ZARD

New Single
「グロリアス マインド」

2007.12.12 Release


今回のオケは、先日行われた追悼ライヴにもゲストとして出演していたギタリスト兼アレンジャーの葉山たけし氏が手掛けている。16ビートっぽいグルーヴ感が印象的なバラードだが、静かに始まるサビ頭から、シンプルな1番のABメロへと流れ、続くサビからは今作の作曲家でもある大野愛果さんとGARNET CROWの中村由利さんのコーラスが加わり、徐々に盛り上がりを見せていく大変ドラマティックな展開となっている。
またZARD作品にはかかせないピアノだが、今回は追悼ライヴでも「My Baby Grand 〜ぬくもりが欲しくて〜」の演奏を披露した羽田裕美さんが担当。先に紹介した大野さんと中村さんも同じく追悼ライヴに出演していたメンバーだが、そんな彼女らの歌声や音色は生き生きとしていて、力強いメイン・ヴォーカルと呼応し合い、ライヴ感を強く感じる仕上がりになっている。
ライヴ感……。映像と生演奏をリンクさせる形で行われた先日の追悼ライヴでも同じ様に感じたこの“ライヴ感”とは……、きっと他ならない坂井さんのヴォーカルが、血の通った、深い想いが込められた“生きた歌声”だからこそ感じられるリアルさなのだろう。

4分40秒間。目を閉じたまま曲を聴き終えた時、視界では捕える事の出来ない形ないモノをしっかりと感じ取っていた。その形ないモノは、聴く人によって感じ方が違うのだろう。私の場合この曲を聴いて目の中に星空が広がったけれど、ある人は全く違う光景が広がるかもしれない様に、未完成だった作品はそれぞれのリスナーの胸の中に何かを宿した時、初めて完成形となるのだと思う。
是非あなたも、そっと目を閉じてじっくりと“彼女の歌声”に、“彼女が届け様としてくれた想い”に耳を傾けて欲しい。

さて、今回は2曲のカップリング曲も収録されている。1曲は03年4月に発表された「明日を夢見て」のカップリング曲だった「探しに行こうよ」、もう1曲は97年2月に発表された「君に逢いたくなったら…」のカップリング曲だった「愛を信じていたい」。どちらも隠れた名曲で、今回は2007年版にリアレンジされニュー・ヴァージョンとして収録されている。
「探しに行こうよ」はオリジナルはアコギから始まり、ニュー・ヴァージョンはピアノで始まるという風にオケも全く違っているし、間奏でのギター・ソロを聴き比べてみるのも面白いだろう。また、この楽曲に関しては何と言っても歌詞だ。何故今回カップリングとして新たに発表される事になったのか。是非歌詞に注目して聴いてみて欲しい。
大きな世界観を放った「愛を信じていたい」は、オリジナルの雰囲気を保ちつつも、今作の方はドラムとベースのみでグルーヴを作っており、サビでは歌詞の内容にぴったりの広がりのあるコーラスが聴ける。こちらも是非オリジナルと聴き比べてみて欲しい。(TEXT BY YUKARI MATSUBARA)



ZARD

New Single
「グロリアス マインド」

2007.12.12 Release


B-Gram Records
JBCJ-4003 ¥1,260(tax in)