Naifu

Major Debut Single
「Take The Wave」

2008.7.23 Release


2006年に結成し、大阪を中心にライヴ活動を行ってきたバンドNaifuが、7月23日にメジャー・デビュー・シングル「Take The Wave」をリリースする。この曲は、テレビ東京系アニメ「ゴルゴ13」オープニングテーマとして4月からオンエアされていた事もあり、既に馴染み深い曲になっている人も多いだろう。デビュー前からタイアップ曲が続々とオンエアされるという異例の展開を見せていただけに、今回のメジャー・デビューは満を持してという表現が相応しいのかもしれない。
豪快なギター・フレーズから始まるイントロ、サビ部分の力強さが聴き所の「Take The Wave」の作曲を手掛けるのは、Naifuのサウンド・メイキングの中心に立つ森下志音(Gt./Vo.)。ドラマティックなサウンド展開の中で、それぞれのパートがぶつかり合い、そこで生まれたパワーが楽曲に勢いを与えている。メンバー全員が書いた詞をミックスしたという歌詞では、大切なものを掴む為に一歩前に踏み出そうとする主人公の姿が描かれており、4人がヴォ−カルを担当出来る特性を活かし、ユニゾンで響かせる箇所が多くあるのも魅力の1つだ。カップリングの「そばにいるから」は、軽快でメロディアスなサウンドに乗せて歌われる“君は君であればいいんだよ”という歌詞が印象的なナンバー。作詞を務めた村上風麻(Ba./Vo.)のハートフルなヴォーカルが印象的な1曲に仕上がっている。
本誌では4月に発表されたインディーズ・ミニ・アルバム『ALL OVER NOW EP』を含め、今までに彼らの活動を何度か紹介してきたが、今回遂にメンバー取材を敢行。既に確立されつつあるNaifuの世界観に触れるべく、彼らに話を聞いてみた。


●Naifuは2005年にそれぞれが出会って2006年に結成されたとの事ですが、そこから1年経って、今回遂にメジャー・デビューとなりますね。
森下志音(Gt./Vo./以下志音):音楽好き、楽器好きが集まって出来たバンドです。最初は洋楽のカヴァーをして、ホーム・グラウンドとも言えるhillsパン工場でライヴをさせてもらって、その頃からNaifuというものは存在していて、オリジナル楽曲は作ってはいたんですけど、まだリリースには至っていなかったんです。その後も曲を書き溜めて、レコーディング作業も繰り返しやっていたので、作品が沢山出来上がった所で、プロデューサーから本格的にNaifuの作品を発表していこうという話があって、最初はインディーズでミニ・アルバム『ALL OVER NOW EP』をリリースして、今回のシングル「Take The Wave」で晴れてメジャー・デビューという感じですね。

●楽曲を作っていく中で、Naifuの音楽スタイルは固まってきていると思いますか?
志音:「Take The Wave」は4年前に作った曲なんですけど、今まで曲を沢山作ってきた事と、レコーディング・プロセスを通して、荒神の歌の乗り方や篤のドラムのグルーヴとか、そういうものがどんどん広がっていっている感じはすごくあります。Naifuはまだまだ発展途上だし、その発展途上な状態は終わらないで欲しいと思っています。でも、インディーズ作品の「広がる青に飛び出せ」とか今回の「Take The Wave」の中にも、“これがNaifuの音なんだな”という漠然としたものはありました。

●荒神さんは歌う上で、Naifuらしさみたいなものを意識して歌ったりする事はありますか?
荒神直規(Vo./Gt./以下荒神):志音が曲を作ってきて、そこで志音が歌ったデモ聴いた後、自分が歌う時にどういうテイストを入れたらNaifuの曲になるかという事はすごく考えますね。それは志音の曲の自分が歌詞を付ける時も同じで、洋楽っぽくなり過ぎても嫌だし、かと言って日本語が出過ぎた感じも嫌だったりするので、そのバランスを上手くとっていく事でよりNaifuっぽく出来たらなとは思っています。僕らが作ればそれがNaifuの音楽だと思っているので、ジャンル的な事についてはあまりこだわっていないですね。

