今年3月に発表した1stアルバム『ONE』で自身の音楽スタイルをしっかり提示し、次のステップに進んだNaifuが、6月17日に待望のニュー・シングル「SUNSET/在りのままで」をリリースする。彼らにとって初の両A面シングルとなる今作は、これから訪れる夏を彷佛させる楽曲で構成。「SUNSET」は荒神直規が作詞&リード・ヴォーカルを担当。スピード感のあるギター・フレーズとパワフルなサウンドが耳を貫き、ある夏の日の思い出を断ち切ろうとする主人公の切ない思いが綴られた歌詞に引き込まれるナンバーになっており、彼らにとってニュー・タイプのサマー・チューンと言えよう。「在りのままで」は村上風麻が作詞&リード・ヴォーカルを担当。晴れ渡る太陽の陽射しと爽やかな風がピッタリなサウンド、そして”在りのままでいたい“という主人公の思いが強く反映された歌詞が胸を打つ1曲に仕上がっており、抜群のコーラス・ワークも堪能出来るナンバーだ。アルバム発表後も楽曲制作を続けていたという彼らに、今作について話を聞いてみた。
●1stアルバム『ONE』のインタビューをさせて頂いた時、アルバムを聴いた人の反応が気になるというお話をされていましたが、実際にそういった声に触れる機会はあったのでしょうか?
荒神直規(以下荒神):周りの人の感想を聞くと、シングル曲だけではなくアルバムならではの曲に対する評価も高くて、次のアルバムにはどんな曲が入るのか楽しみだと言ってくれました。
山口篤(以下山口):個人的な話ですが、友達がアルバムを聴いてくれていました。僕らは今回もメロディ重視で作っていて、一方で激しいバンド・サウンドもの楽曲も入れました。“耳に残る曲が入っている”と言ってくれたり、僕が気に入っている曲も同じ様に好きになってもらえたりして、それは嬉しかったですね。
村上風麻(以下村上):僕もやはり友達がアルバムを買って聴いてくれて、“カラオケで「ONE」歌ったよ”なんて言われました。
森下志音(以下志音):制作をするにあたって“こういうアルバムにしたい”という考えで作っていったので、伝えたいものやイメージが良い形で伝わったという感触がありました。Naifuというバンドはメジャー・デビューして1年経っていないですけど、その中で色々な方が注目して下さっている事もあるので、やっとスタート・ラインに立てたという段階ではありますけど、それを誇りに思えるアルバムになりましたね。
●『ONE』を発表された後も引き続き楽曲制作をされていたのですか?
荒神:アルバム・レコーディングが終わった後、すぐに次の制作に取り掛かっていましたね。それは次のシングルの為というよりも、またすぐに次のアルバムを出したいからどんどん曲を増やしていこう、という感じでした。だから1枚アルバムを出したからちょっとレコーディングも間を空けようか、みたいな事はなくずっと制作している状態ですね。
山口:そういや、アルバム出してすぐ“次のアルバム出したい!”って言っていましたね(笑)
志音:荒神がすぐに言っていました(笑)。みんなレコーディング好きだし、もちろんライヴもやりたいと思ってはいるんですけど、長く続いていた制作合宿みたいなものが終るのが嫌だったというか……。だったら、このままずっと制作作業は続ければ良いかなって。僕らはどんどん曲を作っていって、それを良いタイミングで発表出来て、ライヴも出来たら良いなと。だから今も楽しんで制作を続けているという感じですね。
●Naifuの制作リズムみたいなものってあるんですか?
志音:荒神は夜に歌詞を書いていて、俺らは結構昼間に作業していますね。
山口:僕は午前中の方が良いですね。早起きして、頭が冴えている時にレコーディングした方が気持ち良いですし(笑)
荒神:歌詞を書くのは、夜の方が集中出来るんですよね。よく“ラブレターを書くのは夜が良い。夜に書いたら翌朝に見直せ”って言いますけど、歌詞もそれと同じ感じです。色々な考えが頭の中でぐるぐるまわるので、昼間だと車の音とかしてうるさかったりするから、歌詞は夜の方が書きやすいです。歌を録る時は昼間が多いですけどね。
●「SUNSET」はどういう風に歌詞を書いていかれたのでしょうか?
