the★tambourines

New Mini Album『6th story』

2007.10.31 Release


前作から約1年振りとなるthe★tambourines待望のニュー・アルバム『6th story』が10月31にリリースされる。夏をテーマにした前作とはまた違うテイストの楽曲が収められた今作は、メロディの持つイメージを大切にして言葉をはめていったという歌詞と、the★tambourinesらしいポップなメロディの中に見え隠れするほんのり愁いを帯びたサウンドが印象的。6つの異なる“story”が描かれた今作についてヴォーカル松永安未に話を聞いてみた。
(INTERVIEWED BY EMI MORI/EDITED BY NORIKO DOTE)


●前作から1年振りのリリースになりますが、ライヴ活動をしていく中で『6th story』の制作もずっと進めていたんですか?
松永安未(以下松永):制作はまだ少しやりつつな部分もあるんですけど、前作のインストアやプロモーション・ライヴが落ち着いてからは、すぐに次の作品どうしようかっていう話をしていました。ただメンバーそれぞれの活動もあったので、曲を作り始めたのは今年に入ってからでしたね。春頃から本格的にデモ揃えて、曲を選んでいきました。

●制作が本格的になってからは、作業の進みは早かったんですか?
松永:そうですね。デモの段階で10何曲位あったんですけど、その中で実際に作る曲が決まってからは、すぐレコーディングに入りました。

●前作ではコンセプトをしっかり決めて作ったとおっしゃっていましたが、今回は……?
松永:コンセプトはレコーディングに入るまでに固めていきました。麻井君の制作スタイルで進めていったので、何曲も挙げてきてからという感じで、レコーディングに入るまでが長かったんですよ(笑)。だから8月に入ってから9月の最近まで集中してレコーディングしてました。全曲をアルバムとして聴いた時に、これはだいぶ前に作ったからこんな音だとか、これは作っていく過程でこうなってしまったという部分が出ない様に気を付けました。

●それはアルバムに統一性を持たせるためですか?
松永:音に対する彼なりのイメージがあって、今までのバンド・サウンドとか生音にこだわった感じよりも、軽めの音だったり、音の帯域のハイの部分が良く出る様な感じを目指していたみたいです。ドラムやベースのレコーディングの時も音を決めつつ、全部をそんな感じで録ってましたね。

●その部分に関して、松永さんはどう思いましたか?
松永:音の世界観としては、私の好きな感じとかやってみたい事を分かってくれているので、音作りに関してはすごい信頼してるんです。だからデモを聴いた時点である程度は分かるんですよね。生音に差し替えていく段階で、今までだったらもうちょっとボトムが効いていたものがこうなるんだろうなとか。実際レコーディングしたものを聴いてみて、こういう感じで録れるのかっていうのを耳で覚えて、自分の歌を入れる時のイメージにしました。

●感触としては、新しいものもあったと思うんですけど。
松永:そうですね。歌い方も変わりますし、音の帯域が1番出てる所によって、ミックスした時のバランスも歌がこもって聴こえたり、暗く聴こえたりするんですよね……。だからなるべく声の帯域を高めに、軽めで歌おうというのが今回の私的なテーマでした。

●実際にやってみて大変でしたか?
松永:いつもよりはちょっと上目で歌おうというイメージはあるんですけど、曲によって1番ぴたっとくる感じに当てていくのは難しい所もあったかな……。歌い出しはどの曲でも、どんな感じの声でいこうかって悩むんですけど、全体的なイメージがあったので、いつもほどは悩まなかったですね。最終的にはイメージにすごく近くなったと思います。

●今回タイプの違う曲が色々と入っていますが、選曲する基準はあったんですか?
松永:優先順位としては好きな曲と本当にいいなと思う6曲にしようと決めていたので、その6曲のバランスを大事に選んでいきました。皆の多数決もあったので、選曲に関してはそんなにもめませんでした。もっと好きな曲とかもあったんですけど、このアルバムに詰め込まなくてもこれは次に置いておこうって思えたので。実はアルバムを作る時はいつも入り込んで作っているから、アルバム1枚出来るともう燃え尽き感があったりするんですよ(笑)。でもそれじゃ駄目だなと思って、もう少し続けて出せる様に、もっと作り溜めてからアルバムを出そうっていう話をミーティングの時にしたんです。そしたら麻井君が曲を選べる様にって多めにデモを作ってきてくれて。

