高岡亜衣

New Album
『fiction』

2008.6.25 Release


今年4月に「ごめんね、今でも好きで居ます」を発表した高岡亜衣が、オリジナル・アルバムとしては約2年振りとなる3rdアルバム『fiction』をリリースする。映画のシナリオの様に1つ1つのストーリーが描かれた今作は、“fiction”というコンセプトを基に綴られた歌詞が印象的な作品。また今回は、かねてからその情景の浮かぶ歌詞世界に共感し、リスペクトしていたAZUKI 七(from GARNET CROW)に自身の曲に歌詞を付けてもらうという初のコラボレートにも挑戦している。アコースティック・サウンドでシンプルにアレンジされた今作について、彼女に話を聞いてみた。

●前回のシングル取材をした際に、既にアルバムの制作に取り掛かっているとおっしゃっていましたが、アルバム制作の話は以前から出ていたんですか?
高岡亜衣(以下高岡):曲を作り溜めていく内に今回のアルバムのコンセプトに合う曲が結構出来ていて、何となくそういうコンセプトを元にアルバムを出そうという話にもなっていたので、シングルをリリースする時は、そのコンセプトに合ったものにしようという話だったんです。

●アルバムのコンセプトを決めたのはいつ頃ですか?
高岡:シングルをリリースする時に、恋愛をしている人でも、していない人でも世界観が共有出来る曲にしたいと思っていて、実際にその頃、1曲1曲が物語の様になっている曲を自分でもいつの間にか意識して作っていたんですよね。それでスタッフの人とそういう話をしていたら、曲を聴いたスタッフが“自分は経験した事がなくても、共感出来るんだなって思った”って言って下さって……。それでタイトルも“fiction”にしようという事になったんです。

●コンセプトが決まってからは作業的に進みは早かったんですか?
高岡:以前だったら曲があってそれをアレンジに出して、その間に詞を書くっていう流れで制作をしていたんですけど、今回は曲も詞もあって、それを踏まえてアレンジャーさんにお願いをするっていう流れだったので、アレンジャーさんもその部分で色々と汲み取ってアレンジをして下さいました。

●曲と詞のはまりはすぐに出来ていったんですか?
高岡:ギター1本でポロロンって弾いている所に歌を乗せているっていう事で、アレンジもアコースティックがメインのシンプルな音にして下さいってお願いをしていたので、違和感なく出来ました。自分がギターを弾いて歌っているデモ・テープから入っていって、気持ち的には音が少ないオーガニック・サウンドのノリで作っていったんです。でも出来上がった音を聴いてみると、意外と……、アレンジを含め……、思っていたより濃くなっていったかな……って思いました。

●ベースはアコースティックですけど、アレンジで世界が広がっていっている感じがしますね。
高岡:そうなんです! 世界は広がったんですけど、客観的に聴いてみたら、あれっ!?意外に派手かなって思って(笑)。目指していた所はすごくシンプルなものだったんですけど、広がったなぁっていう……、でもコンセプト・アルバムとして始めたから、これもありかなって思いますし、次はもっと少ない音でという部分で次回作への意欲に繋げていけた所もあります。

●曲順は話し合って順調に決まったんですか?
高岡:そうですね。どこかが1つパッと決まったら、全部が収まっていく感じでしたね。

●色々な人とのやり取りがあって、これだけ沢山の種類の曲が出来たっていう部分では、今までの作品とはまたちょっと違ったものになっていますよね。
高岡:そうですね。違いますね。

●今回その中の1つとして、GARNET CROWのAZUKI 七さんに作詞をお願いしている曲が4曲入っていますけど、どういう経緯から、こういう制作スタイルになったんですか?
高岡:アルバムのコンセプトが“fiction”に決まって、まだ何曲か作らなくてはいけないっていう時に、ずっと温めていた曲が何曲かあったんです。その曲はすごく気に入っている曲だったので、その曲の持つ世界をそのままに、そして今回の“fiction”っていうコンセプトからも色々なスパイスが欲しいなと思って、AZUKIさんにお願いさせて頂く事にしました。以前から、AZUKIさんの詞や世界観がすごく良いなと思っていて、『fiction』にも絶対いいスパイスになると思ったし、全体を通してクオリティの高い1枚になると思ったのでお願いしたんですけど、今回それが実現されて本当に予想通りの素晴らしい詞を頂きました。以前は自分で全部作るとか……、そういう部分で変に意固地になっている所もあったんですけど、今はクオリティの高い良いものが出来れば良いなって思う様になりましたね。

●良い意味で柔軟になったと。
高岡:そうですね。曲は自分のものにこだわりたいんですけど、詞とかは人の世界を取り入れて作るのも勉強かなと思いますし、AZUKIさんに書いて頂いた事によって、自分でもっともっとレベルを上げていかなきゃいけないって背中を押される事にもなると思ったので、今回はチャレンジしてみました。アルバムの仕上がりも、これからに対する意欲も全部含めて、自分にとってプラスになる作品が出来たなと思っています。

●AZUKIさんとのやり取りをする時は?
高岡:シナリオとか映画の様な情景の浮かぶ作品を集めて『fiction』というアルバムを出すという事を伝えて書いて頂きました。

●曲と一緒にキーワードを添えて渡す事もあったんですか?
高岡:曲によってはありましたね。3曲目の「To Beat the Blues」はサビで“to beat the blues”を3回繰り返して歌っているんですけど、そこの部分は同じ言葉でお願いしました。でもその他の曲は本当に自由に書いて頂いています。最初4曲渡していて、その中から1、2曲でも書いて頂けたらいいなと思っていたんですけど、最終的に全部書いて下さったので嬉しかったです(笑)。でも、歌入れは結構大変でしたね。自分の曲と同じノリで歌えないというか……。自分の曲の3倍くらい集中して、この歌詞の世界観を崩さない様に大事に歌入れをしました。人の書いた詞を歌う事って結構大変だなと思いましたね。

●カヴァーとも違いますからね。
高岡:そうなんです。気持ち的に大変だったというか……。

●そういう意味では鍛えられた所も。
高岡:それはあると思います。歌うという事に対しての意識にも気合いが入ったというか(笑)

※この続きは本誌にて…。


高岡亜衣

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『fiction』

2008.6.25 Release


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