スパークリング☆ポイント

New Album
『サンキュー!!』

2007.7.4 Release


前作「ルリハコベ」で10枚目となるシングルを発表したスパークリング☆ポイントが、7月4日に3rdアルバム『サンキュー!!』をリリースした。1st、2ndと同様に夏をイメージしたアルバムに仕上がった今作は、メンバー1人1人が作詞を手掛けた曲も増え、それぞれの個性や魅力が引き出された作品になっている。元気を届けてくれるタイトル曲「サンキュー!!」を始め、“ありがとう”の気持ちが沢山詰まった今作について彼女達に話を聞いてみた。
(INTERVIWED BY EMI MORI/EDITED BY NORIKO DOTE)


●今回のアルバムは『サンキュー!!』というタイトルですが、制作段階からテーマは決まっていたんですか?
亜衣里:アルバムを作っている時に「サンキュー!!」という曲があって、前作「ルリハコベ」が10枚目のシングルという事もあったので、色々な人に“ありがとう”の気持ちを伝えられたらいいなと思ってこのタイトルにしました。全体的にも“ありがとう”を表現した曲が多かったので、“『サンキュー!!』がいいんじゃない?”って皆で話し合って決めました。
梓:3枚目だしね(笑)

●今作では“ありがとう”という言葉が歌詞に多く見られますが、これは意識しているんですか?
梓:特に意識はしていないです。そういった歌詞の部分も含めて『サンキュー!!』というタイトルがいいんじゃないかと思いました。

●アルバムの制作に取り掛かったのはいつ頃からですか?
梓:歌詞自体は4月頃から書いていたんですけど、レコーディングは5月に入ってからです。

●アルバムに入れる曲は歌詞を書く時点で決まっていたんですか?
梓:曲は沢山作っていたので候補になる曲は色々あったんですけど、最終的にはこの曲になったという感じです。

●アルバムのタイトル曲になっている「サンキュー!!」は3人の作詞ですが、曲を聴いた時はどんな印象でしたか?
亜衣里:爽やか〜な印象でした。
梓:曲調が爽やかだったので、海や風など爽やかな景色が伝わる様に夏をイメージする言葉を沢山入れて書きました。
明日香:最初この曲は歌詞の内容も濃い感じだったんですけど、何度も書き直して今の形になりました。

●最初の“サンキュー”という言葉は、制作していく中で入れようという話になったんですか?
梓:1番最後のレコーディングの時に入れてみたら良かったので(笑)

●“サンキュー”という言葉から始まって“ありがさまりょーた”で締めくくられていますが、その繋がりも考えていたんですか?
梓:“ありがとう”が沢山詰まったアルバムになったので、始めと終わりに入れてみました。

●夏をイメージする言葉はすぐに出てきましたか?
明日香:あまり考えたりしなくても、すぐに出てきましたね。

●3人で歌詞を作る時は、話し合っていなくても内容がリンクしている様な事はあるんですか?
亜衣里:詞を書いたりしても同じ感じの時がありますね。
梓:たまにですけど、同じ感覚で書いてたりします。
明日香:同じ言葉を使って書いてる時もあるんですよ(笑)

●この歌詞は3人で、言葉を選んでいったんですか?
亜衣里:皆で書いてきたものを持ち寄って、1人1人の書いた言葉をそのままメロディにはめていきました。

●この曲を1曲目にしたのは、ここからスタートという事もありますか?
亜衣里:爽やかに始まる感じで(笑)

●この歌詞の中で気に入っている部分はありますか?
亜衣里:“ずっとしゃべり倒そうか”という所が好きです。奄美の人はそんなに遊びにいく場所もないので、しゃべる事自体が遊びだったりするんです。だから“星を見送るまで ずっと しゃべり倒そうか”の部分が、夜になるまでずっとしゃべってる奄美の光景みたいで好きです。
梓:奄美ではよくある光景だよね。
明日香:“ありがとう大声で叫びたい”という部分は、すごくストレートに表現してみました。

●この曲は奄美の情景を思い浮かべて書いたんですか?
亜衣里:“コバルトブルー”とかキーワードは奄美なんですけど、内容的には皆が持っている“ありがとう”の気持ちに通じるかなと思って書きました。

