永久不滅、大感動のバラード・シングル
映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」(5月12日より全国東映系で公開)の主題歌としてすでに公開前から話題の、B'z待望のニュー・シングル「永遠の翼」が遂にリリースされる。また1つ心に刻まれる、B'zの名曲が生まれた。
この映画のダイジェスト映像を見たのだけど、戦時中に特攻隊として散っていった、当時の若者達の様々な感情が交錯した映像に流れてくる「永遠の翼」を聴いていると、“僕らにも大切なものを守るために自分を犠牲に出来るような、そんな勇気があるのだろうか?”と、何か熱いモノがこみ上げてきた。
静寂の中、語りかける様に始まる叙情的なピアノ・イントロ。
静かに、そして力強く唄い始める稲葉。
壮大なストリングスと絡み合って、分厚いサウンドを織りなすTAKのサウンド・メイク。
この緻密でとんでもなく完成度の高い曲に出会えたという喜びと、そのスケールの大きい展開に引き込まれ、聴いているうちに何度も涙腺が緩んでくる。
稲葉の歌詞はいつにも増して日常的な事を綴り、しかし常人ではたどり着けない何かを超越した力強さと希望に満ち溢れている。
『永遠の翼がほしい また会う瞬間のために
はかないこの命を 朝日のように燃やしながら
はばたいていこう』
『僕らがいつも目ざすのは 愛しいものたちの幸せ
絶望の先に必ずある ひと筋の希望の光』
当たり前になり過ぎていて、失った時に初めて気付く僕等の日常が、こんな言葉でどれほど救われ、勇気をもらえるだろうか。
2nd beat「ロンリースターズ」も生命力溢れる力強いナンバーだ。「永遠の翼」が大切な仲間や友情、愛情といった“人間愛”みたいなものが曲の根底にあるのだとしたら、この「ロンリースターズ」はそれとは逆の、“孤高”というか、もっと掘り下げて僕ら“個”に向けられた、もはやそこから逃げる事は許されない様な、緊張感がピンと張りつめている。「北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章」(現在公開中)の書き下ろし主題歌というだけあって、映画の登場人物の生き方のごとく、重厚で迷いのないサウンドだ。中盤から、突如たたみかける様に変化する曲展開と、渾身のギター・ソロのテンションの高さは凄まじいものがある。こんなにもロック・モード全開のTAKのギター・ソロは久し振りの様な気がして、爽快だ。
今回のB'zのニュー・シングル、何度も聴き込んでいくうちに思うのが、“こうしようぜ!”という、そんな安易に限定されたメッセージではなく、僕ら聴き手に“一体どう思う??”といった、ある種の投げかけ的なメッセージがたくさんちりばめられている気がしてならない。自問自答させてくれる、非常に深みのある楽曲だ。(TEXT BY ペリー今村)
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