●サウンド面では志音さんがメインで制作されていると思うのですが、作詞に関してはインディーズ作品ではメンバーそれぞれが歌詞を書かれたりしていますよね。あれは志音さんが誰に歌詞を書いて欲しいというリクエストをされたりしたんですか?
志音:誰に歌詞を書いてもらうかというのは、僕が作った楽曲をプロデューサーに持って行った時に、相談して決めていく形です。それでそれぞれのメンバーに歌詞を書いてきてもらった中から良いものを採用する事もあります。「Take The Wave」に関してはメンバー全員の歌詞がミックスされているので、作詞のクレジットもNaifuになっています。これは全員がそれぞれ書いてきた歌詞から良い部分をピック・アップして作ったので、それもまた面白かったですね。
荒神:歌にしても、全員がそれぞれ1回ずつレコーディングして、誰のヴォ−カルがこの曲に合うかというのを決める形なんです。
志音:Naifuは全員ヴォ−カルでもあるので、1曲に対して4人のヴォ−カル・レコーディングがあるので、エンジニア泣かせのバンドだったりはしますね(笑)
荒神:でもやってみないと分からないので、曲を聴いたイメージで先に“この曲は荒神だな”というよりも、みんなでそれぞれ歌ったものを聴いて決めていくという感じです。
志音:それぞれが歌ったものをユニゾンにする事で、また違った良さが出たりとかするので。それは「広がる青に飛び出せ」の時からやっていました。パっと聴いた時はメインで出ているのは荒神でも、ベースでは他のメンバーが歌っていたりとか……。とにかく僕らも分からない位、歌のテイクはいっぱいありますね。だから、今までレコーディングした曲は、絶対にメンバー全員が歌っています。

●そういうレコーディングの仕方だと、歌に対するスタンスも違ってくると思うんですけど、その事に対して皆さんはどう思っていますか?
志音:それは僕も聞きたいですね(笑)
村上風麻(Ba./Vo./以下村上):歌う事自体は結構好きで、ベーシストでありながら、ヴォーカリストになりたいと気持ちでやっているので、歌う事に対する抵抗とかは全くないです。歌詞を読んで、どれだけその世界に入って歌えるかという事は考えていますね。
志音:僕は今までの活動の中でさんざん歌ってきたので、もう歌いたくないんですよね(笑)。昔は自分より良いヴォーカリストがいなかったので自分で歌っていただけで、実は自分の歌声が嫌いなんです。僕はみんなの声が好きで、曲を作る時も“この曲は荒神に合うだろうなとか、この曲は村上に合うかも”というのは想像出来るんですけど、自分に合う様な曲というのは分からないというか……。良い曲が出来たら良い声質のヴォ−カルに歌ってもらいたいという気持ちが強いので、その中に自分の声は含まれていないんで。とは言っても、今後Naifuの曲の中で、僕がメイン・ヴォーカルの曲も出てくると思うんですけど、出来る事ならあまりやりたくないというのが正直な所ですね(笑)。聴く側からすると、絵描きでいう所のデッサンしている様なものなので、それを全部自分の趣向だけでやってしまったら、作品の価値が落ちると僕は思っているんです。それは良いヴォーカリストという意味で言うとNaifuのメンバー以外にもいる訳で、曲を作った時に“こういう感じに歌ってくれたら、この曲絶対カッコ良いだろうな”と思ってしまうのが、コンポーザーとしての欲求ですね。今はそれをNaifuのメンバーで出来る限りやっているという感じです。
荒神:例えばビートルズにしても、ジョン・レノンとポール・マッカートニーのどっちがメイン・ヴォーカルなのかというのは関係なくて、どちらが歌ってもビートルズの曲じゃないですか。だから僕的には“誰が歌ってもNaifuの曲だ”という風に聴こえれば良いし……。
志音:それ、スゲー最高の事言ってるよ! そういう事だよね。
荒神:だから「Take The Wave」は俺が歌っている曲ですけど、最初にこの曲を聴いた人が“この声で歌っているのがNaifuなんだ”と思っていても、次に出た曲が例えば志音が歌っていたとしても“Naifuがまた新曲出したんだ”と思ってもらえるのが理想ですね。だから別に誰が歌っても良いと思うし、1番良いものをNaifuの音楽として出すのが良いと思っています。
山口篤(Dr./Vo./以下山口)志音君のデモ・テープの完成度がめちゃめちゃ高いんですよ。だからドラム録りも歌入れにしても、それに勝ちたいと思ってやっています。そっちの方が良かったら、そのまま出せばいい話じゃないですか。だから僕が歌ったり、ドラムを叩いたりする事によってNaifuの音が良くなっていける様にしたいですよね。
志音:僕が作ったものは原石で、それをみんなで磨いて後はダイヤモンドにするだけなので。それはバンドだけでは磨ききれないから、スタッフさんにも協力してもらいながら、作品として世の中に出すという感じです。
荒神:僕らは真剣に音楽をやっている訳だから、自分も納得出来て、プロデューサーも納得出来て、聴いた人も納得出来るという作品を出していきたいですね。

