愛内里菜

New Single
「Mint」

2007.8.15 Release


前作「薔薇が咲く 薔薇が散る」から約8ヶ月振りにリリースされるニュー・シングル「Mint」は、心地良いリズムと爽やかなサウンドに乗せて、慌ただしく過ぎていく日常生活の中でも相手を思う気持ちを大切にしたいという、素直な女性の心情を歌ったポップ・ナンバー。そこに綴られた肩ひじをはらない等身大の言葉からも、愛内里菜にとってニュー・タイプのメッセージ・ソングと言えるのではないだろうか。カップリングの「yellow carpet」は、ドラマティックなサウンド展開とストーリーを重視した歌詞とのマッチングが絶妙なハッピー・ソングになっており、こちらは一足先に秋の香りを感じる事が出来る。今までの作品とはひと味違う楽曲が収められた今作について、彼女に話を聞いてみた。(INTERVIEWED BY EMI MORI)

●シングルとしては久々となりますが、それまでの間はディナーショーを行ったりと、制作以外の活動もありましたよね。
愛内里菜(以下愛内):愛内里菜のライヴというと、ガンガンに盛り上がるんで“動きやすい格好で来てね”というのが合い言葉みたいな感じになっているんですけど、ディナーショーはバラードを主体とした形にしたので、いつもとは正反対のライヴだったので、自分の中でも新鮮だったし、それを皆に“すごく良かった!!”と受け止めてもらえたので、そこから得るものもありましたね。

●しっとりと聴かせるという意味では、いつものライヴよりも緊張する事が多かったのでは?
愛内:今までのライヴでは聴かせるコーナーとしてはありましたけど、全編に渡って聴かせるライヴというのはやった事がなかったので、それが出来たのは自分にとっても良かったです。“こういうのもアリなんだ”っていう自信にもなりました。

●前作のインタビューの時にもっと色々な事に挑戦したいという事をおっしゃっていましたが、その中の1つでもあると。
愛内:そうですね。周りからの“新しい感じにしたよね”と言われる事を意識してディナーショーの構成も作っていきました。

●今回のシングル「Mint」も、前作とはガラっと変わった感じの曲になっていますね。
愛内:夏の暑い曲というよりは、夏の中にある涼しさとか、リラックスする様な爽やかなリズムを届けたいなという思いがあって、この曲を聴いた時にすごく心地良く気に入ったので、制作を進めていきました。“RINA SUMMER”と言えば、熱いメロディというイメージがあると思うんです。でもこの曲を聴いた時に自分自身もすごく新鮮な気持ちになって、“爽やかな夏の曲もいいかな”と思ったので、歌詞も付けていきましたね。歌詞の中にも“夏の終わり”という言葉を入れたりして、真夏とは違った雰囲気になっています。

●タイトルの「Mint」という言葉はどこから生まれたのですか?
愛内:これはメロディを聴いた時に感じた爽やかさやリフレッシュさから想像して出て来た言葉ですね。聴くとスッとする感じから、「Mint」にしようと決めました。

●愛内さんはミントの香りは好きですか?
愛内:好きですね。目の覚める感じとか、スッキリする感じとか……。チョコミントとかはよく食べます。レコーディングしている時に、眠気覚ましにミントの粒を食べているスタッフさんもいますね。

●楽曲の中には可愛らしい音が入っていたり、音で遊んでいる感じがしました。
愛内:最初に聴いたデモもこういう感じでしたね。そこからはファンシーさは増していると思います。

●少し大人っぽい内容ですよね。
愛内:“里菜・祭り”でまた新しい1年が始まるという事をいつも言っていると思うんですけど、今年の夏の終わりには、私も歳を1つ重ねて大人になっているなぁと思いながら歌詞は書きましたね。そこで、恋愛の先輩という訳じゃないですけど、20代後半の恋愛について歌詞が書けたらいいなと思って……。日々、仕事も恋愛も頑張っている女性を主人公にしています。

●歌詞の中にも“徹夜続き”とか、リアルな言葉が入っていますね。
愛内:私自身も結構徹夜する事が多いんですよ(笑)。歌詞の締め切りが迫ってる……とか。毎日の生活の中で“何でこんなに追われているの?”とか“忙しいの?”とか、仕事でイライラしたりゴタゴタがあったりという事は、女性だけに限らず、どんな人でもこういう事を思う気持ちは同じだと思うんです。だから日常生活に近い感じというか、リアルな言葉は意識して書いていきました。

