上木彩矢

New Album
『Are you happy now?』

2008.9.10 On Sale!


今年に入ってからコンスタントにシングルを発表し、充実した制作活動を行なっている上木彩矢がニュー・アルバム『Are you happy now?』を9月10日にリリースした。彼女にとって3枚目のアルバムとなる今作は、“曲との出会い”という彼女の言葉の通り、様々なタイプの楽曲が収められた、今まで以上に多彩で奥深い作品に仕上がっている。それぞれの楽曲を歌う彼女はとても伸び伸びしていて、これまでとは違う佇まいが感じられた。ヴォリュームたっぷりの内容になった今回のアルバムについて、彼女に話を聞いてみた。

●前回のシングルの取材の時に“次のアルバムは期待していて下さい!!”とおっしゃっていましたが、まさにその想いが1曲1曲に込められた作品になっていますね。
上木彩矢(以下上木):今回は1曲1曲が、本当に個性的に仕上がりました。

●ここまでしっかりした内容の作品になったという事は、アルバム制作は随分前から始まっていたのでしょうか?
上木:去年の年末に“来年はどうしようか”という事で、目標をしっかり立てたんです。結果的にその通りに進まなくても、最初に2008年の活動のレールをちゃんと敷いて、それに基づいて行動しようというのがまずテーマにありました。それが出来なかった時は本当にバタバタで、いつ作品を出すかが決まっていない事で生まれた悪循環もいっぱいあったんです。せっかく良い曲が出来ても、それをすぐ作品にして出せる訳ではないので、そしたら始めから作品をいつ頃に出そうと決めちゃおうと。今年はその計画がおおよそ順調に進んでいるので、それだけは良かったと思います。

●今年の活動のレールを決める際、アルバムに関して“こういうものにしたい”というテーマはあったのでしょうか?
上木:今回のアルバムは3枚目という事で、自分の中に迷いみたいなものが出てくるのかなと思っていたんです。デビュー1年目は音楽を作る事の大変さよりも自分の音楽がやれるという喜びの方が大きくて、1枚目の『Secret Code』は勢いに任せて作ったので“聴いて!!”という感じで……。2年目は今だから言えますけど、自分の中で答えを出すのにすごくもがいていて、それを突破する為の答えが欲しくて、とにかく作品数を作りに作っていた気がします。そのお陰もあって、3年目は悩む事なく本当に楽しく作品が作れています。どんどんイメージが湧いてくるし、作りたい願望も出てくるし、ちょっと凹んだ2年目があったからこそ、今年は伸び伸びと出来たんだろうなと思います。そんな中で生まれた3枚目のアルバムは、本当に達成感に満ち溢れているというか……。もちろん1枚目も2枚目も、その時のベストを尽くしているのでその時点では自信があると言っているんだけれど、3枚目に関しては私がこの3年間やってきた事の答えが見つかったので、それを形にしただけという感じです。

●となると、制作作業をしている時から 手応え十分だったと。
上木:そうですね。今回はプレミアム・トラックを併せると全14曲になるんですけど、収録曲を決める時に全12曲でも良いんじゃないかとか、そういう意見もありました。でも、良い曲が沢山揃っていたし、聴かせられる分だけ出したいという思いが強かったのでこの14曲にしました。1曲1曲作っていく中で、歌詞を書く作業もレコーディング作業も、辛いと思った事がない状態で今ここに居る感じです。“いつの間にか出来ちゃった”という感じなので、今自分はすごく良い環境の中に居ると思います。

●今回のアルバムの収録曲を決めていく時の基準みたいなものはあったのでしょうか?
上木:基準は特にないですね。それは1枚目、2枚目を作る時もなかったです。その時に“好き!”と思ったものを入れているという感じです。

●その“好き”と思うものって変わってきていたりしますか?
上木:根本的には変わっていないと思います。でも結果として「Secret Code」と「Are you happy now?」は全然違うものだし、好きで選んだものでも聴こえ方は違いますけどね。もともと、こういう光のあるロックはやりたかったんです。でもどうやって作れば良いかが分からなくて、今まで来たというのはあります。それに対して影があって少しダークな匂いのするロックというのは、何も考えずに自分の本能でやれたんですけど、そういう曲ばかりじゃダメだなと思って、色々と開拓していった結果“これだ!!”と思えるものが見つかったので、まさのこのアルバムに入っている曲が今の私が好きな音楽です。

●シングル曲の他に2nd Trackだった曲もアルバムに収録されている事からも、上木さんがそれぞれの曲を大切に思っている事が伝わってきました。
上木:カップリング曲はシングル曲と同じ位好きで、どうしても入れたかったのと、アルバム曲もしっかり入れたかったので、その結果、全14曲というヴォリュ−ムになったという感じです。それが実現して良かったと思います。

