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三枝夕夏 IN dbが、6月15日にニュー・シングル「ジューンブライド 〜あなたしか見えない〜」をリリースする。美しいメロディがゆったりと流れるバラード・ソングで、タイトルが示す通りまさにこの季節にぴったりなウェディング・ソングに仕上がっている。“デビュー曲と同じくらい自分にとって特別な曲”と今作について語る、ヴォーカル三枝夕夏に話を聞いてみた。
●まずズバリ！ 直球勝負なタイトルですが、このタイトルにした理由は？
三枝夕夏（以下三枝）：今回は珍しくタイトルが一番最後に決まりました。始めは、“ジュ〜ンブラ〜イド”の部分は全然違う意味の英語だったんですよ。でも、なんかグッとこなくて。1ワードで、優しくて温かくて分かりやすい、そんな言葉を探していました。今回、歌詞の全体の内容も敢えてベタな感じにしているので、そういう意味でもストレートに“ジューンブライド”って良いんじゃないかなって。
●周りから驚かれませんでしたか？
三枝：そうですね。初めて聴く方は、必ずタイトルの所で反応しますね。だけど一発で覚えてもらえるので、結果的には良かったかなと。
●制作はどんな風に進んでいったのですか？
三枝：実は1年くらい前からレコーディングしていた曲なんですよ。ちょうど「眠る君の横顔に微笑みを」の後ぐらいで。たまたまあの曲もバラードでウェディング・ソングだったので、ちょっとリリースのタイミングを待とうという事になって。それに自分的にもまだ納得いかない所もあったので、ずっと制作していました。
●納得いかないというのは？
三枝：歌ですね。この曲は自分の中では、デビュー曲と同じくらい大切に思っている曲なんです。だから半端な感じで出したくなかったんです。
●歌のクオリティという事ですか？
三枝：雰囲気かな？ 上手いという意味では、もしかしたらもっといいテイクもあったかもしれません。でもそうじゃなくて、聴いた時に温かい気持ちになれる、そんな空気感を求めていました。
●では、OKテイクは三枝さんが選んだのですか？
三枝：最終的にはみんなで選びましたけど、“ここもう一度歌い直しましょう！”という感じで細かく意思表示していきました。
●具体的にどんな風に歌っていきましたか？
三枝：今回は大きな愛をテーマに歌詞を書いていったので、とにかく言葉を大切に。想いを込めて歌いました。
●歌詞の内容は2人称の恋愛を歌っているのでしょうか？
三枝：基本的にはある男女の恋愛を歌っています。だけど、元々こういう愛の歌を作りたいなと思ったきっかけが、最近やりきれない悲しいニュースばかり耳にするじゃないですか。そんな色々な事が起きる時代だからこそ、今一番誰もが必要としているのが“純愛”なんじゃないかなって。思われるだけじゃなくて、自分が本気で思える人が存在するって何より幸せだと思うし、そういう気持ちをカッコつけず、堂々と表に表していいじゃないっていう。そういうベタな曲をあえて歌いたいと思いました。
●恋愛の歌なんだけれど、“他人と過去は変えられないけれど 自分のこと 未来の夢は 変えていける”や“傷は必ず 治るんだよ”など、勇気をくれる言葉が今回も散りばめられていますね。
三枝：今回純粋な愛を歌いたいなと思った時に、10代の頃の日記を読み返したんです。そこに書かれていた言葉を今回はたくさん入れています。
●だけどそこを敢えて恋愛の歌にした理由は？
三枝：みんなきっと聴いて癒されたかったり、優しい気持ちになりたいと思うんですね。そういう意味では、やっぱり恋愛の歌がストレートでわかりやすく、温かい気持ちになれるかなと思いました。
●サウンド面では何か注文はされましたか？
三枝：一度アレンジが上がった段階でほとんどOKだったんですけど、最終的にストリングスを加えてもらいました。あと、一度敢えて半音下げのオケでも歌ってみたんですけど、やっぱりこのキーが一番良かったので、こちらを採用させてもらいました。
●ミックスでは何か注文されましたか？
三枝：感想のアコギがかなり大きめになっています。“ちょっと大きすぎない？”っていう意見もあったんですけど、そこは私の意見を尊重して頂きました。あそこはギターがグッと来て欲しかったので。
●先程、この曲はデビュー曲と同じくらい大切な曲とおっしゃっていましたが、それはどういう理由で？
三枝：単純にメロディがすっごく好きっていう理由と、歌詞の内容が自分の思っている事を今までのどの作品よりもストレートに書けたっていう所からです。っていうか、もう単純にとにかくこの曲が好きなんですよ！
●メンバーはこの曲について何かおっしゃっていますか？
三枝：みんなメロディがきれいな曲は好きなので、これをシングルにしたいと言った時、すぐ賛成してくれました。それに私の声に合っているから、きっといい曲になるんじゃないかとも言ってくれました。
●レコーディングのエピソードは何かありますか？
