GARNET CROW

New Single
「夢のひとつ」

2008.8.13 Release


GARNET CROWがニュー・シングル「夢のひとつ」を8月13日にリリースする。今年3月に発表された6枚目のアルバム『LOCKS』から約5ヶ月振りの作品となるこの曲は、美しいメロディの中に儚さが漂うミディアム・ナンバー。別れを決意しながらも揺れ動く心を抱えて前に進もうとする主人公の姿が描かれた歌詞が印象的で、アコースティック・ギターの音色やストリングスらが織り成すサウンドが聴き手の心にじんわりと染み込んでくる仕上がりになっている。後に続く、夕暮れの夏を連想させる「Love Lone Star」やメリハリの効いた展開が魅力の「短い夏」は、GARNET CROWらしいサウンド・アプローチが施されたサマー・ソングになっており、3曲通して聴く事で、心地良い夏の風を感じられるはずだ。今作をリリース後には、初めての夏ライヴを控えているGARNET CROWの中村由利に、今回のシングル、そしてライヴについて話を聞いてみた。

●今回のシングル「夢のひとつ」は夏が感じられる1曲になっていますが、最初はどういうイメージで作られたのでしょうか?
中村由利(以下中村):この曲はアルバム『LOCKS』が出来上がって、制作作業に戻って作った曲の中の1つです。『LOCKS』でやり遂げたという気持ちが大きかったので、その後しばらく曲を作らない時期があったんですけど、そこから新たに曲を作ろうと思い始めて作った曲なので、気負いもなく清々しい気持ちで作れました。だから、今の自分達がすごく出ているんじゃないかと思います。そういう意味では、私達も愛着がある1曲ですね。

●この曲をシングルとして選んだ決め手は何だったのでしょうか?
中村:この曲の他にも何曲か作っていて、そこに「ゴルゴ13」のエンディングテーマのお話を頂いたんですけど、そこでイメージに合うものという事でこの曲を選んだという感じです。そこからアレンジや歌詞も二転三転して、その度に歌い直したりしていって今の形になりました。最初この曲にはDメロがあって、そこに歌詞も付いていて歌入れもしたんですけど、出来た段階で聴いてみたら、メインが2つあるというか、Dメロがある事でサビの印象が薄れてしまっている気がしてもったいないという話をみんなでしたんです。そこで思い切ってDメロをカットしちゃおうという方向に進んだんですけど、Dメロ自体は結構良いメロディなので“例えばギター・ソロでDメロを弾いてみたら?”と冗談みたいな感じで言って、実際にそれをやってみたら良い感じだったので、採用する事になりました。だから、実はこの曲に入っているギター・ソロはDメロのメロディなんですよ。そういう面白い事があったりもしました。その他にも、サビ前のブレイクもデモの時は付いてなかったんですけど、エンディングテーマになる事が決まってから、キャッチ−で分かりやすいものを取り入れた方が良いよねという所で、サビ前にブレイクを置いて、次にサビが来ますよというワクワク感を出したりしました。あとこの曲は結構転調しているんですけど、その転調感もどの辺りに落ち着かせるかという事で何パターンも歌ってみたりとか、声の響き方にしても高過ぎてもダメだし低過ぎてもダメだしという所で色々試してみたりもしました。だからシングルにすると決まってから、アレンジも歌詞も歌も構成も、作っていく中でどんどん変わっていったという感じですね。

●今までのGARNET CROWの曲も練り上げて作っていく形が多かったと思うんですけど、今回は特にそうだったと?
中村:そうですね。初っぱなから色々と……。それは良くないから練り直すというよりも“これでも良いんだけど、更に良くするには……”という風に、みんなからアイディアがパーッと出てきたのでそれで作り上げていったという感じです。Dメロの話やサビ前のブレイクにしても、足したり引いたりする事で出来上がっていったものなので、何でも詰め込めば良いという訳じゃないんだという事を実感しました。自分が作ったデモは言葉も適当な英語で歌っているだけなのでメロディだけしか聴こえてこないんですけど、歌となったら実際に歌詞が付いて言葉が乗る訳なので、そこで気が付く事はすごく多いですよね。Dメロの部分に関しても、実際に歌ってみたら情報量が多くなってしまったので省いた方がスッキリするという事で……。

●曲を作り上げていく上で、気を付けた事はありましたか?
中村:歌詞からは壊れやすいものだからこそ大切にするという様な想いが感じられたので、歌入れに関しては聴く人にもそのイメージがより伝わる様にAメロとBメロは丁寧に言葉を置く様に意識はしましたね。今回は儚なさみたいなものがキーワード的なものとして浮かんだので、そこからイメージが広がっていったという感じです。