荒神:「SUNSET」は夏と海をテーマに書いたんですけど、実際に海や夕焼けを見ながら書いた訳でもなく、部屋に閉じこもって書いていましたね(笑)
●志音さんは夏や海といったものをイメージして「SUNSET」を作られたのですか?
志音:「SUNSET」も「在りのままで」もデモとしては随分前に作った曲で、その時はそういった事を意識せずに作ったんですけど、歌詞の世界観やサウンドの部分でこれからの季節とマッチしていたので、良かったとは思います。荒神の歌詞が乗ってから、ゆっくりしたテンポにしてアレンジを変えたりはしましたね。もっと夏っぽくしたりもしてみたんですけど、、結果的にはデモのスピード感のある形に収まりました。
●印象的なギター・フレーズが何度も出てきますが、あれは始めからあったものだったのでしょうか?
志音:あれはデモの時からありましたね。
●最初にデモを聴いた時、荒神さんは夏というイメージが浮かびましたか?
志音:僕の場合は、夏の中でも日没のイメージが浮かんだので、それを歌詞にしました。夏にも色々あると思うのですが、1日の時間軸で捉えた場合でも、真っ昼間の太陽が高い時間だけでなく、夜の夏の話でも良いわけですよね。また全然夏っぽくないメロディだったとしても、夏らしい歌詞をのせる事は可能だし、反対に夏っぽい曲調だからこそ、切ない内容の方が良い事もあります。
●歌詞が完成された後に、アレンジをどんな風に変えたんでしょうか?
志音:最初に作った時よりも、もっと聴きやすいバラード寄りの歌モノに近付けました。バンド・サウンドを前に出すというよりは、歌詞の世界観にぐっと寄って歌を引き立たせる事に徹する形というか。大袈裟に言うと海の音を入れても似合う様な形にまで持っていったんです。
荒神:歌なしで演奏を聴いても「SUNSET」というタイトルがピッタリ当てはまるアレンジでした。ただ、あまりにも夏っぽ過ぎるのも違うのかな、と言う事で結局みんなで話し合って今の形に収まりました。
●サウンドによって歌詞のテーマやシーンが変わってくるのでしょうか?
志音:志音君はギターの音だけで季節感のある曲を作るのが抜群に上手いんですよ。聴いた瞬間に”あっ、冬だ!“って分かる事も良くあるんです。そういう時は素直に書く事もあれば、敢えて季節から離れた歌詞にして、バランスを取る事もあります。
●色々試しながら最終的な形に落ち着くというのも、音楽制作の醍醐味というか、そのプロセスが楽しいですよね。
志音:はい。僕らの場合はプロデューサーもいますし、やり取りの中で曲の趣向が変わる事もありますけど、それも含めてやりがいがありますね。
荒神:予めいくつかのパターンを作ってみて、どれが良いか話し合うという形をとっていますね。
●村上さんと山口さんは、この曲を聴いた時はどんな印象を持ちましたか?
村上:初っぱなからすごく夏を感じましたね。サビのメロディも夕暮れ時な雰囲気で、電車か車か何かに乗って、海辺を走っているイメージが浮かびましたね。実際、新幹線で移動していて海辺を走っている時にこの曲を聴いたんですけど、すごくマッチしていました。
山口:バッチリ夏を感じました。レコーディングする時も海の事を考えながらドラムを叩きましたね。”海に行きたい!“という気持ちが曲に詰まっているので、この曲を聴いた人も海に行きたくなったら良いなと思いますね。
●「SUNSET」というタイトルにしたのは、何か思う所があったのでしょうか?
荒神:物語的にしたかったのと、ちょっとくさい感じにしたいなというのがあったんですよ。そして”夏だ、イエーイ!“みたいな感じじゃなくて、さっきもお話した様に夏の日没の話をテーマに書いています。夏は楽しいというイメージが強いですけど、切ない部分もあるだろうと。例えば夏休みに子供が家に帰らないといけない時間になったら寂しくなるとか、そういうのは夜じゃなくて夕方なんじゃないかと思ったので、楽しそうな雰囲気も出しつつ、少し切ない感じを盛り込んでみました。
※この続きは誌面にて!!
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