●「夢と君と僕と」は梓さん作詞ですが、初めて曲を聴いた時はどうでしたか?
梓:最初はなかなかテーマが絞れなかったんですけど、書いていくうちに今の3人の関係だったり将来に対する3人の考えが浮かんできて、本当にありのままを書く事が出来ました。

●“永遠に”という言葉が所々に入っていますが、いつまでも続けていく事って理想にしていても難しいですよね。
梓:やっぱり人だから変わっていく事もあるし、変わらなくてはいけない部分もあると思うんですけど、この3人に関しては良い意味で子供っぽくいたいし、歳をとってもふざけあったり、今の関係が続くといいです。

●アーティストとして活動を始めてから少しずつ年齢も重ねてきていますが、大人になっていく事に対して以前と意識的に変わってきている部分はありますか?
亜衣里:昔はすごい現実的に考え過ぎていて、歌を歌う事を仕事にするっていう事に不安を感じたり、今より考え込んでた部分はあるかも知れないです。でもアーティストって夢のある仕事だから、今は活動していくにつれて逆に夢を持つ様になりました。
明日香:前までは今が楽しければいいと思っていて、後の事なんて考えたりしなかったけど、最近は先の事を考える様になったかな。

●これから先、どんな風に過ごしていきたいですか?
亜衣里:理想は今と変わらず3人でいる事です。3人ともどんどん変わっていくから先が想像出来ない部分があるけど、それも楽しみですね。もっともっと成長して、奄美を沢山の人に広められる様になりたいです。
梓:皆で近くに住んで、身近に何でも分かり合える様に過ごしたいです。そしてやっぱり楽しく歌っていたい!!
明日香:ずっと歌っていたいですね、これからもずっと一緒に歌っていけたらいいなと思います。そしてやっぱり、この3人の関係が続いて欲しいです。
梓:ゆったりとこの曲を口ずさみながらいれたらいいな(笑)
亜衣里:それが私達らしい部分でもあるよね。しっかり歌って、踊ってというのも勿論いいんですけど、ゆったりした感じの方が自分たちの根底にある雰囲気に合ってるのかなって。自分達自身その空気が心地良かったりするんですよ。

●「いも〜れ奄美」はサウンド面にも遊びがある曲ですね。
亜衣里:なんだかゲームに出てきそうな音楽かも(笑)
梓:初めて聴いた時は私もちょっと驚きました。この曲は音の上がり下がりが激しくて音程をとるのがすごく難しかったです。

●歌詞を作る時は遊び的な要素も考えて作っていったんですか?
亜衣里:奄美っぽい曲にしようと思っていました。
明日香:それぞれ書いてきた歌詞が、ちょっと遊びを含んでいる内容だったので、歌詞の世界観もこうなりました(笑)

●レコーディングはどうでしたか?
亜衣里:音程に気を付けながら、テンションを上げて歌いました(笑)。聴いていて楽しくなれるものにしたかったので、自分自身も楽しみながらレコーディングしました。
梓:これだけ奄美色が強い曲なので、初の試みですが奄美弁講座を入れてみました。曲を聴いて奄美弁も覚えてもらえると嬉しいです。

●奄美の雰囲気が伝わってくる曲ですね。
亜衣里:こんなにはじけた曲は「トロピカルビーチ」以来かも(笑)。でもこの曲は思いっ切り奄美限定の曲になりました。
梓:なんとなく奄美って分かる曲は今までにも作ってきましたが、今回は本当に奄美をイメージした曲が作れたので自分達としても嬉しかったです。

●韻を踏んでいる部分が沢山ありますが、歌詞はすぐに出来たんですか?
亜衣里:結構スラスラっと出来た……かな(笑)
梓:歌詞や曲調にあるスパクリらしさを受け入れてもらえると嬉しいな(笑)。声色を変えたりしている部分もあるんですけど、分かる人には分かると思うので、そういう部分でも楽しんでもらいたいです。
明日香:ここまで色々とやってみたのは初めてなので、皆の反応が気になりますね。

