倉木麻衣

10 th Anniversary Mai Kuraki
Live Tour 2009“BEST”
HAPPY HAPPY HALLOWEEN LIVE

2009.10.31@日本武道館


冬の訪れが感じられる様になった10月31日、日本武道館で[10 th Anniversary Mai Kuraki Live Tour 2009“BEST”HAPPY HAPPY HALLOWEEN LIVE]が行なわれた。開催発表時に“お祭り気分で楽しいライヴにしたい”と言っていた倉木のコメント通り、この日は会場外からスタッフに至るまでハロウィーン一色。会場に集った約1万人の観客は、ファンタジックな一夜を過ごす事になった。本誌では武道館史上初のハロウィーン・ライヴの模様をレポートする。(TEXT BY YUKI TACHIBANA)

日暮れを迎え、辺りが暗くなると、会場入り口付近に設置されたハロウィーン・オブジェがライト・アップ。入り口に掲げられた[10 th Anniversary Mai Kuraki Live Tour 2009“BEST”HAPPY HAPPY HALLOWEEN LIVE]の文字入りの看板には、お馴染みの10周年記念ロゴが魔女ルックのシルエットになったこの日だけのスペシャル・マークになって登場していた。グッズ売場のテントもブラック×オレンジのハロウィーン・カラー、スタッフもハロウィーン・アイテムを身に付ける等、細部にまで及んだ徹底振りに驚かされっぱなし。会場内に進むと、まず目に飛び込んできたのは、アリーナをぐるりと囲むランウェイだった。しかもそこにはピエロが登場し、ジャグリングやバルーン・アートでオーディエンスをおもてなし。レインボー・カラーのライトが場内を照らす中、既にショーは始まったも同然状態である。客席に目を向けると、仮装している人も確認出来た。ステージには大小様々なカボチャ、左右には家のセットがあり、1階席と2階席の最前列にはハロウィーン・カラーのタペストリーがずらり。通常の倉木麻衣のライヴとは異なるBGMが流れる中、会場は一夜限りのスペシャル・ナイトの幕開けを待ちわびる人々で埋め尽くされていた。

開演時間を迎えると、鐘の音と共に炎が上がり、怪し気なBGMにチェンジ。黒のシルクハットとマントを身に付けた4人がステージ上のピエロに接近し、ますます何かが起こりそうな雰囲気になっていく。ステージ中央に追い込まれたピエロがおびえる中、稲光りと共にスモークが立ち上ると、そこには巨大な城のセットをバックに立つ、黒のとんがりハットとマントに身を包んだ倉木麻衣の姿が……。どよめきと拍手が起こる中、披露されたのは「Fairy tale 〜my last teenage wish〜」だった。オープニングに相応しい1曲にオーディエンスも手拍子で応戦する。ダンサーを従えて歌う倉木の表情は凛々しく、このステージを成功させるんだという気迫も感じられた。ダンサーに囲まれて一旦姿が見えなくなった彼女が次に現れた時はマントとハットを外した状態に……。黒のミニ・ワンピースとニーハイ・ブーツ、そしてオレンジのグローブを身に付けた快活なコスチュームで「Revive」を熱っぽく歌い上げた後も、グルーヴィでセクシーな「Not that kind a girl」で更に引き付け、全く隙を与えない。様々な衣装で登場するダンサー陣が楽曲に華を添える中、今回のステージ用にアレンジされた神秘的な「Stepping ∞ Out」やミステリアスな雰囲気を帯びた「Kiss」を披露。予想不可能なラインナップに一喜一憂した序盤戦だったが、ここから更に目が離せない展開が待っていた。