●歌声もリラックスしている様に聴こえたのですが、この曲を歌っている時はどうでしたか?
愛内:歌詞を書いてイメージが出来ちゃうと、その気になれるタイプなんですよ(笑)。ファッションでもそうで、いつもとちょっと違うテイストの洋服を着ると、その気になれるので、何かをすごく意識したという事はないです。でもこの曲のテーマがリラックスやリフレッシュだったりする事なので、自然とそういうモードで歌っていたのかもしれません。

●PVには、歌詞の中の一部を切り取った様なシーンが入っていますね。
愛内:歌詞に日常的な言葉が入っていた事もあって、それをPVの監督さんが取り上げて下さって、ダンス・シーンだけじゃなくて、日常的なシーンを敢えて入れてみよう、という提案から生まれました。そこで少し演技をしています(笑)。撮影をする時は、どういう演技をするかというのは特に決まってなかったんです。そこで部屋のセットの中で、自分が仕事で本当に疲れて夜中に帰って来たと思って動いてみて下さいという事で、色々撮影したものの中から選ばれたシーンがPVに入っています。

●部屋に忘れ物をして、それに気付くシーンとかも細かいですよね。
愛内:あれは朝慌てて部屋を出ようとしたら、鍵を忘れていたという設定です。結構細かいんです(笑)。

●ダンス・シーンもたくさんありましたね。
愛内:実はあれはダンスを覚えるのに3日間位しかなかったんです。思っていたよりも振付けが細かくて、1番と2番でちょっと違うんですよ。それが大変でしたね。

●歌詞の中で特に気に入っている箇所はありますか?
愛内:色々あるんですけど、自分が20代後半の年齢になったからこそ書けたという意味では、1番の“「いつまで二人…」なんて又 意気地なしな考えをする癖 でも恋を重ねて知った”という所ですね。その後に続くサビの部分の、負けない気持ちを持って仕事も頑張ってあなたも愛するわ、という様な事を書いている所も好きです。

●“キミが必要だから愛してる”という箇所も、言い切ってしまっている所が潔いなと思いました。
愛内:過去の自分の恋愛で“ここが悪かったんだろうな”と思いながら、きっとこういう風に愛せたら上手くいくんじゃないかなという、自分なりの答えがやっと出て来ましたね。

● 経験を通して言える事だと。
愛内:あとは“明日も明後日もまた会いたい”じゃなくて“また会えない”という所です。少し前だったら“今日みたいに明日も明後日も会いたい”とか“あなたがいつもいてくれないとダメだわ”みたいな事をついつい口に出してしまっていたかもしれなかったんですけど、今回はそうじゃないだろっていう所で書けた大人の歌詞かなって(笑)

●ちなみに10代の頃、20代半ばの女性に対してどういうイメージを抱いていましたか?
愛内:もっと落ち着いているというか、大人の女性というイメージがありましたね。でも今って30代の方でのパワフルな人もたくさんいて、“30歳を越えたからこそ、ときめくよー!!”というような感じがするので、今自分が20代後半に差し掛かってみて、そんなに落ち着く必要はないというか“ここからだな”という気はします。

●愛内さんは、昔の友達に久々に会って“変わったね”と言われるのと“変わらないね”って言われるのと、どちらが嬉しいですか?
愛内:“変わらないね”がいいですね。私自身はパワフルで前向きな性格で見られている事が多いので、大人になってもそういう部分を変わらずに感じてもらえていたら嬉しいというのはあります。そういう意味で“変わったね”とか“落ち着いたね”と言われると、自分の中のパワーがダウンした様に思えてしまって、ちょっと寂しくなるかもしれません。

●カップリングの「yellow carpet」は、今までの愛内さんの作品の香りも感じられる曲ですね。
愛内:「yellow carpet」を聴いた時、曲全体が輝いているように感じたので、“何か楽しい事が始まる!!”という様な歌詞が書きたいなって……。そこで“始まりから最後にかけて、ときめけるようなもの”をテーマに、“いつものバス停で恋に落ちて……”というストーリー仕立てにしてみました。

