今年8月からスタートし、3ヶ月に渡って行われた全国ツアー“Mai Kuraki LIVE TOUR 2006 DIAMOND WAVE”は、10月28日のさいたまスーパーアリーナでの最終公演を経て大盛況のうちに終了。そこで1つ年を重ね、新たなフィールドに向かおうとしている倉木麻衣が、12月20日にニュー・シングル「白い雪」をリリースする。この曲はツアー・ファイナルで特別に披露され、白いドレス姿でしっとりと歌う彼女の姿が印象的だったナンバー。現在は、アニメ「名探偵コナン」エンディングテーマとしてオンエア中だ。
冬のバラード・ソングとしては初となる今作。雪降る情景、吐く息が白く広がる冬の1コマが切り取られた、繊細な楽曲になっている。年末は初のカウントダウン・ライヴも決定し、精力的な音楽活動を展開している彼女に、今作について話を聞いてみた。(INTERVIEWED BY EMI MORI)
●ツアーが終わって1ヶ月以上経ちましたが。改めて振り返ってみて、どうですか?
倉木麻衣(以下倉木):アルバム『DIAMOND WAVE』は、“想う”という事をテーマにして制作をしていったので、ライヴではその“想い”を直接歌を通して皆さんに届ける事が出来た、良い機会になりました。ライヴに来てくれた皆さんと一体となって、大きな“wave”を作った事がとても印象に残っています。 そこで出逢った人や街、景色、自然……応援して下さるファンの皆さんから活力を受けて最終日まで無事に終える事が出来た事に心から感謝しています。その間、本当に色んな事がありました。時があっという間に過ぎて行った感じがします。今回は、より皆さんを身近に感じて“絆”が生まれた、そんな感覚がしました。
●今回の「白い雪」は、久々のウィンター・ソングですね。これからの季節にピッタリな曲ですが、こだわった部分はありますか?
倉木:今回は、冬の季節を感じられるような音源を取り入れてみました。イントロのオルゴールやハープシーコードは、冬の季節感やぬくもりをサウンドで感じる事の出来る音色だと思うので、使ってみました。まとめる時に気を付けた事は、この曲には色んなエレメンツが入っていると思うのですが、その中でもメロディとして歌がシンプルに伝わる事や、全体的に温かいサウンドになる様に心掛けてみました。
●歌う時に気を付けた所はありましたか?
倉木:レコーディングした時期は、まだ残暑があったので、曲に没頭しながら雪景色を思い浮かべてオケに身を委ねて歌っていました。
●この曲には、コーラスも入っていますよね?
倉木:コーラスは、アレンジの一部としての楽器の様な感覚で歌ったタイプのものと、メロディに対してのコーラスが入っています。大サビは、1番“想い”がぎゅっと込められた部分なので、歌の臨場感を大切にしながらコーラスを付けました。コーラスの広がり感を出す為に、今回は私だけではなく、この曲を作曲した大野さんやデビューの時にコーラスをしてくれたマイケル・アフリックさんにも参加してもらいました。コーラス・ワークの溶け込みやそれぞれの“気”が1つとなって、最終的に通して聴いた時には感動しました。
●楽曲制作の中で、季節感以外の部分で、意識して作られた所はありますか?
倉木:静かなんだけど、その中に秘めた強さもある……、そんな曲に仕上げたいなと思って制作しました。あとは曲の流れを作る為ドラムやストリングスを足したり、曲のメリハリを作り出すのに苦労しました。
●「白い雪」というタイトルは、シンプルでありながらも印象に残りました。これはどのようにして決まったのですか?
倉木:タイトルは最初から決めていた訳じゃなくて、詞を書いていくうちにこのタイトルになりました。
●歌詞は、情景が目の前に浮かんでくるような言葉が多く使われていますね。
倉木:ツアー中に詞を書いたんですけど、いつもの自分とは違う環境だったのですごく物事が客観的に見えたんです。例えば景色や人の笑い声とか……。自分の知らない街に行く事によって普段は感じない孤独感を感じたりしたので、そういう所が歌詞に出ているのかもしれません。
●歌詞はどのようなテーマで書かれたんですか?
倉木:大切な人を失った時に感じる切なさ……。だけどそれをどうする事も出来ないもどかしさ。そんな孤独な気持ちを白い雪で消して、そして無垢な白い世界に戻して欲しい。ストレートだけど純粋な愛をイメージして作りました。
●「白い雪」は10月28日のツアー・ファイナルで初披露されましたが、その時の感想を教えて下さい。
倉木:初めて自分の書いた詞を他の人に見せるような感覚でしたね(笑)。新曲を早く聴いて欲しいと思うんだけど、どう受け止められるのか不安な気持ちもありました。だけど、ツアーを通してファンの皆さんと身近に交流する機会があったので、今ならこの曲をみんなが受け止めてくれるんじゃないか、という安堵感や信頼感がありました。ライヴで歌っている時に雪が降ってきて、自分がステージ上で歌っている事を忘れてしまう程、曲の世界に没頭してしまいました。歌っていて自分で感動してしまいました!
●白いドレス姿がとても素敵でした。これはやはりタイトルにちなんで、そういう衣装にされたのでしょうか?
倉木:“白い雪”という事で、シンプルなデザインの白いドレスを作って頂きました。ドレスを着て、しかもステージで雪降る中で歌えた事は、生涯忘れられない良い思い出になると思います。
●倉木さんは“雪”に関する思い出はありますか?
倉木:学生の頃に雪が積もり過ぎてしまい、通学困難になって学校が休みになった事があったんですが、その時は嬉しくて(笑)友達と雪合戦をしたり、大きなかまくらを作ったりして遊びました。今振り返ると、1番無邪気な時期だったんじゃないかな……。
●カップリングの「想いの先に...」は、最初聴いた時にどんな印象を持ちましたか?
倉木:この曲はYokoさんの曲なんですけど、気持ちが高まっていくようなメロディが印象的だなと思いました。
●歌詞もタイトル通り、様々な想いがこもった内容になっていますね。
倉木:それぞれの理想や思いがだんだん2人の間に溝を作っていくんだけど、もう1度出会った頃の気持ちを思い出して……。そして自分の内にある思いを解き放つ……。だから「想いの先に...」というタイトルにしました。
●歌う時に気を付けた所はありましたか?
倉木:この曲はグルーヴ感を大切にして、感情のままに歌いました。
●2006年を振り返ってみてどうでしたか? また来年の目標も教えて下さい。
倉木:今年は、アルバムのリリースや35ヶ所36公演のツアーなど、とても充実した1年でした。そして! 今年の最後を締めくくる初のカウントダウン・ライヴを行います。新しい年を皆さんと一緒に音楽で迎えられる事が出来るのを楽しみにしています。
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