場内がオルゴールの音色に包まれ、左右のスクリーンに“This book is about my story”という文字が映し出されると古書が開き、“POWER OF MUSIC”という文字と共に倉木の10年間の歩みが物語を読み進む様に紹介されていく。“Let's begin like a fantasy”という彼女のナレーションの後、ステージ上部に三日月が現れ、そこに左肩を大きく出したタイプのドレスに着替えた倉木の姿が……。ざわめきと拍手が起こる中、しっとりと「fantasy」が歌われる。左右のスクリーンには窓辺で戯れる妖精が映し出され、曲の終盤には三日月が15メートルの高さから緩やかな斜線を描いて降りてくるという演出。まさにファンタジックな世界が広がったステージを見て、オーディエンスが口々に“すごい”という言葉を発していたのも印象的だった。ここからはじっくりと聴かせるナンバーが続き、虹がかかったスクリーンをバックに彼女の大好きな曲の1つ「Over The Rainbow」のカヴァー、壮大なスケールの「明日へ架ける橋」、歌う度に深みが増している「Stay by my side」、艶やかさ全開の「Beautiful」と、エレガントなアレンジで魅了。カラフルなキーボートの音色と倉木のウィスパー・ヴォイスの相性がピッタリの「Secret of my heat」も、これまでのライヴで披露されたヴァージョンとは異なる味わいを放っていた。“皆さん、楽しんでいますか? 私にとって初のハロウィーン・ライヴに来て下さってありがとうございます”とにこやかに話す彼女はとても嬉しそう。その後に歌った「会いたくて...」では、彼女の想いが浸透した会場が水を打った様な静けさに包まれた。

その余韻を残しながらもライヴは進行。倉木が去った後のステージにはガイコツに扮したダンサーが現れ、エネルギッシュなダンスを披露。ビート音が大きくなった所で、ステージ上部にスパンコールのミニ・タイトのワンピースにポニーテールというセクシーかつキュートな衣装に着替えた倉木、そしてスペシャル・ゲストとして迎えられた黒のハットを深くかぶりスタイリッシュな出で立ちのマイケル・アフリックが登場すると、客席からは大歓声が起こった。ここで披露されたのはもちろん「NEVER GONNA GIVE YOU UP」。“クール”という言葉がピッタリの2人の掛け合いに会場は一気にヒート・アップし、ライヴは後半戦に突入した。サプライズはまだまだ続き、ここでは何と新曲を初披露。“スタジオでカッコいい曲が出来たので聴いて下さい!”と倉木が勢い良く言い放って始まった「Boyfriend」は、ビートの効いた刺激的なナンバーだった。彼女の強気なヴォーカルとマイケルの熱っぽい声が重なり、パワフルな音となって客席に押し寄せてくる。初めて耳にしたはずのオーディエンスもすぐに曲に引き込まれ、思い思いにリズムを取って楽しんでいた。大きな拍手に見送られてマイケルがステージを去った後もステージは熱を帯びたまま進行。ピンクのライトで妖艶な雰囲気に包まれる中、セクシーなダンスで魅せるダンサーを従えた倉木がしなやかに歌い上げる「wana」、スモークに覆われたステージの中央に立ち、彼女のクリア・ヴォイスが響き渡った「Season of love」と、表情豊かな楽曲で魅了していく。

※この続きは誌面にて!!

■倉木麻衣 OFFICIAL WEBSITE http://www.mai-kuraki.com/


倉木麻衣

LIVE DVD
「10TH ANNIVERSARY
MAI KURAKI LIVE TOUR“BEST”」

2009.12.23 RELEASE


NORTHERN MUSIC

★4枚組【300min超】
VNBM-7006〜9 ¥6,500(tax in)

[DISC1〜2]★特典映像: LIVE DOCUMENT
10th Anniversary Mai Kuraki Live Tour 2009 "BEST" 〜Best Party〜(7/4 at 幕張メッセイベントホール)

[DISC3〜4]★特典映像:DIGITAL LIVE PHOTO SELECTION
10th Anniversary Mai Kuraki Live Tour 2009 "BEST" 〜HAPPY HAPPY HALLOWEEN LIVE〜(10/31 at 日本武道館)