●「OH! My Honey 〜ヤキソバかきこんで〜」は亜衣里さんが作詞をされていますが、初めて曲を聴いた時はどんなイメージでしたか?
亜衣里:ハッピーな感じの曲は今までにあまり書いた事がなかったので、どこまではじけていいのか考えながら書きました。「Limitation in summer」の続編で、ひと夏の恋が終わって、でもやっぱり次の年またその彼を捜しに行くという歌詞なんですけど、楽曲がどんどん違う方向にいっちゃって……、すごい曲になってしまいました。
梓:間の手でおかしくなっていったよね(笑)
明日香:それでだいぶ曲も変わったんですよ。

●後半にいくにつれて色々な事が起こってきますね。
亜衣里:歌詞の主人公である女の子役が私で、“Honey”とか言っているんですけど、“友達”や“ヤキソバ屋のおっちゃん”が出てきちゃって……。
梓:でも肝心の彼がいないんですよ(笑)。そういうストーリーも踏まえて聴いてもらえるともっと楽しいと思います。
亜衣里:他の曲は大人っぽい感じだったり爽やかなものが多いので、ここでスパクリらしい賑やかな曲もいいかなと思って(笑)

●皆で掛け合いをしている部分は後から考えて入れたんですか?
亜衣里:最初はコントをやろうっていうのが頭にあったんです。それが少しずつ入れていくうちにだんだん広がっていって(笑)
梓:効果音とかもちゃんとしていて、機械音ではなく自分達の声で音を入れました。
明日香:掛け合いの部分は後からアドリブで入れたんですけど、それがいい感じになったので良かったです
亜衣里:海に行きながら聴いたり、砂浜で流したりという風に想像を広げてレコーディング出来たので、自分としても納得出来る仕上がりになりました。

●“八月踊り”は実際にあるんですか?
亜衣里:奄美では夏になると“八月踊り”という、家々を1軒ずつ廻りながら踊りを舞うイベントがあるんです。新築の家はお菓子とか色々なものを準備して、皆が廻ってきた時に手渡すんですけど、ちょうど“餅投げ”の手渡しヴァージョンみたいな感じです。“八月踊り”は、3歳位の子から80〜90歳位のお年寄りが、朝まで一緒に踊ったりするんですよ。

●「幻の月」は梓さんの作詞ですが、これはちょっとロック・テイストな曲ですね。
梓:初めて聴いた時に夜のイメージがあって、ちょうどこの詞の締め切り前日に夜の渋谷に行ったんです。その時に“この雰囲気がこの曲に合うな”と思って書き始めました。繁華街だし明るい雰囲気なんだけど、皆ちょっと闇を抱えてやってきたというイメージの詞です。普段から思っている事をそのまま書いてみました。今までもこういった詞を書いてみたかったんですが、なかなか雰囲気の合う曲が見つからなくて……。10代の子ってこういう気持ちで過ごしてるんじゃないかなって想像しながら、言葉の感じや雰囲気を大事に作っていきました。
亜衣里:今までのスパクリにない曲だけど、あずらしい曲で、こういう曲を書ける感性がすごいと思いました。
明日香:すっごいカッコいい曲で、聴いた時さすがだなと思って尊敬しました(笑)

●タイトルは夜のイメージから付けたんですか?
梓:そうですね。最初に聴いた時、タイトルから思いついて、そこからストーリーを作っていったので。

●3人は夜の時間は好きですか?
亜衣里:もともと夜の雰囲気は好きだし、レコーディングをする時も曲調に関係なく暗くして行う事が多いです。夜の時間になるとテンションが上がってくるんです(笑)
梓:夜になると出掛けたくなります(笑)。詞を書くのも夜が多いので好きな時間です。
明日香:出掛ける時もあるし、家で過ごす時もあるんですけど、自由な時間なので自分の世界に入れて好きです。