●今回の『6th story』というタイトルは、どういう所からきているんですか?
松永:やっぱり6枚目のアルバムっていう事と、私達が今作をリリースするまでに丸6年以上活動してきたストーリーであり、6番目の私達のストーリーでもあるという大きな意味、そして今回1番大事にしていた曲のタイトルが「story」という所からですね。収録曲が6曲なんですが“6”にすると“stories”になるので、それだとストーリーの響きも違うし“6th story”で皆の意見も一致したこのタイトルに決めました。

●今作のジャケットでは遂に全員が揃いましたね。
松永:私もデザインが上がった時感動しました(笑)。私1人じゃないと嫌とか言った事ないんですけど(笑)、デザイナーさんも4人の写真をカッコ良くデザインするのって誰かが目をつぶっていたりとかするので、難しいって言ってたんです。でも今年の“七夕NIGHT”で会場前に飾った短冊の願い事に、麻井君が“ジャケットに載りたい”って書いてて、“載りたかったんだ〜、言ってくれたらいいのに(笑)”っていう話になって、願いを叶えてあげて下さいってデザイナーさんに頼んだんです。でもせっかく4人で載るなら統一感が欲しいという事でスーツを着て、ちょっと大人になったthe★tambourinesという感じで仕上げてみました。

●撮影の時はどうでしたか?
松永:撮影の時は和気あいあいとした雰囲気でした。ただスタジオが大きくてクーラーが効く所と効かない所があったので、メンバーはスーツが相当暑かったらしく、皆ハンカチ王子みたいになってましたよ(笑)

●シックな雰囲気もありますけど、イメージしていたものはあったんですか?
松永:なんとなくこういったセミ・フォーマル的な感じにしたいなというイメージはあったので、メンバーが出ていてカッコいいデザインをいっぱい探しました。そしたら何となく雰囲気が似てて、カッコ良くなりそうだなという感じのものがこれに近かったので、たまにはカジュアルじゃなくてもいいかなと思って、この形に決めました。

●他のメンバーの反応はどうでしたか?
松永:結構静かに喜んでました(笑)。ジャケットを選ぶ時も楽しそうで、何種類か上がってきたデザインを見る時も嬉しそうでした。元々彼等は服装とかに強いこだわりがないみたいなので、スーツを着る時も、これ着て、これ履いて、これ被ってっ言っても、何でも着ますみたいな感じでいっさい何も言いませんでしたね(笑)。私が言わせない様にしてるのかもしれませんが。

●ひっそりといる鹿も遊びがあって面白いですね。
松永:今回は季節感をあまり意識しないでいこうと思って、歌詞にも季節的な言葉はあまり出さなかったんですけど、デザイナーさんがちょっと秋らしい感じを出したいっていう事だったので、今回こういう感じで出せて良かったなと思います。

●今作の曲順については悩んだりされたんですか?
松永:先日に曲順決めのミーティングをしようという話をしていたんですが、実は私が忘れてて……(笑)。丁度その日は夕方からリハがあったので、リハに間に合う様に行けばいいと思っていたんですけど、マネージャーさんから“何してるんですか、今どこですか?”っていうメールや電話がすごく沢山掛かってきまして……、“どうしたんだろう?”って思っていたら、リハの前に曲順決めのミーティングをしていたみたいなんです。後からメンバーが決めたものを見せてもらって“これでいきましょうか”っていう事になりました(笑)。ちょっと並べ替えてみたりもしたんですけど、でも本当にこれがベストだなと思ったので、もめずに……?もめれずに(笑)、もめる訳もなく決まりました(笑)

※この続きは本誌にて……。


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New Mini Album『6th story』

2007.10.31 Release


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