三枝：レコーディングでは特にないんですけど、PV撮影が楽しかったですね。今回倍速録画っていうのに挑戦したんです。撮影前に練習しておいてと言われて、2.5倍速の音源を貰ったんですけど、もう超早くてびっくり！ 私も大変だったけど演奏する方がもっと大変そうで、撮影当日はみんな必死でした。1曲終わる度腕を揉んだりして。途中みんなで映像をチェックしながらやったんですけど、自分より他の人の動作に釘付けで笑えて仕方なかったです。
●ところで、三枝さん自身は“ジューンブライド”の伝説って信じていますか？
三枝：個人的に結婚式は昔から挙げたくない派だったので、あまり意識した事はないですね。ただ、小さい頃になんかの本で“サムシングフォー伝説”っていう伝説を知って。それは何だかずっと頭の中にあって、もし自分が結婚式を挙げる事があったら、取り入れてみたいなって。
●どんな伝説なんですか？
三枝：結婚式の当日に「何か新しいモノ」か「何か古いモノ」か「何か借りたモノ」か「何か青いモノ」のうちどれかを持っていると、その花嫁は幸せになれるっていう言い伝えです。例えば古いモノや借りたモノっていうのはお母さんから譲り受けた指輪とか、そういう感じかと思うんですけど。あと、イギリスのコインで6ペンス・コインって、もう今は使われていない硬貨があるんですけど、これを花嫁の靴の中か、ガーターベルトの中に忍ばせるとその花嫁は金銭的にも苦労せず幸せになれるっていう伝説があるんです。それで、今回CDの特典にこの6ペンス・コインを取り入れてみました。
●どんな特典なんですか？
三枝：いつもとちょっと違うフォーマルな格好をした私の写真に、6ペンス・コインをあしらったデザインを施した、幸せを呼ぶお守りカードを作ってみました。
●どんな人達に聴いて欲しいですか？
三枝：両思いにせよ、片思いにせよ、今恋愛をしている人はもちろんの事、少し心が疲れちゃっている人が聴いてくれても、きっと癒されると思うので聴いて頂きたいです。
●カップリングについてお聞きします。2曲目の「どんなに明日が見えなくても」はどんな曲になっていますか？
三枝：これは大野愛果さんの曲なんですけど、1曲目の流れから2曲目は優しい落ちついて聴ける曲を持って来たいなと思いました。メロディは故郷をふと思い出してしまいそうな本当に優しい曲です。肩の力の抜けた素敵な曲だと思います。歌詞はメロのイメージを先行して、歌の主人公の学生時代の甘酸っぱい恋を描いてみました。
●3曲目の「僕らの孤独なゲーム」はいかがですか？
三枝：作曲は後藤康二さんなんですけど、後藤さんはアレンジでは今までも何曲かお世話になっているんですが、作曲は初めてで……。後藤さんはアレンジもそうなんですが、曲もすごくバンド感があって好きなんですよね。今回は1曲目と2曲目がやわらかい曲が続くので3曲目は勢いのある、ライヴに合う曲を持ってきたいと思いました。それで、後藤さんに発注したんですよ。そしたらストックしたデモの中から2、3曲提案されて、その中から今回はこの曲を歌わせてもらう事になりました。歌詞は、頑張り過ぎてもそんなに目に見えて成果がすぐ出るわけじゃないんだから、まぁゆっくりマイペースにやって行こうよ！というような……ある意味自分自身に向けた応援ソングになっています。
●そして4曲目に「ジューンブライド 〜あなたしか見えない〜」の名探偵コナンのエンディング・ヴァージョンが入っているんですね。
三枝：はい。今回TVヴァージョンの方はイントロなしでいきなり歌い出す構成になっているんですけど、“はっ”って一瞬息つぎが入るんですね。なんかスタッフの間でそれが好評で。スタッフからTVヴァージョンを入れましょう！と提案されました。コナン・ファンの方にも喜んで頂けたら嬉しいです。
●さて、そろそろ今年も三枝さんの大好きな夏到来ですね。
三枝：はい。すでにハイテンション気味です。
●今年何か予定はありますか？
三枝：夏にもう1枚作品を出したいなと思って、今制作中です。それから！ そうそうミュージックフリークマガジンさんのイベントが始まりますよね！
●そうそう、いよいよ実現しちゃいますね。ミュージックフリークマガジン・サポーターズコンベンションvol.1として『三枝夕夏 IN dbファンミーティング』を、各地で行うというものなんですよね。読者の方はいきさつを知らないと思うのでちょっと説明して頂けますか？
三枝：2月に名古屋で私のイベントがあって、そこに編集部の方が来てくれてたんですね。それでイベントが終わって楽屋で話をしていた時、私が“もっと色んな地域の人達に会いに行きたいな”って言ったら、編集部の方から“じゃぁ、やっちゃいましょうか？”って言って下さって。あの時は半信半疑だったんですよ、正直。でもこうやって本当に企画して下さって、すごく嬉しいし感謝しています。
●初めて行く所はありますか？
三枝：福岡はキャンペーンやライヴで行った事はあるんですけど、全くプライベートな時間がなかったので、今回は少し街を歩いてみたいです。
●是非多くの方に参加頂きたいですね。
三枝：はい。色々な企画を考えていますので、是非皆さん参加して下さい！
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