the★tambourinesのニュー・ミニアルバム『SWITCH』が9月24日にリリースとなる。ライヴ活動等を続けながら、マイペースに自分達のこだわりの音源制作を続ける彼等が放つ通算7枚目となる今作は、“これまでのthe★tambourinesらしさへのこだわりをリセットして制作した”という、また新たなthe★tambourinesを感じられるアルバムになっている。
純度の高いポップ感はそのままに、生音を生かしたオーガニックな雰囲気漂う前作までとは一転、ループやデジタル系な音を取り込んだりと、バラエティ豊かなサウンド・メイキングが印象的な今作について、今回はヴォーカル&作詞担当の松永安未と、ベース&作曲&編曲担当の麻井寛史に対談という形で語り合ってもらった。
●○●○●今回の対談では、キーワードが書かれたカードを、松永さん、麻井さんに交互に引いて頂き、出てきたキーワードについてお2人で語り合って頂きました!! ●○●○●
松永安未(以下松永):じゃぁ、まず私からカードを引かせてもらいますね。ジャン!
【クリエーター麻井さん】
麻井寛史さん(以下麻井):いきなり僕ですか(笑)。じゃぁ、松永さん感想をお願いします……。
松永:尊敬してますよ。
麻井:え〜! 本当に尊敬してます?
松永:してますよ〜。多分麻井君は中学生位からバンドをやったりしていたからスタート・ラインは全然違うんだけど、タンバリンズを結成して丸7年経つでしょ。一緒にやり出した頃聴いたデモとか、初めてアレンジをした曲も、その時はその時で良い曲だなって思っていたけど、年々すごくクオリティが高くなっているし、意識も高くなっているなって感じるし、そういった部分で尊敬していますよ。
麻井:そうですか。ありがとうございます。
松永:麻井君のデモって、結構アレンジも完成系に近い形のものが多かったけど、それだと作り始める時点で意気込みが必要だと思うので、とりあえずギターだけとかのラフなものをあげてもらう様になって……。今回のアルバムはそういうラフなデモの中から、メンバーみんなで曲を選んでいったよね。
麻井:今回は“SWITCH”するっていう、これまでのこだわりを突破らった所で、自由な発想で制作をしていこうって事だったので、作るのがすごく楽しかったですね。
松永:そうだね。今回のアルバムは制作に入る前に、テーマの様なものをみんなで話し合ってから進めていったからね。これまでのこだわりとか、タンバリンズらしい音っていうのをリセットして、自由な発想でというか、切り替えるっていうテーマのもと進めていったんだけど、麻井君が上げてきた音が今までにない世界観だったり、今までと違う音色が入っていたりして、それに奮起されて私も、言葉なり、何かを変えたいなって思って。その部分では今回すごく悩みましたね。
麻井:タンバリンズって、何となくレトロな感じとか“スウェディッシュな感じ”ってあったんですけど、そういう部分にこだわらずに今回はもっと自由にやってみたいなと。
松永:(笑)スウェディッシュにこだわってたの? それ、アレンジの面で?
麻井:そうそう。
松永:なるほどね。スウェディッシュは好きなジャンルではあるけど、だからって自分達の音楽をスウェディッシュにしようっていう意識は私の中にはそんなにはなかったなぁ。でも確かに周りから“スウェディッシュっぽいよね”って言われる事は多かった。ただ、何何っぽいって枠付けされる事はある意味分かりやすくていい事だと思うんで、それは別に嫌ではなかったんだけど、何年もやっているから、なんか新鮮さが欲しいというか、何かを変えたいっていう気持ちはメンバーみんなの中にジワジワ出てきていて、それが形になったのがちょうど今作のタイミングだったのかなって……。
【音楽制作の楽しみ】
麻井:完成したモノを聴くのはすごく好きなんですよ、昔から。あとは作っている時に、どんどん出来ていくのが音楽制作の楽しみですね。
松永:私は“無”から“有”になるっていう……、0から何かモノが出来て行く過程が、やっぱり最大の楽しみだよね。だけど私はデモをもらった時も楽しい。
麻井:へぇ〜、そうなんですか。
松永:曲が上がってくるのを待っている時も楽しい! どんな曲が上がってくるのかなって。曲が出来ていく過程では、曲が決まってそこに歌詞をつけて、自分の最初のイメージを形にしていくのはすごく苦しいけど、でもそのイメージに限り無く近くなった時は、やっぱりすごく嬉しいし。レコーディングに入ってからも、ドラムが入って、ベースが入って、ギターが入って、どんどん良くなっていく、あのワクワクした感覚が好きかな。
麻井:さっきイメージを形にしていくのは苦しいって言ってましたけど、結構、煮詰まりやすいですよね、僕もですけど。
松永:えっ? 私はそうだけど麻井君も煮詰まるの?
麻井:煮詰まりやすい方ではあると思いますよ、実は。
松永:こうしたいっていうイメージがどんどん形になっていくじゃない。まずデモを聴いてこうしたい、アレンジの段階でこうしたい、歌詞をこういうイメージにしたい、歌う時にはこんな感じで歌を乗せたいって。それがそのまま出来ればいいけど、なかなか越えられない部分があってそこに煮詰まってくるんだよね。さっき麻井君が、出来上がったものを聴くのがすごく好きって言っていたけど、私は逆。もちろん製品になるまでは何度も何度も聴き返すんだけど、出来上がったらもうしばらく聴きたくない。聴いたらまたここを直したいっていう気持ちになったら嫌だから。
麻井:ああ〜、なるほどね(笑)。時間が空けば客観的に聴く事が出来る?
松永:そうだね。だから初期の頃のアルバムとか今聴くとすごく未熟だし、恥ずかしい部分もいっぱいあるんだけど、でも何年か振りに聴くと、“私この時頑張ってたな〜”とか“改めて聴くといい曲やな”とか、思ったり(笑)。とにかく良いモノを作りたいって思えば思う程苦悩するけど、苦悩すればした分だけ良いものが出来ると思うし。タンバリンズは他のアーティストさんより制作にすごい時間が掛かってしまっていると思うけど、その部分はこれからも妥協せずにやっていきたいって思いますね。
※この続きは誌面にて!!
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