●最初の頃から歌詞が変わったという話がありましたが、その時は全く違う内容だったのですか?
中村:そうですね。その時はタイトルも歌っている言葉も全然違っていました。実は2番のBメロの歌詞はそのまま残っていたりするんですが、歌詞が変わると世界観も違いますし、アレンジや構成も変わっているので最初とは別ものという感じですね。

●AZUKIさんの歌詞の中で中村さんが特に気に入っている箇所はありますか?
中村:その2番のBメロですね。すごく好きで印象に残っているんですよ。最初に歌った時にその部分が良いなと思っていたので、AZUKIさんが歌詞を変える時にそれを聴いて良いと思ってくれたから残してくれたのかなとか、勝手に思っていたりもするんですけどね(笑)

●それって、お互いが知らないうちに通じている感じがして良いですね。
中村:この部分は仮歌の段階から大切に歌っていたし、その後で歌詞が全部変わっても、ここだけ生かしてくれていたという所が、自分の歌にパワーみたいなものがあって、“ここは消さないでおこう”とAZUKIさんが思ってくれたのかもしれないと……。この歌詞は最初、1番のBメロに付いていたんですけど、歌詞が変わって2番に移ったんです。この部分はすごく気持ち良く歌えたので、歌詞が変わった時もそこが残っているのが分かった時すごく嬉しかったです。その事についてわざわざ言わないんですけど(笑)、AZUKIさんも仮歌は聴いているので、ハマり具合の良さとかそういうものがあって残してくれたのかなって、自分では思っています(笑)

●ちなみに曲作りの上で、季節感を意識したりはしていたのでしょうか?
中村:楽曲制作自体は季節感を意識せずに作っている事が多いので、「夢のひとつ」に関しても夏を意識して作ったという感じではないですね。それよりも曲自体の世界観を大切に仕上げたという感じです。むしろ、カップリング曲を選ぶ時に、季節感を考えて選んだというのはあります。例えば夏らしい曲とか、夏に聴いたら気持ち良い曲をチョイスする様にはしました。

●「Love Lone Star」はいつ頃作られた曲ですか?
中村:これも「夢のひとつ」と同じ位の時期ですね。その後の「短い夏」もそうですけど、この3曲は『LOCKS』をリリースしてから作ったものなので、曲調とかは違いますけど自分の中では繋がっている感じがして、非常に聴きやすい流れになっている気がします。

●確かに自然な流れで聴けますよね。
中村:無理矢理表情を付けたというのではなくて、同じ時期に作っているので、自分の中では同じテンションで、気持ち的にも無理していないというか……。

●「Love Lone Star」は最初からこの構成だったんですか?
中村:最初からそうでしたね。それで歌詞を見ると妙にコンパクトになっている様に見えて、ビックリしました(笑)。でも実際に歌うと全然そんな事はなくて、十分ヴォリュームがあるんですよね。

●後奏部分も贅沢な作り方をしていますよね。
中村:そうですね。じっくり聴かせる様にしています。前奏部分もすごく気に入っているんですよ。実は波の音を入れようと思ったんですけど、結局やめました。だから聴いて下さる方の頭の中で波の音を鳴らして頂きながら、この曲を聴いてもらえると嬉しいです。この曲はサンセット・ビーチで潮風を感じながら心地良くウトウトしている様なイメージしてもらえたらなと思って、カップリングに選びました。周りの評判もすごく良くて、この後の作品の為に取っておこうかとも思ったんですけど、例えばこの曲を9月とか10月に聴いてもらうより、猛暑の真っただ中にリリースして聴いてもらう方が、夕暮れの海風の心地良さがより感じてもらえるんじゃないかと思って、今回のシングルに収録しました。

●夕暮れ時の熱っぽさが残っている感じは、すごく伝わってきますよね。
中村:それがGARNET CROWらしい夏でもあるかなと思ったりもして……。日中に汗だくになって盛り上がる夏というよりかは、夕暮れの感じが合っている気がします。避暑地にトリップ出来る様な楽曲というか……。8月は暑くてあくせくしている時期なので、少しでもバカンスを味わえる曲になったら良いなと思って。私の中では“南仏のモナコ”のイメージなんですけどね。そこで1人でパラソルを広げている時に、風が吹いて波が来てという感じを思い浮かべて歌いました。

※この続きは本誌にて…。


GARNET CROW

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「夢のひとつ」

2008.8.13 Release


GIZA studio
GZCA-4109 ¥1,260(tax in)