超ヒット中のベストアルバム『B'z The Best“ULTRA Pleasure”』に続き、リクエスト・ベストアルバム『B'z The Best“ULTRA Treasure”』が9月17日にリリースされる。前作がヒット・シングル全30曲を収めたベスト盤だったのに対し、今作は特設サイトで受け付けたファン投票の結果を反映。40万件を超える応募総数をもとに、リクエスト対象楽曲全290曲から選ばれた上位30曲が収録されている。その内容はバラエティに溢れ、B'zの20年に渡る活動を象徴しているかの様。ヒット・シングルで構成されたベスト・アルバム“ULTRA Pleasure”とはまた一味違う趣を持つ1枚となった。リクエスト第1位に輝いた「Brotherhood」、第2位の「恋心(KOI-GOKORO)」を筆頭に、「さよならなんかは言わせない」、「TIME」、「RUN」、「アラクレ」等、アルバムやシングルの収録曲でありながらライヴでの人気が高く、思わず一緒に口ずさみたくなるスタンダード・ナンバーが上位にランク・イン。更に第3位にランク・インした「ONE」を始め、「恋じゃなくなる日」、「もう一度キスしたかった」、「月光」、「消えない虹」、「春」、「ハピネス」、「New Message」等、ミディアム・バラードナンバーも多数収録されている。もちろんシングル曲も登場。5位にランク・インした最新作「BURN -フメツノフェイス-」や、生音をフィーチャーしたスタイリッシュな仕上がりが楽しめる新録ヴァージョンの「BLOWIN' -ULTRA Treasure Style-」他、「MOTEL」、「Don't Leave me」、「ゆるぎないものひとつ」等のスケール感たっぷりのナンバーに加え、US iTunesのみで配信されていた「Home」英語ヴァージョンが初CD化収録と、嬉しいラインアップが続く。この他にも鋭さを増した「F・E・A・R -2008 Mix-」が収められる等、耳を楽しませてくれる楽曲が満載だ。そして特筆すべきは新曲2曲の存在。「グローリーデイズ」(2CD盤)と「いつかまたここで」(3CD盤)は、どちらも時の流れに触れた内容なだけに、20年という時間を共に歩んできたB'zの姿を楽曲に重ね合わせる人も多いかもしれない。
更に2CD+DVD盤に付くDVDには、昨年6月21日にZepp Tokyoで行われたシークレット・ライヴ[B'z SHOW CASE 2007 -19-]を完全収録。プレミアム・ライヴと化したこの日の模様の映像化を熱望する声が殺到していただけに、嬉しいアイテムの登場となる。
聴けば聴くほど深みが増す楽曲で構成された今作。ここには投票した人それぞれの楽曲に対する思い出はもちろん、楽曲そのものに秘められた普遍的な魅力が詰まっている。じっくり聴いて身体に染み込ませるもよし、一緒に口ずさんで楽曲を更に身近に感じるもよし、楽しみ方は様々だ。本誌ではこの作品内容をライナー・ノーツ形式で紹介。デビュー20周年という記念すべき年を締め括るに相応しい“ULTRA Treasure”=“最高の宝物”を通して、B'zと彼らの音楽を愛する人達との絆を感じて欲しい。
【LINER NOTES】◆2CD[DISC1]◆
01. BLOWIN' -ULTRA Treasure Style- ※新録
1992年5月27日発売(10th Sg:オリジナル収録)
オリジナルでは打ち込みが前に出たダンス・ビートだったのに対し、新録ヴァージョンはイントロからドラムとギターの迫力ある生音が押し寄せてくる作りに進化。すでにお馴染みのサビに向かって盛り上がっていく構成はそのままに、骨太でスタイリッシュな仕上がりになっている。ライヴの定番として人気があるだけに、オリジナルよりライヴ感溢れるサウンドになっているのが嬉しい。
02. Wonderful Opportunity
1991年11月27日発売(5th AL『IN THE LIFE』)
シンセが奏でるサビ・メロから始まるイントロがインパクト大なナンバー。テンポのゆったりしたダンス・ビートとキャッチーなメロディが耳に心地良く入ってくるため、1度聴いただけで口ずさめてしまう。それは韻を踏んだ歌詞にも言える事で、“生きてりゃ色んな事がある”という人生観をあっけらかんと歌っている潔さが頼もしい。途中に入る松本のソリッドなギターがスパイスとなり、楽曲全体を引き締めている。
03. もう一度キスしたかった
1991年11月27日発売(5th AL『IN THE LIFE』)
歌詞のストーリーが持つ切なさを効果的に高めるピアノのフレーズを筆頭に、儚さが漂うシンセ、松本の泣きのギター・サウンドと、まさに情感がたっぷり詰まったラヴ・ソング。季節の移り変わりと共に主人公と相手との恋愛の行方が変化してく様子を綴った歌詞はとても繊細で、曲の最後に出てくる“もう一度キスしたかった”という言葉が、同じフレーズでありながら、その時の感情が全て違っていて更に胸を打つ。B'zのラヴ・ソングの中でも人気の高い1曲。
