愛内里菜

New Album
『DELIGHT』

2006.5.31 Release


今年に入ってから3月29日に「GLORIOUS/PRECIOUS PLACE」、5月3日に「MIRACLE」と2枚のシングルを立て続けに発表、ライヴも決定するなど、活発な音楽活動を展開している愛内里菜の待望のニュー・アルバムが、5月31日にリリースされる。タイトルの『DELIGHT』は、楽しませるという意味を持っており、彼女の前向きな精神を象徴しているように思えた。改めて自分の音楽に向き合って生まれたという今作について、彼女に話を聞いてみた。(INTERVIEWED BY EMI MORI)

●約1年半振りのアルバム・リリースとなりますが、いつ頃から制作されていたんですか?
愛内里菜(以下愛内):本格的に作り始めたのは今年1月からですね。

●アルバムを作る時に最初にテーマがあったのでしょうか?
愛内:去年出したシングルは、歌詞が前向きだったり「ORANGE★NIGHT」みたいに思い切り楽しんで作った曲だったんです。今年に入ってからもみんなに元気を渡せるような歌詞の内容が多かったので、今回は大きな“喜び”とか“楽しみ”を与えるという意味を持ったアルバムを作りたいというイメージがありました。今年に入ってから、初期の頃の気持ちを思い出したり、自分の意識が初心を忘れずに取り組むという姿勢に向かっていたので、そういう意味では初期のダンス的な音を使った曲を入れたいなと思ってアルバムを作ってましたね。最近はロックっぽいものだったり、生音にこだわったりしてたんですけど、今回はダンス・ビートで楽しく聴いてもらえるような曲にしたいという事で、サウンドもわりとダンス系で揃えました。

●初期の匂いがするダンス系の曲を歌ってみて、改めて気付いた事はありますか?
愛内:素直に“やっぱ好きやな”と思いましたね。だから楽しんで作れました。いっぱい歌いたい曲があった中から選んだ14曲ですね。

●アルバム・タイトルはどういう風に決まったんですか?
愛内:“喜び”や“楽しみ”という意味の英語はたくさんあるんですけど、自分の中で思っていたのが“ダンス・ビート”だったので、それを融合させると“DELIGHT”という言葉が、曲の雰囲気や歌詞もそうだし、自分に一番合ってると思って選びました。

●今回のアルバムが5枚目という事で、愛内さんにとっても区切り的な作品になるような気もしたんですが。
愛内:そうですね。初期の気持ちを持ちながら作ったアルバムだったので、再出発という感覚はあるかもしれません。

●前作『PLAYGIRL』は、それまでやってきたものをもとに新しい事にチャレンジした作品だったと思いますが、今回はそういうものとは違いますよね。
愛内:前回は色んな女の子を演じたり、自分の理想や、やりたい事を並べた、挑戦のアルバムで、女の子のたくましさや強さがテーマだったんですけど、今回は自分ありきで、愛内里菜という所から広げていったものがたくさん詰まった1枚になったという感じですね。

●今回のアルバムの曲に出てくる主人公は、前向きで常に自分と向き合っている人が多いように感じたのですが、それは愛内さんの伝えたいメッセージの中の1つだったりするのでしょうか?
愛内:アルバムの最後に入っている「I'll be delighted」という曲は、『DELIGHT』に込めた思いを書いているんですけど、喜びまでに色んな事があると思うけど、闇の部分を喜びに変えるのも、喜びの部分を闇に変えてしまうのも、自分自身だし紙一重だと思うんです。光の所にいると闇は遠くて、闇の中にいると光が遠く感じるけど、それは自分自身で遠くも近くも出来るので、まず自分を信じてひたむきに生きていく事が大切じゃないかなって。だから「I'll be delighted」の最後に歌詞で“否定せずそっと信じてみてよ”と書いたんです。喜びに至るまでに信じる事が大事だと言う事を、今回のアルバムで言いたかったので歌詞の中にも、めげずにひたむきな性格の女の子が登場するようにしましたね。

●“信じる事を大切にする”と思ったのは、具体的に何かがあったんでしょうか?
愛内:愛内里菜は明るくて前向きで、悩みがなさそうなイメージを持っている人がたくさんいるかもしれないですけど、自分の中で歌詞を書く作業って挑戦なんですね。恋愛の歌詞を書く時は、自分の過去の経験や想像をもとにお話を作ったら終わりなんですけど、メッセージ性の強い歌詞を書こうと思うと、自分の痛みをもとにしないとダメだなって。痛みがないとメッセージって伝えられないと思うんです。そういう時は自分を一度ネガティヴな部分に持っていってるからこそ、みんなに前向きな事が言えると思ってるんですね。だから、いつも“頑張ろう”と言ってる事が、闇を知らずに言ってる訳じゃなくて、自分がどん底に落ちて、それでも色んな事を信じてきたから今の自分があるし、こうやってメッセージを伝える事が出来るんだと思ってます。だから自分自身が体験して乗り越えてるから、分かって欲しいという事で、喜びの前に信じる事を大事にして欲しいという思いで歌詞を書きました。

●周りが抱いている愛内さんのイメージとは違う部分を出そうと思ったのは、歌詞に説得力を持たせたかったという事からだったんでしょうか?
愛内:そうですね。「I'll be delighted」の歌詞に“同じ痛み寄り添いあうことができる君だから 同じ喜びをずっと分かちあえるんだ”の部分がまさに言いたかった事だったんですけど、歌の中でも痛みを分かってもらえるから癒されたり、その痛みを一緒に感じ合えたからそれを喜びに変えられたり出来ると思うんですね。自分自身もそういう人が側に居てくれたりするし、それを喜びと感じる事も出来るし……。今回はアルバム全体を通してそれをすごく伝えたかったです。

●今回のアルバムに入っている曲は、それぞれメッセージ性を持ってるんですね。
愛内:みんなに勇気を渡せるものもあれば、歌を口ずさんで楽しめるような曲もあるし……。歌詞は意識的にあまり暗いものにならないようにはしました。

●どこかに希望の光が見えるような歌詞の内容になっていると。
愛内:何かを乗り越えていこうとしてる姿だったり、何かに向かって進んでいるような姿を書こうとは思いました。

●アルバム発売後にはいよいよツアーですね。どんな感じのライヴになりそうでしょうか?
愛内:このアルバムを聴いたら、サウンドも今までとは何か違うと感じてもらえると思います。今までにもあった切々と伝えるステージというよりは、みんなでぶっ飛ぶ感じで盛り上がってもらえる時もあれば、ジーンと聴いてもらえるような時もある、“DELIGHTFUL”な内容にしたいです。全身でノってもらえる明るいライヴ。それが勇気に繋がったり喜びになって、みんなの心を癒せるようなライヴにしたいと思っています。

●この夏はこのアルバムとツアーで一気に進む感じですね。
愛内:そうですね。今までは「里菜1祭り」までみんなと夏を過ごすというのは今までなかった事なのですごく嬉しいし、絶対に楽しませるから、みんな遊びに来て欲しいです!


愛内里菜

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『DELIGHT』

2006.5.31 Release


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