●Naifuの曲を聴いていると、メンバー全員の音や声がそれぞれ競い合っている様にも感じられたのですが、制作作業というのはどの様な形で進めているんですか?
荒神:レコーディングするにしても、コーラスというつもりでやってたらコーラスじゃないですか。でもそれがさっきも言った様に、全員がまず1回メインとして歌ってみたものを最後にミックスしたりしているので、それぞれの主張は強いと思うんですけど、今は攻撃するべき時期だと思っているし、誰かが“俺が一瞬下がった方が、こいつが目立つんじゃないか”とか考える必要はあまりないと思っているんです。
志音:メンバーのキャラクターがそれぞれ個性的なんですよね。もちろん僕は絶対に荒神にはなれないし、荒神は僕にはなれないし……。みんなそれぞれ“自分はこうありたい”というのがあるから、それが音に出ていると思うんです。だから良いメンバーが集まっているとは思っています。

●お互いに影響し合っている部分ってありますか?
志音:それはすごくあります。僕が見ていて思うのは、みんなすごく努力家だなって。僕は音楽に携わっている時間が長いんですけど、今は楽曲提供も含め制作作業が多くなってきているので、そこで楽器の練習とかに時間がとれなくなって、どうしても練習がおろそかになってしまうんですよね。それで僕が他の仕事をしている間に何をしていたかメンバーに聞いたら、猛特訓していたりとか、リズム隊2人だけで毎週練習に入っていたりとかしているので、己に厳しい様子を見て“僕にもそんな時があったな……”と思ったりして、メンバーを見て過去の我を見直したという意味で刺激にはなっていますね。そういう努力を通してプレイや精神的な部分が変わっていくのを見て、ボケ−ッとしてたら抜かれちゃうなという、良い意味でのプレッシャーになります。
山口:僕は間違い無く志音くんのデモ・テープに刺激を受けていますね。そこには難しいドラム・パターンが入っているので(笑)、それが僕に対する“これ、練習しとけよ”的な感じにも受け取れるので、日々ステップ・アップさせてもらっている感じですね。それはすごく有り難いです。 志音:ギタリストはドラムにうるさいというのって結構あるので、期待してますよ。未来のスーパー・ドラマーになってもらいたいと思います。
村上:僕はもともと4弦ベースを弾いているんですけど、志音さんが作ってくる曲は5弦ベースなので、それに挑戦してたりしています。荒神さんのヴォ−カルはものすごくキーが高いんですけど、僕はその上をハモらないといけないので必死です(笑)

※この続きは本誌にて…。


Naifu

Major Debut Single
「Take The Wave」

2008.7.23 Release


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