昨年9月に3rdアルバム『3』をリリース後、ワンマンの他インストア・ライヴ等も積極的に行って来たdoaが、シングルとしてはおよそ1年振りとなるニュー・シングル「ガラスのハイウェイ」を4月2日にリリースした。この待望の新作について、徳永暁人(B.&Vo.)、大田紳一郎(G.&Vo.)に話を聞いてみた。(INTERVIEWED BY YUKARI MATSUBARA)
●今回の曲はいつ頃制作された作品ですか?
徳永暁人(以下徳永):アルバム『3』を出してからインストア・ライヴを行ったり、年末にはワンマン・ライヴを行ったりしていたんですけど、この曲はそのワンマンの時には完成していましたね。ワンマンの際、ライヴが終わって皆さんが会場を後にされる時、いわゆる客出しのBGMとしてこの曲を流しました。
●ではファンの方はきっと気になっていた1曲ですね。今作は「心のリズム飛び散るバタフライ」の流れを汲む、歌詞がよく聴こえてくる曲だなと思いましたが、その辺は意識して作られたんですか?
徳永:これは“働く男の歌”です。そういうのを歌いたいなって最初に思ったんですよ。友達にも働いている奴がたくさんいて、自分もそうなんですけど、話を聞くとみんな危なっかしい毎日なんですよね。でも自分なりに精一杯頑張ってる。そういう姿を歌にしたいなって思いました。
●その辺の想いがタイトルに込められているのですか?
徳永:そうですね。日常の中で急かされているって感じる事がたくさんあるんですね。僕は車を速く走らせるのが苦手なんですね。しかも僕の車って古いから80Km以上出ないんですよ。それで高速に乗ったら必ず左斜線を走るんですけど、それでも急かされるんです。なんか同じ速度で走らなきゃいけないみたいな風潮っていうんですかね。他にも例えば朝地下鉄に乗っている時なんかも、駅で降りると降りた瞬間みんな同じ速度で歩いていくんですよね。“お年寄りだからもう少しゆっくり歩きましょうよ”って思う方まで本当にみんな同じ速度で歩いていて、僕はもうちょっとゆっくり歩きたいんだけどって思っても、やっぱり波に乗って同じ速度で行かなきゃならなかったり……。それはきっと仕事でも同じだと思うんですよね。道にポンって乗っかると急かされてしまう、でもすごくそれは壊れやすい道で……。それをハイウェイっていう言葉に例えているんです。
●最初にこの歌詞を読まれた時、大田さんはどんな感想を持たれましたか?
大田紳一郎(以下大田):曲と歌詞がぴったりだなって思いました。今回の曲はすごく広がりがある曲で、どちらかというと『3』のアルバムの曲よりもアメリカン・ロックっていうか、僕の好きな大陸的な感じがすごくしたんですね。それで、この曲にはこの歌詞しかないなって思いました。
●タイトルの部分は早い段階に出来たワードだったんですか?
徳永:いや、逆にタイトルの部分は最後までとっておいて、書きたい事を先にワ〜っと書いて、最後にタイトルを付けました。
●じゃぁ、タイトルに関してはメンバー皆さんで話し合われて決めたりされたんですか?
大田:いや、今回はそういう事はしなかったですね。ただレコーディングの時に“ハイウェイ”を“ハイウェー”って伸ばすのか“ハイウェイ”って伸ばさないのか、それを2日位みんなで話しましたね(笑)。“ハイウェイ”でいいよねって決めた後に、たまたま観ていた映画に出てきたのが“ハイウェー”って伸ばす方だったんですよ。それを観てまた“あれいいのかな?”みたいな。気になっちゃってみんなに電話しようかなと思っちゃいました(笑)
●なるほど。そういう迷う言葉って結構ありますよね(笑)。ところでアルバムを出された後に、この曲を1発目のシングルにもってこようと思った決め手はどんな所ですか?
徳永:今回は同世代の、特に同性に聴いてもらいたいなって思ったんですけど、春だし、色々な道に行かれる方もいらっしゃると思うし、もちろん同じ道をコツコツやっていらっしゃる方もいると思うんですけど、そういう方々に聴いてもらいたいっていうのが1番強くあったので、このスタートの季節にリリースする事にしました。
●“働く男の歌”がテーマという事ですが、歌詞の中の“小さな事に全力になる君の姿 勇気になった日々”っていう部分を聴いた時に、徳永さんがブログに書かれていた北海道の飛行場の方のお話を思い出しました。[注:doa Blog(doa.livedoor.jp) 08年2月27日“北国旅情その2”より]
徳永:あれは、本当に感動したんですよ! 僕、先日北海道キャンペーンに行って来たんですけど、大雪だったんですよ。そんな中、何十軒も回るスケジュールをこなして“なんか今日俺頑張ったじゃん!”なんて思いながらキャンペーンを全て終えて飛行場に辿り着いたんですね。飛行機に乗ったら窓が凍っていて、わずかな隙間から外を見ていたらまだすごい雪が降っていて。もう大雪で空港がパニくっちゃって荷物の搬入とかも間に合っていないみたいで、30分位離陸が遅れていたんですね。で、“よし今日は頑張った! OK!”なんて思いながらしばらく窓の外を見ていたんですけど、間に合わないから色んな係の人が出てきて荷物の搬入をやっているんですよ。女性の方もいて、荷をほどくのが間に合わない時には手袋を外してやっているんです。僕はそれをずっと見ていたんですけど。やっとの事で完了していざ離陸って時に、その係りの人達がビシっと横1列に並んで、大吹雪の中にこやかに飛び立つ僕らに向かって笑顔で手を振ってくれていたんですよ。それをみた時に“負けた!”と思いましたね。仕事に対する彼等の誇りに感動しました。ああいう姿ってかっこいいですね。
●この歌詞を書かれたのはその飛行場の出来事のずっと前だと思うんですが、おそらく同じ様な感動を日常の中で色々感じられていて、そういったものを歌詞に表されているんだろうなと思いました。
大田:そうですね、僕がライヴの時に小道具作る姿とかね。
徳永:(笑)一生懸命、わざわざオフ日を作ってまで、うけない小道具を作っていますからね。
大田:“制作の日”をね!
徳永:そう、リハのスケジュールの中に“制作の日”っていうのがあって、色々材料を買い込んできて、絵の具とか塗ったりしているんですよ。
●そういうのは、メンバー皆さんで作られてるんですか?
徳永:いえ、大田さん1人です。
大田:どちらかっていうと、本番までメンバーにも知られたくないんですよ(笑)
徳永:メンバーを喜ばすっていうのもテーマにしてるんでしょ?
大田:そうそう。でもそういう事でしょ? そういうコツコツやる僕の後ろ姿に感動してるんですよね!?
徳永:そうですね(笑)
●なるほど。では他にメンバー同士で、メンバーのこんな姿に感動したっていう事はないですか?
大田:吉本君は1から小さな事を1つずつ自分の為にやっているんで、それは見ていて本当にすごいと思いますね。
●それはレースの為の体力作りとかですか?
大田:体力作りとかは当たり前で、レースってもっと色々人と人との関係とか大切にしなきゃいけない部分があるんですよね。そういうのに走り回ったりして。
徳永:本当に彼はすごいですよ。小さな事から一生懸命自分でやっていますから。
※この続きは本誌にて…。
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