ち込んでいても最終的には前向きになれるものが多いですよね。
北原:そうですね。どんなに躓いても、どうせなら最後は上がろうぜ!みたいなところが私自身の中にあるので、歌詞にもそういう性格が出ちゃうんだと思います。それに、やっぱり私の歌を聴いて何より元気になって欲しいという気持ちもあるので。
●「Love is blind?!」の歌詞の方はいかがですか?
北原:デモがとても楽しそうな感じだったんですね。だからそのままズバリ“恋は盲目”的な感じにまとめてみました。女性って幾つになっても“女の子”っていう部分があるじゃないですか。そこをちょっと描いてみようかなと。
●「君の笑顔が好きだから」はメッセージ色の強い歌詞になっていますね。
北原:これは学生の方とかこれから社会に出る方へ、“諦めることはいつでも出来る まだ早いんじゃない?…ねぇ?”みたいなメッセージ・ソングになっています。3番の歌詞に出てきますが、例え綺麗事だとしても何度でも言うよっていう、綺麗事だってわかっていても言いたい、歌いたいっていう思いが私の中にあって。今回、そんなメッセージを歌にしてみました。
●色は黄緑って事でしたが?
北原:新緑、芽が出てちょうどここからっていうイメージです。ちょうど新しい生活が始まって5月病っていう時期でもあるんで、そんな方達にも聴いてもらえたら嬉しいです。
●「あの頃の君でいて」はGSっぽい雰囲気の仕上がりになっていますね。
北原:そうですね、この曲は懐メロっぽい雰囲気の曲で。歌詞もそんなイメージを膨らませていったんですが。中学生の頃の恋愛って理想像を追い求めているところがあるじゃないですか。そんなところを言葉1つ1つから感じてもらえるように、例えば鉄棒とか校庭とか、懐かしい光景が歌を聴いているだけで見えてきそうな言葉選びをしていきました。
●男性の目線で書かれているんですね。
北原:男性の方が思い出を大切に生きている人が多いんじゃないかって思っていて。やっぱり男性の方が純粋なのかなぁって。
●学生時代のそんな淡い恋の思い出とかありますか?
北原:私は自分が相談するより、友達の相談を聞く方が多かったんですよね。あんまり自分からは自分の話をしないタイプで。意外にシャイなんで(笑)、ちょっと恥ずかしいっていうか。そんな思い出がありますね。
●北原さんってバレンタインとか、女の子からチョコをもらっちゃったりするタイプじゃなかったですか?
北原:もらいましたね、後輩からとか。
●憧れられそうですよね。
北原:さっぱりした性格なところがですかね、よくわからないですけど(笑)。
●「Hands up!!」はクールなイメージですね。
北原:オケはクラブでかかっている様なクールなクラブ系アレンジにして下さいとお願いしました。間奏はアレンジャーの古井さんのアイデアでジャジーな感じにしてくれていますが、そこも気に入っています。デモの段階でドラムのバスドラがドンドンドンドンってクラブ系のリズムで、それを聴いた時点で歌詞を含め全体のイメージを、嫌な事があった時クラブで踊りまくって発散しよう! みたいな雰囲気にしようと決めました。
●ご自身でクラブとか行かれるんですか?
北原:昔は行っていましたけど、デビューしてからは自分の制作に没頭して、全然行かなくなりましたね。それに人が多い所は風邪が移ったらどうしようとか、そういう事もすぐ頭に浮かぶようになっちゃったんで。
●歌詞の方は割り切った感のある、これまたちょっと他とは違ったテイストになっていますね。
北原:そうですね。最後の方になるにつれ、だんだんエキサイトしてくるんですけど、これもライヴを意識していたので、例えば“その拳を空高く突き上げ”っていうフレーズを入れたりしました。あと、無理に愛想笑いをしたり、葛藤しながら日常を過ごしている人達のうだうだ感みたいな部分を描いて……、でも最終的にはなるようになっているんだろうなぁ〜というそんなところを歌詞にしてみました。きっとOLやサラリーマンの方にも共感してもらえる部分があるんじゃないかなと思います。とにかくみんな踊って忘れようよ!みたいな。
●もうすぐデビュー3年目。このアルバムの制作を通して、これまでと一番自分が変わったなって思う部分は?
北原:最初は歌う事が楽しいとか、興味があるとか、そんな気持ちでやっていて。今は楽しいのはもちろん、歌う事に意味があるって実感しています。。歌う事で、1人でも多くの方にメッセージを伝えられたらっていう気持ちが強くなりましたね。やりがいを感じています。
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