●「yellow carpet」という言葉はどのようにして生まれたんですか?
愛内:この曲は、通勤や通学で日常的に季節感も何も気にしないで使っている道で、素敵な事が起こる事なんてないだろうと思っていたら、ある日ポンと目の醒める様な出来事が起きて、自分にとってすごく特別な道に変わっていくという話なんです。ちょっとしたきっかけで何でもない事がハッピーに変わるという歌詞になっていて、“道”という言葉がキーワードになっています。そこで素敵な道の象徴の1つにある“Red carpet”は女性の夢というイメージもあるので、それが大好きな人と一緒に歩く銀杏並木が“yellow carpet”になるという事で、この言葉をタイトルにしました。いつもなら銀杏の葉が下に落ちているのが邪魔だなと思う道でも(笑)、2人で歩くと素敵な色をした風景になるというか……。そこから秋という季節も感じさせてくれて、素敵な道だったんだと気付かせてくれる様なきらめく歌詞にしてみました。ひと足早いですけど、秋にかけて聴いて欲しい曲になっています。

●今回のシングルは「Mint」でミント・ブルーやミント・グリーン、「yellow carpet」では黄色と、色の部分でも強く打ち出されている作品になると思ったのですが、愛内さんにとって色は重要だったりしますか?
愛内:重要ですね。私の場合は色で曲の世界観を広げていく事が多いです。それは日常生活でもあって、“今は○色の世界だな”と思ったりします(笑)。家に帰っても部屋には色がいっぱい溢れていますし……。カラフルな所にいると安心するので、色には敏感かもしれませんね。洋服の色を見たり街並みの色を見ている事から、歌詞を書く時もまず色から入るという風に癖になっているかもしれません。もちろん、その日の自分の気持ちによって色の見え方も違ってくると思いますけどね。

●リミックス・ヴァージョンもゆったりしたものになっていますね。
愛内:「Mint」を聴いて“愛って大事だな”と思いながらリフレッシュしてもらってもいいし、これを聴いて“明日も頑張るか!!”という気合いを入れてもらう感じでもいいと思っているんです。1曲目の「Mint」が朝や昼に聴いてもらう感じだとしたら、リミックス・ヴァージョンは疲れた夜に聴いてもらう感じというイメージにあったヴァージョンを選びました。

●「yellow carpet」に関しては、どういう時に聴いて欲しいというのはありますか?
愛内:「Mint」や「yellow carpet」の両方に共通しているのは、仕事を頑張っている女性だったりします。だからそういう女性に聴いてもらいたいですね。恋に仕事に大忙しな中でも、自分なりのリズムを持って生活しながら、自分にとって心地良い場所や景色を忘れずに頑張って行きたいよね、というメッセージを込めて書いたので。

●“里菜・祭り”を終えた後、今年はどういう事をしていきたいですか?
愛内:もちろんどんどん曲は発表していきたいです。やりたい事もいっぱいあるので、それを形にしていきたいですね。今回のシングルに関しては今までとは違ったタイプのものにしたい、という思いがあって敢えて選んだという訳じゃないんです。何が影響しているかと言われたら、やっぱりバレンタイン・ライヴでのガールズ・オンリーのライヴだと思います。あれはデビューして初めてガールズだけでやるライヴだったので、自分の中でもすごく大きな出来事でした。そこに集った人達は住んでいる場所も違えば年齢や仕事も違っていて、でも皆が歌詞を口ずさんでる……。その光景を見た時、結局悩んでいたりくじけそうになったり、喋りたい事って、年齢や仕事が違っていても同じなんだなという事をすごく感じたんです。仲間感というか、そういう事をすごく感じられたライヴだったので、そういう意味で、今回の歌詞も日常的な事の中にある気持ちを書きたいなと思ったんです。いつも仕事に恋に頑張ってるんだけど、みんなで集まると、くだけた話も出来るという様な身近なライヴが出来たのが、この曲には影響していると思います。だから特に“何かを変えたい!”という感じで作った訳ではないですね。ガールズ達を目の前にして、自分が言える事って、自分の身近な事の中にもたくさんあるかもって強く感じたのがガールズ・ライヴだったので、ひょっとしたらそれがリフレッシュとかリラックスというキーワードに繋がったのかもしれませんし、熱い夏じゃなくていいかもという気持ちにもなったのかなって……。

●そのライヴを通して、今までとは別の視点で歌詞を書いてみるという事が出て来たと。
愛内:1つのライヴ・スタイルを見つけたと同時に、1つのメッセージの伝え方を見つけたという感じですね。

●今後もそういうスタイルを活かして楽曲を発表していきたいですか?
愛内:そうなるといいなと思います。


愛内里菜

New Single
「Mint」

2007.8.15 Release


GIZA studio
GZCA-7094 ¥1,050(tax in)