●「夏の夕べ 〜あやまる岬で〜」にも、“夕べ”という言葉が入っていますけど、明日香さんはこの曲を聴いた時どういう印象を持ちましたか?
明日香:カントリー調ですごい爽やかな曲なんだけど、どこか切ない感じもあって、色々な捉え方が出来る曲だったので、早く歌詞を書きたいなと思いました。テーマは、実際に奄美にある“あやまる岬”です。私自身そこでの思い出がすごく多かったので、この場所を選びました。失恋してしまった女の子の、前向きに生きようとする気持ちを表現しています。
亜衣里:全体的に切ない曲で、今までの明日香の詞の中で1番好きです。
梓:この詞を最初に見た時は、今までと違う雰囲気だったし大人っぽい感じだったので、本当に明日香姉ちゃんが書いたのかなってびっくりしました。
明日香:“失恋しても落ち込まないで”“その人だけじゃないんだよ”っていう思いと、その人がいたから強くなれたし、素直に感謝している気持ちや“ありがとう”という言葉を伝えたくて書いてみました。

●今回のアルバムの曲順は色々と考えて決めていったんですか?
明日香:色々なタイプの曲があったので曲順はすごく考えました。最後に“ありがさまりょ〜た!!”を入れるかどうかも迷っていたんですけど、「サンキュー!! 」から始まっているので、元気良く終わりたいなと思って入れたんです。

●今、“ありがとう”と感謝の気持ちを伝えたい人は誰ですか?
亜衣里:スタッフの方達を見ていると、自分達の倍ぐらい頑張って下さっているのがすごくよく分かるので、その方達に感謝したいです。家族とか応援してくれている身近な人にもなかなか“ありがとう”って真剣に伝える機会がないので、ここまで支えてくれた家族や皆に心から“ありがとう”って言いたいです。
梓:スタッフさんとか家族の様に支えてくれる皆に“ありがとう”と言いたいし、やっぱり1番身近にいる2人には“ありがとう”って言っておきたいですね。
明日香:今の自分がいるのは家族、友達、ファンの方々、スタッフの皆さんのお陰です。皆がいなかったら今の自分もいなかったと思うから、その全ての皆に“ありがとう”って伝えたいです。

●今回のアルバムはどんな感じで聴いてもらいたいですか?
亜衣里:色々な曲が入っているアルバムはスパクリの良さでもあると思うので、自分にあったシチュエーションで、自分にあった曲を選んで、色々な夏を楽しんでもらいたいです。
梓:曲調的にも沢山のバリエーションがあるし、詞も1曲1曲違う感じのものが揃ったので、“今日のテーマ・ソングはこれっ!!”っていう様に毎日楽しんでもらえたらいいですね。ダークな世界に入りたい時には「幻の月」で、はじけたい時には「サンキュー!!」を聴いて過ごしてもらえたらと思います。
明日香:今までにない曲とかも入っていて、沢山の“ありがとう”の気持ちが詰まったアルバムになったので、これを聴いて少しでも“ありがとう”という感謝の気持ちを持ってくれたら、それだけで嬉しいです。
梓:他にも元気になりたい人、夏に海へ行ったり、奄美に行きたくても行けない人達は、代わりにこのアルバムを聴いて少しでも奄美気分を味わって欲しいです。絶対に元気が出ます!!
明日香:もちろん感謝の気持ちとか、日頃自分が気付いていない思い、近くにいるからこそ気付けない恥ずかしくて言えない様な感謝の気持ちに気付いて欲しいというのもあるけど、このアルバムは聴いているうちに知らず知らず元気が出ると思うし、“ヤキソバかきこんで”とか悩みが吹っ飛ぶ様な楽しい曲が詰まっているので、元気になれるビタミン剤です!!


●今回もスペシャル・ブックがついているんですよね。
亜衣里:表紙が“サンデーBOOK”で、サンデーの“サン”は3枚目の“3”です(笑)。中身は3人のさりげない写真とか奄美の風景を収めています。1人1人の紹介文や“サンキュー!!”にちなんで“39”の1問1答なども載せているので、3人の個性が表れていて面白いと思います。奄美人度テストもあるので、是非やってみて下さい!!

●夏に向けてやりたい事とかありますか?
亜衣里:色々な場所にライヴやイベントで行って、いい汗をかきたいなと思います。
梓:夏だしアルバムも出来たので、ライヴが沢山出来たらいいですね。
明日香:イベントとかライヴをして大勢の人達と楽しい時間を過ごしたいです。



スパークリング☆ポイント

New Album
『サンキュー!!』

2007.7.4 Release


NORTHERN MUSIC
VNCM-9001 ¥3,059(tax in)