●曲順にもこだわりを感じました。
上木:曲順を決めるのは難しかったです。1曲でも変わると全体の雰囲気がガラっと変わってしまうので。スタッフの皆さんと一緒に決めてこの形になりました。とは言え、私の希望をかなり押し通した形ですけどね(笑)。やっぱりアルバムですから、アルバム曲をしっかり聴いてもらいたいと思ったので、前半にアルバム曲を詰め込んでみました。初めは、いきなりアルバムの表題曲から始まるのはどうなのかなとも思ったんですけど、やっぱりこの形が1番しっくりきたので……。

●そこに潔さを感じます。
上木:“この曲を聴かせないといけない”という様な縛りがなかったんです。全部聴いて欲しい曲だから。表題曲を最初にしても、後に続く曲がつまらないという訳ではなかったので。ただ、どういう流れが気持ち良く聴こえるかという事に関しては気を付けて決めたつもりです。シングル曲についても、前後に来る曲で印象が変わると思いますし。「SUNDAY MORNING」も1曲だけで聴くと爽やかでほわんとした感じなんですけど、5曲目に入る事で雰囲気が変わると思うんです。「君去りし誘惑」も前がミディアム・テンポの曲なので、その分ここで疾走感を出せたらいいなと思って、ラストに向かって盛り上げていく感じをイメージして12曲目に入れました。

●「Are you happy now?」を表題曲にしたのは?
上木:もともと“Are you happy now?”という言葉をアルバム・タイトルにしたいというのがあったので、その言葉がピッタリな曲を選んでこの曲になったという感じです。今回のアルバム曲はお気に入りのものばかりだったんですけど、その中でも疾走感や勢いのあるという部分で、この曲を選びました。

●今回のアルバムは、曲の出会いが大きく影響しているんですね。
上木:そうですね。今回のアルバムに関しては、曲との巡り合わせをすごく強く感じましたね。他の曲もインパクト大なものばかりで。このタイミングで、これだけ多彩な楽曲に出会える事はなかなかないと思いますし。実際、制作時間に関しても十分すぎる程あったという訳ではないので、その間にこれらの曲に出会えるという事は、滅多にない事だと思います。

●今回のアルバムの中で1番インパクト大な曲は?
上木:やっぱり「Walking down the street」でしょうね。この曲はデモの段階からあまり変わっていなくて、もう少しだけダンサブルな感じだったんですけど、最終的にガチガチのロック・ナンバーになりました。行くなら行っちゃえという感じで、完全にメーターが振り切っているのが個性的ですよね。

●歌詞も曲に引っ張られている感じがしました。
上木:そうですね。恋愛以外の事をテーマにして歌詞を書いた事が今まであまりなかったので、そういう意味では珍しいかもしれません。歌詞の内容も少しひねた目線で書いているというか……。街を歩く人を凄く客観的に見ている感じですよね。夜になると女の人は化粧をバッチリして、露出の多い服で香水を付けて、きらびやかになって街を歩いている様子を、否定はしていないんですけど、ちょっと斜めな目線で捉えているという歌詞です。何でそんなに着飾って鎧をまとって歩いているの?という疑問を投げかけている歌ですね。

●はっとさせられる曲という意味では「いつの日も君だけ I Remember you」もその中の1曲だと思うんですけど、これはデモの段階からこういう形だったんですか?
上木:そうですね。岩井勇一郎さん(from 三枝夕夏 IN db)作曲のこの曲を最初に聴いた時、すごくビックリしました。懐かしさと温かみがある曲で、この曲を歌いたい!って直感的に思いました。歌詞もスラスラ出てきて、2時間で書いたんですよ。“I Remember you”という言葉は最初から出てきて、そこに“いつの日も君だけ”という言葉が付いた形でサビ部分で歌っていたので、そこからタイトルにしちゃおうという事になって「いつの日も君だけ I Remember you」になりました。今回のアルバムは英語のタイトルが多いので、その中で目立つ存在にしたかったというのもあります。あとはこのタイトルにする事で、何に対して“I Remember you”なのかがちゃんと伝わるかなと思って。

●この曲に登場する主人公は好きな人の事を思い出していますが、そこから悲しい感じは受けませんでした。この歌詞はどういうシーンを思い描いて書かれたのでしょうか?
上木:この歌詞は別れた後の女性の気持ちを書いたものです。思い方にも色々ありますよね。後ろ髪引かれる思いでずっと相手の事を思っている場合と、好きだったからこそ離れていても相手の事を応援したかったり、自分がいけなかったと思う場合と……。「いつの日も君だけI Remember you」は後のパターンで、自分が幼かったからこういう事になっちゃんだよねという思いを綴ったものです。今こういう悲しみを感じているのは自分に原因があったからで、元に戻りたいけど戻れないよねという切なさを書きました。そのイメージも曲の雰囲気から浮かんだものなので、すぐ書けましたね。

※この続きは誌面にて!!


上木彩矢

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『Are you happy now?』

2008.9.10 Release


GIZA studio
GZCA-5142 ¥3,059(tax in)
【初回限定盤A】CD+特典DVD[MUSIC VIDEO]



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GIZA studio
GZCA-5143 ¥3,059(tax in)
【初回限定盤B】CD+特典DVD[LIVE]



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GZCA-5144 ¥2,800(tax in)
【通常盤】CDのみ