愛内里菜

New Single
「薔薇が咲く 薔薇が散る」

2007.1.1 Release


2006年の愛内里菜は、シングル「GLORIOUS / PRECIOUS PLACE」「MIRACLE」、そしてアルバム『DELIGHT』を発表、ライヴは「MIRACLE 2 DAYS」とアルバム・ツアーを敢行し、夏の恒例イベント「里菜1祭り2006」を開催するなど、充実した音楽活動を展開。その他にもTVアニメ「名探偵コナン」の放送10周年記念シングル「100もの扉」、そして18年振りに再結成した“渚のオールスターズ”への参加、更にオフ・ブロードウェイ・ミュージカル「tick, tick...BOOM!」に初挑戦するなど、2006年は彼女にとって新たな試みに満ちた1年となった。
そして迎える2007年1月1日。新年最初の作品としてリリースするのがニュー・シングル「薔薇が咲く 薔薇が散る」だ。インパクトのあるタイトル、パワフルなギター・サウンド、そして熱を帯びたメッセージが込められた歌詞……。今までの作品とは一戦を画する強い意志が感じられた今作について、彼女に話を聞いてみた。 (INTERVIEWED BY EMI MORI)


●新年最初にリリースされる「薔薇が咲く 薔薇が散る」ですが、すごくインパクトのあるタイトルですね。
愛内里菜(以下愛内):これは曲のイメージから出て来た言葉です。自分の気持ちが激しいものを求めていたという事もあって、はちきれそうな感じを出したくて付けました。

●それは具体的にどんなイメージだったんですか?
愛内:自分の内側にある強い衝動に突き動かされて、薔薇の様に真っ赤に狂い咲くというイメージです。

●曲を選ぶ段階から、こういった激しいタイプの曲をやりたいという感じだったのでしょうか?
愛内:そうですね。ロックを意識して選んでいた所はありました。

●今回の歌詞はメッセージ性が強い内容だと思うんですけど、一番伝えたかった事は何ですか?
愛内:この曲を通して、自分がやりたい事に向かって悩んでいる時に、“もしかしたら出来ないかもしれない”と思うなら“もしかしたら出来るかもしれない!”という気持ちに繋がる勇気を渡せたらいいなと思います。“願い”や“望み”を描く事によって全ては始まるという事を感じ取ってもらえると嬉しいです。

●そういう歌詞を書きたいと思ったのはどうしてですか? 何かきっかけがあったのですか?
愛内:初舞台となるミュージカルの台本をもらって読んだのと、この曲を選んで歌詞を書いたのが同じくらいの時期だったのですが、そのミュージカル「tick,tick...BOOM!」はすごく現実的な話で、主人公が描く夢や理想と現実の間で生まれる葛藤を繊細に描いている作品だったので、その台本を読んでいると今まで自分が書いてきた歌詞や自分の人生と重なるところも結構あるなって思ったんです。そしてミュージカルで強く言っているメッセージが“NO DAY BUT TODAY”という言葉で、“過去でもなく未来でもなく、今を生きる”という意味だったんですが、それ言葉が自分の中ですごく大きく響いて共感したので、そのイメージを広げて歌詞を書いていったというのはありました。

●ミュージカルの稽古はいつ頃から始まったんですか?
愛内:8月からですね。

●「里菜・祭り2006」が終わってすぐですね。
愛内:そうですね。「里菜・祭り」まではずっとライヴやツアーを集中してやって、8月からは舞台の稽古が始まったので、自分の生活も切り替わった時期でもありましたね。

●実際にミュージカルを拝見させて頂いたのですが、劇中で何役も演じられたりしているので、稽古もすごく大変なんじゃないかなと思いました。
愛内:発声などの基本練習は8月から始まってたんですけど、完成形での稽古は9月の中頃からでした。それから公演初日までの1ヶ月ぐらいの間で、舞台上での台詞や動きを完成させないといけなかったので、かなり大変でした。

●初舞台という事もあって、発見する事も多かったですか?
愛内:毎日発見だらけですね(笑)。演技に挑戦してる事もそうですけど、歌を歌う事に対してもゼロから見直して発声練習からやったんです。歌うと言ってもライヴと舞台では歌い方も違うので、歌う事についても新しい発見がありましたね。歌に気持ちを乗せる事だったり、自分じゃない誰かとして歌うという事も今までにない経験だったので。今まで何度もステージで歌ってきたんですけど、演技が入ってくると違った感じになるし、すごく新鮮で発見だらけですね。

●この曲のレコーディングの時は、ミュージカルの稽古に触発されたりはしましたか?
愛内:今回は制作スケジュールがタイトだった事もあって、集中して作っていきました。レコーディングの時はちょうど発声練習が始まった頃だったんですけど、ミュージカルに触発されて無我夢中で作ったという感覚は大きかったです。

●その時の熱みたいなものが、この曲に詰まっているんですね。
愛内:そうですね。高い熱が詰まっていると思います。歌詞の端々に、色々なものに対する期待感やドキドキ感が感じられると思います。

●特にそういう熱が感じられる部分はどこですか?
愛内:“強く願えば運命は きっと変えられる”という所です。

●今までの愛内さんの歌詞には“〜きっと変えられるはずさ”というようなニュアンスの言葉で伝えていたと思うんです。それがきっぱりと言い切った形になっているのは、歌詞を書く時もそういう気持が強かったんでしょうか?
愛内:久々に何かに初挑戦するという事で、まさにゼロというか……。とにかく見えないものに向かっているという感覚が強かったので、“きっと自分を変えられるはず”と信じたい気持ちがその時は特に出ていたのかもしれません。自分が何年か音楽活動をしてきた中で、願いを叶えられた事もあったので“信じていれば叶えられるかもしれない。頑張ろうよ”という視点で歌詞を書いていたのが、今回ミュージカルに初挑戦する事になって、完全にゼロからのスタート地点にいる時の気持ちで歌詞が書けたんです。