04. TIME
1992年5月27日発売(10th Sg「BLOWIN'」2nd beat)
切なさと優しさが同時に伝わってくるサウンドが、哀愁を醸し出すスロー・ナンバー。サビに向かってスケールが増していくサウンド展開が、“時”をテーマにした歌詞と共に聴き手の心に迫ってくる。時間の持つ儚さや大切さを改めて考えさせられる楽曲だ。92年夏のツアー、B'z LIVE-GYM Pleasure '92“TIME”のツアー・タイトルにもなっていた曲であり、LIVE-GYMでは欠かせないナンバーとなった。
05. 恋心(KOI-GOKORO)
1992年10月7日発売(11th Sg「ZERO」2nd beat)
軽快なリズムとバックのブラス・サウンドが奏でるポップなメロディ。そのハーモニ−が絶妙な、遊び心たっぷりのナンバー。それは歌詞にもしっかり反映されており、可愛い“恋心”が綴られた言葉に共感する人も多いのではないだろうか。恋がもたらす切ない気持ちを代弁しているかの様な松本のギターも聴き逃せない。B'z LIVE-GYM '93“RUN”で初披露され、サビの振り付けが当時話題を呼んだ。ライヴでも人気の高いナンバー。
※この続きは本誌にて…。
【LINER NOTES】◆2CD[DISC2]◆
01.Brotherhood
1999年7月14日発売(10th AL『Brotherhood』)
ファン投票で堂々の第1位を獲得したナンバー。印象的なイントロは、ナッシュビル・チューニングされたギターを寸分違わず重ねる事で12弦ギターの響きより深い音色になっている。この曲の歌詞はアルバム・レコーディング時に“B'zは多くの人の支えによって成り立っている”と言った松本の言葉を受け、稲葉が書き上げたもの。重厚感に満ちたサウンドに乗せて、生活する環境は違えど、決して1人ではないんだという事が力強く歌い上げられている。人との繋がりを改めて考えさせられる楽曲だ。
02. スイマーよ!!
1997年11月19日発売(9th AL『SURVIVE』)
ソリッドなベース・サウンドをデジタル・ビートに絡ませた手法が斬新なナンバー。松本がディストーション・ギターのリフとクリアなギター・カッティングを弾き分け、曲の流れにメリハリを付けている。世の中を水面になぞらえ、そこにいる人をスイマーに例えた歌詞も独特。Aメロではソフトに、サビではストレートに歌い上げるという抑揚のあるヴォーカル・スタイルも聴き所の1つになっている。
03. ハピネス
1997年11月19日発売(9th AL『SURVIVE』)
荘厳なオルガンのイントロに導かれたメロディに続くイントロが印象的。松本のアコースティック・ギターのストローク&エレキのアルペジオ奏法の絡みが、この曲の陰影を味わい深いものにしている。ギター・ソロでは、アダルトなテイストをふんだんに醸し出した音色を堪能出来るのも嬉しい。1つ1つの言葉を大切にした歌詞は、シンプルな中にもワビサビが詰まった内容になっており、素朴さに重点を置いてヴォーカル・レコーディングを行なったというエピソードからも、曲のイメージを大切にしている事が分かる。稲葉がラストのコーラスで繊細なファルセット・ヴォイスを披露しているのにも注目。このパートは当初オケが存在していたが、最終的にこのコーラスのみを残して美しいサウンドに仕上げた。
04. ONE
1999年6月9日発売(26th Sg「ギリギリchop」2nd beat)
優しいピアノのフレーズから始まり、そこに生命力に溢れたギターが絡み、サビに向かって徐々に盛り上がっていく展開が魅力のミディアム・ナンバー。その輝きに満ちたサウンドは一筋の光の様に響き渡り、ストリングスが加わる事で、更にスケール・アップしていく。夢を追う男女が別々の道を歩んでいく様子が描かれた歌詞は、自分の決めた道を突き進もうとしている人にとっては心強い励ましになるのではないだろうか。
05. F・E・A・R -2008 Mix- ※リミックス
1999年7月14日発売(10th AL『Brotherhood』:オリジナル収録)
オープニングの強烈なギター・リフが耳に残る、攻撃的なナンバー。オリジナルよりも重低音が効いた仕上がりになっており、それぞれの音が太くなった分、バンド・サウンドがもたらす破壊力も倍増。音から得たインスピレーションを反映させた歌詞はどこまでも挑発的で全く隙がない。恐怖心を逆手に取ってパワーにしてしまう発想はさすが。聴き手をどんどん高揚させていく。
※この続きは本誌にて…。
|