恋愛のスタートで一気に加速する気持ちが描かれた、初夏にマッチする爽快で瑞々しいポップ・チューンに仕上がった「P.S。MY SUNSHINE」。大学卒業後、初のレコーディング作品となった今作からは、更にパワフルになった倉木麻衣が感じられる。先月号に引き続き、今月号ではインタビューを掲載!
●今年に入ってから発表した前2作は今までよりもR&B色の強い少し癖のある楽曲でしたが、今作「P.S。MY SUNSHINE」はストレートなポップ・ナンバーです。この曲を選んだ理由を教えて下さい。
倉木麻衣(以下倉木):この楽曲は「めざましどようび」の春のテーマソングとして歌わさせて頂いたのですが、楽曲を選ぶにあたって朝のイメージと春〜初夏をイメージ出来る事をコンセプトに曲選びをしていきました。初めてデモを聴いた時から、これだという強い気持ちがありました。オープニングから一気に加速を感じさせる部分と爽やかさ、そして途中ふっと静けさを感じさせる部分に惹かれました。
●作曲も編曲も岡本仁志さんで初タッグとなりますが、倉木さんの中で岡本さんはどういうイメージがありましたか? また、実際にアレンジが上がってきて何か感じた事はありましたか?
倉木:今回岡本さんに楽曲をお願いするに当たって、私の描く楽曲に対してのイメージをまずお伝えしてデモを作って頂いたのですが、初めて聴いた時から、この形を壊したくないというぐらいに素晴らしい曲を作って頂きました。岡本さんのイメージは、この曲を聴いて奥が深い方だなぁ〜と思いました。
●特にこの曲で気に入っている所やオススメな所はありますか?
倉木:オススメの箇所は沢山あるのですが、まずOPENINGのシンセが下る所は夜明け前をイメージ出来ますし、それから一気にストリングスで太陽が昇る感じがします。今回はメロディ・ライン、ヴォーカル・ラインなど、その他の楽器の音が鮮明に聴き取れ、とても気持ちよく歌う事が出来ました。
●歌詞は曲のイメージから描いていったのでしょうか? 「めざましどようび」のテーマソングという事ですが、何かコンセプトなどはありましたか?
倉木:今回「めざましどようび」の春のテーマソングのお話を頂いて、土曜日の朝にTVで流れるという事と、朝なので太陽・サンシャインというキーワードを絡めて制作を進めました。歌詞は恋愛のスタートを描いています。恋愛のスタートはなんだか一気に気持ちが加速する感じがするのですが、楽曲では太陽が夜明けと共に一気に顔を出して温かい光で照らしてくれる感じ。その2つの想いをメロディに乗せて今回は歌ってみました。
●「P.S。MY SUNSHINE」というタイトルの意味を教えて下さい。P.Sというのは本文に添えるという、いわばオマケだったりしますが、だからこそ伝えられる思いといったものがあったのでしょうか。今のようなメール時代だと、P.Sという言葉自体がなんだか懐かしい気もしました。2マークにもこだわりがあるのですか?
倉木:メールが今の社会では必要不可欠になってきていますよね……。本当に。久々に手紙を書いてみると新鮮さを感じます。P.Sというキーワードは文章の最後に、補足という意味合いを持ちますが、私はこのP.Sの部分が本当に伝えたかった事を書く重要な箇所だと思うんです。今回のキーワードは太陽。私にとっての太陽はいつも傍で温かく見守ってくれる光なんです。その光から受ける温かいものを大切に思っているのでその中から生まれたタイトルです。2は……。照れ隠し(笑)のような。歌詞は男性の恋愛のスタートを書いている中で、ちょっと恥ずかしいけど大切な想いを……という感じで。
●歌詞の中の主人公は僕で、その相手に対する気持ちが描かれています。今までは僕でも主人公=倉木さんの気持ちや希望といった感じでしたが、今作では主人公が見ている「君」=倉木さんというか、君のような存在になりたいといった気持ちが込められているような気がしましたが、いかがでしょうか?
倉木:世界中には沢山の人がいて、希望や夢を持ちながら日々生活をしていますよね。今回は主人公の男性をズームして恋愛を応援している様な感じを受けるかもしれませんが、太陽という存在が先程お話したように、心にもたらせてくれるものを私は今回伝えたいと思いました。どの楽曲もそうですが、私が伝える言葉で皆さんの心に響く様に気持ちが伝わればいいなと常に思って歌っています。
●「Love,needing」のc/w「Moon serenade,Moonlight」で月について“幼い頃から色んな意味でとても夢を与えてくれ、大人になるに連れては寂しい時、辛い時でも心を癒してくれる存在”と言われてましたが、その対照である“太陽”はどのような存在なのでしょうか?