●ミュージカル出演を通して、歌に対する向き合い方が色々ある事が分かったとおっしゃっていましたが、それはこれからの音楽活動にも影響すると思いますか?
愛内:もちろん思いますね。今までは常に自分の視点や気持ちで表現してたんですけど、色々な役を演じる事によって、様々な表現方法があるという事が分かったので、もう少し深い所まで表現出来るんじゃないかという、自分への期待感みたいなものはありますね。

●台本を読んでイメージを膨らませたものと、実際にステージで演じてみたものとで違っていたりしますか?
愛内:やっぱり違いますね。それは監督と話し合って形にしていく感じです。自分じゃない人を演じるという事は、自分の中にないパターンの感情がたくさんあるので、それは毎回“こっちの方が合っているかも”とか、探りながらやっていますね。その作業自体は自分の中ですごく新鮮でした。

●今まで他の人の立場で歌詞を書くという作業はあったかもしれませんが、それを実際に演じるとなると違いますもんね。
愛内:そうなんです! 自分で歌詞を書いている時は、ちょっと変えてるつもりでも根本的な部分はやっぱり自分なので……。今回ミュージカルで色々なキャラクターを演じる事になって、生まれや年齢が違ったり、考え方の違う環境で育ってきた人達を表現するという事は、この一言を言われたらこの人はこういう感情で受け止めるのか、という部分から広げていかなくてはいけなかったので、それは難しいんですけど面白い所でもありました。“こういう表情で歌う”とか“こういう表情で返事をする”という事が、今まで自分が歌詞を書いてきた世界とは違うものなので、今はすごく面白いですね。

●今後は役を突き詰めた形で歌詞を書く事があるかもしれませんね。
愛内:そうですね。まだまだもっと勉強したり、経験しないといけないと思いますが、常に自分にとってもリアルな気持ちで、それでいて色んな人の世界感も表現出来たら、より多くの人と歌を共有できるかもしれませんね。

●カップリングの「Powder Snow」は切ない感じの曲ですが、聴いた時はどういう印象を持ちましたか?
愛内:これはサビの部分がすごく印象的で、“はらはら粉雪”のメロディが本当に“はらはら”しているような感じがしたので、この言葉が浮かんで、そこから歌詞の世界を広げていった感じです。曲を聴いた時点で、切ない曲にしようというのはありました。

●声を伸ばして歌う部分たくさんあるので、愛内さんが好きそうな気がしたのですが……。
愛内:ピンポンです(笑)。

●歌詞の中には情景が浮かぶような言葉が出て来ていますね。
愛内:今回は特に冬の切ない情景がたくさん出てくるようには心掛けました。

●「薔薇が咲く 薔薇が散る」とは対称的なタイプの曲ですが、これは選曲する時から意識されていたんですか?
愛内:あまり意識はしてなかったですね。この曲に関しては“冬っぽい歌詞が似合う”という事を基準に選びました。

●愛内さんは冬は好きですか?
愛内:ちょっと苦手ですね、実は冬にあまり良い思い出がないんです。秋・冬になると、少し切ないタイプの曲を歌いたくなるのは、そのせいかもしれません。雪を見ると切なくなったりするので……。自分の中で思い描いている冬のイメージを詰め込んだ歌詞になっています。

●2006年はシングルやアルバムを発表された後にツアー、そして「里菜1祭り2006」にミュージカルと、まさに盛り沢山だったと思いますが、改めて振り返ってみてどうですか?
愛内:すごく充実した1年でした。バタバタしている中で、目の前の事をこなす事に精一杯だったんですけど、その時間が自分にとっては心地良かったし、充実感もありました。一言で“良い年やったわ!”ってしっかり言える年になったので、すごく満足しています。“来年も頑張りたい”というパワーをもらえた年でした。

●アルバム『DELIGHT』を出された時、初心に戻って進んで行きたいというような事をおっしゃっていましたが、今年の色々な活動を通して、愛内さん自身は前に進んでいるという実感はありましたか?
愛内:「100もの扉」や渚のオールスターズでコラボレーション作品に参加出来た事で、自分を確かめながら進んで行く事が出来た1年になったと思います。

●2007年はどんな1年にしたいですか?
愛内:今年は色んな活動をしながら意識の原点回帰が出来た、スタート地点に戻れた年だったので、2007年はこのシングルで勢いのいいスタートを切りたいと思っています。あとはやっぱり新しい事にももっと積極的に挑戦していきたいなと思います。今年は新しい事をやっていく事の大切さを一番実感させられた年だったので、新鮮な気持を忘れない為にも、小さな事でもいいから色んな初挑戦をしていきたいですね。

●それでは最後に、読者の方へコメントをお願いします。
愛内:まずはファンの皆さんへ。2006年は制作からライヴ、そしてミュージカルとホントにたくさんの活動をしてきましたが、やっぱりファンの皆さんが常に応援してくれている、互いに支え合えていると実感出来ているから、私も頑張れるんだって思います。ホントみんなに感謝してます。ありがとう2 そして2007年を迎えるにあたって何かを始めたい、挑戦したい、自分を変えたいって思っている人、もしくは不安な気持ちが大きくてなかなかスタート出来ずに悩んでいる人がいたら、絶好のチャンスです! 是非「薔薇が咲く 薔薇が散る」を聴いて、テンション上げて、里菜と一緒に力強く2007年のスタート切りましょう!!


愛内里菜

New Single
「薔薇が咲く 薔薇が散る」

2007.1.1 Release


GIZA studio
GZCA-7082 ¥1,050(tax in)