倉木:私にとって“太陽”は傍で温かく見守ってくれている希望の光!! いつも傍で勇気や希望を与えてくれる大切な存在です。
●最近、月、太陽など宇宙的なものを登場させていますが、何か心境的にあるからですか?
倉木:心境的にというのは分かりませんが、月や宇宙・太陽など当たり前に頭上にあるものを考えていると、本当に神秘的な空間だなと思うんです。手には届かない存在が、私達人間に与えてくれるものは本当に元気の源の様に感じます。
●PVが今までと違う俳優さんが出演したストーリー仕立てに仕上がっていますが、どうしてそういう物語風にしようとしたのですか? また撮影のエピソードなどもあれば教えて下さい。
倉木:今回PVを撮影するに当たって、制作のスタッフの方々と話し合いを重ねてきました。「めざましどようび」の春のテーマソングということで、春=新社会人・学生・太陽など沢山のキーワードの中で、私も新社会人として新しい生活をスタートさせています。今回出演して頂いた、新社会人の男性の方・新学期が始まったばかりの学生などの一日の始まりを表現したかった中で、今回ストーリーを持たせていきたいなと。私も今までにない挑戦をさせて頂きました。「コンビにで働くアルバイト店員」を一度でいいからしてみたかったんです(笑)。制服を貸して頂いて、ネームも自分で書いてみました。本当に楽しい撮影で、私自身も新鮮な気持ちになりました。
●「tell me your way」はすごく綺麗なバラードに仕上がり、歌詞もしみじみと伝わってくる内容になっていますね。どのようにして歌詞を書き上げていったのですか? 伝えたかった事、コンセプトなど教えて下さい。
倉木:初めてこの楽曲をデモで聴いた時に、懐かしい感じと壮大なイメージを受けました。久々にバラードらしいバラードを歌うに当たって、今持っている不安や、苦しみなどを癒せる様な力をこの曲では伝えたいなと思いました。あなたにしか出来ない大切な事があるんだよと。
●こちらも作曲&編曲が後藤康二さんで、今まで倉木さんと制作していない方ですが、2曲共に違った作家さんというのは意図的なものだったのでしょうか?
倉木:私も新しい生活を送っていますが、今まで以上に音楽に専念できる環境になった中で、新しい事にチャレンジしていきたいなと思っています。今回2作品とも、デモの段階で今の私が歌う・歌いたい楽曲に凄く近かったので。結果凄く良い形になって私も嬉しいです。
●ヴォーカルに関してはブレス音がいつもよりも多く入っていて、感情を生々しく伝えようとしているのかな?と思ったりしたのですが、ヴォーカルについてや表現について何か考えていた事はありましたか?
倉木:この曲はバラードでシンプルに歌を伝えたいという思いが強かったんです。バラードでとても静かなんですが、伝えたい事は全身で伝えたいという……。声も広がりを持たすだけで、ハモリもせずに。とても気持ちよく歌う事が出来ました。
●9月から今年初のライヴがスタートしますが、今年のライヴではどのような姿を見せたいと思っていますか? 昨年に得た事を踏まえていくと思うのですが、改めて昨年自分で得た事というのを教えて下さい。
倉木:昨年のツアーを改めて思い返してみると、とにかくがむしゃらに頑張ろうとスタートして、ファイナルの東京ではそのがむしゃらという気持ちが、LIVEに足を運んで下さった皆さんの気持ちと私の思いとが一緒になって強い絆になった感じがします。私の思いや伝えたい感情、それに答えてくれる皆さんの声援を受けた、皆さんと作り上げたLIVEでした。今年もその形・倉木麻衣を変えるという事は一切考えていません。LIVEの空間というのは本当に大切にしたいですし、その時間は来て頂ける全ての方々にとって心に残るものにしたいと思います。背伸びをして格好良くしようとするのではなく、等身大の自分を表現して、全国を廻って行きたいと思います。
●これから倉木さんが好きな夏が来ますがどのように過ごすのでしょうか? 秋にはツアーを控えていますが……。
倉木:今の時期から毎年夏を楽しみにしているのですが……。今アルバムの制作に入っていて、終わったらファンクラブ・イベントが7月、8月にあります。9月、10月はTOURなので、今年の夏は全国を廻りながら過ごすという感じですね。でも、全国を廻って各地の色々な夏を満喫出来るので、凄く楽しみにしています。
●夏はこれがしたい!という事があれば(実現できない夢や野望でも)教えて下さい!
倉木:もう何回も何回も言ってますが……。スキューバーダイビングは是非是非(笑)。今すぐでなくても、いつか必ず実現させます!! 後は、夏らしい過ごし方が出来ればいいなと思います。
|